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「毎日劇場」と「1年に1回劇場」の攻防


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

ひと口に『長期投資』と云っても、
その実行が難しいのは、
ある【矛盾】を抱えているためだと思います。

その【矛盾】とは・・?

○ マーケットは毎日開いています。
○ でも、あなたの運用は向こう30年・・。


これって、大きな矛盾ですね。

だいたい、
『毎日』と『30年』では、
バイオリズムがまったく違います。

毎日開いているマーケットでは、
毎日【変化】が起こるわけです。

その【変化】を気にしてしまうと、

あなたの投資の【半径】は
(知らず知らずのうちに)、
どんどん短くなってしまいます・・


そして、
あなたの感情の起伏は、

とてもとても短く、
かつ、連続的に起こってしまうわけです。

以下は、
2013年9月20日から、
2013年10月18日までの、


あるブログの
『記事タイル』だけを列挙したものです。
(このブログの存在は偶然知りました・・)

準備はよろしいでしょうか・・?


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よーい、スタート。

2013月9月20日
円高なのに株高に 
【慎重でいよう】

2013月9月25日
底堅いのかな? 
【嵐の前の静けさ…】

2013月9月25日
長期金利が下降中 
【住宅買うなら固定金利でしょ】


2013月9月27日
年初来高値は今年中に超えてほしいですね
【なぜか上がった】

2013月10月1日
祝・日経平均 月末14,000円超え
【信用取引の処分スタート】

2013月10月1日
消費増税決定でやっぱりがっかり
【信用取引分をほぼ処分】


2013月10月2日
消費増税で株価上がるわけないでしょ
【為替頼みの相場が続くでしょう】

2013月10月3日
日銀は追加緩和を行うのか
【明日のお昼はスマホが手放せない】

2013月10月5日
日経平均は14,000円を割らないのか
【早く買い増したいけど、がまん】


2013月10月7日
日経平均の底は13,700円付近とみました
【がまんできずに買っちゃいました】

2013月10月8日
日経平均14,000円に回復してもがまんだ。
【底値圏にあるのは確かだけど】

2013月10月10日
もう一度、14,000円を割ってくれ!
【がまんだ】


2013月10月11日
14,000円を割らないのか…
【我慢が裏目?】

2013月10月14日
日経平均13,000円台はもうないの?
【買い時を見失ったか】

2013月10月16日
今年最大の谷は終わったかも
【うーん、残念】


2013月10月17日
米国の債務上限引き上げ問題
【結局、振り回されただけでした】

2013月10月18日
我慢できずに買い増し
【頭の中が儲けることでいっぱい】


・・はい、終了。

(引用元は
日経平均レバレッジETF投資で目標1000万円』)


いかがでしたか?


9月20日から、
10月18日までの
わずか1ヶ月弱の期間ですが、

円高 長期金利 消費税増税 
追加緩和 米国の債務上限問題など、
【話題】(材料)は盛りだくさんですね。

(こんな感じでマーケットと付き合うと、
1年で60個くらい
話題(材料)が生まれるのでしょうね・・)


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皆さん、もうお分かりだと思いますが、

マーケットの【毎日・劇場】に
付き合ってしまうと、

あなたが
投資を始める前に思い描いていた、

「まあ、とにかく長期で持ち続けていれば・・。
株式市場って、
今までずっと成長してきたわけでしょ・・」


という『牧歌的なスタイル』は
もろくも崩れ去ってしまいます・・。

⇒ 毎日毎日の市場の動きは、
あなたの思考から
捨て去って」よいのです。

(それは【意味がない】ことですから。)


この考えを徹底させるためには、

★ マーケットが
あなたの行動を規定するのではなく、
あなたが
マーケットを利用しているのだという、

(なんと云いますか)
【主従関係の逆転】が必要なのです。



あくまで、
「ワタシが主役よ!」
なのです。

この、
『主導権争い』はけっこうすさまじく、

特にマーケットが
暴騰、暴落するときは、
私たちは主導権を奪われそうになります。

そんなときはふと、
天気』を思い浮かべてください・・。


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毎日毎日『天気』は変わりますが、
それが1週間、1ヶ月のスパンを持つと、
天候』に変わります。

