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2008年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2008年11月

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リンク債ETFを考える (ETFの中身をよ~く見ると2種類に分かれます)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

マーケットは非情なところです。
来月定年退職を迎える山田さんのことも、
先週投資を始めたばかりの斉藤さんのことも、
いっこうに気にかけてくれません。

「お願いだよ。頼むから・・」と懇願しても、
市場は私たちに何の感情も向けてはくれません。

わたしたちはマーケットの冷徹さの前で、
ある種の無力感を味わうことになります。
(ちょうど今回のような金融危機のように・・)

自然の摂理に逆らうことができないように、
マーケットのダイナミズムにわたしたちは逆らえません。

今のような惨状の時にこそ、
わたしたちは自身の知識、ノウハウを補強すべく
学ぶ】必要があるのではないでしょうか。

わたしはインデックス投資アドバイザーですので、
インデックス投資にまつわることを、
皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。

さあ、ここから小さなレッスンです・・)

市場そのものに投資する方法を
「インデックス投資」と呼んでいますが、
ひとくちに「市場そのもの」に投資するといっても、
ふたつのパターンあります。

1.連動を目指す「指数」に採用されている
全銘柄を組み入れるパターン
(これは【完全法】と呼ばれます)

2.「指数」に採用されている銘柄の中から、
業種や時価総額ベースで銘柄をピックアップし、
「指数」と同様の動きを目指すパターン
(これは【抽出法】と呼ばれます)

2.の【抽出法】は、
いわば「擬似指数」を作り上げる方法であり、
運用の現場では広く取り入れられています。
  
ところで、皆さんご存知のETFですが、
このETFも、市場そのものに投資する
インデックス投資であり、

ファンドの中身そのものを見れば、
インデックス・ファンド = ETFであることは
一目瞭然です。

実は、ETFの運用において主に
1.の完全法を取り入れているのが「バンガード」であり、
2.の抽出法で運用しているのが「バークレイズ」なのです。

完全法であろうが、抽出法であろうが、
■ ETFとは、ファンドそのものであり、
その中身は【現物の銘柄】がたくさん詰まっているのです。

(ここまで伝わっていますね?)

たとえば、
ヨーロッパ株式ETFであれば、
ファンドの中身は何百という【現物のヨーロッパ株式】です。

この【保有資産】の裏づけがあるからこそ、
ETFは市場で適切な値段がつき、売り買いされるのです。

また、【保有資産】の裏づけがあるからこそ、
万一上場廃止となった場合も、
その時の「時価」で償還されるのです。

でも、もし
【現物の銘柄】という裏づけがなければどうでしょう。

えっ、カンさん。
そんなETFがあるの?

はい、あります。
たとえば【現物の銘柄】として保有するのが
難しい資産がありますね。

たとえば、商品(コモディティー)です。
(特に、穀物や原油など)
あるいは新興国の、
外国人に売買が限られている株式など。

穀物などは、ファンドの中で保有するのはまず不可能です。
(ずっと持っておくと腐ってしまいますし)

ですから、穀物などの商品を「保有」するとは、
資産の「権利」を買うという意味に近くなります。

あるいは新興国の株式もそうです。
たとえば、大陸中国のA株は、
私たち外国人は原則売買できません。

でも、A株のETFってありますよね。
(日本の証券会社で購入できます)

iシェアーズ FTSE/新華A50 チャイナ・トラッカー
 (銘柄コード 2823)

このETFは、
FTSE/Xinhua China A50 指数に組入れられている
【現物の銘柄】を保有しているわけではなく、
「FTSE/Xinhua China A50 指数に連動します」と約した
Note(証書)を保有していると考えた方がよいです。

(このETFの場合、正確には
Chinese A-shares Access Products ("CAAPs") を
保有しています)

Note(証書)とは、広く有価証券と捉えられますが、
最近は【リンク債】と称される場合が多いです。
⇒ 指数の値動きにリンクすることを目指す
  「有価証券」という意味です。

