投信の『売買高比率』をチェック!(そのファンド、銘柄を売り買いし過ぎていませんか?)
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
ファンド保有者にとって
「長期投資」に徹することは
そんなに簡単なことではありません。
自分は400メートル走ではなく、
40キロのマラソンを走り続けるんだと
自分に言い聞かせる必要があるのです。

ただ、
いくらファンド保有者が
長期保有を実践しても、
ファンドそのものが
銘柄を頻繁に売買していたらどうでしょう?
同じ舟には乗っているけれど、
運用会社(ファンド)と
投資家(ファンド保有者)は
まるで『違う景色』を見ていることになります。
「でも、カンさん。
投資信託が組み入れ銘柄を
どの程度売り買いしているのかって、
どうやって知るのですか?」
はい、それは
「運用報告書(全体板)」を
見れば分かります。
具体例を挙げてみましょう。
『三菱UFJ日本株アクティブ・ファンド』(愛称:凄腕)の
運用報告書(全体版)
(第18期 決算日:2018年10月30日)
ここに、
『売買高比率』という言葉が出てきます。
「何ですかそれは?」
「売買高比率」って、
ファンドの決算期中において
そのファンドが純資産総額に対して、
どのくらいの規模で
銘柄を売り買いしたかを示す物差しのこと。
(※ 株式ファンドである前提。
ちなみに上記ファンドは年に1回の決算です)

より細かく言いますと、
(期中の)平均の純資産額に対して、
株式の売買金額が
どの程度であったかを示しています。
「あのぉー、株式売買金額って?」
たとえばファンドが
トヨタ株を1億円分売ったとします。
そのお金で、
日産自動車の株を1億円分買いました。
これで株式売買金額は「2億円」になります。
たとえばですが、
期中における
ファンドの平均純資産額が100億円で、
株式売買金額が200億円であったとすると、
この投資信託(株式ファンド)は
ファンド内で
保有する銘柄をすべて入れ替える(売って→買う)
くらいの売買を行ったことになります。
(※ 平均純資産額は正確には
「期中の平均組入株式時価総額」を指します)
ココ、伝わっていますか?
これで
売買高比率「2.0」になるのです。
株式売買金額 ÷ 平均純資産額
(※ 平均純資産額は
正確には「期中の平均組入株式時価総額」を指します)
で、
さっきの運用報告書に戻りますが、
三菱UFJ日本株アクティブ・ファンドの
『売買高比率』は?

2.94 でした。

ワオッ!
「1年間で
保有する銘柄を総入れ替えして、
なおも売り買いしているイメージなのですね」
はい、その通り。
インデックスファンドに比べて、
アクティブファンドの『売買高比率』が
高めになるのはご理解いただけると思いますが、
すべてのアクティブファンドが
頻繁に銘柄を売り買いするわけではありません。
たとえば、
「さわかみファンド」
運用報告書(全体版)
(第19期 決算日:2018年8月23日) をご覧いただくと・・。

『売買高比率』は?
0.08 でした。
ワオッ!
(※ 当該ファンドも年1回の決算です)
銘柄の売買をできるだけせずに、
バイ・アンド・ホールド(長期保有)を
心がけるアクティブファンドもあるわけです。
あなたは、
ファンドが保有銘柄を
頻繁に売り買いするほど、
ファンドのリターンは高まると思いますか?
わたしはそうは思いません。

運用会社(ファンド)は、
銘柄の売買時に生じる
「売買委託手数料」を
自分では負担していません・・。
コストを負担するのはいつでも
ファンド保有者なのです。
このため、
運用会社自身の、
「銘柄」を売るべきか?
買うべきか?の『判断』が
緩くなることが
起こり得るのではないでしょうか・・?
(換言すると、
売買にかかる手数料を
運用会社自らが負担する場合でも、
果たして同じボリュームの売り買いを
運用会社は実施するのかということ。)
私たち消費者は、
運用報告書の「売買高比率」を
チェックすることで、
ファンドが銘柄を売買し過ぎていなか
監視する必要があるのです・・。
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