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2005.08.30 Tue
こんにちは、カン・チュンド です。
資産運用アドバイザーとしての
経験から申し上げると、
投資 に多少ためらいがある、
迷い がある方のほうが、
「投資」に対して
真摯な方ではないだろうか、と思います。
投資に対して 真摯 とは、
自分に合った方法、投資のしかたを
探し出すということに対して
「真剣」ということです。
僕は、私は「こうしたいのです!」
という確固としたスタイルが「ある」方が、
投資 は長続きするのではないでしょうか?
さて、先日来お話している
Investment Policy Statement
(投資政策書)ですが、
「税制」も重要なファクターです。
ただし、
◆「税制」とは 未来 に向けて
変わっていくものですから、
「現在の税制」を前提に、
自身が望んでいない 金融商品 を
【節税】を主眼に置いて選択するのは
たいへん危険 です。
(「現在の税制」は 参照情報 として
IPS に記述するに留めておきましょう・・)
続いて、どの金融資産(アセット・クラス)を
自身のポートフォリオ に組み入れるのか、
IPS に記す番です。
アセット・クラス とは、
資産の「大まかな分類」です。
現金・債券・株式・不動産、
といったイメージです。
金融商品 となると、株式 の中でも、
どのような形で、どんな株式商品を組み入れるのか、
という「具体形」になってきます。
さて、
「果たして どんな金融商品が、
あなたのニーズに合っているのでしょうか?」
(別の言い方をすれば)
どんな金融商品を選択し、
どんな金融商品は選択しないのか、
⇒ 一定の「制限」をかける、
枠を設ける、ということです。
(もちろん、IPS に明記します・・)
わたしは【制約条件】を決定する、
と呼んでいます。
ここでのポイントは、
まずは大枠を「制約」しましょう、
ということです。
大枠の「制約」とは(例えば、)
・外貨建て資産は ポートフォリオ の30%内とする。
・株式 の組み入れ比率は 50% を超えない。
・リスクフリーの資産 を 20%以上 組み入れる、など。
ポートフォリオの
もっともわかりやすい「分け方」は
まず、
リスクフリー(現金・短期金融資産)と
リスク有り(リスク性資産)に
資産を二分することでしょう。
そして、円建て・外貨建て資産の
「割合」の決定です。
注)外貨建て資産
= 「リスク性資産」となります。
そして、リスク性資産 である
債券、株式、不動産などを各々
組み入れるか否かを決定します。
・不動産の組み入れは 15%内 とする。
・債券の比率は 20%内 とする。
など、より細かい「制約」が可能となります。
続いて、外貨建て資産 に関して、
分散投資の範囲は(例えば)、
日本・世界 なのか、
日本・北米・欧州 なのか、
それは「株式」だけに当てはめるのか、
「債券」「不動産」についても
同様なのか 等を決定していきます。
もちろん IPS の中で、
あなたが 組み入れない「金融商品」を
明記することも可能です。
例えば、
IPO(新規株式公開)、
投機的格付けの債券、商品(コモデティー)
エマージング市場の金融資産 は
一切組み入れない と記します。
あるいは、もしあなたが 個別銘柄 ではなく
「ファンドの形」で投資を考えているなら、
IPS でアクティブ・ファンドを用いるのか、
インデックス・ファンドなのか、
それとも両方の併用なのか を
はっきり謳う必要があります。
また、ファンドと併せて
個別の株式、個別の債券 も
組み入れますか、否ですか?
債券 では、公社債を組み入れますか、
社債ですか、それとも併用でしょうか・・?
以上、いろいろとお話しましたが、
これら細かい「規定」を定め、
紙に書き記すことが、
1.あなたの 投資・戦略 を明確にし、
2.レールの上を走り続ける手助けとなります。
(迷った時には IPS を手に取り、
読み返してみましょう・・)
残念ながら多くの運用者が
「明確なプラン」も持たず、
島から島へ漂うように
投資 という作業を行っているのが
現状なのです。
あなたはどうか、そうはならないでください・・。
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| ポートフォリオ運用
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2005.08.26 Fri
こんにちは、カン・チュンド です。
「よーい、ドン!」という砲声と共に
人が走り始める時、
どこまで走ろう という
「ゴール」を設定しているはずです。
それは 10キロでも20キロでも、
42.195キロでも構いません。
50歳になるまで でも、
1億円貯まるまで でもよいのです。
(皆さんに確認ですが、)
⇒ ゴール がないより、
ゴールがある方が「走りやすい」ですよね?