つまり、ETFの中身が、
指数の値動きにリンクしようとする
Note(証書)である場合があるということです。

また、このNote(証書)自体を発行している
【発行体】というものがあり(大抵は金融機関)、
そこが大丈夫な限り、別に心配はしなくていいのですが、

ただ、【現物の銘柄】を詰め込んだETFと異なり、
ETFの中身に(そもそも)
現物の裏づけがありませんから、

「リンク債」の発行元が倒産したような場合には、
ETFの価格が急落する恐れがあります。
(つまりは【信用リスク】を抱えているということです・・)

とりあえず、今日のところは、
(実は)ETFと呼ばれる資産には、

1.【現物銘柄型】と、
2.【リンク債型】があるということを覚えておいてください。


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| ETFのお勉強 | 20:16 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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たまにはアートなどいかがですか


彫刻家の大黒貴之さんが
京都の「アートスペース虹」で個展を開かれます。

まだとてもお若い方なのですが、
力強く、それでいてどこか懐かしくなるような作品を
作られています。
(わたしのお気に入りは「未来の彼方の光の先に」・・)

 個展 【芽生えのリズム
2008年10月28日(火)~11月2日(日)
11時~19時(最終日は18時まで)
展覧会場「アートスペース虹」

詳しくは 大黒さんのサイト をご覧ください。



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カンさんの緊急レポートを読ませていただいて・・


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

久しぶりにKさんからお便りをいただきました。
(弊所のお客様です)
いつも温厚でありながら、
胸の内に一本筋の通った考えをお持ちの方です。

(Kさんの許可を得て、
先日のお便りを公開させていただきます)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カンさんの緊急レポートを拝読させていただきました。

今回の暴落では
私のポートフォリオでも
国内・海外債券の比率が増大しており
債券と比較して、株式の下落の激しさを感じております。

とは、言うものの
私の方針は特に変わることもなく

◆ ここで、株式・債券を売り払ったところで
  何ら解決されることはない

◆ 長期間使用しないお金で投資を始めているので
  短期的 or 中期的な損失を受け入れたうえで
  常に「いちば」にお金を置いておく
 
◆ 感情を交えずに、半年に1度、ポートフォリオに資金を
  投入し、リ・バランスを淡々と行う。
 (わたしは普段はMMFに資金を積み立てているだけなので
  投資に関して、行うことは特にありません) 

また、投資も大事ですが
私の場合、投資のための資金等は
仕事によって得ていることもあり、

仕事のパフォーマンスをいかにして上げていくかが
現時点での課題になりそうです。

(ただし、自分の時間の多くが仕事に割り振られており
 他の活動に使える時間が少ない点が問題ですが・・)

今後も「いちば」は不安定な動きを見せるでしょうから、
カンさんに対して求められることも増えていくことと思います。
どうぞお体にお気をつけて頑張ってください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Kさん、ありがとうございます。

よく考えてみますと、
私たちは一投資家である前に一社会人であり、
それぞれ「仕事」という本業を持つ人間です。

私たちの資産の流れを見てみますと、
実はお仕事からの「継続収入」こそが、
投資の継続に重要な影響を与えているのです。

またお仕事を堅実にこなし、
貯蓄ができている限り、資産が減っていく一方・・
という事態は避けられます。
(異常な事態の時こそ、
平常心を保つことが必要なのです・・)

■「マネーの缶詰めスクール 自分資本編
※【動画】です。音声が出ますのでご注意ください。

追記)

Kさんから補足のメールをいただきました。

うろ覚えの話ですが
「危機」というと字は「危」と「機」に分けることができ、
「危」険な面だけでなく、
「機(チャンス)」もあるという話を思い出しました。

なるほど・・)


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緊急レポート 【賢者は歴史に学びます その4】


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

現在、当オフィスは「金融駆け込み寺」のようになっています。
(そのような中で)お客様から
さまざまなご質問、コメントをいただいています。

Aさん「わたしはリスクが小さい商品と思って、
インデックス・ファンドを買ったのです」

んー、それは、間違いです。

株式市場の平均値に投資を行う「インデックス投資」は、
立派に リスクが大きい のです。
(このことを、わたしたちは今実感しています)

