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2009年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年08月

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【投資おさらい講座】 その6) ~ マーケットとの戦い方を覚えましょう ~


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

7月23日付の「東京新聞」に
こんな紙面広告が載っていました。

(以下、引用)

ちょっと聞きたい! お金の悩み

Q 1ドル120円ではじめた米ドル預金。
1ドル90円台の今、含み損をかかえています。
このまま円安を待つしかないのでしょうか?

A たとえば豪ドルに交換して
運用してみてはいかがでしょう。
円安を待つことだけが方法ではありません。

新生銀行では、さまざまな豪ドル建商品をご用意し、
お客さまの外貨運用をサポートします。

(以上、引用おわり)

広告の中では、豪ドルは米ドルに比べて
高金利水準である旨が説明され、
また、豪ドルを活用した
投資戦略セミナーの案内も記されています。

(さすが、新生銀行さん。)

ただし、豪ドル通貨の
ボラティリティーの大きさについては、
いっさい触れられていません。

昨日、わたしはこんな話をしました。

成績がわるい(金融商品の価格が下がっている)
  ↓
 売る。

成績がよい(金融商品の価格が上がっている)
  ↓
 買う。

これは、金融商品を安いときに売って、
高いときに買う行為ではないでしょうかと。

金融商品の「売り手」の立場になって考えると、
物事の本質が見えてきます。

成績がわるい金融商品を持ち続ける・・
あるいは、
成績がよい金融商品を持ち続ける・・

とにかく金融商品を持ち続けられると、
「売り手」にとっての利益は限られます。

マーケット現象の「後追い」であろうが、
「先追い」であろうが、

金融商品の「売り手」にとっては、
その人が【売り買いの行動】を取ってくれることで、
利益を増やすことが可能になります。

上記の場合、
米ドル(ダメっぽい)→ じゃあ、豪ドルはいかがですか?
という単純明快な【シナリオ】なのです。

そのこころは・・、

◆ あなたの利益を最大化することではなく、
金融機関の利益を最大化することにあります。

たとえばあなたが、
【あなたとお金の親密度を測る55の質問】の中で、

「金融商品を安いときに売って、
高いときに買うのは愚かなことだと思いますか?」
と聞かれれば、
おそらく「はい」と答えるでしょう。

ではどうして、投資の現場では、
「金融商品を安いときに売って、高いときに買ってしまう」
のでしょうか。

◆ それはあなたの【感情】が、
「投資の現実」を見えにくくするからです。

「投資の現実」=
あなたの気持ちは、投資のリターンにはつながらない。

しかし、あなたの気持ちが、
投資のリターンにつながると勘違いしてしまうのが
人の情 というものです。

私たちはマーケットとの、いや、もっと具体的にいえば
金融商品との接し方に【工夫】を凝らす必要があります。 

わたし → 米ドル建て預金 という、
点と点を結ぶ「対峙」だと、

わたしの投資のすべては
「米ドル建て預金」になってしまいます。
これが 不幸の始まり です。

以下、実生活では決してお勧めしませんが、
投資という作業においては【二股を掛けるべき】なのです。

「米ドル預金」のみに
決して心を委ねるべきではありません。

たとえばこんなイメージを持ってください。

あなた → 米ドル建て預金
     → ユーロ建て債券
   
あなたは「米ドル建て預金」「ユーロ建て債券」
どちらにも、同じくらい【こころを砕く】、
要するに「惚れ込んで」よいのです。

「そうか、わたしはカズオくんもタツヤくんも、
どちらも好きになっていいんだ」
と思えれば、とても気持ちが楽になります。
(あくまで仮のお話ですが・・)

