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2014年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年11月

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ビットコインETFについて


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

映画『ソーシャル・ネットワーク』をご覧になった人、
おられますか?

映画の中で、
Facebookの創業者ザッカーバーグ氏に
「自分たちのアイデアを盗まれた!」と
怒っていた兄弟がいましたよね?

それが、ウィンクルボス兄弟です。


winklevoss-twins-620xa.jpg


そのウィンクルボス兄弟が昨年、
「ウィンクルボス・ビットコイン・トラストETF」の
上場申請をSECに対して行いました。

英語でのETF名は
「Winklevoss Bitcoin Trust ETF」です。

すでに銘柄コードも決まっています。
ズバリ、COIN です。


ただし、
SEC(米国証券取引委員会)が上場を認可するまでには
相応の月日がかかることが予想されます。



ビットコインETFは、
その内部にビットコインを内包し、
ビットコイン価格との連動を目指すことになります。

「カンさん、そもそも
仮想通貨であるビットコインそのものに
信頼性ってあるの?」

とあなたは思われるかもしれません。


わたしも現時点では
ビットコインを保有しようとは思いません。

しかし、ビットコインとは、
明らかに『新しい現象』なのです。


20世紀の終わり頃から、
資本は国境を跨ぎ始めました。

従来の国民国家という枠に
収まりきらないマネーは、

まるで意思を持った生き物のように
世界中を駆け巡っています。

しかし、いまだにヒトは
国民国家という枠の外にある
【決済通貨】を持ち合わせていません。


ビットコインが
それになるかどうかは分かりませんが、

国家の枠外にある、
「通貨・決済制度」が誕生するのは時間の問題でしょう・・。


待つよ


話を元に戻します・・。

このビットコインETFは
「通貨ETF」というより、
資産の裏付けがある「商品ETF」に近いイメージになると考えられます。


たとえば、
金(ゴールド)は
現物で保有することも出来ますし、
また、ETFとして保有することも可能ですね。

(この場合、
複数の保有のしかたに、そもそもニーズがあるのです)

ただし、ビットコインETFの
価格変動の振れ幅は、
金ETFよりもずっと大きなものになるでしょう・・。


ところで、
ETFという乗り物に載せられるモノの【条件】って、
いったい何なのでしょうか?

ざっくり言ってしまうと、
それは、

◆ 価格が常時確認できる資産
◆ 投資家が売買、保有するニーズがある資産

であるはずです。


たとえば、ですよ。

江戸時代に
日本で使用された刀の鞘(さや)は現在、
骨董品として、世界中にコレクターが存在します。


その鞘(さや)の数々に
もし、時価が存在し、
(従って、平均価格を算出でき)

かつ、その価格変動が常時ウォッチできて、

多くの投資家に、
【投資対象】としてそれなりのニーズがあれば、
「鞘(さや)ETF」に仕立てることだって可能なわけです。


次の時代を睨んだ野心的なETFが
もっと世に出てくるべきではないでしょうか・・。

◆ 参照記事
Nasdaq’s LaValle: Bitcoin ETF A Turning Point


似顔絵



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| ETFのお勉強 | 13:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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どうしてそのファンドは、4,800円も分配金を出すの?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

その投資信託が
いったい何を考え、
どんな行動を取っているかを知るには、
運用レポート】を見るのがイチバンです。

「習うより慣れよ」ですから、
たとえば、

【T&Dインド中小型株ファンド】の
マンスリーレポート」(PDFファイル)を
ちょっと覗いてみましょう・・。


ほおぉ・・、これは
『買ってはいけない特徴』のオンパレード・・。

● 運用期間が10年だけ(2011年~2021年)

● 意味のない「ファンド・オブ・ファンズ形式」にしている。

意味のない
「マネープール・マザーファンド」をかませ、

わざわざ【ファンド・オブ・ファンズ形式】にし、
実質的な『運用管理費用』が、
年2.0288%程度!になってしまっています。

● 投資助言と称して、
運用の実際を他社に「丸投げ」している。

(結果、運用に関わる会社が【4社】となり、
これも「運用管理費用」が割高になる一因となっています)

● 第7期 2014年8月11日に、
1万口あたり 4,800円 もの分配金を出している!

特に、いちばん最後のところ、
気になります。


当該ファンドは、
【いったい何のために】、

今年の8月、
(1万口あたり)
4,800円もの『分配金』をに出したのでしょうか?

