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2019.07.18 Thu
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
当オフィスのお客様から頂戴した
さまざまな『ご質問』に回答していく、
『お客様からの質問コーナー!』
第6回!
大友 義勝さま(仮名)70代 千葉県
【質問!】
ご無沙汰しています。当方70歳になり、
有料老人ホームへの一時出費も済み、
個別インデッックスファンドから、
世界経済インデックスファンド1本化へも8割方終了しました。
そうしますとリスク資産は
自動リ・バランスですので、必要なのは、
安全資産とリスク資産のリ・バランスだけになります。
この場合、安全資産とリスク資産の「比率」を定める、
なにか客観的な基準はあるのでしょうか?
まずは大友さん、
「資産管理」をシンプル化して、
ここまで辿り着かれたこと、
素晴らしいと思います。
そしてこれから先の管理も、
安全資産とリスク資産の
「リ・バランス」だけが必要となる旨、
まさにその通りです・・。
この、
「安全資産」と「リスク資産」の比率ですが、
客観的な基準があるわけではありません。
大友さんのご年齢に沿って申しますと、
結局のところ、
【次の世代に向けて】
以下A~C、
いずれを望まれるかがポイントとなります。
A 今より資産を増やしてバトンタッチしたいか。
B (名目上)現状の資産額をキープできればよいのか。
C 資産額は徐々に減っていってもよいのか。
不謹慎でたいへん恐縮なのですが、
自分が死ぬときに
上記A~C、
いずれを希望されるかによって、
「安全資産」と「リスク資産」の【適正比率】は
変わってくると思われます。

仮に大友さんの今の収入が、
「最低限の生活費」は満たせているとしましょう。
であれば、
C 資産額は徐々に減っていってもよいというケースでは、
「安全資産」「リスク資産」
60~70% 30~40% で十分でしょう。
B 現状の資産額をキープしようという場合は概ね、
「安全資産」「リスク資産」
50%程度 50%程度 で良いでしょう。
A 今より資産を増やしてバトンタッチされたい場合、
「安全資産」と「リスク資産」の比率は概ね、
30~40% 60~70% が必要となります。
以上は、
70歳の大友さんへのアドバイスです。
まだ「運用の道」を歩み始めたばかりの
30歳の米田さんが仮にここに居れば、
わたしのアドバイスは(とうぜん)違ってきます。

ほんとうに運用初期の頃は、
「安全資産」と「リスク資産」(投資信託)の割合を
考慮する必要はなく、
自分が無理なく始められ、
そして続けられそうな、
現実的な『投資額』そのものを重視すべきでしょう。
そこからリスクテイクする投資というものを経験され、
より本格的に続けられそうなら、
そのときはじめて、
「安全資産」と「リスク資産」(投資信託)の割合を
考慮してよいのです。
たとえば、
まだ若いからということで、
「生活防衛資金」のみを残して、
あとはすべて「リスク資産」(投資信託)に回す。
これは極論だとわたしは思います。
長い運用の途上は『マラソン』のようなもの。
走る人の「外的」環境、
そして「内的」環境などによって、
スピードの管理のしかたは
違ってくるのがふつうです。
たとえば一例ですが、
最初は「序走」
徐々にスピードを上げて「逓増」
スピードがマックスになり「満走」
徐々にスピードを下げ「逓減」
セカンドライフでの「安定走」

