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2019.10.13 Sun
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
昨日は台風でずっと家にいたので、
竹川美奈子さんの
『50歳から始める! 老後のお金の不安がなくなる本』をじっくり読みました。
わたしは今年51歳なので、
「50歳から始める!」と言われると、
ちょっと条件反射してしまいます(^^)
この本は、
50歳近辺にいるあなたが、
ただ漠然と老後に対して不安を感じる前に、
あなた自身のお金まわりを
『整理整頓しましょう』という本です。
たとえば、平均的な論法による
「お金って2000万円足りないよ!」
という情報を鵜呑みにして、
自身の【客観的状況】を把握せずに、
あっ、足りない
→ 投資しないと!
→ どのファンドにするべき?
→ これ買っとこう!というのは、
本当はもっともしてはいけない
『近視眼的発想』です。
別に投資に限りませんが、
「全体像」が見えてはじめて、
適切な『第一歩』を踏み出せるのでは?
竹川さんは
私たちのはやる気持ちを抑えるように、
本書の中で家計や資産の
【見える化】を図りましょう、
そしてお金の『全体像』を知りましょうと唱えます。
その1)
個人も「年に1回、決算しましょう」
という考え方
本書では、
損益計算書とバランスシートの作り方が
具体的に解説されていて、
この2つのセットで見えてくるものがある、
と言及されています。
(要は、健全な収支の積み重ねが
良いバランスシートを作っていくわけです。)

その2)
「公的年金についてきちんと知ろう」
老後について感情的に心配する前に、
そもそも
ねんきん定期便の見方って知っていますか?
本書では、
50歳以上と50歳未満に分けて、
『ねんきん定期便』の詳しい解説が為されています。
もちろん、
公的年金の基本的な考え方についても学べます。
(セカンドライフの「根幹」ですから。)
その3)
「退職給付制度」という枠組みをきちんと押さえている
本書で圧巻だったのは、
『退職給付制度』という枠組みから、
・退職一時金
・企業型確定拠出年金
・確定給付企業年金 それぞれについて、
さまざまなパターンを想定し、
具体的に制度内容について言及している点です。
(ココ、かなりリサーチされていると感じました。)
50歳とは、
「老後」「退職後」を意識し始める年です。
ほんとうは自身の資産運用を、
「いつから」「どの程度」
「どれくらいの期間」するかを決める前に、
老後の生活の根幹を成す、
・公的年金
・退職一時金
・確定給付企業年金
・確定拠出年金(企業型)について
しっかり「知る」ことが先だと思いませんか?
この【土台】の上に、
〇 課税口座での資産運用
〇 つみたてNISA、
iDeCo(個人型確定拠出年金)での運用を、
落とし込んでいくという「流れ」があってしかるべきなのです。

最後に、
その4)
どうお金をもらっていくかという「出口戦略」
ここでも、
・確定給付企業年金と、
・確定拠出年金(企業型)の
「受取り」に関する細かい違いにつて
丁寧に解説されています。
また、iDeCoの受取りに関して、
一時金と年金の「併給」を選択する場合、
(これはSBI証券では出来ない)
〇 一時金の割合が
10~90%で25%刻みで指定できる
窓口(運営管理機関)もあれば、
〇 一時金の割合10~90%で
10%刻みまで指定できる
窓口(運営管理機関)もあることなど、
正直、わたしも知らないことがたくさんありました。
老後に関わる制度全般をしっかり網羅しながらも、
あなた自身の状況に落とし込み、
自分なりの【最適解】を導くことがいかに重要であるかが、
本書を読めば分かるはずです。
竹川さんの本を貫く骨太の主張、
それは
「知るべきことをきちんと知ることが、
不安を解消するいちばんの近道。」
ということなのです。
老後のお金について
必要以上に心配してしまっている人に
ぜひ手に取っていただきたいと思います。
<こちらの書評もどうぞ!>
○ 【お盆休みは、NightWalkerさんの『世界一ラクなお金の増やし方 #インデックス投資はじめました』を読んでみよう!】
○ 【年末年始は、水瀬ケンイチ著『お金は寝かせて増やしなさい』を読んでみるべし】
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| 17:40
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2019.09.13 Fri
こんにちは。カン・チュンド です。
(今日は投資とは関係のない話です。)
正直、年を重ねると、感動しにくくなります。
(知っていることが多くなるからでしょうか?)
週末、友だちと一緒に飲んでいる居酒屋さんでも、
毎朝の通勤風景の中にある大きな樫の木でも、
鏡に映った自分の顔でもいいのですが、
ふと「あれ、ワタシってここで行き止まりなの?」
と思う瞬間が、
あなたにはあるでしょうか?
えっ、
わたしにはありますよ。
(ちょうどそういう年頃なのでしょう・・)