当ファンドの価格(基準価格)は、
一時期、20,000円を超えていました。

ファンドの値段が上がるのは良いことなのですが、
もしかすると、
運用会社の人たちは
こんなふうに考えていたのかもしれません・・。


「あれですね、当ファンドも、
値段がだいぶ高くなってしまいましたね。」


「そうだね。
ファンドの基準価格が20,000円とか25,000円になると、
割高ムードが漂って、
ファンドが売れにくくなるかもしれないね
。」


つまり??

つまり、
ファンドの『基準価格』を下げるために、
4,800円もの「分配金」を
出してしまったのではないでしょうか・・。

これって、あなたにとって得なことですか?】

(ちなみに、基準価格を下げたければ、
ファンドの口数を【分割】する、
という方法もあります・・)

tax-treatment-of-mutual-funds.jpg


当ファンドは、
この1年ほどで、
ファンド価格が急騰していたため、

多くのファンド保有者にとっては
この4,800円 の分配金は
『普通分配金』となり、

20.315%の
「税金」が差し引かれてしまいます・・。


当たり前の話ですが、
分配金は「ファンド資産」から出されますから、
それは、
ファンド保有者ひとりひとりの『財産』ですね。

ここ、
重要なところなのですが、

日本の公募投信では、
ファンドそのものが保有銘柄を売却しても、
その時点では『課税』されません・・。

それをわざわざ
4,800円もの「分配金」を出してしまったため、
(多くの人が課税され)

そして10月24日現在、
当ファンドの基準価格は12,062円と、
大幅に下がっています・・。


今日はたまたま
「分配金」のところを突きましたが、

実は、
【T&Dインド中小型株ファンド】のような
複雑なしくみを持つファンドは、
その複雑なしくみが、分からない人が、買っています

もちろん、
実際にこのようなファンドを
売っている販売会社の人も、

無知で、従順なお客様を
【ターゲット】にしている側面があります・・。


正直に申し上げて、
私たち消費者の中には

【家電症候群】とでもいうべき、
根強い思い込みが存在するのではないでしょうか・・。

家電症候群って?」

あのー、家電製品の世界って、
「最新の」「複雑な商品」が
よい商品であると信じられていますよね。

(事実、そうである場合が多い・・)

また、家電製品の仕組みや、
構造そのものは理解できなくても、

ヨドバシカメラの人が
「これがイチ押しですよ」と言っている商品なら、
まず間違いないと思います。

(事実、そうである場合が多い・・)


このような【感覚】を
私たちは(無意識のうちに)、
『金融商品』にも当てはめてしまっているのです。

もし、あなたが、
「最新の、複雑な金融商品のほうが、
すごく高度な運用をしてくれて、
もしかしたら、リターンも高いんじゃないの。」

と思っているとしたら、
それは(残念ながら)間違いですよ・・。

⇒ 金融商品の複雑さと、
リターンの高さの間には、
何の因果関係もありません・・。


多くの販売会社や運用会社は、
私たち消費者が【学ばないこと】をいいことに、
ファンドの主旨から明らかに外れた、
【投資信託もどき】を乱造し、販売しているのです。

結局のところ、世の中に
よい投資信託が広まる『カギ』を握っているのは、
私たち消費者の側なのですよ・・。

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| 投資信託をディープに理解する | 17:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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伊藤宏一さんの動画 『誰も教えてくれない日本金融史』


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今日はちょっと
おススメの動画をご紹介させてください。

【インベスターズTV】 
伊藤宏一の『誰も教えてくれない日本金融史』 
【第1回 はじめに】



【第2回 近代的貯蓄の始まり】



【第3回 近代の講と信用金庫】



これは ↑ 面白い・・。
信用金庫の起源って、
頼母子講(たのもし)にあるのですね。

(頼母子講とは、
小さなグループで毎月お金を積み立て、
互いに資金を「融通」する制度のこと)

YouTubeでは第12回までアップされています・・>


このシリーズは、
CFPファイナンシャルプランナーの
伊藤宏一さんが、

明治維新から現代に至るまで、
歴史の時々で『金融』に関わる重要な事実や
重要な人物を掘り下げ、

ダイナミックに『金融史』を振り返ってみよう、
という企画なのです。

(日本の金融史が時系列で学べて面白いですよ!)