これだけでも5種類あるということは?
マラソンを走る中で、
5通りの「安全資産」と「リスク資産」の割合があっても、
ぜんぜんおかしくはないのです・・。
最後に、
わたしなら、
スピードがマックスになった「満走」状態でも、
「安全資産」と「リスク資産」(投資信託)の割合は
最低20% 最高80%程度 をアドバイスします。
実際、投資信託が
「暴落」してしまった場合に、
手元にある「いくばくかの安全資産」が
大きな『心の慰め』になることを
わたしは知っているからです。
大友さん、このたびはご質問ありがとうございました!
| ポートフォリオ運用
| 17:52
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2019.07.06 Sat
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
当オフィスのお客様から頂戴した
さまざまな『ご質問』に回答していく、
『お客様からの質問コーナー!』
第5回!
原田 喬太郎さま(仮名)50代 神奈川県
【質問!】
カンさんのブログを毎日楽しく読んでおります。
セミナーでもお世話になり、ありがとうございました。
わたしが現在所有している投資信託は10本で、
インデックスファンドが8、
アクティブファンドが2です。
国内株式、国内債券、
外国株式、外国債券を持っていて外国株式が多めです。
(投資信託を始めて2年弱になります。)
元々リスクなどについてはよく理解できておらず、
新興国株式、全世界株式、
8資産均等型のバランスファンドも
持っているうえに、
IFAに勧められたよく分からない
エンダウメントファンドもあります。
4つのアセットとバランスファンドを持っていることから、
すでに適度な「アセットアロケーション」が
出来ているのかもと思っています。
「アセットアロケーション」ってそれほど重要なのでしょうか。
原田さん、文章の端々から
原田さんが『分散』を心掛けておられるのは
こちらにも伝わってきます。
でも、ちょっとだけ立ち止まって考えてみませんか?
異なったアセット(資産)を組み合わせる・・=「分散」。
これ、とっても大切です。
が、
異なったアセット(資産)を組み合わせることを、
「アセットアロケーション」と云うのではありません。
原田さんになじむ
「リスクの大きさ」に則って、
異なるアセットを組み合わることを、
「アセットアロケーション」と呼ぶのです。

資産を『分散』させることは?
投資の前提条件ですね。
でも、それは十分条件ではありません。
(そもそも)投資を行うとは?
ひとりひとりが、
自分に合った「相応のリスク」を取り、
それに見合ったリターンを目指す行為です。
ですよね?)
<自分に見合ったリスクを取って、>
というところがポイントです。
1.自分がどの程度のリスクを負っているかを
知る。
2.そしてその「リスク量」が
自分に合っているかどうかを確認する。
3.もし自分が負うべき「リスク量」と
違いがある場合は、資産配分を変更する。
このようなプロセスがおそらく
必要になると思われます。
まず原田さん、
1.自分がどの程度のリスクを負っているか
ご存知ですか?
いただいた情報の中の
8資産均等型とエンダウメントファンドは
「バランス型のファンド」であり、
すでに各々のファンド内で、
複数のアセットを組み合わせています。
全世界株式も、
株式という資産の中で、
日本株、先進国株、新興国株を保有しています。
では、
運用されているトータル資産の中での
株式と、それ以外の資産の「保有割合」
(時価ベース)を原田さんは言えますでしょうか?
どうですか?)

あるいは、
運用されているトータル資産の中で、
国内株式、国内債券、
外国株式、外国債券、新興国株式、新興国債券、
国内REIT、外国REITの
それぞれの「保有割合」(時価ベース)を
原田さんは把握されておられますでしょうか?
上記こそが、
原田さんの「現状・アセットアロケーション」です。
仮に、
この組み合わせ比率を知らないまま、
運用を続けておられるとすると、
それは
これから先何キロ走るか知らないまま、
また、長く走ることの「意味合い」や
「リスク」を知らないまま、
マラソンを走り始めてしまっているのと
同じではないでしょうか。
(ちょっと怖いですよね?)

2.そしてその「リスク量」が
自分に合っているかどうかを確認する。
たとえば、2008年当時、
「株式50:債券50」という資産配分を持つ
バランスファンドでさえ、
以下のように、
マイナス30%以上のパフォーマンスを経験しています。

画像元:
(運用状況)セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
これから先、
最悪の1年に遭遇したとき、
原田さん自身は、運用資産額が
30%以上減ってしまっても
果たして大丈夫でしょうか?
運用資金の投入を続けられますか?
もし仮に「NO」なら、
少なくとも、株式より債券を多めにした
「アセットアロケーション」に変更すべきでしょう・・。