あなたが唯一気にするべきことは、
「米ドル建て預金」と「ユーロ建て債券」に
愛情を注ぐ【バランス】です。

ひとつだけの金融商品に「こころを砕く」状態から、
ふたつの金融商品への【愛のバランス】を気にしだしたら、
もう大丈夫です。

◆ あなたの投資は 点 → 面 に「移行」したも同然です。

先ほど、あなたの【感情】が、
「金融商品を安いときに売って、高いときに買わせてしまう」
といいましたが、

これを防ぐ方法は、
実は【愛のバランス】なのです。

「面」のお話をもっと戦略的にしてみましょう。
あなたはこう思ってください。

わたしは【債券】も好き。
【株式】も好き。
だから、どちらか一方を裏切ることなんてできない。

ふたりにわたしの気持ちを「平等に」注ぐことが、
すなわちわたしにとっての【愛のバランス】なの。

このような精神こそが、
「投資の現実」にうまく対応するコツなのです。

あなた → 債券 半分
     → 株式 半分 というバランスです。

すでにあなたの投資は「面」になっています。

今仮に、株式の調子が悪く、
あなたが購入した株式ファンドが
その値をどんどん下げているとしましょう。

逆に、債券ファンドの価格は順調に上がっています。

すると、以下のように
【愛のバランス】が崩れてしまいます。

あなた → 債券 70%
     → 株式 30%

以前のあなたなら、
「ああ、株式ファンドがどんどん下がる!
わたしの選択は間違っていたのかも・・。
ほかの株式ファンドに乗り換えようかしら。

それとも、債券のほうが調子がいいのなら、
ここは債券ファンドの割合をもっともっと増やそうかしら。」

ということで、

あなたは、

あなた → 債券 70%
     → 株式 30%
の状態を放置するか、

あるいは、

あなた → 債券 90%
     → 株式 10%

という、エキセントリックな状態に、
知らず知らずのうちに向かってしまう可能性が
あったのです。

しかし、今やあなたは、
【愛のバランス】の人です。

成績がわるい(金融商品の価格が下がっている)
  ↓
 売る。

成績がよい(金融商品の価格が上がっている)
  ↓
 買う。

という「誘惑」に対して、
あなたは立派な
言い訳】を用意することができます。

【愛のバランス】!

「わたしにとって、債券、株式、
どちらもかげがえのない存在なの。
どちらにも平等に思いを注ぐことが
わたしにとってはいちばん重要。

だから、過剰になってしまった
債券を少し売って、そのお金で株式を買って
もとの「半分」「半分」に戻してあげるの。
それがふたりに対するわたしの誠意なのよ・・」

あなたにとって大切なことは
【愛のバランス】を保つことであり

別に、

「値段が上がった金融商品を売り、
値段が下がった金融商品を買い増ししないと!」
と思っているわけではありません。

しかし【愛のバランス】を保つことで、
結果として、

「値段が上がった金融商品を売り、
値段が下がった金融商品を買い増しする」ことが、
できるようになるのです。

あくまで重要なのは
【バランスを保つこと】です。

投資においてこの <バランス表明> を行うことは、
あなたの「投資の土台」を固め、

複雑怪奇なマネー運動体である
【投資の現場】に対して
こう宣言するに等しいことです。

たしかに市場の動きとやらは、
オレが追いかけ説き伏せて、
意のままに操れるような「やわな相手」ではない。

ただ、オレだって、
あんたに翻弄されるようなことはしないよ。

オレはおれの投資の中で「土台」を作って、
全体のバランスを気にすることだけに専念するよ。

もうオレはブレない。
もうあんたを追いかけるようなこともしない。
おれはどっしり構えてじっとしているよ・・。

これが【ポートフォリオ運用】なのです。


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【投資おさらい講座】 その5) ~ 追いかけないで、じっとしていればよいのです ~


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

こんなことを言うと、
お叱りを受けるかもしれませんが、
「私たちは市場(マーケット)の前では 無力 です。」

私たちはなんとかリターンを上げようと思い、
さまざまな金融商品を試し、
マーケットの予測を行います。

「頼む。これ以上、下がらないでくれ」
「頼む。来週の水曜日までに1ドル98円に戻してくれ」

あなたがいくら懇願しても、
自分が金融商品に対して
いかに思い入れを持っているのかを説明しても、
そんなことは、市場は気にも留めてくれません。

金融商品のリターンを決めるのは、
あなたではなく、マーケットの動き なのです。
(そして、マーケットの動きとは無慈悲なものです・・)

