一般NISA口座はどうさ? 良くないさ。のINDEX
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2013.11.10 Sun
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
★ このブログ記事の【前提】。
この記事は、シンプルな運用方針のもと、
長期で投資を行い、
資産形成を成し遂げようとしている、
【あなた】を想定して書いています・・。
(あまり情報として行き渡っていませんが、
現状のNISA制度には多くの欠点、デメリットがあります)
何度も繰り返しになり、恐縮ですが、
わたしが現時点で
NISA口座をお勧めしない理由は、
1年ずつズレた、複数の5年間を
同時に管理していくなんて、
【長期投資家にはそぐわない】と考えるためです。
またまた、
この図表に登場してもらいましょう。

国際投信投資顧問HPより。
2014年~2018年
2015年~2019年
2016年~2020年
2017年~2021年というふうに、
それぞれ1年ずつズレた、
最大『5つの、5年間』を管理していく
ということは、
たとえば、2018年以降は実質【毎年】、
「3つの選択」を実行しないといけない、
ということです。
(誰が??)
あなたが、ですよ。
【3つの選択】とは?
1.(売らずに)NISA口座を「延長」する
⇒ これを「ロールオーバー」といいます。
2.(売らずに)特定口座に戻す
3. 売る(= 解約する)
(※ 当コラムでは、既存の課税口座は
「特定口座」という呼び方で統一します・・)
当たり前のことですが、
1.(売らずに)NISA口座を「延長」する
2.(売らずに)特定口座に戻す
3. 売る(= 解約する)
という【選択】を行う前提として、
2014年から始まる5年・・、
2015年から始まる5年・・、
2016年から始まる5年・・、
2017年から始まる5年・・
というように、
それぞれの【5年間】で、
別々に【損益】を出す必要がありますよね?
えっ、
だって、そうでしょう・・。
2014年から始まる5年・・、
2015年から始まる5年・・、
2016年から始まる5年・・、
というふうに、
それぞれの5年間ごとの
【損益】が分からないと、
それぞれの5年(非課税期間)が終了するときに、
1.(売らずに)NISA口座を「延長」する
2.(売らずに)特定口座に戻す
3. 売る(= 解約する)
の【選択】が出来ませんから・・。
(ですよね?)
たとえば、
投資信託の積み立て、あるいは
ETFをスポット買いして、
2014年からNISA口座を利用している
あなたがいるとします。
仮に、年間80万円ずつ投資をして、
今、すでに2018年末になっていると
イメージしてみてください・・。
投資元本は、
80万円×5=400万円ですが、
NISA口座の管理画面を確認すると、
ナント時価が480万円になっています。
400万円 ⇒ 480万円!
「おう、儲かっているじゃん!」と
あなたの顔には笑みがこぼれますが、
よーく考えてみますと、
400万円 ⇒ 480万円だけでは、
2014年に投資した80万円の投資部分が
儲かっているのか、
2015年に投資した80万円の投資部分が
儲かっているのか、
2016年に投資した80万円の投資部分が
儲かっているのか、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
分からない、ですよね?
つまりは、
2014年に実行した投資(80万円)について、
1.(売らずに)NISA口座を「延長」する
2.(売らずに)特定口座に戻す
3. 売る(= 解約する)
の【判断】をするためには、
2014年に投資した80万円分の
『損益』が分かる必要がある、ということ・・。
しかしながら、NISA口座では
基幹システムの都合上、
この、
2014年に投資した80万円分の『損益』が、
管理画面では分からないようなのです。
えっ!
つまり??
