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【アメリカ視察 第8弾】 最適なETFの組み合わせを商売にしている会社があります


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

以前、このブログで
ETFのみを推奨するアドバイザーなんて本当にいるの?
という記事を書きました。

アメリカでETFが広まった理由は、
ファイナンシャルアドバイザーが
お客様にETFを紹介したからです(なんとシンプルな・・)

「でも、ETFってぜんぜん儲からないでしょ。」
はい・・・、
コミッションベースで収入を捉えればまさにそうです。

しかし、顧客の資産残高に対して
一定割合のフィーを徴収する報酬体系ならば、
ファイナンシャルアドバイザーがETFを推奨することに
合理的な理由が発生します。

コストが低いETFを勧め、結果、顧客の資産が殖えれば
アドバイザーの懐も温かくなるからです。
(なんとシンプルな・・)

実際、アメリカでは
CFA(米国証券アナリスト)
CFP(ファイナンシャルプランナー)などが、
ETFを組み入れたアセットアロケーションを顧客に推奨し、
ETFを保有する個人投資家が急増しました。

そして、今回アメリカに行ってわたしは驚きました。
◆ 最適なETFの組み合わせを
商売にしている会社があるのを知ったからです。

その会社は個人投資家、ファイナンシャルアドバイザー、
財団、機関投資家などを「顧客」とし、
ETFのみを用いた投資運用を「仕事」としています。

(いわゆる投資一任業務として、
運用の一切を行っているわけです)

それが HAHN Investment Stewards です。
(カナダのトロントとケロウナに本拠があります)

この運用会社の特徴は、
1.道具としてETFのみを用いている。
2.しかし、運用スタイルは「アクティブ」である。

??

言い方を換えますと、
道具はETF(インデックス)を用いるが、
運用そのものは(アクティブ)に行うということ・・。

より具体的には
タクティカル・アセット・アロケーション(TAA)
という手法で、
マーケットの変化に応じて、資産の保有割合を
機動的に変えていく運用スタイルを取り入れています。

サイト上にキャッチコピーが載っています。
the active management of passive indexes.

(ふ~ん・・・)

わたくし自身の考えは
HAHN Investment Stewards とは異なります。
(わたしの運用管理に対する考えは
リ・バランスのちょっと深めの考察】の中で
述べています・・)

さて、では、HAHN Investment Stewards は、
どんなポートフォリオを組んでいるのでしょうか。

(サイトにはたくさんの事例が載っているのですが)
Managed ETF Portfolios のページから、
Core Portfoliosの中の、
Global Growth Portfolio (pdf) を見てみましょう。

キャッシュとカナダドル建て債券、
アメリカドル建て債券を合わせた割合が約16%、
株式(アメリカ、カナダ、海外)が62%強。

20%は Opportunity Investments と記されていますが、
これはTAA的な運用から推察すると、
機動的に資産の入れ換えを行う部分と思われます。

そして、このGlobal Growth Portfolio の
上位組入れ5銘柄が、

►iShares MSCI EAFE Index Fund (Hedged)
►WisdomTree LargeCap Dividend Fund
►Cash
►iShares MSCI EMU Index Fund
►iShares S&P/TSX 60 Index Fund

と記されています。
(Cash 以外はすべてETFですね....)

better returns less risk

とにもかくにも、
ETFの組み合わせを
仕事にしている運用会社があるということは、
それだけETFの裾野が広がっているということなのです。

追記)
HAHN Investment Stewards の株式の50%は
Jovian Capital Corporation(カナダ)が保有しています。




| 2011年 米国FPA大会視察報告 | 10:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【アメリカ視察 第7弾】 人の気持ちを変えるのはタイヘンです


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今、ちょうど「ファイナンシャル・トラウマ」について
勉強しています。