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| ヒトは1万年前からお金と付き合ってきた | 08:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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その投資信託、どんな人が買っているか、想像したことがありますか?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

ええ、あなたのおっしゃる通りです・・。

アクティブ・ファンドを選ぶか、
インデックス・ファンドを選ぶのか、
その【選択】はたいへん重要です。

購入時手数料や、
運用管理費用をチェックすることも重要でしょう。

でも、もうひとつ、
あなたが気にすべき【視点】があります。

それは、
あなたが興味を持っている
その「投資信託」を、
どんな人が買っているかということ。


【どんな人?】 はい、そうです。


ちょっと想像してみましょう・・。

あなたがこの12月に、
クルーズ客船「飛鳥II」に乗って、

『ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ』に
参加するとします。

その際、
他にどんな人たちがその船に乗り合わせるのか、
気になりますよね?


celebrityequinox600_189x125.jpg


投資信託という『船』も同じです・・。

投資信託という商品は、
作り手と使い手の【合作】ですから、

作り手の質(クオリティー)だけではなく、
使い手(ファンド保有者)の質も問われるのです。


ヘンな人が
たくさん乗り合わせていると、
その投資信託の運用は困難を極めます。

逆に質の高い人たちが
ファンド保有者となることで、

ファンドの運用そのものに
『いい影響』を与えることが出来ます・・。


投資信託のポータルサイト
投信まとなび】では、

個々の投資信託の
月次資金流出入額】(直近5年)を
確認することが出来ます。

「えっ、月次資金流出入額って?」

読んで字のごとく、ですよ。

月ごとに、
ファンドを買付けた金額と、
ファンドを売却した金額をトータルし、

いくらの『資金流入』があったのか、
あるいは、
いくらの『資金流出』となったのかが
確認できるのです。



Mutual funds


具体例を挙げてみましょう・・。

セゾンバンガード・グローバルバランスファンド】を
投信まとなびでチェックしてみると・・。

2009年来、
コンスタントに資金流入が続いていました。
(その「金額ベース」も安定しています)

この『資金流入の金額ベース』が
安定】しているというのは、
いったい何を意味するのでしょうか?

ファンドを売却した金額ベースと
ファンドを買い付けた金額ベースの「」が
安定しているということ・・。


たとえば、
マーケットの下落局面でも、
狼狽売りが少ないと推測できます。

逆に、マーケットのアップダウンがあっても、
買い付けられる金額ベースに
大きな差が生じていない、

ということになりますね。


後者のほうをよーく吟味してみると、

要するに、
毎月定額の積立てを行っている人の割合が多い
ということが導かれます。

(実際、セゾンバンガードでは、
アクティブな口座保有者の6割以上が、
つみたて投資を行っています・・)

※ しかしながら、2013年の流出入は
不安定になりました。

特に後半からは、軽減税率の終了、そして
当該ファンドの基準価格の回復もあって、
複数月、『資金流出』が見られます・・。


それと対象的なのが、
【欧州ハイ・イールド・ボンド・ファンド(豪ドルコース)】
でしょう。

【月次資金流出入額】(直近5年 単位:億円)
を見てみると、

まず、資金が流入している時期と、
資金が流出している時期が
きれいに分かれています。

これはいったい何を意味するのか?


当該ファンドの保有者が、
マーケットのアップダウンに、
(悪い意味で)
反応してしまっていることを示しています。


banner1.jpg


つまり、
マーケットが下落すると、
うわあ、ファンドが下がっちゃった。売っておこう。」

逆にマーケットが上昇すると、
「あっ、良さそうだ。ファンドを買っておこう。」という
『投資行動』に出る人が多い、ということです。


★ どんな人が ↑ ファンド保有者になっているか、
   想像がつきますね?


また、月によって、
資金流入、資金流出額ともに、大きなブレがあります。

これは、売りも買いも、
スポット(=ある程度まとまった金額)で
実施している人が多い・・、

かつ、長期で
そのファンドを持ち続けるというより、
不定期にファンドを
売買する人が多いと推察できます・・。


これは別の言葉でいうと、

ファンドから出ていく人、
また、ファンドに入ってくる人で、
ファンドの【入り口付近】が混み合っているイメージです。

これって、ファンドの【作り手】にとって
良いことなのでしょうか?