これは原田さんに限らず、
多くの投資初心者に見られる現象ですが、
「たくさん投資信託を持っている
= より高度に「分散」している。
= だから「安心だ」という心持ちに
なってしまうことが多々あります。
保有する投資信託の本数と、
安心の度合いは「比例」するものではないのです。
まずは
運用されているトータル資産の中で、
株式と、それ以外の資産の
「保有割合」(時価ベース)を算出されるのが急務でしょう。
原田さんになじむ
「リスクの大きさ」に則って、
異なるアセットを組み合わせている状態、
それこそが原田さんにとっての
「アセットアロケーション」ですから、
そこからズレが生じて、
リスクの取り過ぎになったり、
逆に、過小なリスクしか取っていない状況になれば、
どうでしょうか?
居心地が悪くなって当然だと思います。
なので、
元の「アセットアロケーション」に戻してあげる
『リ・バランス』が必要になってくるのです。
原田さん、このたびはご質問ありがとうございました!
暑さに負けず、4ヵ所縦断セミナー開催!
〇 7月13日(土)in 名古屋
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| 15:45
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2019.06.08 Sat
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
水瀬ケンイチさんの記事
『GDP比率と株式時価総額比率、今から投資するならどちらがよいのか』を読んで、
「なるほどなあ・・」と思いました。
そもそもGDPとは?
「経済の規模、大きさ」を表す指標ですから、
株式市場の規模とは別の物差しであるわけです。
株式市場(取引所)は
経済そのものというより、
資本(リスクマネー)のやり取りに特化した、
リスクテイカーたちの集まりの場。

経済の中でも
先行指標的な役割を担っており、
人々の希望と落胆の発露で
ときにその『数値』が大きくアップダウンします。
(GDPと比較すると顕著ですね!)
これは、
少しでも大きなリターンを求める市場参加者が、
各投資対象(株式)を
シビアなふるいに掛けるためです。
あなたが株式に投資する人なら、
「時価総額比率」で
自身の運用を捉えるのが王道でしょう。
(おまけに今の株式時価総額比率には
浮動株調整が入っていますし。)
水瀬さんはこう言います。
私は新興国のみならずインデックスの浮動株調整は、
投資家を守るための措置だと考えています。
たしかに。。

取引所で売買できる、
裸(はだか)の株式しか私たちは認めないわよ!
(=浮動株のみが「正当」なんだわよ)
という、
リスクテイカー(市場参加者)たちの矜持が聞こえてくるようです。
それに比してGDPは?
まあ、酸いも甘いも全部ひっくるめた
ザ・経済という感じの物差しなのです。
<以下、ちょっとした具体例>
仮にあなたが、
日本株式、先進国株式、新興国株式の
インデックスファンドを目の前にして、次のような疑問を持ったとしましょう。
カンさん。GDP比率で「組み入れ比率」を決めると、
それはまったく
「時価総額比率」から外れてしまうのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません!

そもそも、
組み合わせの材料である、
日本株式(TOPIX)先進国株式(MSCIコクサイ)、
新興国株式(MSCIエマージング)が「時価総額比率」ですから!
つまり、
あなたが「GDP比率」で
各投資対象を組み合わせたり、
あるいは、
世界経済インデックスファンドや、
SMT世界経済インデックス・オープンのような、
地域別(日本、先進国、新興国)のGDP比率に基づき、
各アセットクラスの比率を決定しているバランスファンドを保有しても、
その大元って何ですか?
つまり、各投資対象そのものは・・?
基本「時価総額比率」なのです。

図表)世界経済インデックスファンド(目論見書より)
対岸から、冷めた目で振り返ってみましょう。
よーく考えてみますと、
アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアと、
国別の『GDP比率』を元に作られた先進国株式のインデックスファンドって見当たりません・・。
はい、つまりは
日本株式(TOPIX)先進国株式(MSCIコクサイ)、
新興国株式(MSCIエマージング)を、
「時価総額比率」に基づき
組み合わせるあなたは、
〇 投資対象そのもの・・時価総額比率
〇 組み合わせ方・・ 時価総額比率
をチョイスしている人なのです。

仮にあなたが、
日本株式(TOPIX)先進国株式(MSCIコクサイ)、
新興国株式(MSCIエマージング)を、
「GDP比率」に基づき組み合わせていれば、
〇 投資対象そのもの・・時価総額比率
〇 組み合わせ方・・ GDP比率
をチョイスする人となります。
〇 投資対象そのもの・・時価総額比率
〇 組み合わせ方・・ 時価総額比率
を選んだとしても、
自分でポートフォリオを組んで、自分でメンテナンスを行う場合は、
結局のところ、「日本・先進国・新興国株式の時価総額比率」の変化をウォッチしながら、
リ・バランスの作業を行う必要がありますね。

