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2010.02.27 Sat
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
先日、ビックカメラでICレコーダーを買ったのですが、
販売員の人に、
ICレコーダーの性能、録音可能時間、
PCへの接続方法などについて
根掘り葉掘り聞いてみました。
(販売員の方はけっこう親切に教えてくれましたよ)
いざICレコーダーを買う段になって
レジに進むと
「お客様、ICレコーダー7,800円に、
販売手数料が2%かかりますので、
合計 7,960円になります」
と言われました。
??
いえいえ、上記はウソです。
そんなこと言われません。
わたしは7,800円を支払っただけです。
ICレコーダーと違って、
投資信託では、
商品を購入する際に「手数料」を取られるケースが多いです。
これが【販売手数料】と呼ばれるものです。
(私たちの側からいうと「申込み手数料」ですね)
ファンドの販売会社は
「販売手数料」の根拠を、
「投資信託を販売する際に、窓口の販売員が
投資信託の概要、リスクなどについて説明することに
コストがかかるため」
と説明してきました。
しかし、よく考えてみますと、
ネット金融機関では、販売員のコストはかかりませんね。
(その代わり、コールセンターなどの経費はかかりますが)
実は「販売手数料がゼロの投資信託があっても、
別に不思議ではないだろ。」
という声が最初に上がったのがアメリカでした。
◆ 米国ではファンドの販売手数料のことを
load(ロード)と呼びます。
販売手数料の変遷は、
(言ってみれば)販売会社と消費者の
「格闘の歴史」なのですが、
アメリカでは販売手数料は
大きく「3種類」に分かれています。
・最初(フロント)
・終わり(エンド)
・ずーっと(コンスタント)です。
米国では
8,000を超える投資信託が運用されていますが、
「フロント」に販売手数料を取る投資信託が
いちばん多いようです。
※ 私たちがふつう「販売手数料」として認識するのは、
この「フロント」のパターンですね。
アメリカのモーニングスターの調査によりますと、
2007年の「フロント」販売手数料の平均は
4.81% となっています。
(けっこう高いですね!)
もちろん、「販売手数料」には
投資のリターンを下げる効果があります。
たとえば、「販売手数料」が2.1%かかる
Aファンドがあるとしましょう。
あなたが販売会社に
「Aファンドを1万円分買います」と告げると、
そのうちの210円は「販売手数料」として徴収されます。
ということは、
実際にあなたがAファンドを購入する金額は
9,790円になるのです。
これは言い方を換えますと、
1万円分の投資を実行したのに、
実はマイナス2.1%という地点から
運用をスタートさせることになります。
次に「エンド」の販売手数料 です。
これは日本では一般的ではないのですが、
米国ではけっこう見受けられます。
(正式には back-end load といいます)
この「エンド」販売手数料は、
ファンドを買うときにではなく、
ファンドを一定期間内に売ってしまうと、
かかってくるコストとなっています。
具体例を挙げましょう。
ABCファンドは
最初の投資から7年以内に売却すると、
「エンド」販売手数料がかかります。
保有期間7年に近づけば近づくほど、
販売手数料のパーセンテージは低くなっていきます。
※ 日本では投資型年金保険が
上記に近い手数料体系を取っています。
「早期解約控除」と呼ばれます。
そして、
「コンスタント」の販売手数料です。
これは実に巧妙です。
見た目は no load ノーロードで、
販売手数料はかかっていませんが、
ファンドの維持手数料の中に、
請求すべき手数料を上乗せしているのです。
文字通り「コンスタント」にかかってくる
販売手数料と見なされます。
米国は投資信託の先進国というイメージがありますが、
(もちろん、それは間違いではないのですが)
実際のファンド業界はきれいに「二極化」しています。
前述しましたが、
「フロント」販売手数料に4.81%もかかる、
というのはいったいどういうことでしょうか?
あるいは、
多くの投資信託の最低購入単位が
2,000ドルとか、3,000ドルになっているのは
どういうことでしょうか?
