香港市場に投資を行うことも、立派に中国株投資です
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
水曜日のコンサルティングで
お客様(仮にAさんとします)から次のような質問を受けました。
「カンさん。この中国株ファンドなんですが、
持っていたら価格は戻ってくるものでしょうか..」
ファンドのパンフレットを拝見すると、
大陸の中国A株に投資を行う、アクティブファンドでした。
(しかも信託期間が10年。)
投資信託を持ち続けることによって、
その価格が戻ることは大いにあり得ます。
しかし、ここでの問題は、
中国株式に投資を行いたいAさんが、
その目的にふさわしい【道具】を
保有しているかどうかということ..。
中国株式とはいったい何でしょうか?
多くの人が条件反射的に、
「大陸中国に上場する株」と
イメージするのではないでしょうか。
もちろん、上記は
(定義的には)間違っていないと思います。
しかし、大陸の中国A株に投資を行うことが
戦略として正しいかどうかは別問題です。
わたくしはアドバイザーとして
中国A株に投資を行うことをお勧めしません。
なぜなら、中国A株は一部の機関投資家を除いて
外国人投資家に門戸を開いていないからです。
また、大陸市場は良い意味でも悪い意味でも、
中国共産党の意向に影響を受ける「官製市場」です。
それに、個人投資家の割合が非常に高く、
多くの人が短期売買に走っているのが現状です。
(端的に言って「特殊なマーケット」と言わざるを得ません)
ところで、
中国は社会主義の市場「大陸市場」の末端に、
資本主義の市場「香港」を抱えています。
皆さんご存知のように、
香港市場は情報開示が進んだ世界標準のマーケットです。
中国政府は制度矛盾を起こしてしまわないよう、
「大陸市場」、「香港市場」ふたつの市場の間に
「十分な距離」を置いた上で、
香港市場の資本主義的要素を(様子を見ながら)
少しずつ取り入れているのが現状です。
大陸市場と香港市場の間には、
深くて大きな河が流れているのです。
中国政府は資金調達のため中国の企業が
香港市場に上場することを奨励しています。
しかし、大陸市場に外国人投資家の資金や概念が
一挙に流入することは避けたいのが「本音」なのです。
(あくまで「漸進的」に物事が進むのが中国です。
しかし、株式市場でいえば、
シナリオのエンディングは決まっています。
2047年には、
ふたつの市場は「ひとつ」になるのですから..)
上記で述べた、
深くて大きな河を乗り越え、
【香港市場に上場できた中国企業のみ】を
投資対象とすることが、
戦略的な中国株式投資であると当オフィスは考えます。
(香港市場が「中国株式」の
ろ過紙の役割を果たしているのです..)
◆ 参照記事
【わが愛しのETF チャイナ・トラッカーファンド その2】
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晋陽FPオフィス
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