だったら、最初から
ひとつの投資信託の中に、
「日本・先進国・新興国株式」がすべて入っており、
おまけに各投資対象の組み入れ比率を自動的に「時価総額の比率」に調整してくれる、「楽天・全世界株式・インデックスファンド」のような金融商品でも別にいいじゃん!となるわけです。
当該ファンドは
「投資対象そのもの・・時価総額比率。」
というシンプルさに帰結します。
そこには自分でコントロールする部分を
いっさい放棄した、
ある種の「潔さ」があると思いませんか?
| ポートフォリオ運用
| 20:48
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2019.05.31 Fri
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
誰でも「違う服」を着るのは、
けっこう勇気がいるものです。
でも(いざ)
新しい服を着てしまうと、
服に合わせて
あなた自身の見映えも変わってくるもの。
同じことは
資産運用でも起こります。
あなたはメモ帳片手に
これまで保有してきた
投資信託の「問題点」を列挙します。
〇 Bファンドは投資対象がちょっと狭い
〇 Dファンド、Fファンド、Hファンドは
けいぞくコストがちょっと高い
〇 あれ?「投資対象」が同じファンドを
3本も持っているわ
〇 AファンドとEファンドで
一部「投資対象」が重なっているなど・・。
そこで、あなたは
「これまでの投資信託たち」から、
「これからの投資信託たち」に
【お引っ越し】をし、
(すなわち『買い換え』をし)
「新たな運用の体制」を
目指すことにしたのです。

ところが・・、
あなたはこの機に及んで
身動きが取れなくなります。
「あーあ、わたしは今持っている
債券ファンドや株式ファンドを
いったん売らないといけないんだ・・」
そう考えると、
なかなか重い腰が上がりません。
それに今は、
米中の貿易摩擦、そして
次世代のハイテク覇権の争いで、
株式市場はこの先、
どんな反応を示してくるか読み切れません。
(大きく下がって来るかもしれません・・)
〇 果たしてこんなときに
【引っ越し】をしてもいいのか?
〇 もうちょっと待ったほうがいいのでは?
〇(そもそも)
どんなふうに引っ越しをすればいいの?
〇(そもそも)
「これまでの投資信託たち」を
ホントに全部売っちゃっていいの?
これって、誰もが思い悩む『問題』でしょう。
まず、申し上げたいのですが、
現時点での「ベスト」と思われる形に、
自分の資産運用を進化させようとしている
あなたの姿勢がまず、素晴らしいです!

(向上心を持っておられる証拠!)
で、
わたしなら、以下のようにアドバイスいたします。
仮に、
〇 従前に背負っていた「リスクの量」と
新たに背負うことになる「リスクの量」が
それほど変わらず、
〇 この先、資金を入れていく年月が
15~20年以上あるのなら、
「これまでの投資信託たち」から、
「これからの投資信託たち」に
きれいに【お引っ越し】をすることに賛成であり、
今、
エイヤー!といっぺんに
「売って」 ⇒「買って」の
【お引っ越し】をしてしまって問題ありません・・。
仮にあなたが
複数のインデックスファンドを組み合わせて、
「これからの投資信託たち」で
ポートフォリオを作るなら、
「eMAXIS Slim シリーズ」(三菱UFJ国際投信)
「購入・換金手数料なしシリーズ」(ニッセイアセットマネジメント)の中から選ばれれば問題ないでしょう。
あなたがやることは、
ファンドを「売る」ことではなく、
あくまで、
「売って」⇒「新たに買って」という、
【お引っ越し作業】です。
引っ越し後も、リスクを負って
資産運用を続けることに
なんら変わりはないわけです。
(ただ、間違っても、
「売って」と
「新たに買って」の間に
『タイムラグ』を空けたりしないよう・・)

