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2014年08月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年10月

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『四十七人の刺客』(上・下) 池宮 彰一郎 著


こんにちは。カン・チュンドです。

今日は投資とはまったく関係ないのですが、
時代小説のお話です・・。

先日、『四十七人の刺客』(上・下 角川文庫)
池宮 彰一郎 (著) を読みました。

「忠臣蔵」を描いた書籍は数多くありますが、
この本は、情緒の部分を排して、
ひたすら史実の真相に迫っています。

(実は「忠臣蔵」とは、
大石内蔵助によって行われた
緻密な謀略戦だったのです・・)

本書を読むと、討ち入り決行の日までの、
数々の作戦とその準備の様子が
手に取るように伝わってきます。

また、あまり知られていませんが、
討ち入りまでの資金を支えたのは、
大石の卓抜した『経済感覚』でした。


大石は赤穂藩の「製塩事業」において、
塩を卸に売却するのを止め、

当時の一大市場であった大坂で、
市場の需給を見ながら有利な価格で塩を売却し、
藩の財政を支えていたのです。

(それが後々、討ち入り決行までの
膨大な資金源となります・・)


また、大石が行った諜報活動のひとつに
「噂の流布」があります。

莫大な金と人を使って、
江戸城内で
「吉良上野介が浅野内匠頭に賄賂を要求したが、
拒否されたためにいじめ抜いたのだ。」

という噂を広めさせます。

(このような噂を流布させることで、
世間を味方につけたのです・・)

あるいは、作戦の途上で
わざと血判状を回収して
義士たちの士気を再確認しています。
(少数精鋭にこだわったのですね)


最後に、
これは本書内での記述ではありませんが、

大石内蔵助は、
四十七人の義士のひとり寺坂吉右衛門に
討ち入りの帰路、
脱出することを命じています。

これは寺坂に生き証人として、
討ち入りの史実とその意義を
後世に伝えさせるためだったのです。

リーダー戦略論として本書を読んでも、
とても面白いと思います・・。








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| 書評・映画・美術評 | 11:03 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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リ・バランスの摩訶不思議・・ その2)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

ポートフォリオの【リ・バランス】は、
さまざまな人を、
さまざまな形で悩ませます。

たとえば、資産割合のズレ
どの程度【放置】してよいのか?

たとえば、ここに、
10月と4月に
『リ・バランス』をしている人(田畑さん)が
いるとしましょう。

田畑さんのポートフォリオでは
ほんらい先進国債券は15%の組入れです。
それが今(10月)、13.8% になっています。

「えーっと、
これも、やっぱりもとに戻さないとダメですかね?」

いいえ、【放置】してください・・。
??

わずか 1.2%のズレですから・・。


仮に、
田畑さんの運用資産が2000万円なら、
24万円分のズレですね。

わたしは、
運用資産が2000万円程度までで、
かつ、
ポートフォリオの資産割合がもともと
10%超の「投資対象」であるなら、

リ・バランス時の
上下2%程度のズレは、
【許容】してあげてよいと考えます


無理して、
割合が増えた投資対象を売り、
割合が減った投資対象を買い増す必要はありません。

(※ また、ポートフォリオの組入れ割合が
もともと10%未満であるなら、
上下1%程度のズレは許容してあげましょう・・)


『リ・バランス』のほんらいの目的は、
背中に背負うべき【リスク量】を
おおよそ維持することにあります。

あまり厳密になり過ぎないほうが
よいのではないでしょうか・・。
(何しろ、との付き合いは超長期に及ぶのです・・)


