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2019.05.04 Sat
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
わたしは1991年と2010年、
二度にわたってインドを訪れています。
双方の旅で感じた『落差』は、
わたしの人生の中でも特筆すべきものでした。
91年 2010年
ニューデリーには 牛がいない!?
牛がいっぱい。
みんな民族衣装。 ジーンズ履いている若者多数!
みんなチャイ飲む。 コーヒーショップ乱立!
何より驚いたのは2010年、
サウスデリーのレストランで
カップルが手をつなぎながら
見つめ合っている光景!
を目にしたとき。
91年当時は(文化的に)
人前でイチャイチャするのは
タブーであったはず・・。

インドはこれから先、
(歴史上はじめて)
『製造業』には由来しない
中進国となる可能性がある国だと思います。
文字通り、
ハード(箱)ではなく
ソフト(柔軟な中身)が
インド人の持ち味なのです。
たとえば「数学」!
皆さんご存じのように、
インド人は
2ケタ同士の掛け算をふつうにしたり、
41ルピーの買い物をして
100ルピー出そうとすると、
「1ルピー持ってないか?」と
さらりと聞いてくる
数字的センスを持ちあわせています。
21世紀は
さまざまな新しいビジネスが
勃興するでしょうが、
これからの産業の『根底部分』を成すのは?
(ずばり)
膨大なデータ収集とその解析なのです。
これらの分野で
多数のエンジニアを輩出するインドの
経済的ポテンシャルは計り知れません。
一例ですが、
世界的なIT人材を養成する
インド工科大学(IIT)の卒業生には、
インフォシスの共同設立者である
ナラヤナ・ムルティ氏、
グーグルCEOのスンダル・ピチャイ氏らがいます。
(また、インド人は米国人、
中国人と並んで「起業家精神」が旺盛です)

続いて「英語」!
91年、わたしはムンバイの映画館で
『ゴースト/ニューヨークの幻』という
映画を観ました。

英語の字幕も
ヒンディー語の字幕もないのに、
なんとインドの人たちは
みな同じところで「笑っていた」のです。
「アメリカ英語のジョークまで分かるんだ!」
とわたしは心底驚いたもの。
ネット上で溢れる情報の半分以上は
「英語」であり、今後ますます
国際間の移動は盛んになるでしょうから、
「英語」というソフトを身にまとう
インド人のアドバンテージは計り知れません。
もちろん『問題』もあります。
インドは「世界最大の民主主義国家」であるため、
政権がポピュリズムに走り過ぎると、
諸改革のスピードが遅延する可能性もあります。
そしてカースト制度・・。
91年の旅の際、
わたしは主にバスで移動したのですが、
ある小さな町の停留所近くに、
掃除をしている人達がいました。
身につけている衣服は粗末なもので、
ほこり(というかゴミと一緒に)
生活しているようでした。
身分の低いカーストに
属する人達ではなかろうかと思いました。
カーストについては、
海辺の町プリーで
こんな話を聞きました。
わたしが通っていた食堂で働く若者が、
「海辺に向かう道から逸れた、
林の近くに住んでるやつら、
あれは俺たちとは違うんだ。
話すことばも違ってるんだから・・」
と言っていました。
カーストは、長きにわたって
インドという社会に根付いてきた
悪しき文化ですから、
これを一掃するのはたいへんなことだと思います。
ただ、【変化の潮流】はすでに起こっています。
たとえばITのエンジニアなど、
かつての職業カテゴリに当てはまらない
新たな職種は、
当然、カーストの制約も受けません。
世界最大の人口を擁することになるインドでは、
苛烈な競争を「実力」のみで勝ち抜いていく、
まさに「インディアンドリーム」を体現する
優秀な人材が豊富にあるのです。