◆ それは、
ファンド業界がさまざまな装飾を施して、
人もたくさん動いて、
【高コスト体質】の中で
投資信託を売っているということなのです。
一方、バンガードなどのように、
無駄な経費をかけず、直販で
低コスト(もちろん販売手数料ゼロ)にこだわる
ファンドのメーカーも存在します。
日本でもアメリカでも、
今後の趨勢としては、
「コンスタント」の販売手数料もない、
純粋な意味での 販売手数料ゼロ、
つまり、no load 【ノーロード型のファンド】が、
増えてくることは間違いないでしょう。
基本的に、投資信託という道具は、
私たちの代わりに
ファンドそのものが運用を行ってくれること、
また、私たちの資産を管理してくれることに対して
【コスト】を支払うべき商品なのです。
(つまり、販売手数料ではなく、
維持手数料(信託報酬)としてコストを支払うのが
スジでしょう)
もしもあなたがこの先、
穏やかなBGMが流れる、
シックな内装の、ほどよい硬さのチェアに座って、
○○銀行の販売員の方、
あるいはファイナンシャル・コンサルタントの話に
耳を傾ける機会があったら、
よーく観察してみてください。
・・とてもよいファンドですよ。
・・すぐれた成績を残しています。
・・私どもでしか取り扱っていません。
・・カンさまだから、お薦めするのです。
耳障りのいい言葉は、
あなたを気持ちよくするために存在します。
しかし、
(あれ?と自分自身に対して言ってみてください)
「ちょっと待てよ。
そんなによい商品 = 投資信託 だったら、
なぜ、こんなセールストークと、
高そうなスーツを着た
ファイナンシャル・コンサルタントと、
穏やかなBGMと、シックな内装と、
ほどよい硬さのチェアと、
高級インテリジェントビルの一室と、
ホテルマンのようなスマイルが必要なのだろう?
本当によいモノだったら、
不特定多数の人の情報伝達力によって、
もっと低コスト、かつもっと広範に
その良さが伝わるはずだ..」
という【健全な懐疑心】を持ってみるべきです。
その 投資信託 の「質」を知りたければ、
その 投資信託 を紹介している「人」を
よーく観察してみましょう。
そして、その人が、
いったいどこに属していて、
具体的に何をすることによって
どこから収入を得ているのかをチェックしてください。
もしかしたら、
販売手数料 1.05%のAファンドを机の下に置いて、
あなたには販売手数料 3.15%のBファンドを
薦めている人かもしれません...。
(それは、なぜですか?)
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2010.02.26 Fri
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
物事をはっきり言うには、
ときに「勇気」が必要です。
異論や誤解が生じる可能性があっても、
「右か、それとも左か」と聞かれれば、
「どちらかの方向」を指し示さないといけません。
(そんな)オピニオンリーダーとしての過酷さを、
勝間和代さんは引き受けておられるのだと
わたしは思います。
個人的には
「勝間和代の日本を変えよう」が好きなのですが、
ここは投資ブログなので、
「勝間和代のお金の学校
サブプライムに負けない金融リテラシー」
という本を挙げます。
上記書籍の最後に、とても印象深い一節があります。
(以下、引用です)
―勝間 私たち個人投資家が買うのは、
証券会社や投資顧問会社がいちばん売りたくないものを
買わないといけないんですよ。
パンフレットも作ってくれないような。
作るとコスト割れになるような
商品でないといけないんですね。
人気ではなくて、
実際にどういう運用ポリシーで行われていて、
どういうコスト構造で、
信託報酬は何%なのかということが、
いちばん重要です。―
まさしく..。
(向こうが)いちばん売りたくないものを、買う。
これは真なりです。
そして、その行為がひとつの「流れ」になれば、
(向こう側としても)
「いちばん売りたくないものを、力を入れて売らざるを得ない」
状況になってきます。
これが、金融サービス業における、
作り手と使い手(消費者)の形勢逆転なのでしょう。
金融商品の使い手である消費者が
「モノを見る目」を養わない限り、
作り手側の成長もないのです。