つまり、
2014年に投資した80万円分の『損益』は、
自分で計算しないといけない!ということ・・。
(たとえば、
定期的に送られてくる取引報告書を見る。
仮に積み立て投資なら、
取引履歴で毎月の取得価格を確認し、
平均を計算するなど)
なんとまあ・・・・。
50歩譲って、
2014年分の投資、
2015年分の投資
2016年分の投資・・と、
それぞれの80万円分の投資について、
『損益』を計算したとしましょう。
たとえば、ですよ、
2014年分の投資 マイナス20万円
2015年分の投資 プラス60万円
2016年分の投資 マイナス8万円
2017年分の投資 プラス5万円
・・・・・・・・・ ・・・・・・・・
のように『損益』が判明したとします。
あなたは2018年末に、
NISA口座画面で、
投資元本400万円が480万円になっているのを
確認しています。
そして、あなたは、
「じゃあ、100万円分だけ売却しよう!」
と決心しました。
そのとき、
2015年に投資した80万円分から
売却ができれば、
利益アリ ⇒ 売却 ⇒『非課税』となりますよね。
しかし、これも、基幹システムの都合上、
『先入れ先出し法』と云って、
先に取得したものから、
自動的に売却されてしまうようなのです。
たとえば、100万円分売却する際は、
2014年分の投資分から・・。
その次に2015年分の投資分から・・、
ということになってしまいます・・。
仮に、2014年に投資した80万円分が
マイナス20万円になっていたら、
あれ?
『売却の意味』がないですよね・・。
つまり、上記の例で申しますと、
2018年以降、実質【毎年】
「3つの選択」を行っていくとともに、
その「選択」の前提となる、
「平均取得価格の計算」も
自分でやらないといけないのです・・。
なんとまあ、厄介だと思いませんか?
※ 実際には、
NISA口座はまだスタートしていないため、
各金融機関の具体的な対応、
あるいは、システムの具体的な運用が
【良い方向に修正】される可能性はあります。
皆さん、シンプルだった頃の
資産管理画面を思い出してみてください・・。
・「特定口座」で運用しています。
・「ABCファンド」を毎月積み立てています。
・「ネット証券」ログイン ⇒
○「ABCファンド」の現在の基準価格、
○ 平均購入単価、
○ 時価評価額(今の価値)
○ 損益(+11%、-8%など)が、
ひと目で、
資産管理画面で確認できますよね。
積立て金額を3万円に減額しても、
7万円に増額しても、
はたまた養老保険の満期金200万円で
「ABCファンド」を追加購入しても、
すべての資産管理は
「ひとつの画面」で把握することができます。
考えてみますと、
36歳の木下慎之介さんが
(リ・バランスを除いて)
本格的にポートフォリオから資金を引き出すのは、
60歳、いや、65歳からでしょう・・。
そのときの証券税制は
(今から29年後ですが)
誰にも、分からないわけです・・。
お仕事やプライベートライフを犠牲にせずに、
資産運用を長く続けるためには
【シンプルさ】にこだわるべきだと思いませんか?
【2014.4.6 追記】
『NISAに関する関連記事』
竹川美奈子さん
【NISA】金融機関へのアンケート調査報告(その1
【NISA】金融機関へのアンケート調査報告(その2
じゅん@さん
【SBI証券NISA口座の使い勝手】
とよぴ~さん
【NISAでの積立が泣けるほど不便な件について】
(マネックス証券について言及されています)
いっさんさん
【NISA口座の使い勝手比較】
【ワタシのNISA口座の運用状況(実際の画面キャプチャ付き)】
(カブドットコム証券について言及されています)
ちんあおさん
【制度開始から4ヶ月。やっとNISAを利用しました。】
(楽天証券で海外ETFを利用の場合。楽天証券では、
一般口座とNISA口座は同じ画面になっているとのこと)
【2014.6.29 追記】
kenzさん
【NISA口座のシステムが不便な証券会社 | NISA勉強会&意見交換会】
【2014.9.6 追記】
kenzさん
【SBI証券 NISA口座と特定(一般)口座とのダブル投信積立設定可能に】
| 一般NISA口座はどうさ? 良くないさ。
| 18:13
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2013.11.06 Wed
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
(あまり情報として行き渡っていませんが、
現状のNISA制度には多くの欠点、デメリットがあります)
わたしは現行のNISA制度をお勧めしていませんが、
以下、
「【仮に、】こういう人がいたら・・」、
ということでお読みください。
【仮に、】現行のNISA制度で投資をスタートさせよう
という人がいるなら、
利用する道具としては
『投資信託』がベストでしょう・・。
投資信託であれば、
個別株、ETFよりも、
より細かい売り買いに対応することが出来ます。
NISAの投資枠は年間100万円と、
金額ベースで決まっています。
(たとえば、トヨタの個別株は、
100株単位で売買するため、
100万円という金額ベースの枠では
うまく活用し切れませんね)
また、NISA口座を延長する
(ロールオーバーする)際は、
100万円を超える部分については、
特定口座に移されてしまいます。
たとえば、
5年の非課税期間の期限を迎え、
金融商品の時価が
123万円5600円になっていたとします。
この場合、
きっちり23万円5600円分だけを特定口座に移す、
ということがしやすいのが
投資信託なのです・・。
(※ 当コラムでは、既存の課税口座は
「特定口座」という呼び方で統一します・・)
ただし、金融機関によっては
NISA口座内で、
「どの」投資信託を、
「どんなふうに」取り扱っているかに
大きな違いがあります。
(購入時手数料がゼロで、
運用管理費用が概ね1%以下のファンドに絞り込むべきでしょう)
改めて、NISA口座という
しくみを概観してみますと、
各金融機関によって、
この制度の【細部への対応】がマチマチだなあと実感します。
1.NISA口座 ⇔ 特定口座について。
NISA口座の非課税期間は5年であり、
期限を迎えるとその5年分の枠は消滅して
特定口座に移るのですが、
5年未満でも、
NISA口座から特定口座へ移すことが出来る
金融機関もあるようです。
2.非課税期間の5年が終わるとどうなるの?
