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2014年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年02月

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前略、大澤亜子さま。その2)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

昨日は、
定性、定量を併せた
投資信託の【評価・分析】から
一歩距離を置いて、

【インデックスファンド】を
選ばれてみては・・、
というお話をしました。

(ところで)
インデックスファンドって?

はい、
市場の平均点』を獲得するという、
単純明快な投資手法のことです。


たとえば、
日本株式なら、
証券取引所に上場する『銘柄』を、
あれやこれやと難しく選ばずに、

すべて【広く・浅く】買ってしまう、
ということ・・。
(結果、平均と同程度のリターンが得られます)

ちょっと大胆、ですか?


ちなみに、
東証1部に上場する会社1800社程度を、
その会社の大きさに応じて
すべて保有すると、

TOPIX(東証株価指数)という「平均値」と
同じような値動きになります。

また、先進国の株式や
新興国の債券といった投資対象にも
もちろん、インデックスファンドは存在します。


インデックスファンドという道具の、
何が『利点』かというと、

ファンドの【評価】そのもので、
悩むことがほとんどなくなる点でしょう・・。


なぜなら、
インデックスファンドは、

【人の能力】にお金を託すのではなく、
【市場】そのものにお金を託すためです。



⇒ その投資信託が、
『人の能力』をどんなふうに用いて、
具体的に
どれくらいの運用を行ってくれるのだろう?

といったところで、
【悩む】ことがなくなるわけです・・。

※ チェックするべき項目は、
その「インデックスファンド」が
『市場平均』と
著しくかい離していないか?だけ・・。


★ そう、
『インデックス投資』は、

あなたの目の前に映る
【複雑な事象】を、
【単純化】して見せてくれます。


たとえば、
「日本株は?」

ああ、TOPIX(市場平均)との
連動を目指すインデックスファンドで。

というふうに、
35文字で済んでしまいます(笑)

【ポイント2】市場平均を買う。

index-funds.jpg


あっ、でも大澤さん。
『市場の平均』を買うということは、
平均以上のリターンは諦める、ということですよ。

また、市場全体が15%下がると、
インデックスファンドも同じように
15%程度下がってしまいます・・。

(これを止めることは出来ません)


仮に、
日本株式という『投資対象』を、

ああ、TOPIX(市場平均)との
連動を目指すインデックスファンドで。

というふうに
35文字で片づけてしまうと、

日本株以外の
『複数の投資対象』に
興味が行きやすくなると思いませんか?

これって
投資対象を【単純化】することの
ひとつの効用だと思います。


『今のファンド』のほかに、
外国の株式ファンドや、
外国の債券ファンドも、
同時に好きになってみる。

そうすると、
自然に、日本株だけでなく、
外国株や、外国債券といった
違った資産も保有するようになります。

それぞれの『投資対象』についても、
【市場の平均】を買っているだけ、
と割り切るのです。


asset-allocation.jpg


これって立派な
世界観のチェンジ】です。
(見える景色もぜんぜん違ってきますよ・・)


大澤さん、わたしは常々、
投資という事象に対する
付き合い方】が大切だと思っています。

別に『虫の目』で、
小さな対象を、
細かいところまで
見極めようとする必要はありません。

どちらかというと
正反対の発想で、

『鳥の目』で、
できるだけ大きな対象を、
広―く、概観で
イメージしておけばよいのです。


(細かいことは気にしない・・)


あっ、それから
『市場平均』との連動を目指す
インデックスファンドを買っておけばよい、
という割り切りは

長期で投資を行うのに向いていますよ。

結局のところ、
『平均』を買うとは、
その市場の
「成長」を買うということですから・・。

「成長」なんて、
1週間とか1ヶ月で
目に見えて発見できるものではありませんよね。

今より少しだけ、
腰を据えて(= 長めの時間スパンで)
投資と付き合ってみてください。


インデックスファンドが5%上がった、
10%下がっちゃったよ、
でいちいち驚いたりしなくてよいのです。

マーケットというところは
「恐怖」と「欲望」の塊ですから、

『市場平均』といえども、
常に、評価されすぎたり、
(つまり高すぎたり)