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2010.02.24 Wed
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
楽天証券が国内ではじめて
中国セクター別ETFの取り扱いを開始したようです。
(詳細は【こちら】)
一国の業種別(セクター)に走るのもよいのですが、
どちらかというと、
アジア株式全般に投資を行うETFを
充実させていただければなと思います。
新興国に「広く・浅く」投資を行う、
新興国株式ETFを少し絞り込んで、
「アジア」にフォーカスしたETFということでいうと、
今のところ
リクソーETF MSCIアジア・パシフィック(除く日本)
(銘柄コード 02815)ぐらいしか見当たりません。
日本語版の運用レポートは【こちら】
しかも、当該ETFは
オセアニアをアジアの一部と捉えている金融商品です。
(日本を除くアジア+オセアニアに投資を行うイメージ…)
海外の市場にはたくさんのアジア株ETFが上場しています。
(現状は、日本国内で購入することはできませんが、
ぜひ楽天証券あたりに取り扱ってもらいたいものです)
たとえば、
(日本を除く)東アジア株式ETF というべき、
リクソーETF MSCI Asia APEX 50(銘柄コード G1K)
(組入れ国は、中国、韓国、台湾、香港、シンガポールです)
あるいは、東南アジア株式ETFである、
FTSE/Asean 40 ETF(銘柄コード ASEAN)
(組入れ国は、インドネシア、マレーシア、
フィリピン、シンガポール、 タイ)
あるいは、
SPDR S&P Emerging Asia Pacific ETF(銘柄コード GMF)
(組入れ国は、中国、台湾、インド、マレーシア、
インドネシア、タイ、フィリピンです)
運用レポートは【こちら】
どうしてこの記事を書いたかというと、
最近、コンサルティングの現場で
「カンさん。アジア株式に投資を行う
ETF、インデックス・ファンドはないのですか?」
という質問をしばしば受けるためです。
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2010.02.22 Mon
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
中島みゆきさんの「永久欠番」という歌の中に、
ー100年前も、100年あとも
私がいないことでは同じー
という歌詞があります。
たしかに、深遠な時間軸の中では、
人の一生は前の世代と次の世代をつなぐ
「繋ぎ目」にすぎないのかもしれません。
しかし、そのような客観的事実よりも、
自分がどう毎日を過ごしているかという、
自身に対する「実感」のほうが
何倍も大切なのではないでしょうか。
人が生きることの意味づけは、
客観的視野からではなく、
自身のなっとくによって形成されます。
今、世界の片隅では、
自由にモノが言えない人、
今日のご飯を食べることにも事欠く人が
たくさんいます。
住む場所の自由がない、
職業を選ぶ自由もない中で、
それでも生きている人はたくさんいます。
(なるほど)現実を直視すれば、問題は山積みです。
未来に対して悲観的になるのも理解できます。
それでも、
「100年前に比べると、
自由を享受できる人の数が、圧倒的に増えたよね」
ということばに、
異論を唱える人はいないのではないでしょうか。
歩みは遅いかもしれませんが、
「世の中は確実によくなっている」とわたしは思うのです。
来月の収入の保証もなく、
仕事が続くかどうかの保証もなく、
グローバルな競争に晒される中で
毎月生活をやりくりしていくことは
シビアでたいへんなことです。
しかし、私たちは
頑張れる「自由」があることを
忘れるべきではありません。
私たちは「自由」にモノを考えたり、
発想したりすることができます。
それを発表する「自由」にも囲まれています。
そして、住む場所や、食べるものや、
着るものや、職業を選ぶ「自由」もあります。
「お前はこれをやってはいけない」
「あんたはそんなことを主張してはならない」
という制約は、
(公序良俗に反しないかぎり)ほとんど存在しません。
これほど人が活動する可能性が広がっている社会を、
100年前の人は果たして想像できたでしょうか。