いいえ・・。


★ たとえば、マーケットが下落すると、
ファンドを売る人が増えるということは、

(投資信託の)作り手にとっては、
自分たちが保有する銘柄の価値が
下がっているときに、

(ファンドを解約する人のために)
現金』を用意しなければいけません。


★ 逆に、マーケットが上昇すると、
ファンドを買う人が増える状態はどうでしょう。

ファンド内に、
多額のキャッシュが流入しますが、
もしかすると、
適正価格で買える銘柄は少ないかもしれません。

かといって、
キャッシュをキャッシュのまま置いておくと、
現金比率』だけが高くなってしまいます。

そう・・、
(投資信託の)作り手にとっては
「きわめて運用がしにくいなあ・・」
という状態になるわけです。



【セゾンバンガード・グローバルバランスファンド】
【欧州ハイ・イールド・ボンド・ファンド(豪ドルコース)】、

ふたつのファンドの「投資対象」や、
「これまでの成績」や
「手数料」や「分配金の有無」の前に、
 
両ファンドの保有者の【性格】が、
まったく違っていることが
お分かりいただけるでしょうか・・?



重要なことは?
あなたは、どちらの船に乗るべきか?ということ。

繰り返しになりますが、

投資信託という商品は、
作り手と使い手の【合作】なのです・・。

あなたが選ぼうとしているその投資信託、
どんな人が買っているのかを想像してみてくださいね。

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| 投資信託をディープに理解する | 12:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界最初の株式会社、東インド会社とは?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

たとえば、
あなたが16世紀末のオランダに住んでいて、
たまたまお祖父さんの遺産を引き継いでいたとします。

今の日本円の感覚で、
1000万円くらいの資金があったとしましょう。

あなたは朝の散歩の途中で
同じ町内に住むギルバルトさんに出会います。

「おっ、いいところで会ったね。
あのさ、ロッテルダムでいちばん大きな帆船セムール号が
また、アジアに行くらしいよ。

何でも帰り荷は黒胡椒で、
うまく行けばたいそう儲かるらしいよ。」


つまり、「ひと口乗らないか」という話なのです。
あなたはちょっと興味が湧きましたが、
リスクのことが気になります。

「ギルバルトさん、
その船、遭難しちゃったら一体どうなるの?」

「そりゃ、出したお金は返ってこないよ。
大儲けか、ゼロになっちゃうか、どっちかなんだよ。」

はい、まことに
当時の投資とは、
究極の「ハイ・アンド・ロー」だったのです。


大航海時代が幕を開けた、と云えば
聞こえは華々しいですが、

実際に貿易に携わる人にとっては、
まさに生命と積荷を賭けた大冒険だったのです。

当時の『冒険・投資』は概ね
以下のようなイメージでした。

数人から数十人が「仲間」を組み、
お金を出し合って船を買うわけです。

そして、優秀な船長を雇います。
(おそらくどんな船員をどれだけ集めるかは
船長の裁量だったのでしょう・・)

「仲間」たちは船長に、
航海のための費用と
モノを買い付けるためのお金を渡します。

無事に船が戻ってくれば、
「仲間」は出資したお金に応じて
利益を分け合うわけです。

(しかし、船が沈んでしまえば、
損失も「仲間」うちで分け合うことに・・)

尾瀬

これはまだ
【会社】という形態ではなく、
『ひとつのプロジェクト』に対する投資でした。

⇒ この『プロジェクト』をもっと連続的に、
かつ恒常的に出来ないか・・という「発想」が
【株式会社】の誕生につながります。

そうです、『オランダ東インド会社』です。
(1602年設立)

この東インド会社、
正式には「連合東インド会社」と云います。
(Vereenigde Oostindische Compagnie)

先ほど、
ギルバルトさんの話の中にも出てきた、
大小の『プロジェクト』が
いくつも結びついて合併し、

正式に【会社】として発足したのが
『オランダ東インド会社』なのです。


当時は、商行為(ビジネス)だけでなく、
東インド会社は『国家行為』も行っていました。

具体的には、
他国と条約を結んだり、
自衛のために戦争を行ったりしていたのです。

なぜ、そんなことが必要だったかというと、
当時の商行為(貿易行為)は限りなく、
略奪・資本主義】に近かったためです・・。

実際、
東インド会社が何を行っていたかというと、
当時のインドネシアでいくつも存在した王国と戦争をし、
時には不平等な条約を結んだりして、
香辛料貿易の独占を図っていったのです。

つまり、貿易と植民地経営が
限りなく一体化していたわけです。

(ちなみに、東南アジア地域で
最初にプランテーションを始めたのもオランダです)


このように、
世界最初の株式会社は、
実際には、
植民地経営の『前線部隊』となっていました。

(この部分、私たちの歴史の暗部ですね・・)

あなたはとてもとても
お祖父さんから受け継いだお金を出資しようとは
思わないでしょう・・。

しかし、
究極のハイ・アンド・ローの投資に
挑んだ人が居たからこそ、
今日の社会があるというのも、また『事実』なのです。

似顔絵




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| ヒトは1万年前からお金と付き合ってきた | 13:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ラップ口座にご用心!


