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2010年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年05月

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「回転木馬のデッド・ヒート」は短編の力を再認識させてくれる..


こんにちは。カン・チュンド です。

物語は作りごとです。
しかし、作りごとであるからこそ、
人の営みの深いところを垣間見せてくれるのだと思います。

投資やビジネス本は、
小説という大河に比べたら
枝葉の水の流れにすぎないと、時々思ってしまいます。

本棚から何度も引っ張り出してしまう、
村上春樹氏の【回転木馬のデッド・ヒート】を
ご紹介しましょう(1985年の作品です)

この本は正確な意味でいう「小説」ではありません。

この本は、村上氏の作品の中でも異彩を放っています。
「回転木馬のデッド・ヒート」は、
村上春樹氏が、実際に人から聞いた話
(彼ら/彼女らの体験談)を文章にしているのです。

人それぞれに、
特異な体験を引き込むパワーのようなものを持っていて、

人生のちょっとした瞬間に
それが発芽することがあるのだな・・・と
わたしはこの作品を読んで感じました。

以下、回転木馬のデッド・ヒートに収められている
8つの作品群です。

・レーダーホーゼン ・・ 
女性が読まれるとうんうんと頷かれるのでしょうか?

・タクシーに乗った男 ・・
本当に不思議な話です。

・プールサイト ・・
彼の涙の意味を、わたしはまだ理解できていません。

・今は亡き王女のための ・・
わたしは映画「ラスト・ショー」の思わせぶりな主人公、
ジェイシー(シビル・シェパード)を思い出しました。

・嘔吐1979 ・・
本当にこんなことってあるのでしょうか。

・雨やどり ・・
財布の中身(金額)が瞬時にわかるって、どんな気分なのか。

・野球場 ・・
たとえば社会が個人を覗き込む、という暗喩を感じます。

・ハンティング・ナイフ ・・
静寂の底に、閉じ込められた人の想い。

【回転木馬のデッド・ヒート】を
秀逸な作品にしているのは

言うまでもなく
村上氏の文章構築力にあると思います。
(文章の勉強にもなります)

そして、氏が類まれな「聞き上手」である点が、
この作品を奥深いものにしているのでしょう。

◆ 参照書評
小説のようで小説ではない? "回転木馬のデッド・ヒート"

最後に、本書の「タイトル」の意味は、
本の「はじめに」の部分で語られています。
(とっても哲学的….)

(そういえば、自分でこんな文章書いてました。)
 【村上春樹という普遍性





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| 書評・映画・美術評 | 11:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「アイデアのちから」はとても実践的!


こんにちは。カン・チュンド です。

わたしは今日も文章を書いています。
書くこと自体、自分にとっては大切な訓練だと思っています。

でも、書くことと、
人前でしゃべることを選べと言われたら、
迷わず「しゃべる」ことを選びます(笑)
(書くことは元来、あまり得意ではないのです..)。

そんなわたしがお勧めしたい本が、
アイデアのちから】 
作者: チップ・ハース、ダン・ハース
出版社: 日経BP社

「文章を書く人すべてに紹介したい。」
そう思わせてくれる本です。

本書では
文章を書くためのアイデアは【感性】ではなく、
【訓練】によって生み出すことができる、
と喝破しています。

(実際そうであると実感しました..)

文章も「技術」を用いて紡ぐものなのだと、
再認識した次第です。

本書は説得力のある文章、
人を惹きつける文章の「特性」を考察し、

今まで感覚的に伝えられてきた
「アイデアの作り方」について
客観性の高い【法則】を複数導いています。

・詳しくはこの方の【書評】で。

これらの【法則】をインプットし、
いつも気にかけながら作文を行うことで、
あなたの文章のペーソスが変わると思いますよ。

いつも思うのですが、
米国の書籍は
私たちが感覚的に捉えている領域を、
深く掘り下げ体系化することに長けていますね。

(プラス、この本は「読み物」として
痒いところに手が届き、
ユーモアがあってとても面白いです..)