たしかに、投資という作業において
「主人公」はあなたです。

しかし、投資のリターンを決定する「現場」において、
あなたには何の権限もありません。
(はっきり言って)影響力もありません。

市場という、複雑怪奇なマネー運動体の中では、
わたしもあなたも、
米粒ほどの、小さな小さな構成要素にすぎないのです。

私たちは、
投資のリターンが決定される「現場」で、
何らかの影響力を行使できるという【思い込み】を、
まずはゴミ箱に捨てなければなりません。

具体的にいうと、金融商品の動きに関して、
【筋書き】を描くのをやめる ということです。

わたしもあなたも、
金融商品がアップダウンを繰り返す「舞台」の中で、
自分がステージを統括する【監督】であると
勘違いしてしまいます。

ところが実際は、私たちは【監督】ではありません。
客席の隅に座っている「お客のひとり」にすぎないのです。

たしかにさみしいです。
面白くもなんともありません。

しかし、
投資のリターンが決定される「現場」とは、
ひとつの社会 なのです。

「自分のシナリオで動かない。」
「追いかけないで、じっとしている。」

あなたが対峙する金融商品は、
追いかけ説き伏せて、
意のままに操れるような「やわな相手」ではありません。

あなたの意思は(残念ながら)
金融商品には伝わらないのです・・。

DiMeo Schneider & Associates という会社が
2007年に、
投資信託に関する以下のような調査を行っています。

2006年末に至る10年間で、
上位25%の成績を収めた株式ファンドをピックアップしました。

10年間を通じての上位25%ですから、
なかなか優秀なファンド達なのですが、

そのうちのなんと90%は、10年間のうち3年も、
全株式ファンドの中で
平均以下」の成績に埋もれていたのです。

そして驚くべきことに、
優秀ファンドの50%以上が、
10年間のうち実に5年以上、
平均以下」の成績に放置されていました。

色メガネを外してシンプルに尋ねますが、
5年間も「平均以下」の成績に埋もれているファンドを、
あなたは買いたいと思いますか?

NO ですよね。

もし、そんなファンドを持っていたら、
イヤになって売ってしまうかもしれません。
(気持ちは分かります・・)

しかし、そのファンドを売ったあと、
あなたはどうするのですか?

8年以上、「平均以下」の成績に埋もれている
ファンドを買いますか?

いいえ。

あなたは平均以下の成績しか上げていないファンドを
持っているのがイヤで、
そのファンドを売却するわけですから、

今度は平均以上の成績を上げているファンド、
(はっきり言えば)
素晴らしい成績を上げているファンドを探し、
それを購入するでしょう。

10年間を通じて上位25%のファンドでも、
長い期間、
「平均以下」の成績に埋もれているのが「現実」です。
(それが「マーケットの動き」というものです)

あなたの行動は、
まさにこれから伸びようとする
一見「成績の悪い」ファンドを売却し、

これから下がってしまうであろう
一見「成績のよい」ファンドを購入することにほかなりません。

成績がわるい(金融商品の価格が下がっている)
  ↓
 売る。

成績がよい(金融商品の価格が上がっている)
  ↓
 買う。

これは、金融商品を安いときに売って、
高いときに買う行為ではないでしょうか。

かつ、金融商品の成績を見て、
投資行動を取る(= 追いかける)という、
典型的な【後追い行動】です。

このような行為は、投資の潜在リターンを小さくし、
かつ、リスクを大きくすることにつながります。


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原油ETFが上場予定ですが、それよりも・・・


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

8月3日(月)に、
大阪証券取引所に原油ETFが上場する予定です。
WTI原油価格連動型上場投信 (銘柄コード 1671)