たとえば、一大決心をして投資を始めたとしましょう。
ところが、
いちばん最初に買った金融商品が大きく値下がりし、

「あー、やっぱり自分はダメだ
投資には向いていない。」ということで、
投資の現場に二度と近づかない人がなんと多いことか・・。

あるいは、かつてご両親がお金のことで口論を繰り返し、
その結果、離婚をしてしまい、
「自分が結婚したら、配偶者とお金の話をするのは
絶対によそう。」と思ってしまう人もいます。

money problem

また、これはわたしのコンサルティングでの経験談ですが、
ご両親、親戚の中で「株式投資」を行っている人がいて、
ご本人も抵抗なく投資に慣れ親しんでいる、
というケースがある一方、

「うちは、曾祖父さんが株で田畑、
その他の財産をほとんど失って、
家訓に「株には絶対手を出すな!」っていうのがあるんですよ。」と言われるお客様もいます。

(以下は資産運用に限りませんが、)
◆ 人が「○○は□□だ!」と信じていることを
他者が覆すというのは、とてもとても難しいことです。

その人は、意識の大きな部分に
【砦】を築いているようなものですから・・。

「Why Clients Resist Advice And How To Break Through」
というセッションを受けて、
いきなり講師の Brad Klontz氏にこう言われました。

【アドバイスは、お客様の抵抗を生みます。】
えっ!? 

~しなさい、~するべきです、
~しないと、○○になりますよ(警告)

また、お客様がお話をしている最中に、
(こちらのアドバイスを言うために)話を遮る・・
こういうことは、絶対に避けなければなりません。

なるほど・・。

【砦】を築いているお客様に、
(その【砦】によじ登るが如く)向かっていく、
あるいは、説得しようとするのは
「逆効果」であるとKlontz氏は言います。

意識の大部分で
「○○は□□だ!」と信じておられるわけですから、
アドバイザーは、お客様の【無意識の部分】に
訴えかける必要があるのです・・。

Klontz氏は
Simple Reflection という言葉を使っていました。
(んー、これって顧客の「鏡」になるっていうこと…)

・自分の意見を述べない
・Yes, Yes と相槌を打つ
・お客様が言ったことばを繰り返す

・何があなたにとって重要ですか?
・今、何をする用意がありますか?
・それを行ったとしたら(あなたの中で)
何が変わると思いますか?

Simple Reflection、つまり、
お客様の傍に寄り添うことにこだわり、
お客様自身に、
無意識の領域に気付いていただく・・。

また、Klontz氏は、
顧客に問題意識を抱いてもらうために、
文章や言葉
(つまり「左脳」に訴えかけるよりも)、
【右脳】に訴えるべきだと言われました。

具体例 その1)
セカンドライフの資金計画の話をするときに、
メジャー・巻尺を使う。

??

男性の平均寿命を79歳とすると、
62歳のお客様には、
1メートルの巻尺を目の前に出して
78センチのところで切ってしまう・・

「早く計画を立てないともう時間がありませんよ!」
(立派なパフォーマンスですね..)

また、昨今は写真の技術が発達していますから、

具体例 その2)
お客様の現在の写真をお借りし、
40年後の予想写真を作ってもらって、
【現在の写真】【40年後の写真】の両方を、

キャッシュフロー表、
IPS(投資政策書)などに貼り付ける・・。

アドバイザーは
お客様により効果的にアプローチする方法を
開発していかなければならないと実感しました。




| 2011年 米国FPA大会視察報告 | 11:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【アメリカ視察 第6弾】 わたしもあなたも馬のハートを持っています


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今回の「FPAカンファランス」で勉強になったのは、
講義の見せ方です。

たとえば「60分のセッション」があるとしましょう。
お金(投資)の話がメインですので、
どうしても数字、理論、論理的な話の構成になりがちです。

すると、眠くなる、集中力が続かなくなる・・、
結果、提供されたコンテンツ内で、
ほんとうに理解できた割合が少なくなってしまう、
ということになります。

上記を解消するために、どの講師の方も共通して、
」や「漫画」を使用していました。
また、「格言」や「うんちくのあるひと言」も
うまく使っていました。

これらはすべて【右脳】に訴える道具ですね。

これからお話することの、象徴、統合的なイメージを、
絵や漫画や、格言を用いて
(感性の部分に訴えて)伝える。

(あるいは、あとから「まとめ」のために
用いることもあるでしょう・・)