なにも手続きをしなければ、
自動的に特定口座に移ってしまう金融機関が多いようです。
(野村證券のNISAハンドブックでは、
「一般口座」に移管されると記されています・・)
云い方を換えると、
NISA口座を延長(ロールオーバー)するためには、
自ら届け出ないといけないケースが多いということ。
(また、たとえば
A証券でNISA口座を開いている場合は、
ロールオーバーするためには、
窓口は引き続きA証券である必要があります・・)
3.投資信託の分配金はどんな扱いになるの?
通常の場合と同じく、
投資信託の分配金は受け取るか、
再投資するか、自ら選択することになります。
・NISA口座で【分配金受け取り型】を選ぶと、
(もちろん)普通分配金に課税されることは
ありません。
しかし、受け取った「分配金分」だけ、
投資信託を解約したものと見なされます。
(つまり、それだけ非課税の枠が減っていく
ということ・・)
また、
・NISA口座で【分配金再投資型】を選ぶと、
同じく普通分配金に課税されることはありません。
ただし、再投資する分配金分は、
NISA口座内で新たに投資する原資と
見なされてしまいます。
たとえば、
2014年に100万円分『ABCファンド』を購入し、
14年の8月に分配金2万円が出された場合、
それを再投資することで
2万円分が『新たな投資』と見なされ、
投資枠の100万円をオーバーしてしまうことになります。
この2万円分については、
NISA口座には入らず、
特定口座に移されてしまいます。
また、
投資枠の100万円に達していない場合でも、
分配金の再投資分についてはすべて、
(NISA口座には入れず)特定口座に入ってしまう
金融機関もあるので、注意が必要でしょう・・。
★ ここまでお話ししてきたように、
(わたくしは決して勧めませんが)
NISA口座を開く際には、
候補の銀行、証券会社に、
制度対応の細かいところまで
しっかり問い合わせて確認をすることがたいへん重要です。
また、これは
わたしの個人的な予想ですが、
2014年の1年間は、
NISA口座の制度設計について、
○ 口座開設者が思い描いていた制度のイメージと、
○ NISA口座の実際のしくみの間の
『ギャップ』が露呈し、
さまざまな『問題』が現出してくると考えます。
NISA口座の開設を検討している人は、
2014年の1年間はじっくり様子を見て、
2015年以降に口座開設の本格検討をする、
というスタンスでまったく問題ないと思います。
(現行制度では2023年まで口座開設は可能です)
繰り返しになりますが、
わたしは現状ではNISA口座は開設しません。
NISA制度が恒久化され、
非課税期間も恒久化され、
累積投資額の上限がなくなれば、
ロールオーバーとか、
特定口座に戻すとか、
途中で売って利益を確定するとか、
余計な概念は
みんなゴミ箱に捨てることが出来ます。
(そうなれば大手を振って
堂々とNISA口座を開設します)
50歩譲って、
NISA制度のみの恒久化で、
非課税期間は5年のままでも、
累積投資額の上限が撤廃されれば、
口座開設を検討したいと思っています。
もっとも重要なことは、
決して慌てない、ということですね・・。

| 一般NISA口座はどうさ? 良くないさ。
| 16:54
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2013.11.01 Fri
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
(あまり情報として行き渡っていませんが、
現状のNISA制度には多くの欠点、デメリットがあります)