市場(マーケット)の動向が
気になるのは重々分かりますが、
市場が、
あなたのために
存在すると思ってはいけません。
幸か不幸か、
マーケットのほうは
まったく『あなた』のことを、気にしてはいないのです。
あなたが、
「これまでの投資信託たち」を
保有し続けようと、
6月の第一週に
「これからの投資信託たち」に
きれいに【お引っ越し】をしようと、
市場(マーケット)そのものの動き方に
1ミリの違いも生じません・・。
ですから、
あなたはあなたの都合で、
ファンドの買い換えをしたり
新たに資金を入れたり、
ファンドを一部解約したりして良いわけです。
先は長いですから、
現時点で「ベスト」と思われる
運用体制に移行しようとする
あなたの選択は正しいのです。

| ポートフォリオ運用
| 17:32
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2019.03.02 Sat
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
灯台下暗し、とは
上手く言ったものです。
「株(カブ)なんて、
そんな汚く怖いモノなんか
触るものか!」
という人が、
株式会社で
働いていたりします(^^)
(実際、「株式のしくみ」の
恩恵を受けているのです)
→ たとえば、
いくつかの会社に増資を引き受けてもらい、
お勤めの会社が
(それで)設備投資を行って、
会社の利益が増え、
さっき
「株(カブ)なんて、
そんな怖いモノなんか触るか!」
と言っていた人のボーナスが、
増額されたりするわけです(^^)
また、
「投資のようなものには一切興味ないよ!」
という人の、
国民年金や厚生年金保険料は、
(GPIFを通じて)
内外の株式、債券などに
広範に分散され
「投資」されています。

GPIF『基本ポートフォリオ』
企業年金もそうですね。
「やっぱ郵貯の貯金がいちばん!」
と言っている人の
退職金の原資が、
(企業年金という大きなフクロの中で)
これまた内外の株式、債券などに
「分散投資」され、
そのお金のいくばくかが、
「郵貯の貯金がいちばん!」
と言っていた人の
企業年金となって支給され、
その人の『老後の生活』を
支えたりするわけです(^^)
・・まあ、
投資と完全に無縁な人なんて、
ほとんどおられないのでは・・。
灯台下暗しの、
【灯台】を冷めた目で見上げてみると、
〇 他人の
〇 大規模なお金を
〇 運用している主体は、
ほぼ例外なく、
『長期』で『分散』しながら
『低コスト』を心掛け、
運用を行っています。
その理由は?
なんとなく「気分」で運用をして、
大事なお金を
減らすわけにはいかないからです!
『未来 = 不確定』という
過酷な前提の中で、
長い目で見て
(大きく減らさずに)
資産を増やしていくためには
一体どうすればよいのか?
その『最適解』を、
試行錯誤を繰り返しながら、
探し求めているわけですね。
企業年金の運用について、
日経新聞電子版のこちらの記事内に
興味深い『図表』を見つけました。
(2018年6月27日付 記事)

(上記は
JPモルガン・アセット・マネジメントが
国内の確定拠出型の年金基金などを対象に調査。
123の年金から回答を得て作成したもの)
図表内にも、
「オルタナティブ投資の比率が高まっている」
とありますが、
特に
私募不動産投資信託への需要が
高くなっているようです。
(オルタナティブとは、
「代替可能な」の意で、
不動産やコモディティ、未公開株などを指します)
二つ目の特徴は、
国内債券の割合が年々減り、
(それに比して)外国債券の割合が増していること。
※ これは明らかにマイナス金利の影響でしょう。
そして三つ目、
株式の中で見ると、
【日本株式の割合が
年々減っていることが分かります。】
日本の企業年金の運用といえども、
「日本の資産」を
特別視していないことが分かります。
(冷めた目で、
大局的に投資対象を見ている証左でしょう)