注)ゴールは必ずしも
確定 である必要はありません。
暫定的 でもよいのです・・。
(逆説的にいうと)
私たちは「走る」ということの
意味付け をするために、
「ゴール」を設定しているのかもしれません・・。
投資 という「作業」もまったく同じで、
投資 を続けるための秘訣が、
「ゴール」(目標)の設定 なのです。
あなたが 投資(マラソン)で
どこへ向かおうとしているのか、
その「目的地」が分かれば、
それをクリアするために
どれくらいのリターン(収益率)が
必要になるのか を測定できます。
(走りの「長さ」もイメージできるようになります・・)
例) Sさん 現在30歳
目標「60歳までに1億円を創る」
前提条件) 今ある資産 800万円
毎月継続的に投資できるお金 5万円/月
→「目標」に到達するためには、
年率6% のリターンが必要!
(フム、十分達成可能な数字です・・)
(念のためにですが、)
資産運用の設計図(ポートフォリオ)
を作る「目的」は
できる限りお金を殖やす ことではなく、
あなたの「目的地」に到達するためですよね?(笑)
Investment Policy Statement(投資政策書)は、
投資という作業の中で、
あなたが 妄想の虜 になってしまったり、
パニック に陥ってしまうことを防ぐ
「役割」を果たします。
なぜなら IPS は、
あなたの「ゴール」への 羅針盤 なのですから・・。
もっと細かく言いますと、
IPS 自身が ポートフォリオの
「設計図」そのものなのです。
(ここ重要!)
もし IPS が
「あなたの目標を叶えるためには
年率8% のリターンが必要」
と謳っているなら、
あなたは 年率30~40%の
期待リターンがある マザーズ上場、
時価総額20億円程度の電子機器会社の株(かぶ)を
あえて買う必要はないわけです。
(年率30~40%の期待リターンはもちろん、
ジェットコースターのような値動き
(リスクの大きさ)の裏返しです・・)
(つまり、シンプルに、
こう考えてほしいのです)
■ あなたが投資において取ろうとしている
「リスクの大きさ」は、
あなたの「運用目標」にマッチしていますか? と。
わたしは 個別相談 の中で
しばしば申し上げます、
もし 年率3% の結果リターンで
お客さまの「目標」が叶うなら、
それ以上の リスク を敢えて取る必要はありません、と。
(リスク を取れば取るほど、不確実性 も増すのです・・)
「ギャンブル劇場」に浸るのが好きな人でない限り(笑)
投資において必要以上のリスクを取るのは
「意味がない」ことだとわたしは思います。
(それよりも自分の趣味、ご家族との時間、
セカンドライフでしたいことなど、
人生の充実のために 時間とエネルギー を注いでください・・)
しかし一方では
こういう「パターン」も見受けられます。
あなたが あなたの「ゴール」に到達するために、
年率10%のリターン を上げる必要があるとしましょう。
(かなり高いハードルではあります・・)
ところが、実際にあなたが選んでいる金融商品は、
個人向け国債、グローバルソブリンオープン、
あとは円建てMRF だけとします。
この場合、取るべきリスクの大きさ より、
実際取っているリスクの大きさの方が
小さくなっています。
(「目標」と「実態」が かい離 している・・)
歴史的に見ると「債券」という資産は
そんなに高い 結果リターン を残していません。
(株式 という資産と比較すると顕著です・・)
この例では、あなたの「ゴール」自体 を
再考する必要があるかもしれません。
あるいは、
あなたの「リスク許容度」、
一体どれくらいの損失に耐えうるのか を
もう一度チェックする必要があるでしょう。
それでは皆さん、素敵な週末を!
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| ポートフォリオ運用
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2005.08.23 Tue
こんにちは、カン・チュンド です。
皆さんようこそ!