当ETFは、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)における
WTI原油先物清算値との連動を目指します。

運用は「シンプレクス・アセット・マネジメント
購入単位は1口単位ですから、かなり安価に取引ができます。

が、しかし、
原油は金(ゴールド)と並んで、
価格変動の振れ幅(ボラティリティー)がとても大きな資産です。

また、時によっては
値動きがかなり「投機的」になります。

繰り返しお話している通り、
商品(コモディティ)への投資は
カテゴリーそのものに広く浅く投資を行う、

商品(コモディティ)全体に投資するETF、もしくは
インデックスファンドがお勧めです。

利息、分配金が期待できない、かつ
ボラティリティーが高いコモディティというカテゴリーの中で、

原油というたったひとつの資産に投資を行うことは、
「個別銘柄」に対する投資に限りなく近いとわたしは考えます。

(原油ETF、金ETFは市場の平均値に投資を行うツールではなく、
ひとつの具体的な資産価格との連動を目指すツールです)

ところで、
大阪証券取引所のサイト「ETF一覧」に
小さな変化を見つけました。

リンク債ETFはきちんと、
【リンク債型】と表示しているではありませんか。

株式という現物資産を裏づけにしたETFは
「株式バスケット型」と記されています。

なお、この原油ETFは、
原油先物取引を活用するため「デリバティブ型」となっています。

◆ 参照記事
リンク債ETFを考える
リンク債ETFを考える その2

上記ETFについて調べているうち、
たまたま米国に上場している原油ETFの動向が気になったので
チェックしてみました。

すると・・(これは驚きです)、
アメリカでは原油ETF、天然ガスETFの売買高が
とてつもなく膨らんでいるのです。

United States Oil Fund LP (銘柄コード USO)

米国では多数の原油ETFが上場していますが、
上記のUSオイルETFはそのさきがけとなったETFです。
(2006年4月上場)

USオイルETFは、純資産額が20億ドルあり、
直近3ヶ月の1日あたり売買高は「1300万口」を超えています。

また、天然ガスETFの代表格である
U.S. Natural Gas Fund (銘柄コード UNG)

US天然ガスETFは、純資産額が30億ドルあり、
直近3ヶ月の1日あたり売買高は「3000万口」を超えています。
(2007年4月上場)

この売買高の多さは、どう説明すればよいのでしょうか?

ちなみに、アメリカ以外の先進国株式ETFである
MSCI EAFE インデックスファンド(銘柄コード EFA)
の売買高が1日「2300万口」程度です。

プロの投資家の資金が大量に
原油、天然ガスなどの「商品」に
流れ込んできているのではないでしょうか。

世界的に金融緩和、財政出動が実施され、
マネーがだぶついています。

しかし、成長が見込まれる資産、マーケットは
限られています。

機関投資家が、
比較的マーケットの演出がしやすく、
ボラティリティーが高いゆえに
利ざやが稼ぎやすい「商品市場」に
狙いを定めているのかもしれません・・。


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【投資おさらい講座】 その4) ~ どうして良さそうなファンドを選ばないの? ~


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

金融商品とはほんらい、
私たちの生活に役立つ道具であるはずです。

冷蔵庫や靴べらや、シャンプーと同じように。

冷蔵庫は、飲み物や食料を冷やしてくれます。
1日のうちに何度開けても、いつ開けても
いつも「冷やしてくれています・・」

靴べらは、どんなときも必ず
「靴の開口部を支えて、クツを履きやすくしてくれます」

(ある土曜日の昼下がりだけ、
靴べらがへそを曲げて、靴べらほんらいの役割を放棄する
ということはありません)

シャンプーを頭に振りかけゴシゴシ洗うと、
シャンプーは髪の毛をきれいにしてくれます。
元気なときも、疲れているときも、関係ありません。
(いつでも同じ匂い、いつでも同じ「効用」です)

