毎月分配金をもらうことと、定期的にファンドを解約することはまったく同じ理屈なのです
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
セカンドライフを迎える人にとって、
『定期的な収入』は日々の生活を支える大切な要素です。
おそらく多くの人が、
「一塊の資産」(ストック)をいかに
『定期的な収入』(インカム)に変換させればよいかで
頭を悩ませているのではないでしょうか・・。
そういう潜在ニーズにつけ込んだのが、
「毎月分配型ファンド」です・・。
わたしは日々の相談業務を通じて、
「毎月分配型ファンド」を買っている人がいかに多いかは
十分承知しているつもりですが、
最近ちょっと哲学的に?考えてしまうことがあります。
人は、
A 与えられるモノに価値を見出し、
B 自ら判断して得るモノを過小評価する。
ということです・・。
「投資信託」という商品の中で起こる、
毎日、毎月のよしなしごとは
私たちの日常とさして変わるものではありません。
要するに、良いこと(価格が上がる)が起これば、
悪いこと(価格が下がる)も起こるわけです・・。
あなたがファンドから『分配金』をもらうことと、
あなたがファンドを解約して『現金』を受け取ることは、
【ファンド内から自分の資金を引き出す】という意味で、
まったく同じ行為です。
(ここのご理解、とっても重要です。)
では、何が違うかというと、
A 商品提供側に
「毎月のおカネ」を作ってもらうのか、
B あなた自身が「毎月のおカネ」を作るのかの
【違い】だけなのです。
Aは「毎月分配型のファンド」と呼ばれ、
Bは「あなたがファンドを毎月解約する」と言われますが、
どちらも同じ「毎月のおカネ」
= インカム です・・。
※ どちらも、良いとき(価格が上がる)も
悪いとき(価格が下がる)も、
【ファンド内から自分の資金を引き出していますね。】
公募の投資信託は基本的に、
『いつでも購入、いつでも解約』することができます。
したがって、ファンド側は解約に備えて
いつでも一定の『キャッシュ』を保有しています。
Bの、
あなた自身が「毎月のおカネ」を作るために
自分のファンドを「解約」することは、
言ってみれば
ファンドにとっては日常業務の範囲内であり、
プラスアルファの『仕事』が発生するわけではありません。
一方、Aの、
商品提供側に「毎月のおカネ」を作ってもらうことを、
まあ、「毎月分配金が出る」と形容するわけですが、
これは、
ファンドが『解約』に備えるのとは別に、
「分配金の準備」のため、ファンド内に
『プラスアルファのキャッシュ部分』を持つことです。
これって運用効率が落ちることだと思いませんか?
さらに、Aの場合、あなたはファンド側に
プラスアルファの『仕事』をさせることになります。
⇒ 運用するという仕事に加え、
毎月「分配金」を準備する・払い出すという仕事を
「させている」わけですから・・。
その結果、ファンドに支払う継続コスト(信託報酬)が
高くなるわけですね・・。(あなたは嬉しいですか?)
もう一度、
冒頭の文章に帰ってみましょう。
セカンドライフを迎える人にとって、
『定期的な収入』は毎日の生活を支える大切な要素です。
おそらく多くの人が、
「一塊の資産」(ストック)をいかに
『定期的な収入』(インカム)に変換させればよいかで
頭を悩ませているのではないでしょうか・・。
あなたのセカンドライフは、
あなた自身が形作るものです。
つまり、今現在、保有するご資産から、
毎月「いくらぐらいのお金」が必要かは、
あなたが・自分で・決めることです。
Bの、あなた自身が
「定期的に自分のおカネ」を作るケースだと、
毎月7万円を解約する、
半年に一回、50万円を解約する、
1年に一度、120万円を解約する、
あるいは、
2015年は大いに儲かったので、
年150万円解約しようとか、
2016年は成績が悪かったので、
80万円だけの解約に留めておこうとか、
どのように、
どれだけ『インカム』をもらうかは、
100%あなたの【自由】なのです・・。
まさに、あなたが
あなたのお金の「手綱」を握っている状態です。
A 与えられるモノに価値を見出す
B 自ら判断してモノを得る
上記のどちらを選ぶかは、
(ちょっと大袈裟にはなりますが)、
セカンドライフにおける
あなたの・お金に対する
【価値観】そのものを示すものだとわたしは思います。
○ 運用効率から云っても、
○ コストの低さから云っても、
○ 日々のお金の管理のしやすさから云っても、
(低コストの)ファンドを長期で持ちながら、
定期的に『解約』(引き出し)を行っていったほうが
すこぶる合理的だと思いませんか・・?
ただ、テクニカルな面でいうと、
金額ベースで「解約」(資金の引き出し)の
管理を行うよりも、
毎年「% パーセント」で
資産からの『引き出し』(解約)を行い、
長生きするリスクに対処することが重要と考えます。
一例ですが、たとえば、
毎年資産の『4%』を引き出しながら、
長期的に『4%』の結果リターンを得られれば、
名目上、ポートフォリオの価値は変わりません・・。
(※ ここでは税金は考慮していません)
当オフィスと10年以上お付き合いがあるお客様で、
毎年3%の【引き出し】(解約)を続けながら、
ご資産額そのものは
当初より増しているお客様が複数おられます。
(このようなお客様は
インデックスファンド、ETFのみで
ポートフォリオを組まれているのです)
『インカム』のもらい方は、
毎月分配型ファンドだけではないのですよ・・。
【参照記事】
吊られた男さん
【分配金は部分解約と同じです - NISAも始まったし基本に立ち返る】

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