そうすると、
数字、理論、論理的な話(左脳)と、
象徴、感性、統合的なイメージ(右脳)のバランスが取れ、
結果として、内容の理解度が高まるのです。

そして(どちらかというと)
右脳ベースの話がメインで、
左脳ベースの話がサブだったのが、

【アメリカ視察 第1弾】でもお伝えした、
American Funds の
Suzette Rothberg氏のセッションだったのです。
A Tale of Two Minds American Funds

(Rothberg氏はほんとうにプレゼンが上手かった..)

【 第1弾】でもお伝えした、
「人間の本能と、合理的な判断の大きな差異」について、
セッションの内容をもとに、
私なりのスタディも織り込んでお話をします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

昔、TBS系で「野生の王国」という番組をやっていて、
よく祖父と一緒に観ていました。

たとえば、ライオンが馬の群れを狙っていて、
馬たちはライオンの気配に気付くと一斉に逃げ出します。
そういうシーンって、頭に浮かびますよね。

馬の群れの中には、
リーダー格の馬(あるいはリーダー格の馬たち)が
必ずいて、群れを統率しています。

一頭の馬が突然駆け出すと、
群れ」もそれにつられて駆け出します。

そのリーダーの馬が、単に(気分的に)
「駆け出したい」気持ちでそうしたとしても、

ちょっと森のほうに行って水を飲もうと思い
駆け出したとしても、

半分パニックになって駆け出したとしても、
(実はその理由は)あまり重要ではありません。

リーダー格の馬が動けば、群れも動く。
そういうことなのです。

馬

リーダーが走り出した方向についていったほうが
「安心」だと、ほとんどの馬が思っているわけです。

常に【死の恐怖】と背中合わせにいる、
生き物としての「本能的な行動」ですね。

ところが、
リーダーがいつも正しいとは限りません。
もしかすると半分パニックになって
わざわざ草が少ない場所へ「暴走」しているのかもしれません。

しかし、そんなことは、
他の馬たちには分からないわけです。
(というか「知ろうともしない」・・)

◆ ただひとつ確かなことは、
どの馬も、「群れ」から離れてしまうことは
(本能的に)避けます

「群れ」の最後尾になるのも避けます
常に「捕食される」という【恐怖】を感じているからでしょう。

もし、「群れ」から離れてしまうようなことがあれば、
そこに待っているのは、「」のみです・・。
(だんだん馬の気持ちになってきましたか?)

「群れ」の中にいる、ということが
「捕食されない」ために重要なわけですから、
(別の視点から言うと)
あなたは別に「群れ」の先頭に立つ必要もありません

(閑話休題・・)

この2ヶ月ほど、
世界のマーケットはまるでジェットコースターのように
アップダウンしています。

この時間軸をもう少し延ばして、
5年、10年のタームで見てみてください。

株式市場がどのような軌跡を描いて成長したとしても、

株式市場 上昇 ⇒ 株式を買う人増える
株式市場 下落 ⇒ 株式を売る人増える


という「明確な傾向」が存在します。

つまり、
【高いときに買って、安いときに売る人が多い。】

◆ それはなぜかというと、
皆(群れ)が行っていることと、

同じことを行う(ついていく)衝動が、
わたしの中にも、あなたの中にも
とても強く存在するためです。

どの人間も、「群れ」から離れてしまうことは
(本能的に)避けます。

「群れ」の最後尾になるのも避けます。

そして「群れ」の先頭に立つ必要もありません。

ヒトがもっているこのような「根源的な衝動」は、
(特に)マーケットが急落したときに、
合理的な判断をする脳の領域を抑えつけて、
このときばかりと活発化するのです。