インドは、
「過去の時間が光のように
真っ直ぐに伸び、現在に至っている国」。
貧しき人も
豊かな人も
世を捨てたように見える人も、
彼ら/彼女らは悠然と構え、
「わたしは わたしよ!」
という気概を持っているように
わたしには見えました。
悠久の歴史を有しながら、
この世紀、
新しい可能性を持った地域として
立ち上がろうとしているのです。
あと20年も経たないうちに
世界最大の消費地(マーケット)となっている
可能性が高いのでは・・。
が、残念ながら、
インド株式に投資を行う
インデックスファンドは
今のところありません。
ただ、ETFという形では
インド株式に投資することが可能です。
『iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEX インディア・インデックス ETF』(02836)
当該ETFは香港市場上場。
「S&P BSE SENSEX指数」との連動を目指し、
運用開始からすでに12年以上経っています。
| 2010年 インドがやって来た
| 13:31
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2012.01.11 Wed
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
今から20年前、
わたしはインドのジャイサルメールという町に逗留していました。
(パキスタンとの国境に近い砂漠の町です・・)
この町はかつて、
キャラバン貿易の中継地、宿場町として栄えました。
180度、見渡す限り
砂漠しか見えないこの町を見守っているのは、
巨大な「城砦」です。
この「城砦」は12世紀頃に建てられたものです。
当時隆盛を誇った「イスラム教徒」の侵入を防ぐためです。
??(ということは・・)
城砦を作ったのは
「ヒンドゥー教徒」の人たちだったのですね。
「イスラム教徒」*「ヒンドゥー教徒」
ご承知のように、
インド人のおよそ8割はヒンドゥー教徒です。
しかし、1000年という時間の中で、
イスラム勢力が勢いを増したり、
またヒンドゥーが巻き返しを図ったりという、
長い長い「歴史」を繰り返してきました。
映画「ガンジー」をご覧いただくと分かりますが、
イギリスから独立を果たしたインドは、
植民地時代からの「宗教対立」を解消することが出来ず、
(結局)イスラム教の人たちは自分たちで集まって
「パキスタン」という国を作り、分離独立します(1947年)
この映画の後半部分に
イスラム教徒とヒンドゥー教徒が
血で血を洗う殺し合いの場面があるのですが、
それを見ると戦慄を覚えざるを得ません・・。
(現在でもインド国内には
1億人を超えるイスラム教徒がいます。
またシク教徒、ジャイナ教徒などもいます・・)
わたしがジャイサルメールにいた当時、
毎朝市場に行ってチャイを飲んでいたのですが、
ちょうどイスラム教徒とヒンドゥー教徒の間で
小競り合いがあり、
市場が閉まってしまったのです。
ある商店主(ヒンドゥー教徒)が
イスラム教の悪口を言っていました。
また別のイスラム教徒は、
ヒンドゥー教徒の悪口を言っていました。

