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2012年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2012年11月

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SBI証券が(ようやく!)投信積立の銀行引き落しサービスを開始します


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

当オフィスでは投資信託の購入のしかた、
= 投資の執行のしかたとして、
つみたて方式」をお勧めしています。
(毎月定額で投資信託を買い付ける方法ですね)

その際、ポイントとなるのは、
どの【窓口】(= 販売会社)を選ぶのか、ということ。

まず当然ですが、

1.投資信託のつみたてに対応してくれていること。
2.購入時手数料がゼロで、
運用管理費用が安い低コスト型の投資信託が
多数ラインナップされていること。

上記2つが「重要」ですが、
次の段階として、さらに「重要」なことがあります。

それは、
3.1,000円(もしくは500円)から、
「つみたて」が出来るか ということです。

毎月数万円程度から、
幅広い分散投資を行うためには、
資産が異なる、あるいは国・地域が異なる
「複数の投資信託」を組み合わせる必要があります。

仮に1本の投資信託について、
1万円からの「つみたて」にしか対応していないと、

毎月3万円の「つみたて原資」があっても、
3本の投資信託しか購入できません。

しかも、

Aファンド 1万円 33.3%
Bファンド 1万円 33.3%
Cファンド 1万円 33.3%

という「配分割合」しか
【選択肢】がないわけです。

したがって、
3.1,000円(もしくは500円)から、
「つみたて」が出来るか は、
たいへん重要な条件と考えます。

そして、最後に「重要」なことは、

4.あなたの給与振込み口座(銀行口座)から
「自動引き落し」が出来て、
入金などの手間をかけずに
毎月「つみたて」が出来るかどうか、


ということです。

(わたしもあなたも)、
ついついモノ忘れをしてしまう生き物ですし、
また、ついつい怠けてしまう生き物でもあります。

資産運用を確実に「継続させる」ためには、
銀行口座から「「自動引き落し」
⇒ 証券会社にて「投信つみたて」という、
ダイレクトな流れ】を作ることが重要と考えます。

あっ、でも間違っても、
「ワタシって給与口座が「みずほ」だから、
みずほ銀行で投資信託の積立てをしよう」
なんて思ったりしないように!

なぜなら、多くの銀行、
そして、多くの有店舗の証券会社では、

2.購入時手数料がゼロで、
運用管理費用が安い低コスト型の投資信託が
多数ラインナップされている。

3.1,000円(もしくは500円)から、
「つみたて」が出来る。

に対応していませんから!

1.~4.をすべて網羅する販売窓口と考えますと、
自ずと「ネット証券」に絞られてきます。
(さあ、ここから「吟味の時間」ですよ・・)

まず「マネックス証券」では、
つみたて金額が1,000円から可能なのは、
マネックス証券の口座からのつみたて、
もしくは、セゾンカードを用いた
つみたてに限られてしまいます。

(セゾンカードで
毎月ファンドの積立てをしてもOK
という方は除いて)この時点で
【選択肢】から外して差し支えないでしょう。

次に「楽天証券」ですが、
楽天証券は1.~3.はクリアしているのですが、

4.あなたの銀行口座から
「自動引き落し」が出来るのか、に関しては、

楽天証券では
「楽天カード」(クレジットカード)を用いて
つみたてを行ってください、という
条件」が付いてしまいます。

??
(楽天グループとしての思惑?)

もちろん「楽天カード使ってもいいよ」
という方は問題ないのですが、
「それはちょっとイヤだなあ」という方は
やはり【選択肢】から外れてしまいます。


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続いて「SBI証券」です。
(ようやく今日の本題?)