(別にあなたの意思が弱いから、
株式市場 下落 ⇒ 株式を売ってしまうのではありません・・)

株式市場上がる ⇒ 株式を買う人増える
株式市場下がる ⇒ 株式を売る人増える

投資においては、
実にさまざまな「判断」を求められますが、
ひとつひとつの「決断」はたいていの場合、
私たちの「恐怖心」から下されます。

私たちの「恐怖」が、
私たちの投資の「行動」を促しているのです。

今、動くべきかどうか・・、
(動くとしたら)どの方向に行くべきか・・、
どんなスピードで行くべきか・・、

これら「投資行動」の引き金になっているのは、
私たちひとりひとりの【潜在的な恐怖心】です。

(どんな恐怖心かというと、
「群れ」から取り残されてしまう恐怖ですね・・)

ヒトは「社会的な生き物」であり、
何万年、何十万年もの間、
「群れ」の中で「他者」とつながって生きてきました。

誰かに認知されている・・
どこかに属している・・(群れの中にいる)」
ということが、生きていく上での絶対条件であり、
それ以外に「選択肢」はなかったわけです。

(ひとり取り残されることは「死」を意味しました)

もう一度、馬の話に戻しましょう。
今、リーダー格の馬がパニック状態になって
崖に向かって一直線に進んでいます。

そしてその後を、
「群れ」全体が地響きとともに進んでいるのです。

これはまったく合理性のない、
思慮もされていない「衝動的な行動」です。

◆ 私たちは、資産運用という現場で、
盲目的に「他者(群れ)」に追随する・・という過ちを
犯していないでしょうか?

それは、
あなたにとっても、わたしにとっても
望まない【悲惨な結果】に突き進む近道にほかなりません。

「群れ」とは違う考えを持って、違う行動を取り、
自分の信念に基づいて行動する、というのは、
最近ヒトが身に付けた「技能」です。

そして、あなたにもわたしにも、
それが出来るはずなのです・・。

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| 2011年 米国FPA大会視察報告 | 15:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【アメリカ視察 第5弾】マネー・エッグを作ってみよう


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今日お仕事が終わって、自宅の机のまえで
「わたしとお金の歴史」というタイトルを前に

自分自身で(しかもたった一人で)
今までの
【自分とお金の関係】を振り返ってみるなんて・・・
たぶん出来ないです。

まず第一に、照れくさいです。

「お金なんて毎日扱っているし、
生まれたときからずっと在るのが当たり前じゃない。
なにを今さら「関係」を振り返るなんて・・・」
と思ってしまいますよね。

一方で、お金は毎日扱っているけれど、
自分がお金に対してどんな考えを持っているのか
また、どんな
ネガティブ・ポジティブなイメージを持っているのか、

それを、ずっと年少の頃の記憶を辿りながら
振り返ってみる」ことは、
今後のお金との付き合い方を占う上でたいへん重要です。

(お金って、
あなたが、あなたの意思をもって働きかけない限り、
1ミリも動いてくれないわけですから..)

◆ お金に関する記憶を辿るということは、
あなたのお金に対する【価値観】を見つける作業に
ほかなりません。

・自分がどうして貯蓄することに執拗になっているのか、
・わたしはどうして倹約ができないの?
・なぜにこうまでしてマイホーム取得にこだわっているのか、
・保険商品に多大なコストを払ってしまうのはなぜ?

これらすべてには「理由」があるはず・・。

さまざまな、お金に対する性向の訳
マネーヒストリー(Money History)を
振り返ってみることで見えてきます・・・

以下は【The Money Egg
A Tool for Exploring the Client's Money History】
(マネー・エッグ 顧客のマネーヒストリーを辿るためのツール)というセッションの中で、
Richard S. Kahler氏が言われていたことです。