数年前から、
「これからの時間」より
「これまでの時間」のほうが
もはや長いのだと自覚し始めました。
55歳や60歳になれば、
今よりもっと、
「これからの時間」より
「これまでの時間」のほうが長くなるわけで・・。
それは、
捉え方によっては
自分が【変わる、飛躍する】スペースが
どんどん小さくなることを意味します。
なんと言いますか、
既知の存在が、
未知の存在を
どんどん凌駕していき、
自分が(今のままで)どんどん固まっていく・・
そんな感じでしょうか?
(ちょっとした怖さを覚えます。)
とはいえ、
人は「諦めの悪い生き物」ですから、
「もしかしたら、
ワタシ自身が気付いていないわたしが
まだいるのでは?」とか、
「ある出来事をきっかけに、
ワタシの進路って大きく変わるのでは?」と
どこかで期待している自分もいるのです(^^)

わたしは今、
「ある出来事をきっかけに、
ワタシの進路って大きく変わるのでは?」
と言いましたが、
読み返してみると
ニュアンスとしては、
『ワタシ』と
『外の世界(出来事)』を、
完全に分けて捉えているように思えます。
「外の世界」になんらかの作用があって、
ポンと出来事が起こり、
それがワタシを変えてくれる?
でも、ホントにそうでしょうか?
「外の世界」「世の中」「社会」、
いろいろな言い方がありますが、
よーく考えてみますと、
あなたと社会は
まったく分離しているわけではありません。
あなたもわたしも、
外の世界(世の中)を構成する者のひとりであります。
向こうからなにか運命的に「変化のタネ」が
飛んできて、
ワタシを変えてくれるとかは本当は「なくて」、
結局のところ、
「変化のタネ」は自分でせっせと
蒔いていくしかないわけで・・。
66歳でも51歳でも30歳でも、
ただ「未来」を座して待っているだけなら、
心身はどんどん固まってしまいます。
『どんな明日が訪れるかは、
今日の自分の行動しだい。』
と思わないと、
生活にもハリが生まれないでしょう。

それでも、
どうしようもなく無気力になるときもあって、
わたしの場合、
自分がくじけそうになったときは、
「国立西洋美術館」に行ったり、
長渕剛の「西新宿の親父の唄」を聴いたり、
村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」の
以下の一節を読み返したりしています。
羊男はこう言います。
以下、引用)
「踊るんだよ」
「音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。
おいらの言っていることはわかるかい?
踊るんだ。
踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。
意味なんてことは考えちゃいけない。
意味なんてもともとないんだ。」
引用、終わり)
この小説は
心の葛藤のファンタジーです。
読む人によって
好き・嫌いは分かれると思いますが、
三連休中、どっぷり寓話にはまってみたい人にはおススメですよ。
ようやくKindle(キンドル)でも読めるようになりました(^^)
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2018.08.10 Fri
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
わたしがNightWalkerさんに
はじめてお会いしたのは、
たしか2008年のこと。
(もう10年も前なのですね!)
わたしはNightWalker’s ブログの
ヘビー読者なのですが、
感心するのはいつも
文章が【簡潔】である点!
インデックス投資がそうであるように、
文章がシンプルであることは、
とても「洗練された行為」なのです。
本書、
『世界一ラクなお金の増やし方 #インデックス投資はじめました』でも、
ご本人が書いておられるように、
居酒屋さんで
優しい上司に
レクチャーを受けている雰囲気が満載!(^^;