さらに「年に何度か」、
というくらいのスパンを持つと、
それは『季節』に変わり、

「そういえば、
何年か前は大雪が降ったね、
あの年はえらく寒い冬だったねえ・・・」


という【時間スパン】が獲得できれば、

1日や1ヶ月の周期は
頭の中から消えて、
1年、2年 3年という
【リズム】に変わっていくはず・・。


それを4年、5年、7年と
引き延ばしていくのです。

あなたは市場から離れ、
普段はそのことを考えもせず、

(自分が主人公になって)
遠くから、
マーケットを
【定点観測】するだけでよいのです。


あなたがマーケットを毎日見ても、
半年に1度だけ見ても、
【マーケットの値動きは変わりませんから・・】


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外貨建てMMFで外国債券を持つリスク


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

わたしはブログ
『セルフ・リライアンスという生き方』の
こちらの記事で知りました。
ユーロ建のMMFがまたもや繰上償還

SBI証券で取り扱われている
「ユーロ建てMMF」
ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト‐ユーロ・マネー・マーケット・ファンドが、2014年3月19日をもって
繰り上げ償還されるようです。

shimoさんが記事内で書かれていますが、
金融機関の側に立って、繰り上げ償還を考える』ことは
とても重要だと思います。

以下、引用)

ー金融機関としては、「当面ユーロの金利は上がらない=ユーロ高にはならない」と
考えているということになります。ー

引用、終わり)

つまり、金融機関の予想は、
ユーロ圏は当面低金利のままで推移する、

ユーロ建てMMFの運用を続けても
「予想利回り」は低いままである、

これから先の運用管理の難しさ、
そして「あまり儲からない見通し」を
実感している・・。

だから、繰り上げ償還するわけですね。


ひとつの通貨建てのファンドを持つより、
もっと「大きな面」で
大らかに投資対象を持つ、

つまり、
シティグループ世界国債指数との連動を目指す
「世界主要国債券インデックスファンド」を
買ってしまったほうが合理的でしょう。

何百という「債券」を
ひとつのフクロで保有するとは、

「たくさんの通貨」建ての、
「たくさんの国・地域」の債券を持てるわけです。

これは少々硬いことばで云うと、

1.銘柄の分散
2.通貨の分散
3.国・地域の分散 ということになります。

この3つを、
同時に(なんなく)行ってくれるわけです。


しかも(そもそも)ファンドの中身が、
満期が異なる、
さまざまな国々の、
さまざまな通貨建ての「国債たち」ですから、

2013年12月に満期になるモノもあれば、
2016年10月に満期になるモノもあります。

満期がバラバラということは、
『世界主要国債券インデックスファンド』の中で、

それぞれ異なった「時期」に、
異なった「通貨」で、
満期になった国債 ⇒ 新たに国債を買い入れ、
という「買い替え作業」を行ってくれるわけです。

(中期的に見ると・・)
世の中の金利変動に対して
『柔軟』に対応できることになります。

つまり、

1.銘柄の分散
2.通貨の分散
3.国・地域の分散 
4.金利(利回り)の分散

が【可能】になるのです。

以下、
シティグループ世界国債指数(日本除く)の構成国です。

世界国債

(2013年1月現在)

そして、構成国の比率は
こちらのPDFファイルを参照してください。
(2013年10月現在)

また、シティグループのこちら
ファクトシート(PDFファイル)をご覧いただくと、

『Citi World Government Bond Index』
の1ページ目、
右下のチャートですが、

シティグループ世界国債指数(円建てベース・日本含む)は、
1984年の指数算出開始時を100として、
2013年9月時点で350を超えています。

(ちゃんと“成長”しているのですね・・)

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娘さん、息子さんに(将来のため)資産運用をしてほしいと願っている親御さんへ


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

相談業務を行っていますと、
有形無形の、『親子の絆』について考えさせられます。

たとえば、お金について、
自分の子ども、あるいは、自分の親には、

○ 大きな失敗をしてほしくない、
○ 最低、これだけは伝えておきたい、
という【思い】をお持ちの方がたくさんいらっしゃいます。

が、しかし、
こと、お金・投資の分野では、
何に価値観を置くかという点で、
『世代間格差』が大きいのも事実なのです


パターンその1)