さて、長年お金の相談業務をさせていただいていると、
いろいろなことを心の中で感じます。
たとえば、
金融商品を【売る】ことに対する『誘惑』は、
私たちの想像以上に根強いのだなあと思い知らされます。
(意外に思われるかもしれませんが、)
人は、利益が出ているときのほうが
『保守的』に振る舞うものです。
多少の利益が出たら、
それを「確定させたい」という意識が働きます。
○ つまりはその金融商品を売って、
ハラハラドキドキから解放されたいと願うのです・・。
仮に、NISA口座を利用すれば、
利益が出ている金融商品を売っても
【非課税】扱いになりますから、
非課税 = トク = 取りあえず売っておこう
という「思考回路」に陥るのも無理はありません。
逆に【売却】をしないと、
NISA口座のメリットって享受できないのです。
したがって、【売る】というバイアスは
(あなたが思う以上に)根強く存在する可能性があります。
(と・こ・ろ・で)
★ 金融商品を【売る】とは、
いったいどういう行為なのでしょうか?
「カンさん。何言ってるの。
利益を確定させることに決まってるでしょ!」
あのー、(言葉を返すようですが)
わたしはそうは思わないのです。
○ 少なくとも、わたくしにとって
金融商品を【売る】とは、
お金を使う【プロセス】に過ぎません・・。
??
【お金を使う用事】があるからこそ、
金融商品を「売却」するわけで、
【お金を使う用事】がないのに、
金融商品を売って、
「で、あなたどうするの?」と思ってしまうのです。
(わたしってヘンですか?)
ここから【具体例。】
あなたは毎月5万円で、
日本株式ファンド、先進国株式ファンド、新興国株式ファンド、
日本債券ファンド、先進国債券ファンドを
それぞれ等分で積立てています。
(楽天証券にて。特定口座)
そして、ボーナス月に年2回、
10万円ずつ(年20万円)を増額投資しています。
あなたは2014年から
(今やっている積み立てを)
NISA口座で行うことにしました。
年間80万円分の投資ですね。
そして、あなたは
あまり一喜一憂することなく、
2016年の年末を迎えます・・。
(NISA口座での)投資元本は?
80万円 × 3 = 240万円
あなたは2016年の終わりに、
投資信託の値段を見てびっくり・・。
「すっ、すごい上がっている!」
あなたが積立てている5本の投資信託の
時価評価額はナント、325万円になっています。
240万円 ⇒ 325万円!
「おぉー、これは非課税のメリットを使わないと損だ!」
と感じたあなたは、
5本のファンドを全部「売却」してしまいました。
(非課税の恩恵を受けるため、と自分に言い聞かすあなた・・)
さあ、ここで【質問】です。
あなたは、払い出された
325万円のお金をどうされますか?
1.家族・親戚一同でハワイ旅行に行こう!
2.(何かに使ってしまうと)複利の効果が得られないので、
325万円を用いて、特定口座から
同じ5本の投資信託を一度に購入しよう!
3.325万円を用いて、特定口座から
同じ5本の投資信託を毎月5万円ずつ購入しよう!
4.とりあえず、NISA口座の2017年の枠の
100万円分を使って、
同じ5本の投資信託を一度に購入しよう!
(残りは特定口座に入れる・・)
5.とりあえず、NISA口座の2017年の枠の
100万円分を使って、
同じ5本の投資信託を毎月5万円ずつ購入しよう!
(残りは特定口座に入れる・・)
※ 上記の例で云いますと、
5本のファンド325万円分を全部売却すると、
2014年、2015年、2016年から始める、
3つ分の「5年間」の非課税枠を使い切る計算になります。
6.何をどうすればよいか、よく分からなくなって途方に暮れる?