・「マネー・エッグ」を作ってみましょう

money egg

文章で、自分とお金のことを振り返るのはたいへんです。
今お手元に【白い紙】がひとつあると思いますが、
そこに大きなタマゴを描いてみてください。

いちばん下が、
皆さんが【いちばん年少の頃のお金に関する記憶】です。

お金そのものでもいいですし、
お金が少しでも関わっていることならOKです。

かんたんな絵や単語で、
そのときの出来事、記憶を
タマゴの中に描いてみてください。

数字が記憶にあれば、数字も書きましょう。

・あっ、ただし、
 利き腕と逆の手で描いてくださいね。

ことばが苦手な人は絵をメインに、
絵が苦手な人はことば(単語)をメインに、
当時の出来事を思い起こしながら、

自分がお金に対して
どう感じていたかを振り返りながら描いてみましょう。

(※ どんな出来事もタブー視しないこと。
わたしカンも、このブログで
自分の恥ずかしい過去について書きました..。
お金とは怖いもの?】)

・タマゴの上に行けば行くほど、
現在に近づいてきます。
現在に近づいてくると、思い出すのは容易になりますね。

お仕事、ご家族、
趣味やさまざまな人間関係の中で、
常に「お金」は関わってきますね・・。

※ セッションの中で参加者は全員、
実際に「マネー・エッグ」を描きました。

・はい、では次に、
お金に関する記憶は「良いもの」もあれば
「悪いもの」もあります。

絵や単語で描いたそれぞれの記憶に対して、
感情】を付けてあげましょう。

余白に、
嬉しい・楽しい・悲しい・
苦しい・頑張る・怒るなどと書いてください。

・そして、もっともポジティブなお金に関する記憶と、
もっとネガティブなお金に関する記憶を
それぞれ3つずつ選びましょう。

・最後に、お隣同士で、
マネーヒストリーを発表し合ってください。

(※ これも実際にしました。
わたしのつたない英語力で
相手に十分伝わったかどうか不安ですが・・)

ちなみに、帰国してから
改めて日本語バージョンで
「マネー・エッグ」を描いてみました。

マネー・エッグ

(実感ですが、時間をある程度かけたほうが(30分程度)
より多くの出来事が思い出せます・・)

汚い字で恐縮です・・。
(でも、利き腕と反対ですから汚くなってふつうですよ..)
皆さんもぜひトライしてみてください!




| 2011年 米国FPA大会視察報告 | 12:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【アメリカ視察 第4弾】株式はポートフォリオの中心であり続けるのか?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

先日、【アメリカ視察 第3弾】の中で、
イェール大学のポートフォリオが1980年代から
どんな変遷を経てきたかというお話をしました。

国内株式の割合を年々低下させた
(そして、海外株式の割合を増加させた)
・海外債券は保有していない
(そもそも)国内債券の保有割合も少ない

非伝統的投資(不動産、商品、未公開株式、ヘッジファンド)の割合を一貫して増やしてきた

ところで、現在のように株式市場が乱高下すると、
「もはや株式は
ポートフォリオの中心ではあり得ないのでは?」
という疑いがもたげてしまいます。

実際、イェール大学は過去10年余りで
株式をポートフォリオの中心から【外してきた】わけです。
じゃあ、私たちもそうするべきなのか??

Has Diversification Failed Us?
(分散投資は失敗したのか?)のセッションで
Geczy氏は、

「個人投資家はイェール大学のポートフォリオを
安易に模倣するべきではない」と言っていました。

個人の運用資金と、
イェール大学の運用資金額はまったく異なる。

機関投資家と個人では
投資資金の投入サイクルも異なる。

また、非伝統的投資については、
リスク軽減効果があり、魅力的な投資対象だが
流動性の低さ】を軽視するべきではない、
と言っていました。

特にPE(未公開株式)については、
個人投資家が効率的に組入れるのは難しいと語っています。

また、イェール大学は絶対リターンの部分で
複数のヘッジ戦略を組み合わせた運用を行っていますが、
(マネージド・フューチャーズ、ロング・ショート、
アービトレイジ、イベント・ドリブンなど)