SBI証券ではずっと、

4.あなたの銀行口座から
「自動引き落し」が出来るのか、という項目が
(住信SBIネット銀行を除いて)満たされず、

【選択肢】から外れていたのですが、
10月31日(水)より、
投信積立銀行引落サービス】を開始する旨を、
同証券サイト上で発表しています。

SBI証券はすでに
500円からのつみたてサービス」に対応しており、
これで使い勝手は一挙に良くなります。

また、SBI証券では、
「投資信託定期売却サービス」も行っており、

これで、
長い長い資産運用という「プロセス」の、
入り口から出口までを見通す
ザ・運用人生】が見えてきます。
???

どういうことかというと、
【毎月定額で、資産を積み上げる】
(「入り口」としての積立サービス)を利用。
「銀行口座」⇒「ネット証券」

・・ずっとずっと積立てを続け、
そして、やがて積立てを終了する時期が来て、
セカンドライフにおいては・・・、

【毎月定額で、資産を取り崩す】
(「出口」としての逆・積立サービス)の利用です。
「ネット証券」⇒「銀行口座」

この長い長いプロセスは
よく考えてみますと、

○ 現金の窓口としての「銀行」、そして、
○ 投信購入、解約の窓口としての「ネット証券」の
【壮大な連携作業】の賜物 なのですね・・。

このような「高度で安価なインフラサービス」が
一消費者に利用できることは
本当に素晴らしいことだと思います。

(何度かこのコラムでも申し上げていますが)
日本の「投資信託つみたてサービス」は
間違いなく世界一です。

一人でも多くの人に
この素晴らしいインフラを利用してほしいと思います。

あっ、それから最後に
カブドットコム証券」ですが、
カブドットコム証券はすでに、

500円からのつみたてサービス」、
あなたの銀行口座から「自動引き落し」が出来る、
に対応しています。

ただ、あなたの銀行口座からの
「自動引き落し」に関しては、
対応している銀行が

三菱東京UFJ、みずほ、三井住友、ゆうちょ、スルガ、
大垣共立、ジャパンネット銀行 に限られます。
(カブコムさん、取扱い金融機関を増やしてください!)

ネット証券という窓口については、
店舗が基本的になく、
いろいろと不安に思う方がいるかもしれませんが、

どのネット証券も【コールセンター】を設けており、
些細な質問に対しても丁寧に受け答えをしてくれます。
また、電話による営業は一切ないですし、
自宅に来られるという煩わしさもありません。

世界一の投信つみたてインフラを
上手に活用されることをオススメします!

【追記】
SBI証券
投信積立銀行引落サービス利用可能な金融機関一覧

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ファンド1本で44カ国の株に分散投資できる


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

カネダくん、投資の選択肢の範囲には
オンリーハンドと、フリーハンドがあります。
「なんですか、それは?」

オンリーハンドとは、
そもそも選択肢がひとつしかない状態を指します。

たとえば、
カネダくんのお祖父さんお祖母さんの世代は
株といえば「日本の株」にしか投資が出来ませんでした。

ところが、カネダくんの世代はフリーハンドなのです。
たとえば、日本を除く44の先進国、新興国の株式に
カネダくんは広く浅く投資を行うことができます。

「えっ、たった1本の投資信託で!?」
そうです、カネダくん。

日本にいながらにして、
世界に丸ごとお金を託せる時代になったのです。

 【ファンド1本で44カ国の株に分散投資できる
(日経新聞電子版 コラム「はじめての投資信託」第54回)

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スパイダー(SPDR)は静観の構えです(ETFをめぐる仁義なき戦い?)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今、アメリカのETF業界では
「指数の変更」「継続コストの引き下げ」など、
大きな変化の波が起こっています。

継続コストについて言いますと、
最初に引き金を引いたのは「シュワブETF」でしょう。

その後、バンガードとiシェアーズのETFが
お互いをけん制しながら、
継続コストの引き下げを実施している状況です。

(そもそも、バンガード社の一部ETFの「指数変更」も、
指数提供会社に支払うライセンス料という、
継続コストの引き下げのために行われた側面があります)

ところで、ETF3大運用会社の一角を占める
スパイダー(SPDR)は今回の喧騒を、
どのように見ているのでしょうか?