しかし、ポートフォリオの組み方によって、
「リスク総量を抑える」ことは出来ます。

■ それは、ポートフォリオの中で、
元本確保型の「安全資産」を保有することです。
(この重要性を、
今回の金融危機で私たちは学ぶ必要があります)

あるいは、Bさん
「カンさん。国の分散、資産の分散って言いますけども、
全然ダメじゃないですか。みんな下がってますよ・・」

はい、今回、
この種のコメントをいちばんいただいています・・。

上記のお客様は【分散投資】についてお話していますが、
以下、一例です。

■ 果たして同じ資産内での「国、地域の分散」は、
  今後も有効なのでしょうか?

具体例)

株式・・ 日本株式を持つ。
     先進国の株式を持つ。
     新興国の株式を持つ。

分散効果・・? 

グローバル経済の本質を、
内田樹の研究室の内田先生は
「ア連」という記事の中でこう述べています。
(以下、長くなりますが、とても重要なので引用します)

引用開始・・)

アメリカは公的資金を投入して
金融機関を救済することにした。
平たく言えば、「銀行の国有化」である。
ビッグ3にも公的資金を投入した。
これは「自動車産業の国有化」である。

アメリカは新自由主義のもたらした
社会的な歪みを補正するために
今「社会主義化」されつつあるのである。

バラク・オバマが大統領になり、
保険や年金制度などの
セーフティネットが整備されれば、
アメリカはいよいよ社会主義化することになる。

一方、ロシアや中国は
社会主義のもたらした歪みを補正するために
今「資本主義化」されている。

(中略)

結果的に半世紀かけて
「二極間の距離」はしだいに縮まって、
資本主義は社会主義化し、
社会主義は資本主義化するというかたちで
均衡は安定に至った。
これを私たちは「経済のグローバル化」と呼んでいる。

引用終わり・・)

つまり、
これは歴史上はじめてのことなのですが、

政治的に「イデオロギー」の垣根が低くなり、
経済的には「国境」はあるのはあるが、
実際上意味を成さなくなり、

マネーは世界を駆け抜け、
より成長性が高そうな国・地域の株式に
すばやく移動するようになっています。

地球儀の中で、
実感距離がとても短くなり(ネットによって)
また、共通言語(英語)が
そのネットに乗って「情報」として流布することによって、

世界の株式市場は、
まるで見えない鎖でつながれたように、
強い北風が吹けば、一斉に南になびく
= 一方向に大きく揺れる「傾向」を持ち始めています。

たしかに、
どの国の株式により多くのお金が集まるのか
という【違い】はありますし、
その【違い】は今後も存在し続けるでしょう。

(個々の「市場間」で、成長のしかたは異なるのですから)

しかし、
ひとつの大きな風呂敷としての「グローバル経済」が
形成されつつあるのですから、

株式市場の上がり方、下がり方については、
その「共鳴度」が高くなると考えます。

そして、株式そのものの
ボラティリティーも高くなっていくと考えます。
【これは、今までにない新たな傾向ですね】

わたしの結論)

10年、20年前と比べて、
株式という「同じ資産内」での、
国・地域間の分散効果は明らかに減っている。

追記)

商品(コモディティー)には、
そもそも国・地域間という概念はありません。
債券、不動産については、
国・地域間の分散効果はそれほど減じていないと考えます。

では、
異なる資産間の分散効果はどうでしょうか?