実は先日、
弊所の「投資の交流会&セミナー」で
上記の質問を伺ったのですが、
(4つのチームに質問しました)
解答が、
1.3.5.6.と見事に分かれました・・。
何が言いたいかと云いますと、
★【お金を使う用事】がないのに
金融商品を「売却」してしまうと、
【悩みのタネ】が増えてしまう、ということです。
ちょっとあなたの「心の中」を覗いてみてください・・。
あなたも、わたしも、
利益が出ているときに「売却」ができて、
しかもそれが【非課税】になる、というのは
なんと云いますか、
とても「気持ちがよいこと」です。
(アドレナリンが上がります!)
そして、
人は一度「気持ちがよいこと」をすると、
また、いいタイミングで売れないかなあ・・と
夢想してしまうものです。
(そうではありませんか?)
長年、コンサルティングの現場で
お客様と相対していると、
★「売る」という行為は、
悪い言い方をすると「クセ」になるのだ。
と実感します・・。
『おっ、なんだか上がってきたわ。
また売却できるかもよ・・』 という頭があると、
マーケットの動きを、
より細かく見てしまうことになります。
この、NISA口座をきっかけに、
一度、自問自答していただきたいのです。
あなたはいったい
【どんな資産運用を行いたいのか?】
もし、
お仕事やプライベートの生活を充実させながら、
低コスト、少ない労力で、気長に運用を続けたい。
という『ポリシー』をお持ちなら、
その際のキーワードは
「シンプルさ」であるはずです。
「カンさん。分かっているって。
だから、上がっていようが下がっていようが関係なく、
NISA口座ではロールオーバーするの!」
あっ、はい、
それは重々分かるのですが、
しかし、 実はNISA口座では、
★ 5年ごとの【区切りの時】に、
保有する金融商品の価格が【洗い直される】のです。
??
仮に、投資元本80万円で
『ABCファンド』を購入したとしましょう。
5年後、この投資信託の価格が上がっている状態、
たとえば96万円で
NISA口座をロールオーバーすると、
96万円が
新たな【取得価格】として認識されます。
(でも、これは何の問題もないですね・・)
そして、さらに5年が経過した時、
(原則、ここで【特定口座】に戻さないといけないのですが)
『ABCファンド』の時価が下がっていて、
69万円になっていたとします。
すると将来的に、
利益の額が膨らんでしまう可能性があるのです。
??
なぜなら、
69万円が新たな【取得価格】として認識され、
すでに【特定口座】に戻っていますから、
その後、『ABCファンド』の時価が上昇したりすると、
(80万円を投資元本と認識するのに比べて)
利益の額が増えてしまい、
将来、税金の負担が増す可能性があるのです・・。
○ つまり、NISA口座を利用している間は
「利益」が出てもらっていることが重要、なのですね。
もし「損失」が発生している状態になっても、
NISA口座では、
同口座内での損益を通算させることは出来ません。
また、NISA口座と特定口座間で、
損益を通算させることも出来ません・・。
★ そもそもNISA口座では
(利益という概念がない代わりに)
損失という概念も存在しないためです・・。
つまり、
これはとっても大切なことなのですが、
★ NISA口座とは、
金融商品に【利益】が出てくれてなんぼの仕組みであり、
(かつ、それをうまく売却出来てなんぼ、)
仮に、
自分が選択した金融商品のせいで、
あるいは、
マーケット全体が落ち込んでしまったため、
【損失】が積み上がっている状態であると、
メリット、ゼロ。
デメリット、あるある。
の状況になってしまいます・・。
(なんだ、こんななら、普通に【特定口座】で
やっておけばよかった、という声が上がる可能性も・・)
資産運用においては、
【利益】が出ることの反作用として
常に【損失】の可能性があります。
NISA制度では、
元気ではつらつとした人の顔のみを伝えて、
疲れて、落ち込んでいる人の顔には
フタをしてしまっているような、
そんないびつな情報の伝わり方が
現に存在します。
わたしはそれに、
大いなる違和感を感じる一人です・・。

| 一般NISA口座はどうさ? 良くないさ。
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2013.10.29 Tue
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
★ このブログ記事の【前提】。
この記事は、シンプルな運用方針のもと、
長期で積立て投資を行い、