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

資産運用に携わる金融機関にとって、
もっとも恐いものは何でしょうか?

それは、
金融庁と相場の下落です・・。

今年に入って金融庁が
投資信託の販売会社に対し

「乗り換え販売」に偏らないよう、
具体的に言及し始めていますが、

(たとえば、
日経電子版のこの記事など)

銀行や証券会社は、
それなりの【危機感】を持って
この事実を受け止めているのではないでしょうか。

つまり、

販売手数料を主な収入源とし、
その収入規模を維持するための
ファンドの「乗り換え販売」の実施が、

もうすぐ出来なくなるかも・・
という【危機感】です。


「そうだな。
じゃあ、新しい収益の取り方を考えないと・・。」
と、思ったかどうかは知りませんが、

ラップ口座】なるものが
預かり資産残高を伸ばしているようです。
(本日13日の日経新聞に記事が出ていましたね)

ラップ口座とは
いったい何かと云いますと、
投資一任サービス』(投資一任口座)のことです。

たとえば、顧客であるあなたが、
サービスの窓口となる証券会社さんに、

⇒ どんな金融商品をどのような割合で買って、
また、どんなタイミングで売買を行うのか、

投資の実際を
【すべてお任せする】(一任する)
サービスのこと・・。

(※ ただし、
利益の保証をしてくれるわけではありません)


現在、有店舗の銀行や証券会社で
実施している【ラップ口座サービス】は、
そのほとんどが投資信託を用いたものです。

以下、その【問題点】を
2点挙げさせていただきます。

1.トータルコストがたいへん高い。

ラップ口座では、
ラップフィーと呼ばれる【手数料】を
継続的に支払う必要があります。

これには
「固定報酬型」と「成功報酬型」があります。

仮に「固定報酬型」で
年1.5%のコストを支払うとすると、
私たちはこれに加え、

実際にチョイスされ、
運用される投資信託にかかる
「信託報酬」も併せて支払う必要があります。


ちなみに、
『SMBCファンドラップサービス』では、
固定報酬型のコストは、

お客さまの純資産総額に応じて基本報酬率(上限年間1.512%〈消費税込〉


と謳っています。

【SMBCファンドラップサービス概要】
※ SMBCファンドラップサービスは
三井住友銀行のサイトで確認しました。

当サービスは、
SMBC日興証券が提供する
投資一任サービスであり、

三井住友銀行は
SMBC日興証券の代理人となっています。

つまり、サービスの窓口は
三井住友銀行ですが、
契約の相手方は
SMBC日興証券であることに注意が必要です。

f_02.gif


さて、手数料のお話に戻りましょう・・。

仮にラップ口座の「固定報酬」で年1.5%、
保有する投資信託の
「平均信託報酬」を年1.2%とすると、

ラップ口座における
トータル継続コスト】は年2.7%となります。

【継続コスト】年2.7%とは、
選択した投資信託たちが、

コンスタントに
プラス2.7%の名目リターンを
獲得してくれてはじめて、

あなたの実際の収益が±ゼロになる、
というほどの手数料比率なのです。


(とてつもなく高い手数料ということが、
イメージしていただけますでしょうか?)

※ ちなみに、
ほとんどのラップ口座サービスでは、
この継続コストのインパクトを薄めるためか、

ファンドの購入時手数料が
不要であることを強調しています。


2.ラップ口座に採用されている
投資信託に限りがある。かつ、偏りがある。


多くの【ラップ口座サービス】では、
ラップ専用のファンドを用意しています。

たとえば、
前述した『SMBCファンドラップサービス』では、

投資一任運用の投資対象として、数多くのファンドの中からSMBCファンドラップ用に厳選した15本のファンドをご用意しています。


と謳っています。

これって果たして、
選りすぐりの、すごい投資信託たち、なのでしょうか?