「でも、カンさん、
そんなこと言いますけど、

その、田畑さん、ですか?
その人の『例』でいうと、

10月時点で、先進国債券の
ズレは1.2%だけかもしれませんが、

もし、12月時点で、
3.4%のズレが発生したら、
どうするのですか??」


はい、それももちろん、
【許容】してあげてください。

なぜなら、田畑さんの
『リ・バランス』時期は
4月と10月ですから・・。


「そんなにアバウトでいいんですか?」
はい、いいのです。

この程度のアバウトさを許容してあげないと、
とてもとても、

10年、20年、30年と続く、
資産管理(メンテナンス)は
出来ないのではないでしょうか・・。

(私たちはなにも、
毎日毎日、
『リ・バランス』のことを気にして、
市場に張り付いている必要はないのです・・)

pie-chart.png

ところで、
教科書的には、
【リ・バランス】の実践方法
大きくふたつに分かれます。

1.一定期間(たとえば半年、1年)ごとに行う。

2.期間ではなく、当初定めた「資産配分」から、
  一定割合(たとえば5%、10%)ズレたら、適宜行う。

1.は俗に【定期型】、
2.は【かい離型】と呼ばれます。

当オフィスの考えは、
「1.で十分ですよ。」なのです・・。


仮に、2.を実践するとなると、
マーケットをこまめにチェックする必要が生じます。

また、マーケットのアップダウン如何によっては、
年に何回『リ・バランス』を実践することになるか
見当もつきません・・。


あのー、余談になりますが、
個別株のチャートで、
短期移動平均線、
長期移動平均線ってあるじゃないですか?

たとえば、野村ホールディングスの株って、
毎日、毎日株価が変動していますが、
1年、1年の【時間スパン】のみでその変化を捉えると、

『中期的な傾向』のみが、
浮かび上がってきます・・。

あなたのポートフォリオも
そんなイメージで管理してあげてください。

★ 『リ・バランス』でもっとも難しいのは、
【どの程度、
マーケットのアップダウンを無視できるか。】
なのです。



さまざまな市場の、
予期せぬアップダウンは、
まるで不規則に現出する「自然現象」のようなもの・・。

この「自然現象」を、
あまり近づきすぎず、ごくたまに、

しかし、しっかり規則的に
【定点】で見つめ続けることが出来るか否か・・。
それが【リ・バランス】のポイントなのです。

⇒ リ・バランスの実施に際しては、
執行月、(できれば執行日まで)
しっかり【固定】しましょう・・。


「自然現象」の連続であるマーケットを
【主人公】にしてしまうと、

あなた【= 脇役】は、
主人公が気まぐれに動くたびにあたふたして、

嗚呼、自分(ポートフォリオ)は
これでいいのだろうか・・?
と悩んでしまいます。

これ、間違いです。

⇒ 資産運用における【主人公】は
あくまであなた自身なのです。

あなたはただ、
『脇役』であるマーケットを
【定点観測】し、

定期的に、
自身のポートフォリオの『ズレ』を
直してあげるだけ・・。

(それ以上でも、それ以下でもありません。)


なんとも淡泊で、
仕事量もエネルギーも少量ですが、
長く続ける『根気』は要求されます。

ちょっと想像してみてください・・。

たとえ、年2回のみの【リ・バランス】でも、
それを継続して行うことで、

あなたは、高くなったモノを売り、
安くなったモノを買い増しする【機会】に、
定期的に遭遇することになります。

(たとえば、
20年間運用管理を続ければ、

計40回、高くなったモノを売り、
安くなったモノを買い増しする【機会】に
恵まれるのですよ!)

もう、お気づきかと思いますが、
長い資産管理(メンテナンス)の実態は、
【バイ・アンド・ホールド、時々、売買。】
なのです・・。

似顔絵




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| リ・バランスとは? | 18:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リ・バランスの摩訶不思議・・


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

ポートフォリオの【リ・バランス】については、
お客様からしばしばご質問を受けます。

たとえば、
【リ・バランス】の頻度はどの程度がよいのか・・?

当オフィスでは、
運用資産が500万円以下の場合、
年に1度」のリ・バランスをお勧めしています。


そして、
手元に(ポートフォリオ以外の)
余裕資金が潤沢にある場合は、

『リ・バランス』の仕方としては、

割合が減った投資対象のみを
買い増しすることで】行うのがよいでしょう。

(税金を払う必要がないため・・)

※ ただし、生活防衛資金、
ポートフォリオ外の安全資産に
支障をきたすことがあってはいけません。


そもそも「リ・バランス」とは、
積み上がった個々の投資対象の
『資産割合』を、

本来のカタチ(あるべき資産割合))に
【戻してあげる】作業です。

要は、ズレを直してあげること・・。


では、どうして、
資産割合のズレを定期的に
【もとに戻してあげる】必要があるのでしょう?