G・W期間中にぴったりの本だと思います。




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| 書評・映画・美術評 | 17:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ニワトリとタマゴの本質的な攻防


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

わたしは時々、思うのです。
株式に「配当」がなかったら、
物事はもっとシンプルになっていたのに、と。

株式は本来的に、
値上がり益を求めて保有する資産です。
(投資した「元本」が増えることを期待しています)

投資した元本を【ニワトリ】にたとえると、
◆ ニワトリが大きくなることを夢見て行うのが「株式投資」です。

(これだけなら、ニワトリが大きくなるか、
縮んでしまうかだけの話ですが、)

そこに「配当」という【タマゴ】が絡んでくるので、
話がややこしくなってしまう..。

「不景気のときはやっぱり製薬株だよ。
だって配当がいいもの。」
「いやいや、安定配当でいえば、なんといっても電力株だよ」

このような話になると、
【ニワトリ】はどこかに行ってしまい、
【タマゴ】の話に終始することになります。

たとえば、ABC製薬の株を100万円分買って、
そのとき、配当利回りが4%あったとしましょう。
「すごい! 4%も入ってくるんだ。」

いやいや、違いますよ。
別に4%の利回りが確定しているわけではありません。

4%の利回りとは、
100万円である資産を購入して、
4%分の収入が入ってきて、

その資産を【100万円で売ることが出来たとき】にはじめて、
4%の利回りが確定するのです。
(ここでは税金は考慮していませんが..)

「すごい! 4%も入ってくるんだ。」
というセリフは魅惑のことばです。
そこかしこで聞かれます。

その資産に【元本保証】がないのに、
「タマゴ」の大きさのみに注目して、
みんな「タマゴ」をいろいろな方向から
しげしげと眺めているのです。

(もちろん、「ニワトリ」が縮むかもしれないという
リスクにはフタをして・・

「すごい! 4%も入ってくるんだ。」
と驚いてよいのは、

100万円で買ったモノが、
100万円で還ってくる保証がある資産に限られます。
たとえば、円建ての国債とかです。

「カンさん。なに言ってるの。
今の超低金利で、
国債で4%も利息が付くわけないじゃない。」

はい、そうです。
10年物の国債でせいぜい1.2%くらいでしょうか。
これがあるべき【タマゴの大きさ】なのです。

現実、です。。

カンさん。
REITなら、もっと高い利回りで回るよ。
○△不動産投資法人なんて、配当利回り8%だよ!