(あっ、本物のNightWalkerさんは、
もっとスリムでいらっしゃいます・・(^^;)
すでに多くの人が
書評を書いておられるので、
わたしは
インデックス仙人?が、
本書において散りばめた【名言】に
フォーカスしたいと思います。
【はじめに】
お金があったおかげで
私は自由と時間を買えました。
何気ない言葉ですが、
ズシーンと響きます。
ふつうの生活者が
資産形成を行う目的は、
結局のところ、
生き方の「選択肢」を
広げるためではないでしょうか。
【第2章】
私も自分のリスク許容度がわかるのに
投資を始めてから、10年くらいかかりました。
・・そうなのですね!
リスク許容度は、
【数字】(理屈)というよりは、
スポーツに近いところがあると思います。
つまり、
同じ運動を反復する中で、
体で理解する【感覚】の要素が
多分にあるのです。
つまり?
つまり、
とにかく小さく始めてみることって大事。
最初の段階では、
「リスク許容度ってこんな風に
のんびり考えてもいいんだな」
まさにそう!
このお言葉は、
投資ビギナーのハードルを
ずいぶん下げてくれるのではないでしょうか。

【第3章】
「つみたて投資」なら黙っていても
「買い場」に出会う
(中略)
「買い場」は、
後になってわかるものなのです。
はい、その通りなのです・・。
たとえば、
「あーあ、あのとき始めていればなあ・・」
というセリフは、
投資を始められないビギナーから、
頻繁に聞かれる言葉です。
★ でも、
「あのとき」が分からないのが、
投資なのでは・・。
NightWalkerさんは
ファンドの価格が下がっていって、
損益がマイナスになって
「落ち込んでしまうよ」という局面を、
【買い場】と表現して、
逆に「チャンスだよ」と説きます。
そして、
本書の中で、
わたしがいちばん好きな言葉がこれ。
「買い場」とは、
過ぎ去りし青春の日々みたいなもの
嗚呼、
なんと文学的なのでしょう!
大きな下落を伴う絶好のチャンスは、
それが訪れているときは
もう、耐えるのに必死で、
それが「またとない買い場」であるとは、
えてして「あとで」気付くものなのです。
そう、青春と一緒。。
【第4章】
勝手に育つ。
儲けようと考えない方がより育つ。
これも真理でしょう。
投資とは(本質的に)
他力本願ですから、
あなたと投資対象が、
距離を保っていたほうが、
結果として(投資は)続けやすくなります。

実は『第5章』で、
NightWalkerさんは奥様の例を
紹介されています。
奥様はリーマンショック直前に
つみたて投資を始められ、
なんと8年間も「放ったらかし」に
されていたとか・・。
(そして、資産はちゃんと増えていた。)
あっ、
リ・バランスが必要なかったのは、
奥様がバランスファンドを購入していたためです。
NightWalkerさんは
水瀬ケンイチさんと同じく
リーマンショック(暴落)の経験者です。
NightWalkerさん自身が
暴落を
やり過ごせた要因を次のように語っておられます。
【第5章】
・積立を継続する。
・無リスク資産をしっかり持つ。
・収入を得るため働く。
まさにシンプルなのです。
そして、
NightWalker's 法則 とでも言うべきが、
【第7章】
「一生カウチポテト仮説」
一生、リスク資産と無リスク資産の比率を
1:1にしても良かったんじゃないか
実は本書でわたしがもっとも、
「なるほど・・!」と唸ったのが上記なのです。
ずっと、
リスク資産と無リスク資産の比率を
1:1にする。
これは、
一見シンプルに見えて、
とても意味が深いと合点いたしました。
その内容は・・・、
ぜひ本書をお読みください(^^)
まあ、ともかく、
もし、
NightWalkerさんのような上司が
一つの会社におひとりでもいれば、
無理のない長期投資の作法って
黙っていても広まるような気がします(^^;
お盆休みにぜひ、
『世界一ラクなお金の増やし方』を読んでみませんか?
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| 12:47
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2017.12.21 Thu
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
すでにたくさんのブロガーさんが、
水瀬ケンイチさん初の単著
『お金は寝かせて増やしなさい』を紹介されています。
わたしもじっくり読みましたよ!
本書は、
この1、2年でインデックス投資を始め、
なんだか知らないけど、
評価損益がプラスになっていて、
「なんだ、インデックス投資ってカンタンなんだ」と、
ちょっとウキウキしている人に、
ぜひ読んでもらいたい書籍です。
水瀬さんも
本書で言われていますが、
「インデックス投資は
始めるのはカンタンですが、続けるのは難しい」
(まさにそう・・)
よく、
インデックスファンドに
長期投資することによって、
世界経済の成長の伸びしろを獲得する。
という言い方をしますが、
この言葉が持つ「重み」や、
「困難性」を愚直に再現し、
長期でまさに「それ」をやってきた
息づかいが伝わってくるのが本書です。