これって(実は)至極シンプル。

『リ・バランス』のそもそもの意義は、
投資家が背中に背負う
【リスク総量】を一定にするため、
なのです。



たとえば、
運用資産が概ね500万円以下の状態で、
つみたて投資を行っていて、

「よし!【リ・バランス】しようか。
どれどれ、
日本株式がこれだけズレてるのか。

だったら
毎月の『配分割合』を変えることで
このズレを調整しよう!」


という方がおられます。

「これって、どうなのでしょう?」
もちろん、
やってやれないことはありません。


1616 マーケットのアップダウン


しかし、
そもそも【リ・バランス】とは、

積み上がった資産ストックベースでの
配分割合を、
もとに戻してあげることです。

毎月の『配分割合』の変更は、
あくまでフローベースでの
つみたて割合の変更ですよね。

★ したがって、
毎月の『つみたての内訳』を変えても、

(残念ながら)
すぐにストックベースで
もとの資産割合に
戻るわけではありません。

<当然、タイムラグが発生してしまいます・・>


リ・バランスの意義は
『ストックベース』で見て、

投資家が背中に背負う
【リスク量】を一定にしてあげることですから、
やはり、
一度に行うのが基本】なのです。


(※ 毎月の「配分割合」は変える必要なし・・


rebalance.jpg


ちょっと『具体例』を挙げてみましょう。

運用資産(時価)が1000万円相当で、
かつ、毎月5万円の
「つみたて投資」を行っている人がいます。

(ストックベースで)
ほんらい30%の資産割合としている
「日本株式」において、

10%のかい離が発生し、
今、20%の資産割合になっているとしましょう。

ということは?

ちょうど100万円分
日本株式の割合が足りないわけです。

(そこで【リ・バランス】!)


仮に、100万円というズレ(不足分)を、
毎月のつみたての
『配分割合』の変更で賄おうとすると、

毎月5万円のつみたて投資を
すべて【日本株式】に変更しても、
20ヶ月もかかってしまいます・・(-_-;)

しかもその間、
ほかの投資対象に対する
資産の積み上げは
一切なし(ゼロ)になってしまうわけです。

やはり、【リ・バランス】は
積み上がった資産ベースで
一度』に行うのが基本でしょう・・。


(背中に背負う【リスク量】を
もとに戻してあげるだけなのですよ!)


ところで、当オフィスでは
運用資産が概ね1000万円を超える場合は、
年に2度」のリ・バランスをお勧めしています。

以下、次の『具体例』です。

運用資産(時価)が今、
2000万円相当で、かつ、
毎月5万円のつみたて投資を
行っている人がいます。

(ストックベースで)
ほんらい30%
資産割合である「日本株式」が、
今、20%の資産割合になっているとしましょう。

(その代わり、
日本債券が
5%増えた状態、

また、先進国債券も
5%増えた状態とします)

ということは?

200万円分
日本株式の割合が足りないわけです。

(ここで【リ・バランス】!)


6-ウォーキング


仮に、
割合が減った投資対象のみ、

つまり「日本株式」のみを
買い増ししようとすると、
200万円分を【追加投資】する必要があります。


これって、
ポートフォリオ外の
「安全資産」から
200万円を出す、
ということです。

ん?
これは、人によっては、
ちょっときつい状態になってくるかも、ですね。


『つみたて投資』を実践していると、
投資を続ければ続けるほど、
運用資産残高が積み上がっていきます。


★ 生活防衛資金、
ポートフォリオ以外の安全資産に
『支障』をきたさないためにも、

運用資産が
ある程度大きくなれば、

〇 割合が増えた投資対象を売り、
〇 割合が減った投資対象を買い増す、
という、
【リ・バランス】を行うのが得策でしょう。


(もちろん、一度に!)