はい、それは、
10年物の国債と比べて、
元本、すなわち【ニワトリ】の不確実性が大きいから
8%もの「表面利回り」が付くのでしょう。

◆ 8%の配当利回りは、
【ニワトリ】の不確実性の大きさ
= リスクの大きさの表れ です。
  ~~~~~~~~~

(念のため、)
配当利回りで6%くらいもらいながら、
ニワトリの大きさも減らないで大きくなるよね。

という類の金融商品は、
(わたしが知る限り)存在しません。

もしあったとしたら、
その商品は必ずどこかに、
【ニワトリ】が縮んでしまうリスクを内包しています。

換言すれば、
【ニワトリ】が縮んでしまうリスクを背負ってはじめて
6%程度の表面利回りが付くのです。
ねえ、グロソブさん。

(ところで)わたしという個人投資家は、
いっさいの【タマゴ】を欲していません。

理由はかんたんです。
◆【タマゴ】をもらうと、
 【ニワトリ】が大きくなりにくいからです。

資産を形成するとは、
リスクを取って
【ニワトリ】を大きくすることなのです..。

追記)

わたしが不動産投資をお勧めしないのは、
不動産とは、借金をして大きな【ニワトリ】を取得し、
そこから延々と【タマゴ】をもらう資産であるからです。

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| 投資の発想法 | 18:51 | comments:4 | trackbacks:1 | TOP↑

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「シブヤでマネーな女になる講座」(1回目)、無事終了です


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

昨日は久々に緊張しました..。
セミナーの原点、
そして(FPとしての)サービスの原点を再確認した次第です。

ある参加者の方が次のような
「感想」を寄せてくださいました。

【明日からすぐ行動に移せる、
考え方が今すぐ変わる、そんなセミナーでした。】

(ありがとうございます!)

田中香津奈さんもわたくしも、
保険、投資信託を販売するという「前提」がありません。
したがて、金融商品に関して
ズバリ「本音」でお話をすることができます。

(ここがこの講座の【付加価値】です!)

ふたりの話で共通していたのは、
「私たち消費者にとってメリットが大きい商品は、
銀行、保険会社などでは宣伝されない」ということ。

逆に、金融機関が大々的に宣伝している商品は、
ご奉仕品であるということです。
(私たちが金融機関に【奉仕】してしまっているのです..)

この講座に参加すれば、
「守りのお金」と「攻めのお金」が明確になります。

そして、あなたにピッタリの保険や投資信託が選べ、
すぐに実践できるはず!

IMG_0295.jpg

 なんか、小道具持ってます。。

IMG_0301.jpg

質疑応答の場面、↑(相続に関して)
生命保険と投資信託の重要な違いが明らかに…。

【フロー編】最終回の6月20日分、
お申込みは【こちら】からどうぞ。
(5月分はすでに「満席」となりました)

◆ 参照記事
シブヤでマネーな女になる講座」実況中継




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| セミナーのお知らせ | 18:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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インデックス・ファンドの「本質!検索」


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

5年前の春に比べると、
複数のインデックスファンド・シリーズが登場して
(もちろん「ノーロード」で!)

あれがいい、これがいいと議論できること自体、
とても、とても【幸せなこと】だと思っています。

そんな状況は十分承知しつつ、
昨日は、

―私たちはよりコストの低いファンドを
【選ぶ】ことに終始しがちですが、

それよりも、
そのファンドが5年、10年後に
【存続しているか否か】のほうがより重要と考えます。―
と述べました。

(ところで、)
インデックス・ファンドの本質って何でしょう?

私たちにとっては?
低コストで【便利な道具】です。
しかし、運用会社、販売会社にとっては?
あまり【儲からない道具】です..。

「えっ、儲からないのに、
どうして複数の会社が参入しているの?」

それは、
インデックス・ファンドの「伸びしろ」が大きいと
各社が判断しているからでしょう。

◆ 今、まさに、
(成長分野の)インデックス・ファンドというパイを
奪い合う競争が始まろうとしています。

現在、ネットに特化した
「インデックスファンド・シリーズ」は
どの運用会社も【赤字】だと思います。

インデックス・ファンドとは
典型的な【薄利多売型】商品であり、

1.マーケットシェアを取り、かつ
2.純資産が相当規模積み上がらない限り、
【ペイしない商品】なのです。

(典型的な、規模の利益が働く商品です)

別の言い方をすれば、
(どれくらい我慢できるかという)体力の差はありますが、

マーケットシェアが取れず、
純資産が積み上がらなければ、
繰り上げ償還という名の「撤退」が待っているわけです。

中期的な視点で見れば、
仮に6社、7社の運用会社が
「インデックスファンド・シリーズ」に参入してきても、
最終的には2、3社程度しか
存続できないのではないでしょうか。

米国の例で言いますと、
インデックス運用には