まず、今回の金融危機で(日本の円から見た場合)
■ 株式、債券、不動産、商品、為替、
すべてにおいて(一時的にしろ)マイナスになった
という事実は、貴重なデータとして残しておくべきでしょう。

「やっぱりカンさん。
異なる資産間の分散効果は、もうないの?」

いいえ、それは早計です。

昔、シングルモルトウィスキーのCMで、
「時は流れるのではない、
一瞬一瞬の積み重ねなのだ」という
キャッチコピーがありましたが、

・すべての投資対象が下がっている!
というのは、今の瞬間のことを言っていますよね。

(過去を振り返ってみますと、
株式、債券、不動産、商品、為替、すべてにおいて
(一時的に)プラスになった瞬間もあったはず・・)

6ヶ月、1年、3年いう「時間ターム」の中では、
異なった資産同士は、
異なった値動きをしてくる可能性が 大 です。

特に債券においては、
今後景気後退が鮮明になる中、
各国が政策金利を引き下げ始めています。
(債券価格が上昇していくということです・・)

為替についても、
日本の「円」がすべての通貨に対して
「強い」状態で居続けるというのは非現実的でしょう。

ちょうど
梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーの水瀬さんが
関連する記事を書いておられるので引用しましょう。
「金融危機 分散投資の有効性は?」

上記記事中で、
分散投資の有効性について水瀬さんは、

個人的にポイントだと思うのは以下の二点です。
・「分散なら単年度でも下がらない」と思うのは過剰期待
・一時的な状況だけで分散の効果を否定しない方がいい

と述べています。

異なる資産間の「傾向」を見定めるには、
一定の【時間ターム】が必要なのです。

わたしは異なる資産間の「分散効果」は、
今後も強く存在すると考えます。


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| 投資の発想法 | 16:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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緊急レポート 【賢者は歴史に学びます その3】


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今からちょうど10年前、1998年の2月に
金大中氏が時折涙声になりながら、
大統領就任演説を行ったのを覚えているでしょうか?

当時韓国ではアジア通貨危機の影響により、
外貨準備が底をつきかけていました。
そのためIMF(国際通貨基金)の介入を全面的に受け入れて、
経済改革に着手し始めたのです。

「わが国の経済は危機的な状況にあります」
金大中大統領は演説の中でそう言っていました。

日本に住む在日韓国人の団体に
民団(在日本大韓民国民団)というものがありますが、
当時、民団から
「母国韓国の経済危機を救うため、募金を募っています」
という案内があったのを覚えています。

<この時、韓国はドラスティックに変わったのです>
多くの財閥企業が解体され、
企業間の合併、統廃合などが行われました。

借り入れ依存の体質を脱却し、
経営の効率化を目指す企業が相次ぎました。

政府は国家戦略としてIT産業を奨励し、
ITインフラの整備に力を入れました。

(この頃から韓国では、
テレビドラマ、映画というコンテンツ産業にも
力を入れ始めたのです・・)

これが、韓国証券取引所に上場する全企業を網羅した
韓国総合株価指数(KOSPI指数)の【チャート】です。

もちろん、今回の金融危機でKOSPI指数は
大きく下落していますが、
わたしがここで言いたいのは、

■ 危機こそが、
  経済の有り様を変貌させる「引き金」となる
 ということです。

さて、今回の「アメリカ発金融危機」です。
今起こっている激震は、
韓国一国の揺れとはわけが違います。

1980年代までは株式市場すら存在しなかった
中国、ロシア、中央アジア、東欧諸国をはじめ、
世界のほとんどの国を巻き込んだ
【グローバル危機】だからです。

しかし、理屈は同じ です。

■ 今回の危機が、
  世界経済の有り様を変貌させる「引き金」となるのです。

経済の主役とは(言うまでもなく)
今そこにあるモノ・サービスを、
目に見える形で提供する「実体経済」です。

その「実体経済」に比して、
巨大になりすぎた「金融経済」が
大幅に縮小していくのがこれから起こることであり、
(残念ながら)それが
「実体経済」に悪い影響を及ぼすのも【これから】なのです。

マーケットは
数年にわたって低迷する可能性がありますのが、
それは、
世界経済の地図を塗り替えるための
【助走期間】であると捉えなければなりません。

(話はがらっと変わりますが)

先日、
弊所「アドバンスコース」のセミナーを実施した際、 
参加者の方から以下のような質問をいただきました。

(その方は、拙著「日本人が知らなかったETF投資」を
読んでくださっていました)

【質問】
カンさん、リーマンショック、AIG救済など
金融危機が続いていますが、
この本を書いた時とと比べて、

ここは考え方が変わった、
ここは(本に書いてある通りではなく)
こうしたほうがよい、ということはありませんか?