ところが、金融商品は違います
たとえばAファンドを6年間保有しているわたしには、
Aファンドはある意味、とても「いいかげんな」商品に映ります。

だって、毎年、毎年、もっといえば
毎月、毎月、【効用】が違うわけですから。

冷蔵庫でたとえると、
Aファンドはときにモノを冷やさなくなります。

シャンプーにたとえると、
突然、頭のかゆみを取らなくなります。

◆ 「こんな不安定な商品が、世の中によくまかり通っているな」
  というのが、金融商品の本質 なのです。

先日、【分散】のお話をしましたが、
あなたはまた、わたしにこう言うかもしれません。

「カンさん。まどろっこしく分散なんてしないで、
良さそうなファンドを買ってしまえばいいじゃない」

【良さそうなファンド?】
それってどういう意味でしょう。

◆ たとえば、マネー雑誌で特集している、
【今年の下半期、上昇ファンドはこれだ!】とか?

◆ リッパー・ファンド・アワード・ジャパン 2009に輝いた
優秀ファンドとか?

◆ それとか、
モーニングスターに載っている5つ星のファンドとか?

んー、

・今年の下半期、上昇ファンドはこれだ! も、
・リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2009 も、
・モーニングスターの5つ星ファンド も、

◆ すべて【過去のパフォーマンス】をもとに、
ある特定のファンドを評価しているだけです。

注意してください。

これが、

・今年の下半期、注目冷蔵庫はこれだ!
・カッパー・靴べらアワード・ジャパン2009
・これが5つ星のシャンプーです!

だったら、結構信用できると思います。

なぜなら、
冷蔵庫も、靴べらも、シャンプーも、
よほどのことがない限り、
その商品を使用する【外的な環境】は同じであり、

また、誰が、いつ利用しても、
ほぼ【同じ効用】が期待できるからです。

ところが、金融商品は違います

一般に「良さそうなファンド」とは、
つい最近まで成績がとても良かったファンドのことを指します。

         過去形ですよ。↑

ところで、「良さそうなファンド」の
パフォーマンスに大きな影響を与える
【外的環境】は 常に変わっていますね。

先月と、今月で、すでに違っています。
また、去年と今年でも大きく違っています。

短期金利も、為替も、経常収支も、消費者信頼感指数も、
失業率も、GDPの予想成長率も、
市場のセンチメントそのものも、常に「変化」しているのです。

【外的な環境】が変化しているのに、
すごく良かった「○△アクティブファンド」に、
今年も去年とまったく同じパフォーマンスを求めるのは、
酷 というものです。

それだけではありません。

○△アクティブファンドをめぐる【内的環境】、
つまり、ファンドが保有する
ひとつひとつの会社(株式)の状況も
刻一刻と変化しています。

はっきり申し上げます。

◆(そもそも)投資信託の成績に「連続性」はありません。
残念ながらパフォーマンスは毎年違っています。

また、成績の変化に「規則性」はありません。

◆ たとえば、
モーニングスターに載っている5つ星のファンド
「○△アクティブファンド」を買おうという意思決定は、

過去の実績とは関係なく
投資信託の成績は変わるのだ、
という「真実」に背いて、

自身の思い込みだけで
大切なお金を託してしまうことです。

(実は、とても危険なことなのです)

もう一度申し上げます。

金融商品を取り巻く
【外的】【内的】環境は常に【変化】しており、
過去の成績と、未来の成績の間には、
なんの関係もありません。

金融商品は、冷蔵庫や靴べらや、シャンプーとは
本質的に異なる商品なのです。


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2006年のS&P500指数のチャートを見てみよう


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

私たちにとって、
1年 365日は?
人生の中でごくわずかな「1年」です。

ただし、スズメにとっては、
365日は人生の中で大きなウェイトを占めます。
(いや、『スズメ生』というべきでしょうか。)

昨日
1997年から2006年までの10年間、
アメリカ株式市場の平均値S&P500指数は、
年率8.4%の収益を上げました。


とお話しました。


しかし、毎年毎年の
結果リターンはバラバラ。
傾向もないもありません・・。

では、です。

時間の尺度をもっと短くして、
1年「365日のスパン」で
株式市場を見た場合はどうでしょう。

たとえば、
2006年をピックアップしてみます。

日本でもアメリカでも、
2006年は(概観すると)
とても幸せな1年でした。


long tail


2006年、
アメリカ株式市場の平均値S&P500は、
プラス16.3%の収益を上げました。
(嬉しいですね・・)

えっ、今わたしは何て言いました?