こちらは株式市場という
ローラーコースターです。
陶酔 と パニック と 胃が縮むような
緊張感 を満喫できます(笑)
あっ、いや失礼、
賢明な投資家であるあなたはそんなことないですよね。
最初に決めた「投資プラン」に従って、
黙々と投資という作業を続けているだけですよね。
この「投資プラン」は
あなたの 前提状況 が変わる時、
あなたが投資に求めるニーズそのものが
変わった時にのみ、
変更されるものです。
市場 が上がったり下がったりで
変更されるべきものではありません。
しかしながら、市場 が活況を呈する華やかさ、
市場 が坂道を転がるような惨めさを醸し出す時、
人は宿命的に
「動きたくなるもの」なのです・・(笑)
そんな時にあなたの行動の支えとなるのが
あなたの「投資プラン」です。
アメリカでは
Investment Policy Statement(投資政策書)
と呼ばれています。
略すると IPS ですね。
誰でも 年のはじめに「今年の目標」を掲げます(多分、)
それをきちんと紙に書き出して、
いつでも見れるところに貼っておく・・。
IPS とはそういうものです。
投資政策書 は 投資の目的 を明確に謳います。
(何のために、あなたは投資を行うのですか?)
また、投資の期間 も記述します。
(いつのために、投資を行うのですか?)
この 政策書 は、
投資における「感情リスク」を排除し、
当初決定した通りの 投資実施 を手助けします。
(だから、紙の形で記述することが重要なのです!)
繰り返しになりますが、
市場 がくしゃみをしようが、
大声で笑っていようが
IPS は影響を受けません・・。
また IPS は 具体的、かつ
個性的 である必要があります。
例えばこんな感じです。
・投資の目的
(例・・14年後の息子さんの教育費のためなのか、
22年後の 自身のリタイアメント準備のためなのか)
・投資の期間
(自身の時間オンリーで捉えるか。
それとも次世代への継承も含めた期間で捉えるのか・・)
・ポートフォリオ全体として目標とする収益率
(1年複利でいくらと設定する)
・採用する金融資産(アセット・クラス)は?
・個々の金融資産の目標収益率は?
・個々の金融資産の資産配分は?
(要するにポートフォリオをどう構築するのか・・)
・個々の金融資産におけるベンチマークの設定
・ポートフォリオ全体としてのベンチマークの設定は?
・リ・バランスの計画とその実施方法
→ ポートフォリオの「バランス調整」を行う ということです。
また最初に、
ポートフォリオに入れる資産 と
入れない資産 を分けておきましょう。
ポートフォリオに入れない資産として、
・緊急避難用の資金(いつでも現金化できるもの)
・ポケットマネー
(ポートフォリオの縛りなく、
「遊び」の中で投資を楽しむ枠を作ること・・)
などが挙げられます。
(これらも IPS の中で具体的に記述します)
また、投資政策書に示された
「ポートフォリオ」ですが、
・生活費 に充てるため、
ポートフォリオから定期的な【引出し】を予定していますか?
・住宅購入 や 教育費など に充てるため、
(運用の途中で)不定期な【引出し】を予定していますか?
これらについてもしっかり検証し、
記述するようにしましょう。
少し IPS に興味が湧いてきましたか?