(ふむ。よい質問ですね)

【回答】
率直に申し上げて、今の状況のほうが、
わたしが本に書いた内容
(わたしが言いたかったことに)マッチしていると思います。

本を執筆し始めた2008年1月時点では、
(たとえば)中国株式のPERは30倍 を超え、
インド株式のPERは25倍 を超えていました。

成長性の高い市場では、
高いPERもある程度は正当化されますが、
どこまで買い勧められるのかという不安が
なかったわけではないのです。

しかし今、
新興国25カ国の株式市場を網羅した
MSCIエマージングマーケット指数との連動を目指す
EEM というETFのPERは 9.72倍 です。

また、世界株価指数(PDFファイル)
をご覧いただくと、
世界中のマーケットで軒並みPERが一桁となっており、
株式市場の価値が過小評価されていることがわかります。

(正直申し上げて)
<これから投資を始めようという方が羨ましいです・・>

冒頭ご紹介した韓国の株式市場では1998年当時、
株価収益率(PER)が軒並み1桁となり、
また通貨安が進んだため、

当時韓国株式に投資を行った方は、
株式の値上がり益+為替差益という
ふたつのゲインを手にすることができました。

■ 今、日本の「円」は
  ほぼすべての通貨に対して強くなっていますね。
  (ここ、重要です)

さあ、ここから私見ですが、
株式市場の回復は、
先進国よりも新興国のほうが早くなると思います。

新興国のほうが、
「実体経済」に比して、
「金融経済」の割合が相対的に低いからです。

かつ、新興国群では、
「実体経済」の潜在成長力が明確に存在します。

■ わたしは今回の金融危機が、
先進国と新興国の
世界経済での立ち位置を変える【きっかけ】に
なるような気がしています。

国籍もしがらみもない世界のおカネは、
その触角を伸ばし、
新たな付加価値の源泉を求めて、
移動を始めているのではないでしょうか・・。

もしかしたらすでに、通りの交差点の片隅で、
ひっそりと息を殺して佇んでいるのかもしれません。


■ 参照ブログ、記事等

・内田樹の研究室 「ア連」 
 
・大前研一「ニュースの視点」
各国は協力し、流動性の世界的供給機関を組織すべき

・野口悠紀雄 「超」整理日記 (2008/7/26 )
金融混乱の原因は証券化商品ではない

・「金融日記」(藤沢数希さん)
ホリエモンとリーマン破綻 -市場原理主義は間違っているのか?-
 
長期投資家仲間へのメッセージ【特別号
 セゾン投信 中野晴啓さん

1兆円あれば、即刻全額「買い注文」
 (さわかみ投信の澤上社長が語る)
 

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緊急レポート 【賢者は歴史に学びます その2】


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

(一度深呼吸をしてから・・、気持ちを落ち着かせてからですよ)

2008年に入って10ヶ月足らずの間に、
世界の株式市場はその価値を30~50%下げています。
※ 大陸中国とロシアの市場は60%以上下げました。
  (まさに歴史に残る【暴落】です)

わたしは先日セミナーを開催した折、
わざわざボードに
【世界の株式市場 30~50% 下落 2008】と書き、
その写真を撮りました(未来に取っておくためです)

「これはひどい!」
「これからいったいどうなるんだ」
「わたしはもうこのファンドを売ります」と言う前に、
私たちには検証すべきものがあります。

それは【過去】です。

「賢者は歴史に学ぶ」といいます。
私たちの先人は、過去どのような暴落を経験してきたのか、
冷静に振り返ってみましょう。

具体例) アメリカダウ平均

今日、ダウ工業株30種平均と呼ばれる「アメリカダウ平均」は、
1896年にその算出をスタートさせました。
(ダウ平均は 40.94ドルでスタートしています)