「2006年、
S&P500はプラス16.3%の収益を上げました。」
といいましたね。

この表現のしかたが(実は)とっても怪しいのです。


「2006年、
S&P500は16.3%の収益を上げました。」


と言うと、

2006年の1年間、
株式市場はコンスタントに
「よい成績を上げていた」というふうに聞こえますが、

実はそうではないのです。

下のグラフをご覧ください。
これは2006年のS&P500のチャートです。


20061102soerb.jpg


少し見にくいかもしれませんが、
実は1月のところが少し途切れており、
実際の2006年のスタートは
もう「少し低い位置」となります。

5月に少し上向いたりしていますが、
あとはどんどん『下降線』を辿るのみで、

1月から8月の半ば頃までの
S&P500をトータルで見ると、
実は少しも上昇していません・・。

逆に【大きく下がっています。】


(もうこの時点ですでに
1年の半分以上が過ぎているにも関わらず!)


しかし、その後3ヶ月あまりで
寝た子が起きたかのように、
株式市場は急上昇しました。

(具体的には8月の半ばから12月はじめにかけて!)

これって人間でいいますと、

1月から8月半ばまで、
ひたすらテレビゲームをして、
食っては寝て、遊び呆けていたカンという人間が、

8月の半ばから12月はじめまでの3ヶ月間で
寝る間もなく集中して仕事を行い、

1年分の稼ぎ(年 16.3%の収益)を上げた、
ということなのです。


ほんと、
株式市場って「いいかげんなところ」です。


短期投資家のスミスさんだったら、

 「なんだい、S&P500に連動するETFを
この1月から半年以上も保有しているのに、
ぜんぜん上がらないじゃないか。

もうこんな投資はイヤになった。
売ってしまえ!」


ということになるかもしれません。


sowing.jpg


★ たった1年の間でも、
いつマーケットが上昇するのかは、
誰にもわからないのです・・。

株式市場の収益の現れかたが
いかに「いびつ」であるか・・。

「だからマーケットは面白い!」
という方もおられますが(^^;


(消去法的ですが)

結局のところ、
市場に投資し続けることが、
市場の「成長」をすべて捉える唯一の方法なのです。

これを世の中では「長期投資」と呼んでいます。



先ほどわたしは、
「2006年、S&P500は16.3%の収益を上げました。」
と言いましたが、

正確には、

「2006年、S&P500は16.3%の収益を上げましたが、その収益のほとんどは、8月の半ばから12月はじめまでの3ヶ月余りで達成されたものです」。

と言うべきなのでしょう。

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これは【壮絶なバトル】です


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

時々、思うことがあります。
「もし、資産運用に関する仕事に携わっていなかったら、
投資に対してどんな印象を抱くのだろうか」と。

おそらく、【胡散臭い】と思ってしまうのでしょうね。

少し斜に構えて、
投資という虚業に関わる人たちを、
「あの人たちは所詮、なんでもお金なんだ」と、

自分はお金には関心ないフリをして、
シニカルな表情を浮かべたりするのです。

しかし実は(心の底では)、
お金を殖やすことに興味がないわけではありませんから、

わたしは斜に構えつつ、ネットで情報を見たり、
書店でマネー雑誌を立ち読みしたりして、

「我流で」「ちょっと良さそうなもの」に関心を抱き、
誰も自分のほうを見ていないなと確認して
「ちょっとだけ買ってみようか」と、
金融商品を購入したりするのです、おそらく・・。