そして、
ちょっと心苦しくはありますが、
税金の支払いは
経費』と割り切る必要があります・・。


さらに、もうひとつ『具体例』・・。

運用資産(時価)が3000万円になると、
同じ10%のかい離でも、

金額ベースで見た『ズレの大きさ』は
300万円になります。

(けっこう大きな数字です)

以下、意見が分かれるとは思いますが、

当オフィスでは、
世界のマーケットのボラティリティ、
『価格変動の大きさ』は、
今後大きくなる可能性が高く、

かつ、
アップダウンの周期が
(これまでよりも)
短くなる可能性が高いと考えています。


(その理由は、
世界市場の【一体化】が進んでいくため!)


上記の考えに基づけば、
運用資産残高が
ある程度大きな状態になれば、

たった1年内でも、
金額ベースで見た
ポートフォリオの起伏は相当に大きくなる
可能性があると考えます。

(だとすれば、
年に2回【リ・バランス】を実践したほうが
効率的ではないでしょうか・・)


rebalance.jpg

なぜなら、
【資産割合を
もとに戻すという作業】を通じて、

年に2回、

〇 価格が上昇した資産を売り、
〇 価格が下落した資産を買い増しする
機会』に恵まれるわけですから・・。

(上記は長い目で見て、
『超過リターン』の獲得につながると考えます)


また、
コンサルティングを通じて感じることは、

ヒトという生き物は、
マーケットの変化に
いちいち【反応】してしまいがち、

ということです。

たとえば、

○ マーケットに変化が発生すると、
自分の資産配分(ストックベース)を
動かしたくなる。

○ マーケットに変化が発生すると、
毎月の配分割合(フローベース)を
動かしたくなる。

○ マーケットに変化が発生すると、
つみたて金額を減らしたり、
増やしたりしやすくなる。


というような、
さまざまな【アクションへの誘惑】が
誘発されるのです。

(※ 上記のアクションは多くの場合、
後追い現象】となってしまい、
プラスアルファのリターンに寄与しません・・)


gctv-mistakes.jpg


上記のような
無駄なアクションを制御するために、

『年に2度のリ・バランス』が
有効になる場合があるのではないでしょうか。

つまり、年に2回、
〇 価格が上昇した資産を売り、
〇 価格が下落した資産を買い増しするという

アクション】(リ・バランス)を
取り入れることで、

ほんらい必要ない
『不必要な行動』への誘惑を取り除く、

という効用があると考えます・・。

◆ 参照記事
固定化させたポートフォリオか、TAAなポートフォリオか?】
【あなたの『感情リスク』を乗り越え、やっと合理性が見えてきます

似顔絵




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| リ・バランスとは? | 10:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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基準価格だけを見て、投資信託を買ってはいけません


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

最初に大切なことを言います。

★ ファンドの【基準価格】だけを見ても、
そのファンドの実力は分かりませんよ・・。

セミナーなどでお話をさせていただくと、
投資信託の値段と、
個別株の値段、すなわち【株価】を、
同じように考えている人が時々おられます。

それ、間違い、ですよ。

『株価』と『基準価格』は似て非なるものです。

そもそも、投資信託の値段は
ファンドが運用を開始するときに
一律10,000円からスタートしています・・。

(より正確にいうと、
1万口あたり10,000円、
すなわち、1口=1円でスタートするわけです)

それに対して、
個別株の【株価】はどうでしょうか?

最初、
ソニーやホンダや三菱重工が上場したときに、
株価って一律10,000円でしたか?

