カンさん、ETFと投資信託、どっちがいいの?
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
ETFは商品の設計上でいうと、
紛れもなく投資信託なのですが、
アルファベットという見た目と、
商品の実態の間に「落差」があるため、
今日のタイトル
『ETFと投資信託、どっちがいいの?』
というような質問を、
しばしばお客様から受けることになります。
(おそらく、コンサルティング業務の中で
もっとも多くいただくご質問だと思います!)
上記をもう少し狭い設問にすると、
『ETFとインデックス・ファンド、どっちがいいの?』
になりますが、
答えは・・・、
ホントに【どっちでもよい】のです。
(なんだか無責任な回答ですが…)
ETFとインデックス・ファンドは、
リスク・リターンから見ても、
同じ「商品特性」を持っています。
(それはそうでしょう。
どちらも「特定の指数」と連動することを
運用目的としているのですから・・)
「○○がより良い!」と、
断言するのはほとんど不可能なのです。
(それほど、両者は似通っているとお考えください)
ですから、今から申し上げることは、
【あのさ、ほとんど同じなんだけど、
あえて「違い」を述べるとすると・・・】
という、前提です・・。
まず、どんなお金に、
どちらがより対応しやすいかと言いますと、
○ 毎月ベースで手元に残ってくるお金については、
インデックス・ファンドのほうが
(ETFより)道具としてふさわしいです。
それは単純に、
インデックス・ファンドのほうが
【定額】で購入・解約することができ、
また、毎月の『積み立て』のしくみに
乗せやすいからです。
(しかも、購入時手数料をゼロにすることが可能)
○ 一方、まとまったお金(おおむね500万円以上)
については、ETFのほうが
(通常のファンドより)道具としてベターです。
まとまったお金を一度に投資するという前提ですが、
ETFの継続コスト(信託報酬)の低さが、
スケールメリットと相まって効いてくるためです。
以上、申し上げたのは
あくまで【教科書的な比較】です・・。
次に、【運用者の性格別】で考えてみましょう。
(これが意外と重要・・)
○ ETFが好きな人は、
自分で「市場価格」を見て、
自分で判断し、そして、成行・指値注文をする、
という【プロセス】そのものに惹かれます。
自分の裁量で物事を決めるという、
なんと言いますか、
自分の『裁量権』があったほうがよいと思う人ですね。
○ 一方、
インデックスファンドが好きな人は、
その日買った価格もあまり気になりません。
(というか、現実問題、買いの注文を出す際には
基準価格いくらで買えたのかはわからないのです・・)
インデックス・ファンドの、これは
積み立て投資において顕著なのですが、
自分で判断し、
自分の裁量で物事を決めるというより、
仕組みが効果的にファンドを買ってくれるほうが
心地よいと感じる人ですね・・。
あなたは、
どちらのほうによりフィットする【性格】ですか?
〇 前者の場合、← ETF派
(決して煩雑ではないのですが)、
ある程度、
運用のメンテナンスに時間を割きたい、
あるいは割いてもよい、と思えるタイプでしょう・・。
実際、運用の道具としてETFを選べば、
(海外ETFなら)円ベースへの換算、
口数×価格で時価の算出、
あるいは、分配金の再投資について
算段する必要があります。
〇 一方、後者は、← インデックスファンド派
運用のメンテナンスもできるだけシンプルに、
(できれば)ゼロに近付けたいと願うタイプでしょう・・。
【自分がどちらのタイプなのかをよーく考えてみましょう】

では次に、
○ 毎月5万円積み立て・・インデックス・ファンド
○ 800万円 まとまったお金・・ETF というふうに、
「分かれている場合」はどうでしょう?