実は、
IndexUniverse のシンシア・マーフィー記者が、
スパイダーETFを運用するSSgA
(ステートストリート・グローバルアドバイザーズ)の
Intermediary Distributionのヘッド、

ジェームス・ロスさんにインタビューしている記事が
IndexUniverse上で掲載されています。
SSgA’s Ross: ETF Cost War Misses The Point
(コストを巡る争いは重要なポイントを見逃している)

【以下、わたくしの任意の抜粋
(必要性が低いと判断した箇所は「省略」しています)、
かつ、つたない英語の
意訳でありますことをご了解くださいませ。】

(マ はマーフィー記者、ジェ はジェームス・ロス氏の意)

マ: あなたがたの業界は「競争」という意味で
最近慌しいですね・・。

最初は「シュワブETF」が、そして「バンガード」、
今現在は「i シェアーズ」というふうに、

コスト(ここでの意味は、
信託報酬等からなる継続コスト)カットの
「競争」が起きています。

しかし、このコスト競争の見出しには
SSgAの名前は出ていないようですが・・。
あなたはこの「コスト競争」に参加しなければならない、
あるいは参加する必要があると感じていますか?

ジェ:私たちは「スパイダーETF」のコストについて
継続的にウォッチしています。
あなた方が思われるのとは別の理由、かつ別の側面から、
コストを絶え間なく調整してきたのです。

今後、私たちが
(コスト競争に)追随しないということは明白です。

私たちはいつも思慮深いアプローチを心がけています。
それは「どんな価値を
クライアントに対してまず届けるべきか」という命題です。

主要なETFのコストをどうするのかということも、
もちろんそのひとつに含まれると思います。

しかし、トレード全般において、投資家に
教育的な観点から
ETFに対する理解を手助けするということ、

―もちろん、それは、取引における
アスクとビッドのスプレッドの問題、
トラッキングエラーの問題などを含めてですがー、

私たちは投資家に対して、
「包括的な青写真」を提供することこそ
重要と考えています。

(注: アスク・ビッドとは、
売り気配値、買い気配値のこと。
スプレッドとは、売値と買値の「差」のこと..)
注: トラッキングエラーとは、指数そのものの収益率と
ETFの理論価格(NAV)との「差」のこと..)

マ:あなたの考えでは、昨今の「コスト競争」は、
その「包括的な青写真」を捉え損ねていると・・?

ジェ:コスト競争の影響で、
あるいは新しいファンドのせいで、
またあるいは、

わたしが聞いたこともないようなベンチマークに
ETFのベンチマークが変更された影響で、
個人投資家が何か大切なものを見失っていると危惧します。

ETFの他のファクター部分を省みず、
ただ「コストの多少」に依拠して投資判断を行うなら、
投資家は何かを失う、
あるいは余計なものを負うリスクがあると思います。

どのようにETFと向き合うべきなのか・・、
あなたがマーケットでETFを取引する際、
ビットとアスクのスプレッドの大きさ(デメリット)が、
コストのメリットを消し去ることもあるのです。

たしかにコスト(年間の継続コスト)という、
一個の数字を見るのは分かりやすいことですが、

そこに目を奪われて、
投資という道のりで成功するための
行動原則たるものを見失ってはいけません。

コストは大切な要素ではあります。
しかし、それはひとつの要素なのです。


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ジェ:私たち(ETFプロバイダー)はみな競争しています。
しかし、投資家に対する教育という点において、
私たちはみな同じ立場で
同じように普及に邁進してきました。

なぜなら、私たちは皆それ(教育)が
大切だと知っているからです。

投資家の教育という点では、
運用業界の誰もが同意するところです。
(私たちは普段あまり「同意」しないものですが..)

マ:では「コスト競争」の点に戻ります。
SPDRのセクターETFは同じ投資対象の中では
いまだコストが最小となっています。

このコストが最小という点は、
(もし必要ならば)
SSgAが守っていきたいポジションなのですか?