『SMBCファンドラップサービス』に充てられる
投資信託を見てみましょう。

ファンド15本のうち14本は、
なぜか、
大和住銀投信投資顧問が運用を行うファンドです。
(あとの1本は、日興MRFです)

ちなみに、

大和住銀投信投資顧問の
主要株主の一社として、
三井住友フィナンシャルグループが入っています。

大和住銀投信投資顧問のサイトには、
『SMBCファンドラップサービス』に採用されている
投資信託14本が載っています。


SMBCファンドラップ・欧州株
SMBCファンドラップ・欧州債
SMBCファンドラップ・コモディティ
SMBCファンドラップ・G-REIT
SMBCファンドラップ・J-REIT

SMBCファンドラップ・新興国株
SMBCファンドラップ・新興国債
SMBCファンドラップ・日本グロース株
SMBCファンドラップ・日本債
SMBCファンドラップ・日本中小型株
SMBCファンドラップ・日本バリュー株

SMBCファンドラップ・米国株
SMBCファンドラップ・米国債
SMBCファンドラップ・ヘッジファンド


上記14本の投資信託は、
コモディティのファンドを除いて
すべて『アクティブ・ファンド』となっています。

(インデックス運用する、という選択肢が
そもそもない・・)

また、上記14本の投資信託のうち、
11本が【ファンド・オブ・ファンズ形式】の
投資信託となっています。

14本のファンドの費用については
こちらをご覧ください。

(継続コストが高くなる
ファンド・オブ・ファンズ形式」に
わざわざすること自体、
ちょっと理解しがたいですね・・)


いや、すみません・・、
もっとも大きな『問題』は、

ラップ口座サービスを提供する金融機関の多くが、
自らと資本関係にある運用会社の投資信託を、
「ラップ専用ファンド」として選んでしまっている点でしょう。


「ひょっとして、
自分だちの利益を増やすため?」
と疑ってしまいますね・・。

とても、選りすぐりのファンドたち、
とは言えないです・・。

(別の視点から言えば、
顧客の利益を第一に考えていないわけです)


img01.jpg

(円定期預金との抱き合わせで
「ダイワファンドラップ」を提供するキャンペーンの例)


えー、ここで
一点注意していただきたいのですが、

わたしは【ラップ口座】そのものが、
「悪いサービスだ」と言いたいわけではありません。

低コストのインデックスファンド、
ETFの作り手として
世界的に有名なバンガード社も
【ラップ口座】(投資一任サービス)
を行っています。

(12年にバンガード本社を訪れた際に書いた
詳しい記事はこちら。)


真の問題は、
銀行や証券会社さんの、発想法、なのです。

発想法??
そうです。

以下、まったくわたしの私見です。

冒頭にお話ししたように、
金融庁の方針により
投資信託の回転売買に対する
「風当たり」が今後きつくなることが予想されます。

(= つまり、これから先、
販売手数料頼みのビジネスがやりにくくなる)

「次は、どうしよう・・?」
と考えた際に、

銀行や証券会社が
【継続的な報酬】で収益を維持していく
『戦略』を取りつつあるのでは・・、

とわたしは思っています。


ここには、

まだ無知な消費者の
【知識の獲得具合】を
しっかり見据えている、

金融機関の老練な手腕?が
見え隠れします・・。


つまり、
多くの消費者は、

投資信託を買う際のコスト
(購入時手数料)には敏感になりつつあるが、

継続的な費用である「信託報酬」や、
ラップ口座で必要となる「継続コスト」には
まだ、そんなに敏感ではないのではないか?と、

彼ら/彼女らは考えているのではないでしょうか・・。


つまり、
大手金融機関が何より重視しているのは
次なる『収益の獲得手段』であり、

たまたま【ラップ口座】なるサービスが、
その目的を達成するために
利用されているだけではないかと
わたしは思うわけです。

【投資一任サービス】の本質とは、
実は、顧客にふさわしい
ポートフォリオ(資産配分)の提案を行うことであり、

また、顧客の資産を増やすための、
金融商品に係るコストの
合理的な削減にあるはずです。


現に、米国では継続コストが低い
ETFのみを推奨する
投資一任アドバイザーもいます。
こちらの記事もご参照ください)

また、とよぴ~さんのこちらの記事によれば、
日本でも、ETFに特化した
投資一任業務を行う会社も登場しているようです。

本日の日経新聞の記事は、
ラップ口座の問題点に一切言及しておらず、
業界寄りのお手盛り記事になってしまっているのが
たいへん残念です・・。

似顔絵




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