資産形成を成し遂げようとしている、
【あなた】を想定して書いています・・。
(あまり情報として行き渡っていませんが、
現状のNISA制度には多くの欠点、デメリットがあります)
2014年1月からNISA制度がスタートするため、
銀行、証券会社、運用会社などは
熾烈な口座獲得競争を繰り広げています。
その風潮は、
「おーい、船が出るぞ!」
「あの人も、この人も、みんな乗ってるよ!」
という、
煽りの様相そのものではないでしょうか。
(典型的なのは野村證券のテレビCMでしょう・・)
このような、
いけいけドンドンの様相で
誰も彼もを、
船に乗せようとしている現状に対して、
あなたが今
『なんとなく、胡散臭いな・・』という
お気持ちを抱いておられるなら、
それはあなたの
【健全な懐疑心】が働いている証拠です。
(それは、とても大切な感情なのです・・)
わたしが懸念しているのは、
たとえば、
NISA制度がスタートしてから半年後、
(制度の細部について)
勘違いしている顧客に対して、
金融機関がどのように
フォローアップを行なっていくのかということ。
また、【非課税】を前面に押し出して、
1年ごとに新たな商品を勧めるような、
新種の『回転売買』が横行しないかも
危惧しています。
そんな風潮の中で、
独立系運用会社の『ありがとう投信』は
NISA口座の導入を、
1年目は行いませんと明言しています。
【こちら】(PDFファイル)
新制度につきましては、恒久的制度ではない、
5年以内という比較的短期の売却を前提としている等、
長期投資を実践する私たちとしては
強く改善して欲しい点があること、
一方で、NISAに対応するためには、
システム等で非常に大きな投資が必要であることなどから、
弊社といたしましては、
まずは経営基盤をしっかりと固め、
お客様にご安心いただくことを最優先させていただいたものです。
たしかに、事業会社としては、
新システムに対応するための投資コストも懸案事項でしょう。
しかし、
ー5年以内という比較的短期の売却を前提としている等ー、
という言葉で、
現行のNISA制度が長期投資に相容れないことを
明言されているのは高く評価できます。
★ そうですよ、皆さん、
5年は立派な短期です。
長期投資家にとっては・・。
そして、
弊社といたしまして、最終的に対応するかどうか、
対応するとしていつから対応するのか、
今のところは未定でございます。
という言葉で締めくくられています。
これはまさに、
『ありがとうファンド』の保有者に向けての
メッセージであり、
運用会社として、
また、ファンドの販売会社として、
自分たちの『立ち位置』を
明確にされているのだとわたしは思います。
(これも、消費者に直接ファンドを販売する体制だから
出来ることなのでしょうね・・)

| 一般NISA口座はどうさ? 良くないさ。
| 14:43
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2013.10.27 Sun
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
★ このブログ記事の【前提】。
この記事は、シンプルな運用方針のもと、
長期で積立て投資を行い、
資産形成を成し遂げようとしている、
【あなた】を想定して書いています・・。
(あまり情報として行き渡っていませんが、
現状のNISA制度には多くの欠点、デメリットがあります)
NISA口座の本来の目的は、
これから資産形成を目指そうという人に、
税制優遇されたインフラを付与し、
投資の文化を根付かせることにあると思います。
NISAの趣旨そのものには大賛成です。
が、しかし、
投資ゼロ年生のスズキくん(26)が
現行のNISA口座で資産運用を始めると、
さまざまな問題が生じる可能性があります。
たとえば、
○ 5年間という人工的な
『区切り』に慣れてしまうこと・・。
○(また、5年という区切りがあるが故に)
『売却』を常に意識してしまうこと・・。
(しかも、現行ではNISA口座は
2027年までです。スズキくんはその時40歳。)
「投資って、こうやって
利益確定をしないとダメなんだ」とか、
「ふたつの口座間(NISA・特定口座)を
資金移動して、管理しないといけないんだ」
みたいに思われることを、わたしは危惧します。
★ 投資は人の出会いと同じで
その『第一印象』がたいへん重要です。
現行のNISA口座の仕組みに慣れてしまい、
間違った体内時計というか、【運用スタイル】を
スズキくんの脳内にダウンロードして欲しくないのです。
『非課税制度』とは、