ジェ:このSPDRセクターETF群については、
その大きさと流動性をもとに、
何度もコストダウンを図ってきました。
これらはもっとも流動性が高いセクターETFなのです。

SPDRセクターETF群は
マーケットでとても競争力がありますが、
それは単にコストの安さによるものだけではありません。

SPDRセクターETFの競争力が
コストに依拠する割合は、
他のETFに比べて著しく小さいのです。

なぜなら(SPDRセクターETFは)
圧倒的な流動性の高さを保っているためです。

マ:流動性の高さと
タイトな取引履歴(スプレッドの小ささを指す)は、
昨今のコスト競争の中にあって、
違う視点を提示してくれますね。

ジェ:私どもはETFのラインナップ内で
提供できている価値にとても満足しています。

もちろん、コストのことについては
―今までもそうでしたが―、頻繁にチェックしています。
(そしてこれからもチェックし続けます・・)

ジェ:(別の話題・・)
たとえば、アセットアロケーションによって
達成しようとしている運用の精度はとても重要です。

昨今のトピックでいうと(指数変更における)たとえば
韓国の扱いが顕著な例でしょう。

投資家は(ETFに投資を行うことで)、
どんな投資範囲を網羅するのかを理解する必要があります。

似たような指数であっても、
過去のパフォーマンスでは
数百ベーシスポイント(数パーセント)の違いが
生じ得るのです。

それは、コストが安い指数を用いることで得られる利益を
無にしてしまう恐れがあります。

マ:それは
バンガードのこと(=指数変更)を想起させますね。

あなたがたは包括的な見地から、
コストそのものよりも、
指数こそが(ETF運用において)
主要な役割を担うとお考えですか?
そして、指数のブランドが大切であると?

ジェ:投資家はもちろん、
MSCIやS&Pダウ・ジョーンズなど、
指数のブランドについて知識を持っています。

しかし、それらの指数は
マーケティングによって、というよりは、
(指数そのものが)精度高く構築されていることによって、
ブランドを獲得しているのです。

長きにわたり、
投資家がこのように運営して欲しいということを
実際、指数提供会社が実践してきた歴史があるのです。

これはただ単に
(指数という)ブランドを広告すればよい、
ということではありません。

彼らは力強いパフォーマンスを提供してきた、
その質の高さを長年続けることによってはじめて、
彼らのブランドを獲得し得たのです。

マ:結局のところ、このコスト競争のトピックは
方向性を誤って取り沙汰されていると?

ジェ:たしかにコストは重要です。
しかし、現実には
たくさんの事柄が(同時進行的に)起こっているのです・・。

【ここから、カンです】

ETFに係る直接、
間接のコストについて申しますと、
直接的なのは、
ETFの売買でかかってくる売買委託手数料、

継続的にかかる年間経費率(エクスペンスレシオ)等が
挙げられます。

間接的なコストとしては、
市場価格に対する、
売り気配値、買い気配値の開き(スプレッド)、

あるいは、指数そのものの収益率と
ETFの理論価格の「差」、

またあるいは、
ETFの理論価格と市場価格の差異、
すなわち「乖離率」も、
厳密に言えば投資家が負担するコストになります。

そういう意味では、
スパイダーのロスさんが言われることも分かりますね。

「コスト」の概念とは何ぞや?
ということも含め、
米国ETF業界ではしばらく喧騒が続きそうです..。

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11月7日(水)東証アカデミー「ETF(上場投資信託)で始める世界分散投資」


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

ETFって、何だ?
ETFってどんな匂いがするの?
何が特長で、デメリットは何なの?

結局、わたしの資産運用にどう役立つの・・?
ということを知りたい貴方に最適なセミナーです。
(4月に続き、2回目の登壇となります!)