(いいえ、1株あたりの値段は、
それぞれの会社で最初からバラバラでした・・)


ファンドのお話に戻りますが、
投資信託の『成績』を、
ファンドの『値段』だけで評価しようとすると、
大きな「間違い」を犯すことになります。

投資信託は原則、
【基準価格 10,000円】からスタートしますが、

途中で『分配金』を出したりすると、
その分「基準価格」は【下がって】しまいます。

分配金を多く出すファンドほど、
「基準価格」は逓減してしまうのですね。

ですから、そもそも、
【基準価格】を見ても、
ファンドの実力は分かりません・・。


また、そのファンドが
いつ運用を始めたか』で、
【見えてくる数字】(基準価格)は
まるっきり違ってきてしまいます。

話を分かりやすくするために、
「インデックス型」で、
かつ「バランス型」のファンド、

○ セゾンバンガード・グローバルバランスファンド
○ 世界経済インデックスファンド、

この2つの『バランス型ファンド』を
比べてみましょう・・。

(※ 正確に言いますと、
セゾンバンガードは一度も「分配金」を
出していませんが、

世界経済インデックスファンドは
過去に2度「分配金」を出しています。
僅かではありますが、この点ご留意ください・・)


さて、
セゾンバンガードの【基準価格】は?
12,461円。

世界経済インデックスファンドの【基準価格】は?
19,912円です。

(いずれも9月19日現在)

「おぉー、断然、
世界経済インデックスファンドのほうがいいじゃん!」

と思ったあなた。

違いますよ・・・。

試しに「ヤフーファイナンス」で、
両ファンドの直近5年の【成績】を比べてみましょう。

chart_yahoo_co_jp.png


あれ?
【過去の成績】はほとんど同じですよ・・。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?

それは単に、
【両ファンドが運用を始めた時期】が異なるためです。

セゾンバンガードは、
2007年3月に運用をスタートさせました。

しかし、2008年に入って
世界のマーケットは大きく下落し、
セゾンバンガードも一時は
【基準価格】が6,000円台にまで下がりました。


一方、世界経済インデックスファンドの
運用開始は2009年1月。

リーマンショックの影響で
世界のマーケットは『真っ暗』な時分でしたが、

<これは後から振り返ってみて、
はじめて分かることですが・・>

『結果』として、
底値近くで運用をスタートさせることが出来たわけです。

(ここ、重要なのですが)
両ファンドとも、
世界の株式、債券の【市場全体】に投資を行います。

従って、両ファンドとも、
世界のマーケットの【成長そのもの】を
忠実に捉えているわけです・・。

⇒ そして、これまでの【実力】はきっ抗しています。

ファンドの値段だけを見て、
投資信託を選ぶのは
(特にインデックスファンドの場合)
まったく意味がありませんね・・。


たとえば、
『基準価格』20,000円を超えたファンドのことを、

もう、すでに割高だよね。」
と評する人がいますが、

・仮に分配金がゼロで、
・基準価格 10,000円からのスタートだとすると、

長い【投資人生】の中で、
ひとつのファンドが「2倍」になっただけですよ!

たとえば、
あなたの資産運用って
投資元本100万円が200万円なったら、
(それで)ジ・エンド なのですか・・?

なんと刹那な、短い時間スパンなのでしょう・・。

せっかく、
【時間の利益】を手にしているのですから、

もっとおおらかに、
自分の将来のことを考えて
ワクワクどきどきするように、

投資信託の保有を
あなたの【人生時間】に合わせてあげてください。


【追記: 15年2月2日】
ついでに、こんなグラフもご用意しました。


無題

(セゾンバンガード、世界経済インデックスに
eMAXISバランス(8資産均等型)を加えたグラフです。
0331111AはeMAXISバランス、
64315091は世界経済インデックスです・・)






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コンサルティングはやっぱり胡散臭い? その3)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

以下、いきなり真面目モードで恐縮ですが・・。

どうしてわたしが
金融商品の販売に関与せず、
『相談業務』のみに注力しているかというと、

★「相談してみるというニーズ」と、
「金融商品を購入するというニーズ」は、
必ずしも一致しないと考えるからです。

【相談してみる】ことと、
【金融商品を購入する】ことは、
その『間口の広さ』が違うのではないでしょうか。

(ちょっと、
サービス料金のことは枠外に置いてみると・・)

『相談してみる』という行為のほうが、
(金融商品を買うという行為より)
間口が広いと思いませんか?