娘さん、息子さんが
親御さんの資産管理を心配されています。

以前、このブログでも
『お父さん、お母さんレスキュー隊!』としてご紹介しましたね。

特に、お子さんがご両親と離れて暮らしている場合、
親御さんは親御さんの『感覚』で、
銀行、証券会社と付き合い、

自身のリスク許容度を超えた
割高な金融商品を購入してしまいがちです。

正攻法で
「お父さん、これダメだよ」と娘さんが言っても、
お父さんはもしかすると別の価値観で、
その金融商品を買っているかもしれないのです。

(また、親御さんには
自身のプライドもあるため、
頭ごなしに親の選んだモノを否定するやり方は
利口ではありません・・)


パターンその2)

親御さんが、
娘さん、息子さんの資産運用について心配されています。

親御さんは、
娘さん、息子さんがこれから経験される
厳しい日本の現実を、
我がことのように肌で感じています。

そのため、
「自分のお金」を知り、
「自分のお金」を育てるマインドを、
娘さん、息子さんに身に付けて欲しいと願っています。


が、しかし、
娘さん、息子さんは自分の仕事で精一杯で、
あるいは家族のケアをすることで精一杯で、

とてもそんなこと(お金のこと)にまで
手が回らないよと言います。

あるいは(もっと単純に)
「興味ないし・・。」と言われる場合も・・。

このケースも、
親御さんのほうから正攻法で、

「こういう投資信託で、とにかく5000円でもいいから
積立てしてみたら・・」と勧めても、
娘さん、息子さんの心には
なかなか響かないでしょう・・。

子どもさんが
運用をなかなか身近に感じられない理由は
実は単純で、

★ 身近なところで『資産運用を行っている人』、
つまり、モデルパーソンが見つからないからです

(ズバリ、)あなた(親御さん)が
「モデルパーソン」になってください!


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まずは、
(これは親子が同居しているという前提ですが)

1.ご夫婦の間で、楽しく、なにげなく、
お金の話をするようにしましょう。

今月の収入のことや、支払いのことや、
「あれが意外と安くついたね」
「ボーナスが上がったね、下がったね」という話題も
ふつうにするようにしましょう。

(言い方を換えれば、
これまで家族内で、あまりにも『お金の話題』が
なさ過ぎたのですよ!



2.ご夫婦の間で、資産運用の話を
ごくふつうにしてみてください。
(たまに、でいいですから・・)

「新興国が意外と上がっていたね」
「やっぱり、手数料って大事なんだ」
「意外とブログなんかでいいこと云っているね」など。

理想的なのは、
(親子が離れて暮らしていても)
お盆とお正月、皆が集まる時期に、

たとえば(建前上)、
お父さんがお母さんに向けて、
カンタンな【運用の報告】を行うのです。

「なるほど。円安になると、
外国債券でもこんなに影響があるんだ」
「積立てって、安いときにたくさん口数買ってるから、
一度に成績が変わったりするんだ・・」


★ 要は(時間は短くていいですから)
運用のお話を、
日常の一コマにすることが肝要なのです。


そのうち、娘さんや息子さんが、
ひとつやふたつ、質問を投げかけてきたら
よい兆候の始まりですよ。

(でも、焦らずに・・。)

あなた(親御さん)はただ、
あなた自身の資産運用について
語ってあげるだけでいいのです。

現状の資産配分や、
なぜ自分が投資をするようになったか、
ひとりの投資家としてお話をしてあげてください。

定期的に、コツコツと・・。

お金の話は、
日本の親子の間で見事に抜け落ちている
【ブラックボックス】なのです。

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| ヒトは1万年前からお金と付き合ってきた | 16:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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もっと注目されてよい!「アジア国債・公債ETF」


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

国内市場に上場する債券ETFの中で、
異色の輝きを放つのが、
アジア国債・公債ETF」(1349)です。
 
当該ETFは、2005年に香港証券取引所に上場され、
2009年6月に
日本国内では初となる債券型ETFとして、
東京証券取引所に重複上場しました。

名前通り、アジアの8つの国・地域の市場
(中国、香港、インドネシア、韓国、
マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)で