○ ETFという金融ツールの「特徴」は
【シンプル】【低コスト】で【透明性が高い】ということ..。

その中身はまるで、
研ぎ澄まされた工業製品のように「洗練」されています..。


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10月26日現在、
東京証券取引所には110本を超えるETFが上場しており、
グローバルな地域、国別、
債券、不動産、金・商品などさまざまな【選択肢】があります。

最先端の金融ツール「ETF」は、
世界中のマーケットを巻き込みながら、
投資の有り様を一変させる可能性を秘めているのです。

    東証アカデミー presents
【ETF(上場投資信託)で始める世界分散投資】

  11月7日(水)18:30 ~ 20:00  
  東京証券取引所ビル 2階 東証ホール

セミナーの詳細&お申込みはコチラからどうぞ。
 (東京証券取引所の内部に入れますよ!)

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ユーロ建てMMFの繰り上げ償還が相次いでいます


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

カネダくん、今、
ユーロ建てMMFの繰り上げ償還が
相次いでいるのをご存知ですか?

「いいえ。
純資産額が少なくなってしまったのですか?」
そうではないのです。

総口数や純資産額が潤沢にあって、
運用会社のオペレーションに問題がない場合でも、
投資環境の急激な変化によって、
ファンドが繰り上げ償還されることもあるのです

(ただし、償還までに任意に解約することは可能です)

 【ユーロ建てMMFの繰り上げ償還が相次いでいる
(日経新聞電子版 コラム「はじめての投資信託」第53回)

toshi_banner.jpg




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ETFをめぐる苛烈な戦い パート2(コスト本格競争の時代がやってきた?)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

金融商品の手数料が下がったりすると、
なぜ、私たちは嬉しくなるのでしょうか?

「カンさん。何言ってるの!
コストが下がる = 私たちの負担が減るから
嬉しいんじゃないの・・」

はい、それはそうです・・。
でも、そのほかにも、
「へえー、金融の世界でも、
他の業界と同じようなことをしてくれるのだ」という、

(何と言うか)新鮮な驚きのような嬉しさが、
私たちの心内にじわじわと湧き上がるからではないでしょうか。

(以下、アメリカのお話ですが)
i シェアーズの一部ETFが
バンガードの低コストETFに対抗して、
信託報酬を含む【年間経費率】の引き下げに踏み切りました。

i シェアーズはこの数年、
バンガードETFの隆盛に対して、
ずっと危機感を募らせてきました。

バンガードETFの隆盛?
はい、そうです。

具体的には、ETFの【資金流入】において、
i シェアーズがバンガードのETFに
劣後するケースが目立ってきたのです。

(コストに敏感な投資家は、
【年間経費率】という継続コストの数字の違いを
察知して、バンガードETFに流れつつあります・・)


ETFの世界で注目されるのは、
純資産残高(AUM)です。
(これって、ETFの大きさ、規模のことです)

しかし、純資産残高は
言ってみれば、たくさんの人がETFを買ってくれた
(すなわち、資金流入が積み重なった後の)
結果としての数字】です。

一方、四半期ごとの資金流入は、
明日以降の、
未来の純資産残高に貢献する【数字】です。
言ってみれば、
未来を占う】バロメーターです。

i シェアーズは、
純資産残高(AUM)におけるマーケットシェアは
【結果としての数字】に過ぎず、

仮に【資金流入】において
競争力を維持できなければ、
早晩、AUMのマーケットシェアが落ち込むことに
危機感を募らせたのでしょう・・。

ただし、ここが重要なのですが、
単に【対抗的】に
「継続コストを引き下げる」だけでは、
ブランド戦略上、よろしくありません・・。

(品のない【値引き競争】になってしまいます..)