これも、個人投資家レベルでは
低コストで活用することは容易ではありません。

セッションでは結局、個人投資家がヘッジ戦略を
積極的に活用すべきか否かについて、
(Geczy氏は)ちょっと舌足らずで終わってしまった感があります・・。

わたしは、以前にご紹介した、ヘッジファンド型ETF
IQ Hedge Multi-Strategy Tracker ETF(QAI)
などが、日本で購入できるようになれば、
ポートフォリオの一部として検討してもよいと思っています。

(上記ETFの年間のトータルコストは1.13%
S&P 500 に対するベータ値は0.30 となっています・・)

ただし、個人投資家レベルでは、
絶対リターン型、不動産、商品などを
ポートフォリオに交えても、

「株式」がポートフォリオの中心であることに
変わりはありません。

よーく考えてみましょう。
個人の運用管理の最大の特徴とは何でしょうか?

(それは)半期の運用成績報告などに縛られず、
超長期の資産管理が
(自分のペースで)できる点です。

マーケットは毎日開き、
マーケットの価値は毎日変わっていますが、
あなたの資産管理のペースは、もっと緩やかで良いのです
(マーケットの調子が良いときも悪いときも・・)

超長期で資産管理を行う中で、
もっとも成長が期待できる【株式】を
ポートフォリオの中心に置くのは自明の理でしょう。

◆ 問題は今後、株式の価格のアップダウンと
どのように付き合うのかということ・・。

世界の株式市場は2008年のリーマンショック以前とは
明らかに【「違う場所】になってしまっています。
(今般の欧州債務危機を見てもお分かりの通り・・)

世界のマーケット
1.同時に「共鳴」し、               
2.価格変動の波は「短期化」し、
かつ、                      
3.価格変動の振れ幅も「大きく」なっています。   

私たちがポートフォリオを作る際に
「固定観念」となってしまっている、

○ まとまったお金を投入し、
○ ポートフォリオを一定規模にして「よーいドン!」、
というイメージを払拭する必要があるのです。

◆ より具体的には、
【投資の執行のしかた】について考え方を変える、
ということ。

1.まとまったお金を一挙に投入する、
という方法を捨て
資金を分割しながら、規則的に投資の執行を行う。

あるいは、
2.まとまったお金ではあるが、
自動引き落としの「つみたて」のしくみに、
はめ込んでしまう・・・・

つまり「ストック」を「フローのお金」に分解する、
というやり方が考えられます。

私たちがいつもイメージする
「ポートフォリオ」というもの、
あれは、別に【まとまった資金】である必要はないのです。

(たとえば、500万円の資金を25ヶ月にバラして
月々20万円ずつ「分割投資」していく
「ポートフォリオ」であってもよいわけです・・)

以上は、投資の執行のしかたについての工夫ですが、
資金投入が終わったあとの【ポートフォリオ】についても
具体的にイメージしてみましょう。

大きくなった株式のアップダウンに対応するために、
【リ・バランス】の機会を年2回に増やすことを
検討しましょう・・。

マーケットが
1.その値を上げる
2.その値を下げる

どちらにしても
【安くなったものを買い、高くなったものを売る】チャンスですから、(= リターンを底上げするチャンス)、

【リ・バランス】の機会を増やすことは
増幅した株式市場のアップダウンに対応する
有効な手段になると考えます。

それから、個人投資家においては、
MRF、円建てMMFを用いた「安全資産」の確保は重要です。

安全資産はあなたが夜ぐっすり眠れる役割と、
【リ・バランス】時に、
リスク資産を購入する「資金」としての役割、
このふたつを(地味ながら)担うわけです・・。

たとえば、



のような【ポートフォリオ】は、
月2万円程度の積立てにも、2000万円の資金にも
対応が可能です。

(注: 株式がポートフォリオの中心ですが、
必ずしも、ポートフォリオの過半を
株式が占める必要はないのです・・)



| 2011年 米国FPA大会視察報告 | 14:05 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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【アメリカ視察 第3弾】ようやく分散投資に気付き始めたアメリカ人