先行者利益】というものが存在します。

つまり、(その商品分野において)
― いちばん最初に市場に入った者が強い。-
という傾向です。

以下、ETFの例となりますが、
ちょっと振り返ってみます。

米国でいちばん最初に外国株式ETFを設定したのは、
モルガンスタンレーでした。

1996年にモルガンスタンレーは
17本のWorld Equity Benchmark Shares(WEBS)を
アメリカン証券取引所に上場させます。

(この中には
MSCI EAFE Index Fund のもととなるETFもありました)

それから10日もたたないうちに
今度はドイツ銀行がニューヨーク証券取引所に
9つの外国株式ETFを上場させます。
(「Country Baskets」と呼ばれました)

(しかし、売買高に大きな開きが生じたまま、
結果としてドイツ銀行は上場から1年後、
外国株ETFからの撤退を表明します..)

また、こんな例もあります。
2004年11月に最初の金ETFが上場しました。
(スパイダー・ゴールドシェアです)

それからわずか2ヵ月後、
2005年1月に
i シェアーズcomex ゴールド トラストが上場を果たしますが、

売買高、純資産額において
comex ゴールド トラストは一度も
スパイダー・ゴールドシェアに追いつけていません。

(両者の売買高、純資産額には
現在、何十倍もの開きがあります..)

以下、わたしの私見となりますが、
いちばん最初に(ネット証券向け)
「インデックスファンド・シリーズ」を立ち上げた運用会社には、

それなりの覚悟と、
(マーケットシェアを取るまで)
ある程度の我慢が必要だという
認識があるのではないでしょうか。

あとから参入してくる会社ほど、
(あくまで可能性としてですが)
「もしかして、逃げ足も速いのでは?」
と勘ぐりたくなる気持ちがどこかにあります。

信託報酬をより安くする、
という【コスト軽減】は(もちろん大切なのですが)

「インデックス・ファンド」の場合、
それは本来的に【後から起こるべきもの】です。

ファンドの純資産額が積み上がり、
【規模の利益】が働いて
信託報酬を下げていくというプロセスが
あってしかるべきではないでしょうか。

(実際、米国のバンガードがそうでした..)

ファンドが長く存続することが確かになってくれば、
運用会社はファンド保有者に
「信託報酬を下げる」という形で報いる...。

わたしはコストがいちばん安いファンドよりも、
存続可能性がより高そうなファンドを選ぶことが
肝要である
と思います。

追記)

本日の日経新聞
「インデックス投信 個人向け広がる選択肢」で
コメントしています。 
(日経の記者北松さんがまとめられた
とても分かりやすい記事ですよ)

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| インデックス投資全般 | 18:32 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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ピクテ投信投資顧問が中国H株、ブラジル株に連動するインデックス・ファンドを設定


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

スイスの運用会社ピクテが、中国株、およびブラジル株の
インデックス・ファンドを設定するようです。

以下、ピクテ投信投資顧問
「ニュース&インフォメーション」のページから引用です。

中国H株、ブラジル株に連動するインデックス・ファンド
「ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ
- 中国H株、-ブラジル株」を設定


―ピクテ投信投資顧問株式会社
(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ギャビン・シャープ)は、「ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ-中国H株
(愛称:ピクテIF中国H株)」、
「ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ-ブラジル株
(愛称:ピクテIFブラジル株)」(以下「両ファンド」)を設定します。

両ファンドは当初、マネックス証券株式会社を通じて販売されます。2010年5月10日から5月28日まで当初募集を行い、
5月31日に設定、運用を開始します。
マネックス証券株式会社では、お申込手数料・ご解約手数料のないノーロードでのお取扱いとなります。―

(以上、引用おわり)

この1年半あまりで、
インデックス・ファンドの利便性は
ETFを凌駕するに至っています。

しかし、インデックス・ファンドのデメリットとして、
「商品選択肢の少なさ」があります。

特に、
・商品(コモディティ)系のインデックス・ファンドが少ない
・国別、地域別株式のインデックス・ファンドが少ない
 点が挙げられます。

ピクテのような新規参入会社が増え、
「商品ラインナップ」が充実してくれば、
インデックス・ファンドの強みが増してくるでしょう。

上記リリースでは、
「ピクテ・インデックス・ファンド・シリーズ」と謳っていますが、
シリーズということは、追加の設定が期待できるかも?

また、リリースでは信託報酬について言及していませんが、
中国H株のほうは「有価証券届出書」で
0.945%と確認できました。

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