続きは次回に・・。
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| ポートフォリオ運用
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2005.08.19 Fri
こんにちは、カン・チュンド です。
たしか社会科の教科書に、
国際決済銀行(BIS)ということばが
載っていたような記憶があります。
今は便利な時代になりましたね、
インターネットを通じて
国際決済銀行 に「こんにちは!」と
すぐに訪問できます(笑)
BIS ⇒ Bank for international settlements
さて、この 国際決済銀行 というところ、
さまざまなレポートを発表しています。
今日、皆さんにご紹介するのは
BIS 75th Annual Report というレポートです。
(ちなみにわたしは要約版しか読んでいませんが・・笑)
BISのような「国際機関」は
基本的に 無国籍人の視点 を持っていますから、
世界経済 をわりと偏見なく、
概観することができます。
以下、わたしなりの「まとめ」です。
(我流の翻訳に、大いなる私見 が入っております・・)
ハイ、世界経済の
過去20年余りの特徴をシンプルに記すと
4つのことが云えるでしょう。
1.世界的に インフレーション を克服できた。
(物価上昇の 振れ幅自体 も抑え込むことができた・・)
2.1.と因果関係にありますが、
世界経済 が大きく発展した。
特に 日本、ドイツにおいて。
(最近はちょっと異なりますが・・笑)
3.貿易赤字の国 と
貿易黒字の国 の「格差」が広がった。
4.資産価格の上昇、
投資ブーム の発生と破裂が起こった
1.に関連して云いますと・・、
かつてはハイパーインフレに
悩まされたラテンアメリカ諸国でも、
インフレは沈静化しています。
逆にモノの値段が上がらない、
緩やかに下落する「デフレ」を経験した
国があることに注目すべきです。
↑ 中国、香港、日本 でそのような動きが見られました。
そして皆さんご存知のように、
現在は 商品価格 が上昇していますね。
(特に 原油価格 です・・)
例えばアメリカでは、
原油価格の上昇が
即「消費者物価」に跳ね返ってきます。
ドル が安くなれば、
資源価格の上昇 に拍車がかかる可能性もあります。
ただし、商品価格の上昇を見て
「1970年代の再来」とするのは早計でしょう。
世界経済は 1970年代 とは
状況が大きく異なっているからです。
2.について云いますと、
「世界経済の 成長力 と そのスピードは、
明らかに 20年前 よりも早くなっています」
この原因は【新興国群】の
成長によるところが大きいです。
例えば、中国 は10%ほどの
経済成長を20年間続けています。
インド も
高度成長の軌道に乗ろうとしています。
世界経済の成長の中で、
この2国が占める割合は大きくなっています。
(その他、東南アジア諸国、東欧諸国もあり)
さて、新興国群の台頭により、
■ 経済成長のブレ
(もちろん 世界 としてですが)が
小さくなっているのは特筆すべきことです。
ただし、一国単位 では この20年で
シビアな「経済危機」を
経験している国が数多くあるのも事実です。
日本のバブル崩壊、
メキシコの経済危機(94年)
東アジアの経済危機
(タイ、韓国などの惨状が盛んに報道されました 97ー98年)、
ロシア危機(98年)、
インドネシアの混乱、アルゼンチン危機 など。
続いて 4.についてです。
1970年代、先進諸国では
信用拡大、資産価格の上昇 が起こります。
そして投資ブームの2度目のサイクルは、
80年代半ばにやってきました。
この最終局面で「不動産価格の高騰」が起こります。
→ ドイツ、日本、北欧諸国 が強く影響を受けました。
(いわゆる 資産バブル です)
そして私たちは「3度目のサイクル」を今、
くぐり抜けようとしています。
その起点は
1990年代半ばに遡ることができます。
株価 がまず「上昇」しました。
が、2000年に大きな下落を経験します。
9.11 同時多発テロ を経て、
投資マネーは 住宅 へと向かいました。
(半ば同時発生的に)
この2年ほど、世界的な
「住宅価格の高騰」が起こっています。
→ アメリカ、イギリス、オーストラリア等において。
新興国では 中国、韓国などにおいて・・。
カンの独白・・)
皆さん、わたしは今日なぜ、
このようなレポートを延々紹介してきたと思いますか?
私たちの先達は、
今までに何度も
「市場のアップダウン」を経験してきました。
■(そしてこれからも)ほぼ間違いなく
「市場のアップダウン」を経験することになります。
市場のアップダウン とは
(言ってみれば)資本主義経済 の「成立条件」なのです。
すべての 暴騰 を予見し、
すべての 危機 を察知できれば、
(市場タイミング法によって)
あなたは5年と経たずに億万長者になれます。
(実際にはムリですが・・笑)
この市場で、私たちが犯す
「最大のミス」は何だと思いますか?
■ 暴騰、危機などの出来事の
【結果】に反応して、行動を起こしてしまうことです。
私たちは
アップダウン があることを前提に、
かつすべてのアップダウンを
予見することはできないという
「謙虚さ」を持って、
資産運用という作業に
当たる必要があるのではないでしょうか・・。
わたしの考え(投資新説)
皆さん、素敵な週末を!