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

昔も今も変わらず、人間は時代の申し子です。
米国において
90年代の「ブル・マーケット」を経験しているか否かは、
その人の「ポートフォリオ」に大きな影響を与えます。

自分たちの国の株式に投資をして、
すごく儲かったなあー」という成功体験がある人は、
なかなか「外国の株式」に資産を分散させようとは思いません。

「Has Diversification Failed Us? 」
(分散投資は失敗したのか?)のセッションにおいて、
Christopher C. Geczy氏は、

―この10年あまりのアメリカ株式市場の低迷が、
アメリカ人に海外株式に投資を行うことを促している。-
と語っていました。

また、ベビーブーマーの子どもたち
(ジェネレーションY)の世代は、
アメリカ経済の発展について確信を持てていないとも
語っていました。
(この10年、投資においてネガティブな経験しかないため)

Geczy氏はまた、
アメリカ経済自体がもしかすると、
成長株からバリュー株の位置付けに
変わってきているのではないか、と指摘していました。

さて、このセッションの主旨は
分散投資は効かなくなっているのか?」というものです。
以下、主な内容について箇条書きしてみます。

○ 大型株式においては、国内、海外に分散を行っても、
相関関係が高くなっており、かつてのような分散効果は
期待できなくなっている。
(国・地域の分散の限界・・)

株式をセクター、スタイル(小型株・バリュー株)などで
細分化し、大型株と併せて保有することで
相関関係を低くすることは可能である。
(特に「バリュー小型株」について言及していました・・)

○ 株式と債券の相関は低く、分散は引き続き有効。

○ なぜ、株式100%のポートフォリオにしないのか?
過去、債券のリターンが株式を上回ったピリオドがある。
(1802年~1857年。1929年~1957年)

○ 大切な指標は「相関係数」と「シャープレシオ」

○ S&P500のSD(標準偏差)が20%とすると、
個別株は50%程度、ベンチャーキャピタルは64%程度になる。

○ VIX指数を見ると、今般の下落(2011)よりも
2008年の指数のほうが高く、実は2008年よりも
ブラックマンデー(1987)のVIX指数のほうが高い。

○ 株価が暴落するときは、
他のアセットクラスとの相関関係も高くなってしまう。

また、セッションでは「イェール大学のポートフォリオ」も
紹介されていました。

ここからは、補足資料として
Fund Management 2009年 春季号
米国大学寄付基金とイェール大学の資産運用
(PDFファイル)というレポートも参照してみましょう。
 
同レポートでは、イェール大学の収入と支出、
また、目標支出率(目標引き出し率)についても
言及しています。

また、3ページ目には
PE・実物資産・絶対リターン・株式・債券などの、
過去からの配分比率の推移グラフが載っています。

以下は「Has Diversification Failed Us? 」の
セッション内で紹介された、イェール大学の

上から 2001年、2004年、2007年、2010年末
「ポートフォリオ」です。













不動産・商品は「実物資産」としてカテゴライズできます。
絶対リターンとあるのは「ヘッジファンド」です。

国内株式は一貫して保有割合が低下しています。
先ほどご紹介した
米国大学寄付基金とイェール大学の資産運用
によると、

1985年当時は、国内株式の保有割合が
60%もあったことになります。

◆ それから約10年をかけて同保有割合を
20%程度まで低下させ、
歴史的なブル・マーケットの渦中にあった1998年頃から、
さらに割合を低下させています。

(そして、意外と国内債券の割合は少ない・・)

また、未公開株式、
実物資産(不動産・商品)への傾倒が顕著です。
あるいは、早くから絶対収益を求めて
ヘッジ型ファンドへの投資を行ってきたのがわかります。

2010年末のポートフォリオでいうと、
伝統的投資(通常の株式・債券)の保有割合は
ナント20%に過ぎません・・。 
<次回に続く・・>




| 2011年 米国FPA大会視察報告 | 11:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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