人はどれくらい儲かるかわからない、
あやふやで抽象的な商品より、

利回り○○%と書かれていて、
たとえば、満期は2年と謳っている商品に魅かれます。

利回り○○%のほうが、
かつ、2年満期というほうが、
具体的な「儲け」のイメージがしやすいからです。

しかし、ここに落とし穴があります。

商品提供側はその道の「プロ」です。
彼らは投資家の【心理】を十二分に知っていて、

【確定利回り】で、
【投資期間】は決まっている
ということを、
全面に打ち出します。

彼らは金融商品の周りに存在するたくさんのコストや、
土の中に埋まったリスクを
黒いビニールシートで被って、

【確定利回り】で、
【投資期間】は決まっている
ところに
「こだわり」を見せるのです。

利回り○○%、かつ2年満期云々の商品に比べて
たとえば「インデックスファンド」などは、
なんとも頼りなさが目立つ金融商品です。

あらかじめ利回りが決まっていない、
「市場の平均」という、雲をつかむような対象に
投資を行うわけですから・・。

それに、投資の成果が現れるまで
「時間がかかる」というのも、
忙しい現代人には 魅力がうすい商品と映るのでしょう。

さて、無駄なコストや隠れたリスクをデコレーションした、
仕組み債的な金融商品といえば、
たとえば【こんな商品】です。

 円建て 早期償還条項付 ETF
<”A50 チャイナ・トラッカー”> 連動債

 
これなど、
資産運用に携わっていないケースのわたしが、
好きそうな商品ですね(笑)

【中国】が関連していて、
【確定利回り】で、
【投資期間】は決まっている。

お断りしておきますが、
上記金融商品は「ETF」ではありません。

上記は、「ETF」というツールを利用した
仕組み債券 なのです。

まず、円建てで「年率6.00%」というところに、
良い意味での【胡散臭さ】を感じてください。

(日常生活の常識に当てはめてみれば、
????となりますよね)

そして、この商品の「リスク」が
どこにあるのかを見つけましょう。

お申込みメモの、
「満期償還」の項で、次のように記されています。

早期償還が発生しなかった場合、
下記のいずれかに従い償還されます。

1.最終評価日における対象ファンド終値が
当初価格以上であった場合 額面金額の100%

2.最終評価日における対象ファンド終値が
当初価格を下回った場合
額面金額 ×
(最終評価日における対象ファンド終値 / 当初価格)

特に注意すべきは 2.です。

下記はいくつかあるパターンのひとつですが、

最終評価日における対象ファンドの「終値」が
当初価格を下回っていた場合に、
(対象ファンドとは中国ETFのこと)

わたしが預けた100万円のお金が
いったいいくらになって返ってくるかというと・・、

額面金額 ×
(最終評価日における対象ファンド終値 / 当初価格)
なのです。

???

つまり、いくらになって返ってくるか分からないのです。
わたしのリターンは、
中国ETFの【価格次第】ということ。

これは言い方を換えますと、

・期待できるリターンは最大で「年6.00%」なのに対して、
・期待できるマイナスの大きさは「計り知れない・・・。」

【リターンが限られているのに、
リスクは限られていないのです・・】

このような商品に、↑投資しようと思いますか?

これは自明の理ですが、

「こんな金融商品は、わりに合わないな」
「リスクとリターンが釣り合っていないな」

と100人の人が気付き、
また500人、1000人の人がこの金融商品の購入を止めれば、

無駄なコストの塊であり、
隠れたリスクが存在する
商品提供側に有利な「このような金融商品」は
なくなるわけです。

別の言い方をすると、

「こんな金融商品は、わりに合わないな」
「リスクとリターンが釣り合っていないな」

と感じる人が増えないと、

このような
(私たちにとって)明らかに不利な金融商品は、
なくなりません。

これは私たち投資家と、
金融商品提供側の【壮絶なバトル】なのです。


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