・・ほんらい、宗教とは、
【毎日朗らかに暮らすための、生活上の教え】
であったはずです・・。
それはヒトが作り出した
「文化」のひとつと言えるのではないでしょうか。
宗教がいつの頃からか「イデオロギー」となり、
国家権力と結びついてしまったあたりから、
ほんらいの役割を逸脱し始めたのだと思います。
信教とは、
きわめて「個人的な行い」なのに、
宗教そのものが【ひとつの勢力】になってしまったのです。
ヒンドゥー教とイスラム教は、その歴史、
誕生した場所から、発展の背景、教義などが
大きく異なっています。
投資を行う者としては、
「宗教対立」は
国を安定させるために「付加のコスト」がかかる
という意味で、もちろんネガティブです。
しかし、わたしは
インドの人たちが経済発展を続けることで、
宗教の役割が「ほんらいの場所」
【=個人的な領域】に
戻っていくのではないかと思っています。
ヒンドゥー教もイスラム教も、
豊かになることそのものは否定していません。
豊かになる人が増え、
貧富の差が縮小することで、
宗教に名を借りたテロも少なくなっていくのではないでしょうか。
経済の発展こそが、
宗教対立を和らげるカギになるとわたしは思います..。
| 2010年 インドがやって来た
| 17:15
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2011.02.21 Mon
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
23歳のとき、わたしはインドに4ヶ月近く滞在しました。
主に北インドの町を回ったのですが、
そのときは一度も、男女が並んで歩いている姿を見ませんでした。
ところが去年の12月、デリーに着いた夜、
わたしは世の中が一変したのを実感しました。
その夜は「YO! China」という
カジュアル中華レストランに行ったのですが、
そこで衝撃的なシーンを見ました。
そのお店はどこにでもあるようなレストランで、
大きな液晶テレビがあり、
「クリケットの試合」が放映されていました。
(インドでスポーツといえばクリケット!)
テーブルではカップルが仲睦まじく寄り添い、
向かい合って、ではなく、
同じ側に隣り合って座っていたのです。
↑ ここ、重要。
そして、互いの手を握り合い、
愛をささやき合っていました(多分..)
女性は(もちろんサリーではなく)カジュアルな洋装で、
男性のファッションも垢抜けていました。
(なんというか、雰囲気はビバリーヒルズ青春白書のよう!)
ちなみに「YO! China」はこんなお店です。
若者、ミドルクラスのファミリーに人気があるレストランです。
現在、インド全土で43店舗あります。
インドでは中華料理は非常にポピュラーで、
(たいていのホテルのメニューに必ずあります!)
万一インド料理がダメな場合でも、
中華が好きならなんとかインドで過ごせるでしょう。
「YO! China」はデリバリーもやっていて、
こんなローカルなCMも流しています。
また【こんな】デザートまであります!
※ インド人は甘ったるいデザートが大好きなので、
和菓子のお店を経営している皆さん!
インドにチャンスありですよ。
また、洗練されたドーナツとして
ミスドにもチャンスがあるのでは..。
そして、もうひとつ驚いたのは、
インドの人がみなコーヒーを飲んでいたこと。
(わたしが19年前にインドを放浪していたときは、
みんなチャイ(甘いミルクティー)を飲んでいましたから..)
先ほどの「YO! China」も
インド人が経営するフランチャイズですが、
コーヒーショップでもインド全土に店舗を持つお店があります。
INDIAN Coffee HOUSE
こちらはどちらかというと
庶民派コーヒーショップです。
Cafe Coffee Day
こちらはインド版スタバと言ってよい
洗練されたコーヒーショップ。
実際、インドは住宅事情があまりよくないため、
待ち合わせ、商談など、
コーヒーショップを利用することが多いようです。
(かつての日本もそうでしたね..)
ところで、インド人がコーヒーを頼むときの言葉は?
(もちろん)Excuse me です。
インドの人は、会話の中で自然に英語を織り交ぜて話をします。
(数学力と英語力、このふたつの能力を兼ね備えた人が、
グローバル経済で台頭する可能性は・・?)
| 2010年 インドがやって来た
| 11:34
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2011.01.19 Wed
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
意外に思われるかもしれませんが、
わたしが1991年にインドのコルカタを訪れた際、
すでに地下鉄が走っていました。
インドの首都デリーでは2004年に地下鉄が開業しています。
(DELHI METRO すでに「6路線」が完成済み)
デリーの地下鉄は路線が分かりやすく、
それぞれ「レッドライン」「イエローライン」
「ブルーライン」「オレンジライン」「グリーンライン」
「バイオレットライン」と呼ばれています。
(ちなみにオレンジラインを利用すれば、
インディラ・ガンディー国際空港から
市内中心部まで1本でいけます)
このデリーの地下鉄は、
総工費の6割以上が日本のODAによる円借款なのだそう。
また、車両をよく見ると、
三菱電機、韓国のRotem、インドの Beml India社の
ジョイントベンチャーによる製造ということが分かります。
駅も車両もきれいで、
車両内には、携帯やノートパソコン用の電源もあります。
(インドでは駅構内、車両内の写真撮影が禁止されているため、
写真は撮れませんでした)
際立ったのが、携帯電話による会話。
もうこれは香港とまったく同じで、
インドの人は地下鉄の中でもまったく気にせず
携帯でしゃべっています。
また、駅の構内には、
「つばを吐いたり、車両の床に座ったりすると
罰金がかかりますよ」という案内がありました。

バイオレットライン: ネルー・プレイス駅
(高架になっている部分も意外と多い)
わたしは地下鉄に乗って
たびたびデリーの中心部「コンノートプレイス」に出向きました。
このデリーの中心部なのですが、
けっこう老朽化が進んでいて、かつ道路も狭いことから
近代的なオフィスは郊外へと移っていっている様子。
ちょうどアメリカのダウンタウンが寂れ
ビジネス、商業の中心地が
郊外に移転したのと同じようなことが、
デリーでも起こっています。
郊外型の商業施設の典型が【モール】です。
サウスデリーの Saket District には、
4つのショッピングモールがあります。
Select City Walk、
Metropolitan Mall、
DLF Place、Square 1 Mall
わたしはこのうち、
Select City Walk へ出掛けました。
Select City Walkは
ふたつのホテルが入り、映画館、レストランも備えた
大型のショッピングモールです。