なぜなら、
【相談してみる人】の中には、
最終的に、金融商品を購入する人もいれば、
購入しない人もいるからです・・。


当オフィスのコンサルティングでは、

「ご相談いただいた結果、
あなたは投資をする必要はありません。」

「あるいは、
あなたは投資を行うべきではありません。」

というアドバイスをすることが、
稀にあります。

なぜなら、わたしが行っているのは
(金融商品を勧めることではなく)
相談サービス』であるからです。

(資産運用で悩んでいるあなたにとって、
金融商品の購入のみが
「解決策」とは限らないのですよ!)


さて、先ほどは、
サービス料金のことを
ちょっと棚に上げてしまいましたが、

もし、『相談サービス』というものが無料だったら、
サービス提供側、相談者側、
それぞれにどんな【反応】が起こるのでしょうか?

サービス提供側、
―つまり、わたしです。― は、

相談料金が「ゼロ円」の状態だと、
適切なアドバイスを頑張って差し上げよう、
というインセンティブが下がってしまいます・・。
(正直に申し上げて。)

逆に、相談料金を頂戴することで、
まず、サービスに『緊張感』が走ります。

「今やっているサービスに、
果たして16000円の価値があるのか?」

という自問自答ですね。

このプレッシャーが、
アドバイザーとしての知識、スキルを向上させる
動機付けとなります。

サービスの『緊張感』とは、
お客様に 価値 > 価格 を感じていただけないと、
やがて誰も来なくなってしまう!
という「危機感」でもあります。


一方、相談者側は、
相談サービスが無料だと、
「まあ、ひとつの意見として聞いておこうか」

というふうに、アドバイスの価値を
低く見積りがちになってしまいます。

相談者は、相談料金を支払うことで、
アドバイスの内容そのものに
ある程度『期待感』を抱くようになるのです。

(たとえがよいかどうか分かりませんが、
1,000円のラーメンを食べるときって、
「おぉー、いったいどんな味なのか?」
という『期待』を寄せますよね?)

また、相談者側は
相談料金を支払うことで、
アドバイスしてもらった事柄を
実行』に移すという インセンティブ が働きます。

ワタシはこのサービスに、
16000円も支払ったんだから、
アドバイスの内容をしっかり実践しないと、
この16000円が無駄になってしまう・・


という感覚ですね。

少々おこがましい言い方になりますが、

★ わたしは、相談サービス料金には、
あなたの『悩みの価値』を
顕在化させる作用があると考えています。

advisor_20150330182707500.jpg


以下は少し技術的なお話になりますが、
サービス提供側、つまりアドバイザーは、
複眼の感覚』を持っておく必要があるでしょう。

あなたという相談者と
それにまつわる事柄を客観視し、
大きな見取り図」を捉える眼と、

あなたのお悩みや不安を形作っている
大元の、もっとも重要な要素
つまり「センターピン」を見つける眼です。

わたしは普段、
「このコンサルティングでもっとも重要な
ポイントは、○○○○だと思います。」
という言い方を極力心掛けるようにしています。


上記、ちょっと手前味噌のような書き方に
なってしまいましたが、

最後に、相談者側にとっては、
「コンサルティングの内容」を
徹頭徹尾書き留めておくことなんて出来ない、

アドバイスしてもらった内容を
忘れてしまうじゃないか
というご懸念があると思います。

当オフィスでは
(ご来所のお客様に限りますが)

★ コンサルティングの内容を
ICレコーダに録音し、
CDに焼いてその場でお渡ししています。

もちろん、このサービスに
いちばん『緊張感』を感じているのは
わたし自身でありますが・・(笑)

◆ 参照記事
コンサルティングはやっぱり胡散臭い?】
コンサルティングはやっぱり胡散臭い? その2)】

似顔絵




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| しんようFPオフィスのコンサルティングが見えてくる? | 18:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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生活防衛資金、運用に回さない安全資産、そしてポートフォリオの中でも安全資産って持つの?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