(今日はなんだかしんみりしてしまいましたが)
頑張ることができる「自由」が存在することを
今一度感謝したいと思います。
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2010.02.21 Sun
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
【全思考】(北野武 著)の中に、
こんなエピソードが載っています。
―ある山の麓で、おじいさんと孫が、山鳩の雛を育てていた。
その山の反対側に、別のおじいさんと孫がいて、
こっちは鷹の雛を育てていた。
それぞれの雛が成長して飛べるようになったんで、
ある日、空に放してやった。
そしたら、鷹が山鳩を食べてしまった。
山のこっち側では、山鳩が喰われたって泣いた。
向こう側では、鷹がはじめて餌を獲ったって喜んだ。-
たったひとつの出来事も、
見る視点によって人間の感情は180度変わります。
・・・たとえば、です。
投資信託を持っているあなたは、
「買った値段」を覚えているのではないでしょうか。
現在、基準価格が 8,500円の
Aファンドがあるとしましょう。
あなたはこのAファンドを
10,800円のときに買いました。
もうあなたはこのAファンドを1年半も持っていますから、
「んー、10,800円から下落をし続けて
今、8,500円になっているから、
もう少し待ったら、
また基準価格が上がっていくのでは・・」
という希望的観測をします。
ところが、このAファンドが運用を開始したのは
1999年のことです。
Aファンドの基準価格は過去、
富士急ハイランドのジェットコースターのように、
アップダウンを繰り返していました。
このAファンドを2002年当時、
基準価格5,400円で買った鈴木さんは、
「まあ、このファンドはすごいアップダウンがあったけど、
5,400円で買ったものが今、8,500円になっているから、
そろそろ売り時かな」
と考えているかもしれません。
そうです、
◆ あなたと鈴木さんは、まったく違う視点で
Aファンドを見つめているのです。
何が言いたいかといいますと、
◆「ワタシはこのファンドをいくらのときに買った」という、
投資信託の購入価格には【意味】がない。
ということ。
(少しきつい言い方になってしまいますが、)
投資信託をいくらで買ったかは、
あなたのお気持ちにとって重要なだけであり、
日本の株式市場にも、
日銀も、田中さんにも佐藤さんにも、
ほかの大多数の人間にとっては、
ぜんぜん重要ではないのです。
あなたが
10,800円のときにAファンドを買ったのか、
あるいは
9,100円のときにAファンドを買ったかどうかなんて
まったく意に介さず、気にも留めず、
太陽は東から昇り、Aファンドは運用を続けます。
市場そのものも、他の金融商品も、
あなたの必死の思いや、
わたしの真剣な姿勢や、
本を何冊も読んで勉強したことも
まるっきりお構いなしに
ただ、冷徹に【動くのです。】
そこには、血も涙もありません。
それが、
あなたが資産運用において相手にしている、
「市場」そのものであり、
「金融商品」そのものなのです。
◆ しかし、血も涙もないからこそ、
公正さ(フェアネス)が担保されている、
それが「マーケット」というところです。
たとえ100億円のお金を持つ資産家であっても、
株式市場をコントロールすることなんて
出来ないわけですから..。
「カンさん。このAファンドですが、
持ち続けるべきでしょうか?」というご相談を
しばしばお受けします。
このとき、
ご自分がいくらでAファンドを買ったのかということを、
<判断材料にすべきではない> のです。
あなたが保有する5つの投資信託が、
今、この瞬間に【現金化】され、
「さあ、あなたの手元には
520万円の【現金】がありますが、
この【現金】を用いて、
果たしてあなたは再び5つの投資信託を買いますか?」
と、自問自答してほしいのです。
(わかっています、
酷な質問をしているということは..)
しかし、
あなたは、あなたが保有するAファンドを
たとえば7年後も持っていたいと
本当に思っているのですか?
あなたはAファンドを含めた「あなたのポートフォリオ」が、
ほんらいあなたが望んだもの、
【あなたらしいポートフォリオ】だと思っていますか?