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| 世界をメンタルに放浪すると・・
| 07:37
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2005.08.09 Tue
こんにちは、カン・チュンド です。
「歴史的データ」をひも解いてみますと、
1.小型株式 は 大型株式 に比べて
高い結果リターン を実現しています。
(あくまで長期の時間スパンで、です)
上記のことを わたしがはじめて知ったのは、
アメリカの投資情報会社 イボットソン・アソシエイツ の
「2001 Yearbook」を買った時です。
(確か12,000円くらいしました・・)
アメリカでは あらゆる投資対象の
数値データが検証・保存されていて、
例えば上記の例 は「2001 Yearbook」には
こんなふうに数字として残っています。
1926年から2000年にかけて)
平均リターン(年率) 平均リスク(標準偏差)
大型株式 11.0% 20.2%
小型株式 12.4% 33.4%
ところで、小型とか、大型とか、
どうやって分けているかというと、
ふつう会社の「時価総額」で分類します。
時価総額 = 株価 × 発行済みの株式数
(要は、会社の大きさ のことですね)
小型株式 は(その総体、平均値として)、
大型株式 より 高い結果リターン を
残している反面、
大型株式 より
高いリスク を内包しています。
この場合の リスク とは、
価格の上がり下がりの
「振れ幅の大きさ」のことを指します。
具体例 を挙げてみましょう。
ハイテク企業、小型の企業 を多く抱える
アメリカの ナスダック市場 では、
2000年の3月に「市場の平均値」である
ナスダック総合指数 が
5,000ポイント を超えましたが、
現在はいくらかというと・・、
2100台 です(苦笑)
(この上がり下がりの激しさは
まさにジェットコースターのよう!)
小型株式 はまだ会社として若い、あるいは、
潜在成長性が高い企業が多いために、
どうしても「リスク」は大きくなります。
(潰れてなくなってしまう企業も実際多いですし・・)
さて、上記の「分類」を更に押し広げて、
アメリカでは こんなふうに【いちば】を 細分化 しています。
大型株式 と 小型株式
グロース(成長)株式 と バリュー(割安)株式
つまり、【いちば】を
4つのカテゴリーに分けているのです。
大型 グロース 大型 バリュー
小型 グロース 小型 バリュー
そもそも、
グロース(成長)株式 とは?
将来的な成長性が高い企業。
あるいは属する業界が
発展途上である企業を指します。
バリュー(割安)株式 とは?
株価が本来の価値より
割安に放置されている企業。
成熟した業界に属する企業が多い。
そこで、です。
皆さんは、
グロース(成長)株式 と、
バリュー(割安)株式、
どちらの 結果リターン の方が高いと思いますか?
んー、なんだか
グロース(成長)の方が、
リターンが高そうですね・・。
が、しかし・・、
2.バリュー株式 は グロース株式 に比べて、
高い結果リターン を実現しています。
前出した「2001 Yearbook」では、
こんなふうに数字として残っています。
1928年から2000年にかけて)
平均リターン(年率) 平均リスク(標準偏差)
グロース株式 9.8% 20.1%
バリュー株式 13.1% 28.0%
ふむ、ふむ。
意外性の中に 真実 が隠されている、
というのは本当なのですね(笑)
◆ 株価 が本来の価値より割安に放置されている
ということは、
私たちに 超過リターンの源 を提供してくれている、
ということなのです。
過去の結果リターンは
未来のリターンを保証するものではありませんが、
私たちは 1.2.の【事実】を重く受け止めて、
運用の戦略作りをするべきでしょう。
わたしは以前から思っているのですが、
日本の 株式市場 ではどうして、
大型株式、小型株式、グロース株式、
バリュー株式 といった「区分け」が
きちんとされていないのでしょうか?