(ここはもう、ダウンタウンとは別世界。)
特に女性の服装がファッショナブルで、
今後、アパレル、美容業界ののびしろが大きいと実感しました。
いろいろなお店で
ルピー建ての料金表示をチェックしましたが、
インド人の平均月収に比べるととても高い感じ..。
しかし、インドの人口の半分は24歳以下です。
このまま経済発展が続けば、月収が順調に伸びていき
「購買力」も高まっていくでしょう。
インドはまだ、
大量消費社会の「入り口」に立ったところなのです。

Select City Walk お決まりの吹き抜け構造ですね。

わたしは2025年頃のディズニーランド開業を目指して、
すでにWディズニーがインド国内で動いていると思います。
※ ちなみにインドのマクドナルドには
ビーフのハンバーガーはありません。
ノン・ベジタリアンには
「チキンバーガー」がポピュラー。
ベジタリアンの人には
「ベジタブルバーガー Mac Veggie」があります。
※ 現在、ムンバイ、チェンナイ、バンガロールでも
地下鉄を建設中です..。
| 2010年 インドがやって来た
| 17:20
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2011.01.08 Sat
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
多くの人は何によって【豊かさ】を実感するのでしょうか?
おそらく「毎年、給与が上がっていくこと」によってだと思います。
(単純明快ですね)
去年インドに行った際、
わりとまとまった額のルピー紙幣を残してしまいました。
「ああ、これは失敗です…」
だって、インドでは毎年、
ルピー(通貨)の価値が減っていくからです。
どうしてかというと、毎年
モノの値段が上がっているから..。
物価上昇とは(それが過度なものでないなら)
その国に付加価値が付いている「感覚的な証拠」です。
人々は、来年、今よりモノの値段が上がると思うから、
必要なものは「早く買っておこう」と思います。
また、今年1000万円のローンを組んでも、
モノの値段が上がっていけば、
その1000万円の負債の「実質的な重み」は減るわけですから、
ポジティブな気持ちで「早くローンを組んで」
(クルマや家を)買おこうと思います。
つまり、物価上昇があり、
毎年給与が上がることで「消費活動」が刺激されるのです。
当然、企業の資金需要も旺盛です。
お金を借りたいという会社が増えると、
借り入れ金利も高くなりますね。
これは「銀行側」から見てみるとより分かりやすいでしょう。
仮にA社に年5%でお金を貸し出しても、
1年後の物価が5%上昇していれば、
実質の価値で銀行は「儲けがない」ことになってしまいます。
したがって、銀行は物価上昇も考慮に入れた、
比較的「高い金利」で貸し出しを行おうとします。
銀行預金をしている人も同じです。
金利が4%付いても、
1年後に物価が5%上昇していれば、
実質的に「損」になってしまいますから、
できるだけ高い預金金利を求めます。
そうすると、銀行側も
ある程度高い金利を提示せざるを得ないわけです。

写真はSBI(これは State Bank Of India の略)の
銀行預金金利です。
何日間預け入れるかによって、預金金利が違ってきます。
(ちょっと見えにくいですが、
たとえば、555日は 7.5% と書いています)

マルチ・スズキの車が対象の自動車ローン。
「8%」と書かれていますね。

各種ローンを奨励する看板です。
(Easy Loan と書いています)
ただし、本日付の産経新聞によりますと、
インドは食料品価格の高騰に悩まされているようです。
6日に発表された統計では、
食品価格は年換算で18.32%上昇と産経新聞は伝えています。
価格の高騰を抑えるためには
金利の引き上げが必要ですが、
金利を引き上げすぎると、
企業の設備投資などに影響が出ます。
また、投機資金が
一挙に流入する可能性もあります。
今後、インドの中央銀行は
難しい舵取りを迫られるでしょう..。
| 2010年 インドがやって来た
| 17:02
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