(投資という長いプロセスにおける)
【おまけ】に過ぎません・・。
では、何が【本体】かというと、
それはあなた自身の
『運用政策(ポリシー)』です。
あなたやわたしのような個人が、
仕事を懸命にこなし、
かつ、プライベートの生活を充実させながら、
ムリなく行える【投資】の有り様を
想像してみてください。
(確認: あなたの仕事は運用ではないのですよ・・)
それは、シンプルな【時間軸】の、
シンプルな【長期投資】であるはず・・。
つまり、
★ あなたの『ライフプラン』の上に、
投資という行いをただ『載せる』だけ、なのです。
そして、あなたの『人生』の都合に合わせ、
(ポートフォリオ)にお金を入れ、
そして(ポートフォリオから)お金を引き出す・・。
その、壮大なプロセスそのものを
【投資】と呼びます。
(おそらくこれは一生涯にわたる「作業」です)
★ お金をいつ、どのくらい差し入れ、
そして、いつ、どのくらい引き出すのか・・。
それは全く 「あなたの都合」で、
自由に、決められて、しかるべき、ですよね。
(つまりは【フリーハンド】です・・)
毎月3万円のつみたて投資を行う。
時間を味方につけて、積み立てを続け、
自分の資産を増やしていく・・
あるいは、まとまった資金で
ポートフォリオを組み、
定期的にリ・バランスをして、
あとは放ったらかしで長期運用する・・。
そんな一直線の、
淀みない【長期投資】と、
スズキくん(26)には出会って欲しいと願うわけです。
「じゃあ、カンさん。
NISA口座がどうなればいいと思っているの?」
★ はい、
NISA制度そのものが『恒久化』され、
非課税期間が『恒久化』されることです。
NISA制度の現状は、
財務省と金融庁の政治的な妥協の結果生まれた
ひとつの「産物」です。
(妥協の「産物」だからこそ、
こんなに複雑怪奇になってしまったのです)
仮に、NISA制度そのものが『恒久化』されても、
非課税期間が『5年』のままでは、
1年ずつズレた、最大5つの【5年間】の管理、
という「基本構図」は変わりません・・。
NISA制度が恒久化、
非課税期間が5年の状況では
NISA口座の「延長」⇒「延長」、
つまり『ロールオーバー』を繰り返すことは
可能になりますが、
【累積投資額】に縛りがある限り、
NISA口座で積み上げられる資産規模は
(やはり)最大元本500万円なのです。
るいせき・投資額??
わたしは、100歩譲って、
★ NISA制度そのものが恒久化され、
非課税期間が5年のままでも、
【累積投資額】の上限が撤廃されるべきと考えます。
また、あの図表に登場してもらいましょう。

国際投信投資顧問HPより。
たとえば2014年に始まった5年間で
イメージしてみます。
2014年に投資した100万円が
2018年末には130万円になっていたとします。
NISA口座の延長 =『ロールオーバー』は
もちろん出来ますが、
2019年に始まる5年間に
移行できるのは「100万円のみ」なのです。
(残りの30万円については
『特定口座』に移されてしまう・・)
(※ 当コラムでは、既存の課税口座は
「特定口座」という呼び方で統一します・・)
これだと、
NISA口座内で資産が積み上がっていきません。
つまり、現に投資しているお金が、
ずっとNISA口座内に留まり続けるためには、
NISA制度そのものが恒久化され、
(非課税期間が5年のままであっても)
【累積投資額】の上限が撤廃されることが
必要と考えます。
もちろん、NISA口座が恒久化され、
非課税期間が恒久化され、
累積投資額の上限が
撤廃されれば言うことないのですが、
国の借金がどんどん膨らんでいく中、
税収を確保したい財務省が
首を縦に振るとは(現実的には)思えません・・。
【追記】
弊所のあるお客様から、
NISA口座に関して、
「どうしてNISA口座の
ネガティブな面ばかり強調されるのですか?
制度がよい方向に改正されれば、
使い勝手も違ってくるのでは・・」
というご意見をいただきました。
それはおっしゃる通りなのですが、
アドバイザーとしましては、
★『最悪の事態』を想定して、
アドバイスを差し上げることが基本と考えています。
(希望的な観測で、
「●●になることが予想されますから、
■■ にしましょう。」とは、申し上げられません・・)
そして『最悪の事態』とは、
NISA口座が現行のまま推移する、
ということになります・・。

| 一般NISA口座はどうさ? 良くないさ。
| 17:25
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