もし、そうでなければ、
投資信託の入れ替え作業、
いや、より正確にいいますと、
【ポートフォリオの入れ替え作業】を行うべきでしょう。
この作業は、
(コンサルティングの現場から申し上げると)
それなりのエネルギーを要します。
しかし、なにも
投資信託を売却して
「はい、それで終わり」ではないのです。
Aファンド Bファンド
Cファンド → Hファンド
Fファンド Jファンド
Kファンド
というように、
【投資信託を持つカタチ】を変えるだけなのです。
この「入れ替え作業」ができるかどうかで、
あなたの資産運用の成否が
決まってくると言っても過言ではありません。
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2010.02.20 Sat
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
先日、米国の公定歩合が
引き上げられるというニュースが流れました。
この情報に対してまたたく間に
世界のマーケットが反応します。
これは技術的に「情報」が瞬時に伝わる、
ということのみではありません。
私たちの感覚が、
「ああ、となり町で何か起こっているんだ」と
認識しているのです。
30年前なら、米国の公定歩合の上げ下げは、
今よりもっともっと「遠い出来事」でした。
歴史的に見ると、
世界の株式市場は「ITバブル」を機に
価格変動の振れ幅が大きくなりました。
(世界が「一体化」し始めたからでしょう)
マーケットが上がるとき、下がるときの振動が
大きくなるのはなんとも不安なことですね。
しかし、資産運用において
「最悪なこと」っていったい何なのでしょうか。
それは、
あなたのお金を託した「金融商品の価値」が
ゼロになってしまうことです。
20年前にJALの株式を持っていた人は、
「バカだな。日本航空が潰れるわけないじゃないか」
と思っていたことでしょう。
たとえば、トヨタの個別株式を持っている人は
「トヨタが潰れるわけがない」と思います。
(わたしも実際、そう思います)
しかし、20年後、果たして
「トヨタが潰れるわけないじゃないか」と
思えているかどうかは
(残念ながら)分からないわけです。
◆ 投資の世界では、実のところ
誰も「正解」を知りません。
= 未来のことは誰にも分からないのです。
個別株式は、たしかに投資信託に比べて
期待リターンは高いですが、
資産の価値がゼロに帰す「倒産リスク」を
負い続けることになります。
また、生命保険商品はどうでしょう。
私たちは保険商品について、
特に貯蓄機能も含めた保険商品について、
「利回り」でいうと、○%くらいで回るから、
「元本保証」があって安心だ。
という印象を抱いたりします。
具体的には、
個人年金保険とか、養老保険とか、終身保険などです。
たとえば、
月々2万円の保険料を27年間にわたって支払い
(払込み保険料648万円)、
65歳時に750万円の解約返戻金が受け取れる
終身保険などがあると、
「貯蓄にもなるし、死亡保障もあるし得した気分!」
になる方もいます。
しかし、27年間もの長きにわたって、
(あるいはそれ以上の期間にわたり)
その商品の提供元である
生命保険会社の倒産リスクと【付き合い続けるリスク】を、
私たちは過小評価していないでしょうか?
生命保険商品の提供元である
生命保険会社が破綻した場合は、
【責任準備金等の90%まで】は補償されます。
しかし、これは保険金、年金額の90%が
補償されるという意味ではありません。
実際に、千代田生命や協栄生命が破綻した際には、
責任準備金等の削減、そして
責任準備金の積立利率に相当する
「予定利率の引下げ」の影響が大きく、
本来もらえる年金額の
3割以上がカットされたという例もあります。
ここ、私たちはついつい見落としがちになるのですが、
◆ あらゆる金融商品、あらゆる類の資産において、
「倒産リスク」を隔離できるかどうかはたいへん重要です。
言い方を換えると、
長く続く「資産運用生活」の中で、
自分の資産が
ゼロになる心配をする必要があるのか、ないのかは
とても大きな違いなのです。
(メンタル面にも影響しますね)
たとえば今、
「あのニッセイが潰れるわけがない」と思っていても、
では、20年後に同じ場所で、
「ニッセイが潰れるわけないじゃない」と
思えるかどうかは、
(今の時点では)分からないのです。
ひとつの会社の株式が
ゼロに帰してしまう可能性はありますが、
【株式ファンドの価値がゼロになることはありません】
なぜなら、投資信託というツールは
もともと「銘柄の分散」を行っており、
かつ、販売会社、運用会社、受託会社の3社とも、
直接「投資信託」を所有するようなしくみではないため、
投資信託に関わる会社の
【倒産リスク】を隔離することが出来るからです。
わたしは上記文章をさらっと書いていますが、
長い長い投資生活の中で、
自分が保有する金融商品が
「ゼロになることはない」、
あるいは「不当にその価値を削られることはない」
と思える安心感は、
(実は)なかなか得がたいものなのです。
わたしが投資信託という金融ツールを推奨する理由。
それは
「資産価値がゼロになる心配をしなくてよいから」です。
◆ 参照記事
【平成電電のケースから「ファンドの本質」を学ぶ】
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