この本には
含蓄のあることばが
散りばめられていますが、
いくつか拾ってみましょう・・。
金融機関が売りたい商品と、
投資家が必要な商品が違うからです。
何度も繰り返しますが、リターンではなく、
リスクから資産配分を決めるという
手順を間違えないでください。
世界中に分散したインデックスファンドを
積み立て投資して長期保有すること。
(インデックス投資の↑見事な定義ですね)
資本主義経済の成長という
果実を享受するのには、
長い時間が必要なのです。
お金はインデックス投資でひたすら寝かせて、
空いた時間で人生を楽しもう!
また、ほんとうは
不要のままが良いのですが、
この先、マーケットにおいて
どのような気まぐれ、
激変が起こるか分かりません・・。
そのような事態に備えるべく、
第4章の
『どうしても売りたくなったときに
ふれるべき言葉』を熟読しておくことは、
とても有益だと思います。

そして、第5章の
「涙と苦労のインデックス投資家15年実践記」は、
この先、
インデックス投資が
もっとメジャーになった暁に、
パイオニアの奮闘記として
多くの人に記憶されることになるのでは・・。
特にリーマンショックの際、
誹謗中傷の嵐にもまれながらも、
水瀬さんがブログを止めずに続けたこと。
ブロガーの皆さんには
頷いてもらえると思いますが、
(投資と同様)、
ブログ運営も実は孤独な営みなのです・・。
わたしの勝手な推測ですが、
水瀬さんにとって
ブログを止めずに続けることが、
投資を止めずに続ける
『応援歌』になっていたのではないでしょうか。
また、
投資を止めずに続けることが、
まるで双生児のように、
ブログを続ける力になっていたのでは、
と推察します。
最後に、
以下エピローグの言葉、
ちょっとシビレます・・。
寝かせて増やすことはつまり
人の未来を信じるということ。
(年末年始、じっくり読んでみられることを
お勧めします(^^)
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| 13:14
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2017.07.21 Fri
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
【吊られた男の投資ブログ (インデックス投資)】で
お馴染みの、
吊ら男(つらお)さんの新刊を読みました。
「読んでみての感想は?」
はい、とにかく歯切れがいい!
いつも通り論理的で、
でも語り口は自然体・・。
わたしが「なるほど・・」と思ったのは、
リスク許容度に関する記述のところです。
『どのくらいの損失を許せるのか・・』
これって
(投資における)永遠の課題ですが、
でも、この話を切り出す前に、
私たちが知っておくべきことがひとつあります。
それは、
仮に株式ファンドに投資をしたら、
最悪の場合、
【どれくらいのマイナスになるのか】の
具体的なイメージです。
吊ら男さんはこれについて、
世界の株式に分散投資していた場合で
マイナス60%といったところでしょう。
とズバリ記しています。
(実はさらに具体的な記述があって、
日経平均株価が2007年6月20日から、
2008年10月28日にかけて
マイナス61.8%になったという
事実も記されています)
つまり、
最悪のケースの具体的な記述
(約マイナス60%)があってはじめて、
投資に回せる金額ベースも決まってくる
ということ・・。
まさに投資を実践している
一投資家(本書ふうにいうとサラリーマン投資家)
であるからこそ、
ズバリ本質を突いた表現になっているのです。
そして、
吊ら男さんといえば、
『投資詐欺』です。
??
(あっ、あくまでわたしの印象ですよ(^^;)
吊ら男さんは過去にも(ブログ内で)
一見すると「美味しそうな?投資対象」について、
バッサリ斬るような記事を多数書かれています。
わたしは恥ずかしながら本書で初めて、
「ポンジー・スキーム」という言葉を知りました。
吊ら男さんいわく、
いちばん簡単な投資詐欺のやり方なのだそう。
『ポンジー・スキーム』とは、
実際は謳われていた投資対象には投資をせず、
集めてきたお金を
先に買ってくれた人の配当金として
回していくスキームのこと。
(まあ、詐欺の典型ですね・・)
本書では、
和牛オーナーも、
米国の診療報酬請求債権(MARS)も
ワインファンドも、
すべてこの
『ポンジー・スキーム』であった
と記しています。
投資先が一般的でないものに、
あえてチャレンジする必要はありません。
吊ら男さんはこう喝破します。