当初の構成銘柄は12社。
(今でも残っている唯一の会社は GE です)

アメリカ ダウ平均 1920~1929年
このグラフからは分かりにくいのですが、
(実は)ダウ平均が 100ドルから200ドルになるのに、
実に22年かかっています。

しかし、200ドルから300ドルになるには
1年ちょっとしかかかっていません。
(20年代、狂喜の時代と呼ばれた【バブル】ですね)

大恐慌の始まりといわれる、
1929年10月末の株価暴落の直前、
ダウ平均は381.17ドルまで買い上げられていました。
そこから(12月にかけて)198.69ドルまで 約48% 下落します。

これが大恐慌の「株価暴落」と思われている方が多いのですが、
実はそうではありません。
底なしの不景気が深刻化するのは1930年代に入ってからなのです。

アメリカ ダウ平均 1930~1939年
1930年、ダウは 248.48ドルでスタートしています。
そこから株価は坂道を転がるように下落し続け、
1932年には(とうとう)41.22ドル を付けました。

1929年の高値から見ると(なんと)約90%の下落 です。

アメリカ ダウ平均 1950~1959年
ダウ平均は1954年にようやく、
1929年の高値を更新することになります。
(一世代移っていますね)

アメリカ ダウ平均 1970~1979年
1972年11月、ダウ平均はついに 1,000ドルを突破しました。

ベトナム戦争は泥沼化していましたが、
アメリカの景気は決して悪くはありませんでした。

弱冠33歳のフランシス・フォード・コッポラが撮った映画
「ゴッドファーザー」が全米で封切られます。
ニクソンがマクギャバンを破り、大統領に再選されます。
(しかし、ここから悪い話が続くのです)

1973年、74年、
アメリカの景気後退とともに、株式市場は下落を続けます。
(1973年10月には石油ショックが起こります。
原油価格が高騰し、悪性のインフレが加速しました。
失業者が急増します。ウォーターゲート事件も発覚しました)

ダウ平均は 74年の12月に 577.6ドル を付けます。
(直近の高値から実に 45%の下落 でした)

ダウはその価値を回復するのに、
1982年まで待たなければなりませんでした・・。

アメリカ ダウ平均 1980~1989年 
グラフをご覧ください。

1987年の大きな下落は、
皆さんご存知の「ブラックマンデー」です。
この日1日で、ダウ平均は508ドル(約22.6%)下落しました。
(ダウが元の価値を回復するのは、2年後の1989年のことです・・)

このように、
私たちの先人は強烈かつ容赦ない【暴落】を
何度も経験してきました。

不安、焦り、怒りという感情が
過度な「悲観」を醸成し、
長い低迷を余儀なくされたことが
過去に何度もあったのですね。

全財産を失ってしまった人。
投資から離れて、二度と投資の現場に戻らなかった人。
転職を余儀なくされた人。
「株(かぶ)なんて、博打だ」とうそぶいた人。

ところが、どんなに大きな下落が起こっても、
人が毎日生きるという「日常」は
変わることがありませんでした。

人は不屈の精神を見せ、
暴落のたびに、
経済活動に何らかのイノベーション(革新)
付加してきたのです。

私たちが経験する【つらさ】は、
決してはじめての【つらさ】ではありません。

(わたしは思うのですが)
市場というところは、
一定周期で大きく下落することを
運命付けられているのだと思います。

(私たちはそのような市場の【習性】に
 慣れるしかないのです・・)

上記、ダウ平均の歴史を見ると、
1929年の暴落で、
ダウが元の価値を回復するまでに
25年かかっています。

1973、74年の暴落では、
ダウが元の価値を回復するまでに8年かかっています。
そして、1987年の暴落時は、2年です・・。

続きは次回に。


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