そこでi シェアーズは、
i シェアーズ コア】という、
新たなブランドを立ち上げることにしました。

(意地悪な言い方をすると、
投資家の目先をちょっとずらしたのです)


【i シェアーズ コア】と名付けられた
10本のETFのコンセプトは、
(以下、わたしのまったく個人的な想像ですが、)

○【バイ・アンド・ホールドの資産形成は
 この10本で大丈夫!】
みたいなものだと思います・・。

つまり、ポートフォリオを組んで
長期保有していく投資家を想定して作った
「ラインナップ10本」なのです。

上記のような長期投資家は、
コスト重視の姿勢が強く、

バンガードへ流れている資金を取り返すためには、
【年間経費率】という継続コストを
バンガードより低くする必要がありました。


gctv-mistakes.jpg


(※仁義なき戦いパート1でお話したことと関連しますが、
この【i シェアーズ コア】立ち上げに関連して
i シェアーズは、
指数提供会社に対して(特にMSCIに対して)
ライセンス料の改定を迫ったのではないでしょうか…)

i シェアーズの運用会社ブラックロックのリリースはこちら

以下、【i シェアーズ コア】の10本です。

アメリカ株式
iShares Core S&P Total U.S. Stock Market ETF
(ITOT)(銘柄コードISIから変更)
【年間経費率】0.07%

iShares Core S&P 500 ETF (IVV)
【年間経費率】0.07%

iShares Core S&P Mid-Cap ETF (IJH)
【年間経費率】0.15%
iShares Core S&P Small-Cap ETF (IJR)
【年間経費率】0.16%

海外株式
iShares Core MSCI Total International Stock ETF
(IXUS)(除く米国株)
新規設定】【年間経費率】0.16%

iShares Core MSCI Emerging Markets ETF (IEMG)
新規設定】【年間経費率】0.18%
iShares Core MSCI EAFE ETF (IEFA)
新規設定】【年間経費率】0.14%

アメリカ債券
iShares Core Short-Term U.S. Bond ETF (ISTB)
新規設定】【年間経費率】0.12%

iShares Core Total U.S. Bond Market ETF (AGG)
【年間経費率】0.08%
iShares Core Long-Term U.S. Bond ETF (ILTB)
(銘柄コードGLJから変更)
【年間経費率】0.12%


⇒ 個人的には、アメリカ以外の海外債券ETFも
【i シェアーズ コア】に入れるべきと思いますが、

それでも上記10本のラインナップがあれば、
ファイナンシャルアドバイザーが
顧客に多様なポートフォリオ助言を行うには十分でしょう。

それにしても、じゃあ、
今後、SPDR(スパイダー)は
どのような行動を取るのでしょう?

バンガードETFが再度
【年間経費率】を下げてくると、次はどうなるのか?

(そうなると)果てしない【価格競争】に突入する
可能性があるのではないでしょうか。

ちょっ、ちょっと待ってください・・。
今、現実に起こっていることは
果たして【価格競争】といえるのでしょうか?


わたしは将来的に、
代表的な米国市場上場のETFが
0.01%程度の【年間経費率】になると思います。

ETFの運用会社にとって
大切なことは【年間経費率】の数字ではなく、
継続的に挙げられる【利益】の数字です。

米国ではETFのマーケット規模がまだ、
投資信託のマーケットの10分の1程度なのですから、
マーケットが今後も拡大していけば、

数字としての【年間経費率】は
下げることができるはずですし、
また、自然に下がっていくはずです。

(たとえば、純資産残高に反比例するような、
コスト体系を打ち出す運用会社が現れてくる可能性もありますね・・)

20年後から見れば、
1%とか、0.8%という
【年間経費率】の時代があったよなあと、
牧歌的に振り返る時がくるのかもしれません。

ブラックロックがまとめた
i シェアーズ コア シリーズ】一覧表はコチラです。

なお、バンガードに対抗して
新規設定した
iShares Core MSCI Emerging Markets ETFの
採用指数、

MSCI Emerging Markets Investable Market指数の
解説は、吊られた男さんのこちらのブログ記事が詳しいです。

(要はEmerging Markets指数に比べて
小型株も内包しており、指数の対象範囲が広いのです..)

似顔絵



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