このような企業年金の運用は、
私たち個人投資家に
大きな【示唆】を与えてくれます。
ズバリ、
企業年金の担当者は
「やりたい運用」はやりません。
長期に渡って
(大きく減らさずに)
資産を増やしていくためには
どうすればよいのか?
それをいつも頭の隅に置きながら、
「やるべき運用」を実践しているのです。
(→ その結果「長期」「分散」
「低コスト」になっているに過ぎません・・)
あなたは
「やりたい運用」「やるべき運用」
どちらを行っていますか?
| ポートフォリオ運用
| 18:16
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2019.02.11 Mon
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
昨日、じゅん@さんの
以下記事を拝見しました。
【ウェルスナビ(Wealth Navi)解約しました。利用してわかった良い点と悪い点。】
この中で
じゅん@さんは、
ウェルスナビの
『資産運用アルゴリズム』に触れられています。
コチラになります(PDFファイル)
恥ずかしながら、
わたしは昨日はじめて見ました。
「で、感想は?」
「わたしが言いたいことと
ほぼ同じではありませんか!」
(じゅん@さんもおっしゃっていますが、
資産配分の骨太の考え方を学ぶのに、
とっても勉強になりますよ。)
〇 忙しい30代~50代の
資産形成に取り組むビジネスパーソンに向けて、
〇 長期・つみたて・分散という
まっとうな投資理論を説いている。
〇 米国市場上場のETFを用いている。
(インデックス運用!)
こちらの動画では、
ノーベル賞受賞の
理論に基づくアルゴリズムにより、
長期運用に最適なポートフォリオを生成、
と謳っています。
つまり?
つまりは、
各資産クラスの『期待リターン』、
そして『リスクの大きさ』、
資産クラス間の『相関係数』という
「3つの数字」から、
あなたに合った
最適な『ポートフォリオ』を算出し
管理していきますよと
言ってくれているわけです。

そう、
やっていることは至極まっとう!
機関投資家も実践している
世界標準の「資産運用」を、
手軽にスマホで実現できる点については
大いに評価できます。
また、投資一任契約で
すべてお任せ(全自動)ですから、
もっとも大きな効用は
「自動リバランス」でしょう。
私たちって、
大きく下がったモノは
まだまだ下がるのではないか?と、
「リバランス」しにくい。
(つまり、買い増ししにくい)
逆に、
どんどん上がっているモノは、
まだまだ上がるのではないか?と、
「リバランス」しにくい。
(つまり、一部解約しにくい)
このような
私たちの『心理的な壁』を
取り払ってくれる効用は
とても大きいと思います。
ただ、
『自動リバランス』なら、
インデックス型のバランスファンドも
やってくれますね。
ウェルスナビは
米国上場のETFを組み合わせるため、
「ETFの分配金を再投資しています」
とアピールしますが、
インデックス・ファンドでは
(分配金は)そもそも、
自動で再投資できます。
また、自動つみたてという効用も、
インデックス・ファンドで同様に得られます。

「でも。カンさん。
バランスファンドって
【個別のポートフォリオ】ではなく、
そのバランスファンドの
資産配分に、
私たちのほうが合わせる。
いわば
集団ポートフォリオに
なっていますよね?」
はい、その通りです・・。
しかし、よく考えてみますと
ウェルスナビも
資産クラスは基本、
「米国株」「日欧株」「新興国株」、
債券は
「米国債券」「物価連動債」、
そして「金(ゴールド)」
「不動産」というふうに
【分け方】が予め決められていて、
リスクの許容度によって、
『株式』
『債券』
『金・不動産』の割合が
違ってくるというイメージです。
また、ウェルスナビは
国際分散投資を掲げ、
為替手数料、売買委託手数料などは
ゼロと謳っています。
ただし、
けいぞくコストは年1%かかります。

そもそも
「インデックス投資」を
実践する理由のひとつは?
低コスト?
「そう、ですね。」
トータルコストを抑えて、
あなたの実績リターンを底上げするため、
ですよね?
運用をお任せしているという点では、
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」
などは、
継続コスト(運用管理費用)が
年0.17172%(税込)ぽっきりです。
ここ、逆説的なのですが、
ウェルスナビは
ポートフォリオを維持管理し、
インデックス投資を
愚直に実践するしくみだからこそ、
この1%の年間経費(ハードル)を
跳ねのけて、
超過のリターンを得るのは難しいとわたしは考えます。
【ご参考】
同種のサービスですが、
アメリカの「Wealthfront」では
年間経費が 0.25%となっています。

| ポートフォリオ運用
| 17:21
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