単独債券 V.S. 外国債券インデックス・ファンド
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
人は太陽が照りつけると、無意識に日陰を探します。
そのくせ、真冬の信号待ちでは、
わざわざ日なたに移動したりします。
(わたしなど、その典型例です)
私たち投資家は、株式の調子が悪いと、
「なんとか債券でリターンを得られないものか」と画策します。
そのくせ、株式の調子がよくなると、
地味な債券のことなど、きれいさっぱり忘れてしまうのです。
(フムフムと頷いていませんか?)
今はどんな時期かというと..、
「なんとか債券でリターンを得られないかな..」
と思う今日この頃。
当オフィスでは、
ポートフォリオの外国債券部分は、
インデックス・ファンド、あるいは
外貨建てMMFで保有されることをお勧めしています。
しかし、こんな声が聞こえてきそうですね。
「外国債券インデックス・ファンドを持つより、
単品の外貨建て債券のほうが魅力的ですよ!」
だって、利回りも
(日本債券の豆粒のような利息に比べると)
高いし、なにより、投資信託ではなく
「生」の債券をそのまま保有しているので、
【継続コスト】がかからないですよ。
なるほど。それはそうですね。
たしかに、アメリカ国債、フランス国債、
オーストラリア国債など、複数の単品債券を保有するのは
可能です。
しかし、私たちは「債券」そのもので
資産運用のリターンを得ようとしているのでしょうか。
(んー、まあそういう方もいるでしょう..)
◆ しかし、弊所では
【ポートフォリオ全体でリターンを得る】という
考えを持っています。
◆ はっきり申し上げて、外国債券そのものには、
「高いリターンを得る」という役割は求めていないのです。
(ポートフォリオのリターンを得る「エンジン役」は
株式 ですから!)
(それより)外国債券に求めるのは、
ポートフォリオの安定性への寄与です。
具体的にいうと、
ポートフォリオのリスク軽減効果を求めています。
(特に株式が下落した場合の..)
つまり、イメージとしては
外国債券を持つというより、
ポートフォリオの一パーツを利用している、という感覚です。
外国債券インデックス・ファンドは、
単品の債券を保有するより、管理そのものが簡単です。
(何しろたったひとつの商品で、
主要国22カ国の国債をバランスよく保有できるわけですから)
また、分配金も自動的に再投資されるため、
管理に手間がかかりません。
一方、単品の債券は、定期的に入る「利息」を自分で管理し、
自ら再投資する必要があります。
(しかし、購入単位が高いと、
すぐに再投資できないケースもあります)
また、単品の債券には「満期」がありますね。
(ということは、
満期のたびに、買い換えを行う必要があるということ。
それに、満期の時期に、
買い換える債券がどの程度の利回りになっているかは、
今の時点ではまったく予想がつきません..)
一方、外国債券インデックス・ファンドには
「運用満期」というものがありません。
ファンド内には「満期」が異なる多数の国債が
組み入れられています。
ファンドは、
満期を迎えた国債を買い換えていきますが、
それぞれの国債の満期は「異なっている」ので、
たとえば、世の中の金利がとても低いときに、
いっせいに債券の買い換えを行うという事態を
避けることができます。
それから、
ポートフォリオの「リ・バランス」を行う際も、
外国債券インデックス・ファンドのほうが使い勝手がいいです。
単品の債券では、
細かい金額単位で解約することができません。
また、細かい単位で追加購入するのも難しいです。
考えてみてください。
3つの単独債券を保有していて、
そのバランスを崩さないよう一部ずつ解約するのは
至難の技です。
投資信託であれば、
少額からいつでも購入・解約することが可能です。
(つまり、バランス調整する道具として長けているのです)
信託報酬という「手数料」を支払い、
潜在リターンがそれだけ低下しても、
わたしは長期的な視点から、
インデックス・ファンドが「パーツ」としてふさわしいと考えます。
私たちは、ポートフォリオ全体の【管理のしやすさ】を
過小評価すべきではないでしょう。
◆ 参照記事
【債券さん、債券さん、こんにちは。】
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