先進国の債券を買い、新興国の株式を買いなさい
こんにちは、
インデックス運用アドバイザーの カン・チュンド です。
あなたは1920年代のパリをご存知ですか?
当時パリにはたくさんのアメリカ人が住んでいました。
アーネスト・ヘミングウェイもそのひとりです。
実は今【日はまた昇る】を読み返しています。
(何度読み返しても 不思議と“古臭さ”を感じない・・)
この小説を読んでいただければ、
1920年代のパリの様子が手に取るようにわかります。
通りでは自動車が走り、電灯が煌めき、
人々は最新のファッションに身を包んでいます。
カフェで新聞に目を通し、
ダンスホールで踊り呆け、
洒落たレストラン、バーを渡り歩いていく主人公たち・・。
小説の中で、ジェイクやロバートやブレットは
スペインまで汽車に乗っていき、釣りをしたり、
闘牛を見たりして過ごします。
(何のことはない)
主人公たちはただ「停滞」しているだけなのですが、
その「停滞」の影には、第一次大戦 の存在があります。
(それでも)20年代のパリは
最先端の流行の「発信基地」であり、
当時の科学技術の「見本市」でもあったわけです。
主人公たちは退廃的な気分の中にも、
「僕たちは 時代のいちばんエッジ(先端)にいる・・」
と自負していたのではないでしょうか・・。
「我々は 最後の享楽に身をやつして
神は我々を見捨て給う・・」
と、小説の中では云っていませんが、
1926年に生きたブレットは、
2000年が来るなんて、
夢にも思わなかったのではないでしょうか。
(しかし、2000年はちゃんと来ましたね・・笑)
■ いつの世も、時代の先端にいる者は、
今現在こそが 人が積み重ねてきた時間の【集大成】であり、
もうこの先(未来)には
暗黒が待っているだけではないだろうか・・
と【勘違い】するのです。
(ヘミングウェイが【日はまた昇る】を
発表したのは1926年。 大正15年 でした・・)
翻って、
2007年を生きる私たちはどうでしょうか。
もう人は到達すべきところに達してしまい、
あとは 内省の日々 となるのでしょうか?
【限界】という柔らかなシーツに身を包み、
私たちはジェイクやブレットのように、
厭世的な気分 になってはいないでしょうか・・。
それは一種の【自惚れ】です。
最先端の流行も、最新のテクノロジーも、
時が過ぎれば「過去のひとコマ」になるだけなのです。
時代は あなたに一瞥をくらうこともなく、
容赦なく進んでいき、
(例えば)2050年は必ずやってきます・・。
(そして、2050年がどんな時代になっていようが、
人々はご飯を食べ、働き、時には考え、
生き続けているのです・・)
■ 私たちは、歴史というプロセスの中の
「一瞬間」でしかないのですね・・。
上記は 資産運用 を行う私たちにとって
とても【大切な感覚】なのだと思います。
<物事は 容赦なく変わっていくということ・・>
自分が 最先端 にいる なんて、
【一種の錯覚】ですよ。
世の中は矛盾に満ち溢れている・・
もはや人類の 限界 が露呈してしまっている・・
なんてことは、
帝政ローマの一市民も思っていたことなのです。
今現在、
世界の多くの地域で
自動車に乗ることができ、電灯がともり、
ソーダウィスキーを飲み、
ダンスホールで踊ることができます。
(これを 経済発展 と呼ばずになんと呼ぶのでしょう・・)
そして少しずつ、
世界の成長の 核 が「多極化」してきています。
一例・・)
かつて「先進国クラブ」と言われた
OECD(経済協力開発機構)は、
ブラジル・インド・中国などを「関係強化国」に指定し、
個別の政策協議への参加を要請しています。
IMF(国際通貨基金)は
為替相場の監視対象を先進国だけでなく、
中国、インド、ブラジル、ロシア、韓国などに広げています。
(意外と知られていないのですが)
現在 世界の「投資マネー」は、
新興国から先進国への 流入超過 が続いているのです。
世界の「富裕層地図」も様変わりしてきています。
サザビーズで デルヴォーの絵を落札するのは、
マカオのカジノ経営者でしょうか、
それともロシアの新興財閥?
あるいは ポーランドの起業家?
それとも、
中東のオイルマネーを運用する会社でしょうか・・。
「なあに、彼らはただの 成金 さ。
潮が引いてくれば じきにおとなしくなるさ・・」
・・・・・・・
果たしてそうでしょうか。
歴史 を振り返れば、
フェニキア人も、ローマ人も、ペルシャ人も、
モンゴル人も、スペイン人もオランダ人も、
イギリス人もアメリカ人も、
最初は みな 成金 だったのです・・。
わたしは今、
3年近く前にお世話をさせていただいたお客様の、
お祖父様のことばを思い出しています。
■ 先進国の債券を買い、新興国の株式を買いなさい。
この言葉には、
近い未来から安定的な収益を
確保しようとする堅実さと、
遠い未来の成長の果実を獲得しようとする
果敢さが、併せて表現されています。
時代の変化を(ほんの少し)先取りすることが
資産運用のエッセンス なのですね・・。
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