「これから水泳を始めよう!」という人は、
もちろん、水泳に対してやる気満々です。

「これから投資を始めよう!」というあなたも
気持ちは同じだと思います。

しかし、
ここで突き当たってしまう『』がひとつあります。

「じゃあ、ワタシの場合、
どのくらいの資金を、
ポートフォリオに入れてもいいの?」


というもの・・。


たとえば
鈴木一郎さん(仮名)は、
預貯金で約1000万円の資産があります。

そもそも、リスクを伴う運用
「ポートフォリオ」に入れる資金は、

向こう10年は
寝かせておけるお金である必要があります



ですから、鈴木さんが
向こう5年程度で
必要となる「まとまったお金」は、

そもそも、
ポートフォリオに入れてはいけません。

(★ ということで、
鈴木さんは100万円
ポートフォリオから除きました・・)

次に【生活防衛資金】も必要です。

突発的な出来事、
不測の事態が起こったときに、

いつでもすぐに現金化できるお金を
プールしておく、というものです。


ある人は、この生活防衛資金を、
「毎月の生活費の3ヶ月分でよい」
と云います。

またある人は、
「毎月の生活費の半年分は必要」
と云います。

またある人は、
「毎月の生活費の2年分は確保しておくべき」
と書籍に記しています。

「これって、どれが正解なの?」
と鈴木さんは思ってしまいました。

すみません・・、
普遍的な正解はないのです


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たとえばわたしの場合、
典型的な自営業者なので、
毎月の生活費の1年分は
【生活防衛資金】として確保しています。

このお金は、
日常生活上は、
存在しないモノと認識すべきでしょう・・。


(だから、生活防衛資金なのです。)

たとえば、
鈴木さんがわたしと同じ程度の
資産をお持ちとしましょう。


鈴木さんはわたしと違って
大手企業にお勤めで、
また、その職種はきわめて安定しており、

また、鈴木さんはわたしと違い、
毎年の期待収入が
逓増する可能性が極めて高く、

独身で、健康であり、
賃貸暮らしであり、

わたしよりもうんと
毎月の貯蓄率が高く、
おまけに一人っ子で、
ご両親は持ち家であり・・

という『条件』が揃っているなら、
【生活防衛資金】は3~6ヶ月程度
ぜんぜん大丈夫だと思います。


(★ 鈴木さんは
25万円(月の生活費)×6ヶ月で、
150万円ほどを、【生活防衛資金】として
ポートフォリオから除きました・・)


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では、ここからが本題ですが、

〇 向こう5年程度で
必要になるまとまったお金、
〇 生活防衛資金を除いたお金は、
すべて『ポートフォリオ』に入れてしまってよいのでしょうか?

教科書的には、
YES、ということになりますね。

しかし、しかし、です。

あなたは生まれてはじめて、
資産運用という長いマラソンを
走ろうという人です。

いきなり、
全速力で走り出してもいいものでしょうか?


ここで思い出していただきたいのが、
毎月のお金』のことです。

鈴木さんの
収支はどうなっているかというと・・。

毎月の収入35万円。支出25万円です。

鈴木さんの資産運用の原資は、
【ふたつのポケット】です。

1.毎月の収支からの運用
2.まとまったお金からの運用


<ふたつ合わせて、あなたの資産運用!>


では、鈴木さんの場合、
毎月残る10万円のすべてを
つみたて投資に回してもいいと思いますか?


んー、ちょっと全速力すぎ、です・・。

「毎月残る10万円のうち、
いくらくらいなら、リスクを伴う運用に
回してもいいと感じますか?」


これを、あなた自身、
【自問自答】していただきたいのです。

(ちょっと注意点ですが、
ただ単に「運用に回してもよい」
という意味ではありません。

このくらいの金額なら、
どんなことがあっても、
長くつみたてを続けられそう・・
と思える金額ベースです)


鈴木さん
「毎月6万円なら、大丈夫だと思います。」

であるなら、
月に10万円残るお金のうち、
6万円をつみたて投資に回す、

言い方を換えると、
毎月6万円で「ポートフォリオ」を組む、
ということですね。

毎月残るお金のうち、
『つみたて投資』に回すお金の比率は

どうなりますでしょうか?