発行される、
現地通貨建ての国債および公債に投資を行います。

ポートフォリオ・現地通貨別構成比率2013年4月末現在

が

『アジア債券』というカテゴリーで
インデックス型商品が存在するのはちょっと驚きですね。

連動を目指す指数は
Markit iBoxx ABF汎アジア指数です。

(運用会社はステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・シンガポール・リミテッドとなります)

この「アジア国債・公債ETF」は
信託報酬も年0.19%と低く、
最低購入単価も1万円台で、
分配金は1月と7月の年2回に抑えられています。

(おまけにカブドットコム証券では、
「フリーETF」の扱いになったりしているのに)

なぜか、あまり人気がないのです・・。
(売買高がちょっと寂しい・・)

たとえば、
先進国債券+アジア債券という組み合わせで
ポートフォリオに組み入れるのもアリだと
わたしは思います。

「アジア国債・公債ETF」の月次レポートはこちら

【追記】

楽天証券のサイトを見ていたら、
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの
リチャード・クレアモント氏のオンラインセミナーを
発見しました。

(日本語うまい!
タイトルはズバリ「アジア国債・公債ETFのご紹介」です)
こちらをクリック。(2013年6月26日収録)

似顔絵




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| ETFのお勉強 | 19:16 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界経済インデックスファンドにふたりの兄弟ファンドが登場


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

わたしは『バランス型のインデックス・ファンド』には
2種類あると考えています。

1.未来を予想するタイプ
2.未来を予想しないタイプ です。

未来を予想するタイプのバランス型ファンドは、
各投資対象の組み入れ割合を、

自分たち(運用会社)の「主観」で、
「決定」したり「変更」したりします。

「えっ、それって当たり前じゃん・・」
と思われるかもしれませんが、

未来を予想しないタイプのバランス型ファンドでは、
自分たち(運用会社)で組み入れ割合を
「決定」したり「変更」したり、しないのです。

○ ただ、世の中の変化を、
【組み入れ割合】に反映させているだけ・・。


たとえば、
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは
時価総額の比率で組み入れ割合が決まり、

世界経済インデックスファンドは、
GDPの比率で組み入れ割合を決めています。

そんな【世界経済インデックスファンド】ですが、
このたび、ふたりの兄弟ファンドが登場しました。

世界経済インデックスファンド(株式シフト型

株

世界経済インデックスファンド(債券シフト型

債券

わたしは、
バランス型ファンドのリスク特性は、
債券の割合で決まる】と考えています。

株式50、債券50という基本比率を堅持する
『世界経済インデックスファンド』は、

中庸という考え、また、
ミドルリスク・ミドルリターンを体現する
ひとつの具体例と云えるでしょう。

私見ですが、
株式50、債券50という『基本比率』は、

日本人の、ほどほど、人並み、
分を知る、勇まずひるまず、バランス重視という
「生活規範」にマッチしていると思います。

不特定多数の投資家層をイメージしてみると、
株式50、債券50を
【中心】(平均)に置くことで、

佐藤さん
「いや、わたしはもっとリスク取れるのですが・・」

鈴木さん
「わたしの場合、もう少しリスク小さめがいいのですが・・」

という、個別の要望の『座標軸』が
明確になってきます。


【細かい潜在ニーズ】に対応する、
という意味では、
今回の(株式シフト型)(債券シフト型)のラインナップは
マーケティングとして正しいのだと思います。

しかし、それはあくまで
元祖『世界経済インデックスファンド』の隆盛があって
はじめて意味を為すのではないでしょうか。

(商品そのものの優位性に比べると)
『世界経済インデックスファンド』(元祖)の純資産額は
まだまだ寂しい限りです・・。

運用会社である、
三井住友トラスト・アセットマネジメントさんには、
もっと『世界経済インデックスファンド』のPRを
行っていただきたいと切望します。

(★ その第一段階として、
SMTインデックスファンドシリーズの中に、

『バランス型』として
3つの「世界経済インデックスファンド」を
ラインナップさせることを提案します・・)

似顔絵




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| バランスファンド | 13:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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バークレイズがMSCIへ指数ビジネスの売却を検討