上記のように、
それぞれのお金の性格に合わせて、
それぞれにふさわしい金融ツールを
当てはめる「考え方」って至極まっとうです。
(そして、
毎月ベースの「配分割合」と、
まとまったお金の「配分割合」を同じにする、
というのも「まっとうな考え方」ですね)
ただし、
ETFとインデックス・ファンドを
合わせて保有していくと、
資産管理という作業、【メンテナンス】では
若干仕事量が増えます。
それはどういうことかといいますと、
たとえば、
新興国株式という「投資対象」について、
インデックス・ファンドと、
ETFでそれぞれ保有することになりますから、
それぞれの保有する分を合算して、
トータル資産の中での
「新興国株式」の時価とその割合を、
算出する必要があるのです。
(それを「リ・バランス」に反映させるわけです)
上記のようなメンテナンス作業を、
「ぜんぜん苦にならず、かえって好きだ」
という人もいれば、
「いいえ、カンさん。
わたしは続けていく自信がありません」と
おっしゃるお客様もおられます。
これは、どちらが「より良い」という
問題ではありません。
まさに、【運用者の性格、性向】によって、
どちらが「良いか」は違ってくるのです。
さて、上記に対して、
○ 毎月5万円積み立て・・インデックス・ファンド
○ 800万円 まとまったお金・・インデックス・ファンド
というふうに、
「まとめて」管理するとどうでしょう・・。
まず、
金融商品の本数が限られてきます。
そして、ネット証券上の
資産管理画面も「ひとつ」になり、
時価評価額もひと目で分かるので、
管理がとても簡便でシンプルになります。
さて、
ここからがすごく【重要】なのですが、
○ 積み立て・・インデックス・ファンド
○ まとまったお金・・ETF
または、
○ 積み立て・・インデックス・ファンド
○ まとまったお金・・インデックス・ファンド、
どちらが、あなたという運用者に
合っていると思うか、
自分の性格や、
毎日の生活状況などと照らし合わせて、
どちらが自分にふさわしいかを
判断する必要があります。
【ETF or 投資信託?】
この時、長々と続く運用管理に、
どの程度の時間、エネルギーを割きたいのか、
あるいは割きたくないのかを
真摯に問うてみてください。
あるいは、
投資の執行(売買)について、
自分で能動的に動く部分を持ちたいのか(ETF)
できるだけ仕組みに任せて
自動化させたいのか(投信)を、
自身に問うてみてください・・。
これは、教科書的に
「○○のほうが良いのです」という
問題ではありません・・。
どちらを「選択」すれば、
あなた自身が、
いちばん運用管理を続けやすいと感じるのか、
それが重要なのです。
○ つまり、
【ETFと投資信託、どっちがいいの?】という答えは、
人によって違ってくるということ。
「ETFと投資信託、どっちがいいの?」
という設問があると、
どうしても、
金融商品を買うときのイメージで、
「どっちを選ぶべきなのだろう?」
と考えてしまいますが、
それは正しくありません・・。
なぜなら、
インデックス・ファンドかETFかを選んだ時点で
【投資】が終わるわけではないからです・・。
実際は、
金融ツールを選択した時点から、
投資が(やっと)始まります。
投資の99.,9%は、
資産管理(メンテナンス)なのです・・。
あなたのイメージの中で、
投資 = 運用のメンテナンス = 超長期 と
しっかり想起し、
長い運用メンテナンスの中で、
どちらのほうが
運用管理が続けやすそうだろう?
と考えていただきたいのです。
○ 積み立て・・インデックス・ファンド
○ まとまったお金・・ETF
なのか、、あるいは、
○ 積み立て・・インデックス・ファンド
○ まとまったお金・・インデックス・ファンド、
なのか・・・。
当オフィスでは、
積み立てているインデックス・ファンドを
ETFにリレー投資するやり方はおススメしておりません。
(こちらの記事、参照)
重要なことは、
「教科書的に」正しい、
○ 積み立て・・インデックス・ファンド
○ まとまったお金・・ETF
に【固執しすぎない】ということ・・。
積み立て、まとまったお金、
どちらもインデックス・ファンドで、
というのも「立派な選択肢」なのです。
なぜなら、
ベストを目指して途中で挫折してしまうより、
ベターな状態を長く続けてしまったほうが、
実入りは大きくなるからです・・。

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