そして(読んでいて)
思わず笑ってしまったのが、
次の、
◇ マジメ系ボッタクリに気を付ける
です。⇒ 金融機関のことを指していますね(^^)
合法的ボッタクリ投資として、
・外貨預金
・手数料の高い投資信託
・ファンドラップ
・貯蓄型の生命保険
・仕組債
を挙げられています。
そして、
うまい言い方をされるなあー
と思ったのが、
『株式投資』についての説明のところ。
成果のおすそわけ
そう、吊ら男さんは言われます。
「社員の皆さん、頑張って働いて、
利益を上げて、株主である私に
その利益の一部を株主に還元してね」
これが株式を持つことの
本質的な意味であるわけです。
でも短期的に
「利益!利益!」といっても、
利益はそもそも不確実なものなので、
(株式投資を)長期でやるわけですが、
すごい勝ち組の会社も、
長い目で見るとどうなるか分からないので、
たとえば、
同じ業界の会社に分散して投資する。
(でもひとつの業界の会社群も、
競争で負けてしまい
潰れてしまう恐れがあるから)、
一国の
「日本株式会社」に投資をしてしまうのは
どうだろう?
いや、もっと広げて海外の国の株式にも
投資をして、
世界中の多くの会社の株に分散投資
というふうに話が展開されます。
(投資対象がどんどんズームアウト
していくようで分かりやすい!)

最後に、
「なぜズボラ投資は儲かるの?」
という疑問に対しても、
吊ら男さんはきちんと(論理的に)
答えられています。
(それは・・本書の第3章を見てのお楽しみ!)
(ちなみに)
わたしが本書でいちばん気に入った言葉は、
◇ 投資は努力が報われない
です(^^;)
そういえば、
今、水瀬ケンイチさんも新しい本を
執筆中とのこと。コチラの記事より。
著名なブロガーの人たちが
次々と本を出版するという今の現実は、
資産運用における
情報の非対称性が、
崩れかかっていることと、
大いに関係しているとわたしは思います。
自分のお金で実際に投資をしている人が
自分の経験をもとに、
資産運用の本を書く。
そこでは、
ホンネの言葉や、本質の行いが
当たり前に披露されますから、
建前上の言葉や、建前上の行為は、
どんどん価値(意味)を失っていくわけです。
お金を頂戴して
相談業務というサービスを
提供する者として、
また、プロとして、
今まさに電子書籍を
書いている身として、
すさまじい緊張を感じます・・。
ただし、上記の事実は、
これまでいかに(資産運用業界が)
建前の言葉で固められた
虚飾の世界であったかの
【裏返し】でもあるのです・・。
『毎月10分のチェックで1000万増やす!
庶民のためのズボラ投資』(吊ら男 著)
| 書評・映画・美術評
| 19:35
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2016.04.02 Sat
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
クルマは、
人が操ることで、
はじめて動き出します(= 機能します)
【人がいない】クルマは、
(ただの)「鉄のかたまり」ですね。
投資も同じです。
投資を実践する【ヒト】が
ほんとうは主人公であり、
道具として利用する金融商品は
単なる「モノ」に過ぎません・・。
ところが、
これまでの『投資本』は
どちらかというと、
「こんなクルマがいいですよ」
「クルマ選びのノウハウ123!」
「こんなクルマは買ってはダメ。」
みたいに、
クルマ = 金融商品 にフォーカスした
情報を送り続けてきた感があります。
(あっ、わたしも含めてですが・・(-_-;)
そういった意味で、
竹川美奈子さんの新著、
【臆病な人でもうまくいく投資法】(プレジデント社)
は、
今までの『投資本』とは
一線を画していると思います。
この本は、
11人の投資の実践者の
【体験談】がメインとなっているのです。
(なのでサブタイルは、
「お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話」)
11人の中には、
〇 劇団四季を観るのが好きな人もいれば、
〇 お子様との時間を大切にするパパもいれば、
〇 歴史小説が好きな人、
〇 写真が趣味の人もいます。
皆さん、
投資の履歴の長さも違いますし、
利用する金融商品も違います。
でも、
(これまでの失敗談も含め)
自分がどんなふうに投資と出会い、
どんなふうに試行錯誤して、
現在のスタイルを持つに至ったのかを
訥々と語ってくれています。
本書はまさに、
投資という行いの
【利用者の声】を集めた
【口コミ・ガイド本】なのです。
11人の投資に対する考え方は、
実にさまざまですが、
共通するのは、
〇 自分で考え、
〇 自分で納得して、
〇 日常生活の中で投資を位置づけ、
〇 コツコツ続けている。
という点でしょう。
そこからは、
投資だけでなく、
生活全般に対して
『自分らしさ』を求める
真摯な姿が浮かび上がってきます。