上記のように【いちば】を 細分化 すれば、
それぞれのカテゴリー内で
平均値 となる【指数】を設定することができ、
同じ【いちば】の中でも、
どのカテゴリーの 株式 が
(総体として)上がっているのか
下がっているのかが、
一目瞭然 で分かるようになります。
例えば、東京証券取引所 は、
投資家の利便性向上のために、
上記のような 市場 を細分化する【指数】を
早急に開発すべきではないでしょうか・・。
そうすることによって、
私たち運用者には
「投資の選択肢」が増えることになります。
大型株式インデックスファンド、
小型株式インデックスファンド、
グロース株式インデックスファンド、
バリュー株式インデックスファンド
などが組成されれば、
より深く【分散投資】を行うことが可能になるのです・・。
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| 投資信託をディープに理解する
| 19:37
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2005.08.05 Fri
こんにちは、カン・チュンド です。
(突然ですが)投資信託の評価会社
「モーニングスター」ってご存知ですか?
この会社、本家はアメリカなのですが、
HPを見ていただくと、まさに情報が満載です。
先日(たまたま)「年間リターン解説」という
コーナーを見つけました。
読んでみますと、
純資産額が10億円以上
ブルベア型などを除いた
合計1,065本の株式投資信託が
ピックアップされています。
いったい何をしているのでしょうか?
そうです、今年6月末までの
「1年間の収益率」を比較しているのです。
要するに「ザ・ベスト10」です(笑)
ちなみに「ザ・ワースト10」も併設!
「年間リターン 解説」を見てみると、すごいですね。
えっ、トルコ、インドネシア、
韓国のファンドがベスト10に!?
一方ワースト10の方には、
日本の小型株ファンドが並んでいます。
(あくまで2004年7月から
2005年6月末 までの1年間ですよ・・)
この「ザ・ベスト10」という催しは、
非効率的なマーケットにおいて、
いかにファンド運用会社が
「輝かしい成績」を残しているかを
称えるためにあります(笑)
「いいかい、
ファンドマネージャーって奴は
あらゆるデータを駆使し、
その調査能力に磨きをかけることで、
市場平均 を上回る成績を上げることができるんだ。
つまり、俺たち投資家も、
あらゆるデータを掘り下げることで、
市場平均 を上回るファンドを
見つけることができるってわけさ」
そんな 声 が聞こえてきそうですね。
確かに、モーニングスターの
「ファンド条件検索機能」はスゴイです。
トータルリターン、リスクメジャー、
運用期間別、純資産額 の入力などができ、
事細かな 検索 が可能になっています。
例えば、
トータルリターンが3年で20%以上
インデックスファンドで、手数料が無料ファンド
積み立てができる、手数料無料ファンド
純資産総額500億円以上のファンド
などの検索も可能です。
(これは便利!)
しかし、しかしですよ、
過去3年間、5年間のあいだ、
株式市場という「いちば」の 平均値 と比べて
リターン が優れている、
という種の【検索機能】はないのです(笑)
確かにモーニングスターの
データベースは優れモノです。
私たち個人の投資家にとっては
たいへん便利な「道具」でもあります。
が、この データベース では、
市場(いちば)というところの 効率性 については、
きれいに無視されたまま なのです・・(笑)
つまり、果たして、
人間の目利き力で 銘柄 をピックアップする
アクティブ・ファンド が、
どれくらいコンスタントに
「いちばの平均値」を上回る成績を残しているのか・・。
という点について、
素通りしているわけです。
さらに云えば、
1,000を超える投資信託の中で、
何十もの カテゴリー を作り、
精緻な検索機能 を備えた
この データベース でさえも、
2005年7月から2006年6月までに
(つまり これからの1年間に)、
「いちばの平均」を上回る アクティブ・ファンド を
選び出すことに関しては(残念ながら)無力なのです・・。
なぜなら、
◆ 過去の実績 は、
未来の成績 を保証するものではないですから・・。
(ここ、重要!)
またこんなページもありました。
モーニングスター社が
毎年行っている「ファンド オブ ザ イヤー」
ファンド オブ ザ イヤー2004
上記の受賞ファンドを覚えておいて、
2005年、2006年、2007年 と
どんな成績を残しているか
ウォッチしてみるとおもしろいかもしれません。
(もうひとつだけ)
モーニングスター の
「ファンド条件検索機能」ですが、
この【投資対象】の中に、
インデックス型 という分類が存在しません。
一体なぜだろう・・?
まずは アクティブ運用 ありき、
という発想なのだろうか・・?
では皆さん、
すてきな週末をお過ごしください。
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