『60%』ですね。

※ ここで重要なことは、
まとまったお金のポートフォリオと、
毎月ベースのポートフォリオを
同じ』とイメージすること!


で、


尾瀬


上の『60%』という比率を、
まとまったお金からの運用にも、
援用していただきたいのです。


鈴木さんの場合、

〇 向こう5年程度で必要になる
まとまったお金は・・ 100万円
〇 生活防衛資金は・・ 150万円 でした。

これを、1,000万円からを除くと、
残りのお金は計750万円になります。

このうちの『60%』
つまり、
450万円を運用に回すというイメージなのです。


「残りは?」

残りは、
運用に回さない『安全資産』となります!


資産運用の
大まかな『見取り図』として、

★ 毎月残るお金の中で、
運用に回すお金の割合と、

(向こう5年内で必要になるお金、
生活防衛資金を除いた)
まとまったお金の中で、

運用に回すお金の割合を、
【同じ】くらいにしましょう!
というのが、
わたしの『ご提案』なのです・・。

(伝わっていますね?)





上記を実践すると、
ご資産の『全体像』を俯瞰した場合、

〇 運用に回しているお金と
〇 運用に回していないお金の【比率】が、

毎月のお金、
まとまったお金とも、
おおむね【一定】になります・・。


「カンさん、じゃあ、
鈴木さんの場合は、
そもそも運用に回していないお金が
4割もあるのだから、

運用に回すお金、
つまり「ポートフォリオ内」では、
別に安全資産を持たなくてもよいのでは??」


んー、
あなたはどう思われますか?


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★ 上記はまさに、
「ポートフォリオ」に
安全資産を含めない考え方ですね。

もちろん、理には適っています。

しかし、わたしは、
(特に、投資初心者の人は

運用に回していないお金が
4割程度あるとしても、

「ポートフォリオ内」で、
安全資産を持たれるべきだと思います。



「その理由は?」

ヒトは、錯覚の生き物であるからです。

??

たとえば、
運用を行っているあなたは、
ネット証券の画面上で
運用を行っている全貌」を確認しますね。

もし、安全資産が一切ないと、
外国債券、株式などのみが
『運用資産』となります。

当然、マーケットが
大きくシュリンクしてしまったような場合、

(安全資産も含んでいるポートフォリオに比べると、)
運用資産の毀損率は高くなります。

たとえば、
「24%もマイナスになっている!」


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いや、だから、カンさん。
運用に回していない安全なお金が
4割もあるんだって!」

と、常に思えるあなたはOKですが、
そうでない場合はどうでしょうか・・?

★ 私たちはどうしても、

運用している資産の中での、
マイヤス幅(パーセンテージ)や、
マイナス金額に、
目が釘づけになってしまいがちです。

頭の中では、
「運用に回していない安全なお金が4割もある。」
と分かっていても、

(暴落が起こると)
体がスマホの前で硬直してしまい、
感情リスクが発露して、

● 毎月のつみたて金額を減らしてしまう、

あるいは、
● 運用している資金の一部を売却してしまう、
ということが、起こらないとは限りません・・。


繰り返しになりますが、
あなたは生まれてはじめて、
運用という長いマラソンを走ろうという人なのです。

二重のセーフティーネットという意味で、

(向こう5年内で必要になるお金、
生活防衛資金を除いた)
まとまったお金の中でも、
投資に回さない「安全資産」を持ち、

また、ポートフォリオの中でも
「安全資産」を持つという、
慎重かつ、保守的なスタンスを
まずはお勧めします。


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人生の大原則。
慌てることは、ありません。

マラソンを走る中で、
含み益も含み損も、急落も暴騰も経験し、

真に、自分が
【価格変動リスク】に慣れてきたと感じたら、

その時点で、
資産全体における、

・運用に回すお金と
・運用に回さないお金の「比率」を再検討する、

くらいのお気持ちでよいのではないかと思います。


最後に、
運用に回していないお金を恒常的に持つことで、

大きなクラッシュに遭った場合も、
気持ちの平静を保てているというお話を
わたしはたくさんのお客様から実際に見聞きしています・・。

似顔絵




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