グローバル金融危機のもっとも暗い時間・・
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
27日金曜日のアメリカ市場は続落しました。
アメリカ株式の代表的な指標 S&P 500 は、
1996年12月以来の安値となっています。
08年9月の金融危機発生以来、
恐れていた「二番底」が現実のものとなってしまいました。
人の知的冒険心がなせる業である「世界貿易量」も、
今年は1982年以来のマイナスとなる模様です。
グローバル経済の実質成長率も、
ゼロを下回る可能性があります。
人の気持ちも、モノ・サービスも、お金も、
すべてシュリンク(収縮)してしまっているのです。
「もうマーケットと関わりを持つだけで嫌気がさすよ」
と感じている方も多いのではないでしょうか。
これは理屈ではなく、
自分が関わっている分野で、
日々状況が悪くなるのを見聞きするのは
正直いって耐え難い「苦痛」なのです。
このようなときは、
金融機関から送られてくる郵便物を
いちいち開けないほうが賢明です。
ネット証券にもログインしないほうがよいでしょう。
新聞の経済欄を読めば読むほど、
人と「不景気」の話をすればするほど、
私たちは実態以上に【悪さの確認】をしてしまい、
知らず知らずのうちに「悪さモード」を、
体内に溜め込んでしまいます。
今の状況では(誤解を恐れずにいいますと)、
「悪さ」と程よい距離を保つことが必要なのです。
この6ヶ月だけのマーケットを見ると、
「ただ、下がり続けているだけじゃないか」
と思われるかもしれませんが、
しかし、9月、10月のセンチメントと、
今、現在の投資家の感情は明らかに異なっています。
ひと言でいうと、
「心配し疲れた」という状況でしょうか。
株式市場も出来高が減っており、
もはや「多く下げた」だけではニュースにもなりません。
なにか妙な静寂と開き直りのような雰囲気が市場に漂っています。
(もしかすると今が、もっとも暗い時間なのかもしれません。)
今日、米国CNBCの動画を見ていて、
苦笑いしてしまいました。
トピックは、
「AIGに更なる公的資金を注ぐべきなのか?」
だったのですが、
AIGが海に落ちてしまった
「白い車」に喩えられているのです。
大きなクレーン車(政府)が
とりあえず「白い車」を引き上げようとします。
ところが引き上げの途中で、
「白い車」の下に、
さらに大きな「トラック」がつながっているのが
見つかり、
それでも意地で
「白い車」+「トラック」を引き上げようとしている
クレーン車(政府)が、
最後にはもろとも海に落ちてしまう、という話です。
(まさに現在進行形の話ですね)
私たちは未だ、
大きな「トラック」(不良資産)の全容を把握していません。
また、大きな「トラック」の大きさは、
実態経済の悪化に伴い、
さらに膨らんでいく可能性があります。
AIGだけでなく、
シティ・グループに対する公的資金追加も、
理屈は同じでしょう。
もはや死に体となった金融機関に
湯水のごとく資金を投入する「無意味さ」に、
投資家は(特にアメリカの投資家は)
気付き始めているのだと思います。
(自動車メーカー「ビッグ3」も、
まさに同じ図式ですね)
政府の役割は
企業のオーナーになることではなく、
経済の秩序を最低限担保し、
経済活動の円滑性をサポートすることにあるはずです。
アメリカ国民が
「棘のみち」を選択することになれば、
短期的に、マーケットはさらに落ち込むでしょう。
「棘のみち」= 大手金融機関、ビッグ3の中で、
倒産企業を発生させるという道。
しかし、
わたしは棘のみちを抜けないと、
昇るみちは見えてこないと思っています。
たとえシティという会社が停止し、
たとえGMという企業が分割され、
その歴史に幕を閉じることになったとしても、
会社が育んできた資産は、
無に帰するのではなく、
誰かが引き継ぐのです。
誤解を恐れずにいえば、
今、手を挙げたいという気持ちを抑えながら、
これら企業の終焉を待っている「会社」が
いくつも存在するのです。
わたしは
「選手交代」が起こることこそが、
グローバル金融危機の「もっとも暗い時間」を
通り抜ける道だと思っています。
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