たとえば、
この本を誰に
読んでいただきたいかというと、
(ごめんなさい・・)
【あなた】ではありません。
できれば、
投資 = 『こわい・難しい・胡散臭い』
と思い込んでおられる、
「あなた」のご家族、
「あなた」のご友人、
「あなた」のお知り合い、
そして「あなた」の大切な人、
に読んでいただきたいのです。
(そして、
普段着の投資を実践している、
フツーの人の声を
聞いてみて欲しいのです・・)
本書をお読みいただければ、
「なにこれ・・?
投資って
フツーの人が
こんな何気にやるものなの?」
という、
【清涼飲料水的・ギャップ】が起こることでしょう。

(でも、一点注意は、
たとえば、
あなたの配偶者に読んで欲しいのなら、
決して「これ、読んでみなよ」
と無理強いせず、
ベッドの横の
サイドテーブルの上に、
なにげに置いておくとか、
まずはそういった感じで
スローにスタートしたほうがよいと思います・・)
また本書では、
金融商品そのもの、
ポートフォリオや
投資の成績だけでなく、
フツーの人が
フツーに感じた
【投資の意義】のようなものも
垣間見ることができます。
たとえば、
第5章で登場する
下山俊一さん(41歳)は
次のように語っておられます。
投資の本来の目的は、
資金を必要とする人に
自分のお金を融通して、
広く世の中の役に立つように
使ってもらうことです。
自分の代わりに
お金に社会で働いてもらうこと、
ともいえます。
(中略)
社会のためにお金が投資されて、
その結果、
自分のお金もふえればいいと思っています。
いい言葉、ですね。
このような倫理観を持って
投資を行っている人がいるんだ、
という『驚き』も
また【清涼飲料水的】ではないでしょうか・・。
投資とは、
「利得を目指す行為」であると同時に、
「世の中に対する還元行為」でもあるわけです。
※ 個人的には第3章で、
バランス型ファンドを保有するに至った
河本ゆかりさん(30歳)、
そして、バランス型ファンド+
インデックスファンドという形態に
至った柴崎亮さん(37歳)の、
『投資スタイル到達のプロセス』が面白かったです。
【臆病な人でもうまくいく投資法】(プレジデント社)
第1章
投資信託を使った積立投資は
なぜ最適の資産形成法なのか?
第2章
低コストのインデックスファンドを組み合わせて、
世界に丸ごと分散投資する方法
第3章
たった1本保有するだけで、簡単&手軽に
国際分散投資ができるバランス型投信の活用法
第4章
「非課税」という武器を最大限に生かす
確定拠出年金を使った投資法
第5章 自分が応援したい会社や事業を
投資家という立場でサポートし、
長期的なリターンを得る方法
第6章 コツコツ投資を始める前に
押さえておきたい7つのこと
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