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

上記、ゆうきさんが管理人を務めるブログ
【ホンネの資産運用セミナー】のコチラの記事で知りました。

元記事はこちら(ロイター)
英バークレイズ、MSCIへの指数ビジネス売却を検討=関係筋

ETFという金融ツールは
最低3つの関係会社がタッグを組まないと、
めでたく運用を始めることが出来ません。

1.運用会社(プロバイダーと呼ばれます)
2.指数提供会社
(文字通り、連動する指数を提供してくれます)
3.証券取引所(上場する舞台そのものですね)

皆さんにとって、
もっとも馴染みがうすいのは、
指数提供会社ではないでしょうか・・。

MSCIや、S&Pダウ・ジョーンズや、
FTSEなど、名前は聞いたことがあるけど、
具体的にどんな役割を担うんだろう・・
という印象をお持ちかもしれません。


指数提供会社は、
ETFが連動を目指す「指数」の組成・管理を
一手に引き受けており、

ETFを生身のカラダとすると、
【指数】とはまさに、
そのカラダがまとう『衣服』そのものです。

別の視点から申し上げると、
どんな『衣服』に合わせるかをまず決めないと、
実際のETF(カラダ)は作れないわけです。


(そういった意味で、指数の役割は重要です)

そして、たとえば、
先進国株式指数という
「衣服」をまとうことを決めても、

じゃあ、どの指数提供会社が提供する
先進国株式の「衣服」にするのか、
これも決定しなければなりません。

なんとなく嗅ぎ取ってもらえましたか?

ETFマーケットの隆盛によって、
指数提供会社も
自らのライセンスビジネスの規模を
拡大させているのです・・。

今では、
指数提供会社側から積極的に、
「多種多様な市場平均」を提案することで、
更なるETFの組成を促している側面があります。

つまり、指数提供会社が
ETFの企画担当のような役割を
担っているのです。



株価指数は
「市場平均を表す物差し」ですが、
ひと口に市場平均と云っても、
その概念は、限りなく【拡大解釈】できます。

具体例を挙げてみましょう。

指数提供会社「S&Pダウ・ジョーンズ」のサイト内で、
『S&Pダウ・ジョーンズ指数ハンドブック』を
閲覧することが出来ます。

そこには、
さまざまな指数の具体例が載っており、
株式指数だけをとっても実に多種多様です。

・S&P500
これ、有名ですよね。
米国市場に上場する代表的な500社からなる株価指数です。
(いかにも「市場平均」という感じがします)

・S&P500 低ボラティリティ指数
S&P500構成銘柄のうち、
最もボラティリティが低い100銘柄をピックアップしています。
(これも一種の「市場平均」なのです)

・S&P グローバル総合シャリア指数
イスラム法(シャリア)に適合した会社のみを組み入れ、
指数を組成しています。

・S&P 日本地域別指数 -東海-
少々マニアックですが、
日本株式の中で、東海企業に本社を置く企業を
ピックアップしています。

・S&P 高配当貴族指数
S&Pコンポジット1500の構成銘柄の中で、
25年以上毎年必ず増配する方針に従っている企業のうち、
配当利回り上位の60銘柄から構成されます。


上記に挙げたのはあくまで一例ですが、
たとえば【債券】にも
実に多種多様な『指数』が存在します。

ということで、ようやく?
【本題】に戻るのですが、

バークレイズは業界第2位の指数提供会社であり、
『債券指数』においては最大手です。

バークレイズのサイトをご覧いただくと、
Benchmark Index Returns」というページがあります。

(実にさまざまな『債券指数』がありますね・・)

仮に、MSCIが
バークレイズの指数ビジネスを手に入れると、
(指数提供会社の)勢力図が一変することになります。

ETFの運用会社(プロバイダー)のほうは
出来るだけリーゾナブルな価格で指数を利用したいですし、

一方、指数提供会社は、
自らの指数提供の付加価値を維持したいと
考えています。

(ここに『激しい攻防』が存在するわけです)

指数提供会社としては、
ライセンスの主導権を握るために、
規模の拡大を図っていきたいのが本音なのでしょう。

ゆうきさんもブログ記事で書いておられますが、
私たち投資家としては、

指数提供会社側と、
ETFのプロバイダー側の間で
『健全な競争原理』が働き、

ETFの経費率が低下する余地が生まれることを
期待したいものですね・・。

◆ 参照記事
ETFをめぐる苛烈な戦い?(証券会社 VS. 運用会社 VS. 指数提供会社)】

似顔絵




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