あるいは、割安に放置されたり、
(つまり安すぎたり)
といった【ブレ】を、

四六時中経験していると思ってください。

FearAndDesire_Bluray.jpg


投資スタイルを『シンプル化』し、
さまざまな投資対象に
分けて投資を行うわけですから、

あとはどっしり構えておく。
それだけです・・。

たまに、
オリンピックの『時間スパン』なんかを
思い出してみてください。

「あー、あれからもう4年か。」
とか思いますよね。

その『時間尺度』が、
(実は)長期投資の入り口なのです・・(^^;)

【ポイント3】長期でどっしり構える。

(ちなみに次回のオリンピックは、
来年2016年ブラジルですよ・・)

似顔絵




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| 投資信託をディープに理解する | 18:57 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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前略、大澤亜子さま。投資の捉え方ひとつで、違った景色が見えてくるものです


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

弊所が発行しているメールマガジンでは、
毎年春ごろに
投資信託Q&A大募集』を行っています。

(今年はもう少しお待ちくださいませ・・)

以下、
もう5年ほど前なのですが、
『投資信託Q&A大募集』にいただいたご質問を
ここで皆さんとシェアしたいと思います。

(投資の捉え方の『基本』を彷彿させるものなので。)


【質問】

わたしは長期投資で考えています。
でも、今のファンド(日本株のアクティブファンド)
のままでいいのか、ときどき不安になります。

ファンドの乗り換え(?)などの目安というか、
見直しの時期などを知りたいと思っています。

<40代・大澤亜子さん(仮名)>



【回答】

はい、
長期で投資を考えておられるわけですね。

でも、
「今のファンドのままでいいのか不安になる。」

(類推すると
「ひとつのファンド」ということですね?)
お気持ちはよーく分かります・・。

でも、大澤さん、

投資って、
その行為をどのように捉えるかで
見える景色はぜんぜん違ってくるものです



「今のファンドのままでいいのか不安になる。」
ということは、

大澤さんにとっての投資は、

「投資」 = 今のファンド(単一のファンド)
となってしまっている状況ですね。


これって、秋本さんという人が
「野菜といったらセロリでしょ」
と云い、

「野菜」= セロリ
となってしまっているのと同じです。


あのー、別に
投資対象は『恋愛の対象』ではありません。

ひとつのファンドのみを、
好きになる必要はないのです・・。
(ホントです!)

戦略的に、
複数を好きになってください



複数を好きになるという意味は、
複数に気を配る】ということ・・。

特別に考えないでくださいよ。


たとえば大澤さんは
普段から、
【複数に気を配る】ことを
なにげに実践されているはず。

たとえば・・・、
料理を作る』とき。

どうでしょう?


(複数の作業を
同時進行的に行っていますよね?)


あるいは、
1日の行動を細分化してみますと・・。

朝、お子さんを保育園に預けて、
電車の中で、
午前中の会議の「要点」を反芻します。

午後の仕事に邁進しながら、
来月のお母様の誕生日プレゼントのことを考え、

また、その一方で、
夕ご飯の献立も視野に入れています。

それと同時に、
部下に任せている
プロジェクトの進捗状況について、

どのような感じで
質問するべきかも考えているわけです。

photodune-3190633-busy-businesswoman-xs-150x150.jpg


複数のことを
同時進行的に考え、実践する。


これは(実は)
私たちの普段の生活そのもの、です。

(そうですよね?)


投資でいえば、

「日本株式」のことを考えながら、
「先進国株式」や「新興国株式」にも
気を回してあげる・・
ということ。

そうすると、
自然に「国・地域」を跨いでしまいます。


あるいは、
「株式」という相手だけでなく、
「債券」や「REIT(不動産)」にも
気を回してあげる・・。

そうすると、
結果として「資産」を跨ぐことになります。


つまり、
投資を『ひとつの点』で
捉えるのではなく、

タテとヨコに幅を持った
『全体像』のようなもので
イメージしてみる・・。


これが、組み合わせ
⇒【ポートフォリオ】の始まりです。


なぜ、わざわざ「組み合わせ」で
投資を捉えるかといえば、
これもシンプルで、

そのほうが
大澤さんが背負う
リスクの量を計りやすいためです。

また、リスクそのものを
制御しやすいという利点があります。

【ポイント1】組み合わせ。


それから大澤さん。

「長期投資で考えておられる」
と冒頭で云われていますが、

ファンドの乗り換え
ファンドの見直しという言葉も、
【同時に】出てきていますね。

これってどういうことでしょう?

「あなたのことはずっと好きでいたい」
でも、

「他にいい人がいたら、
乗り換える気持ちもある。」

ということでしょうか?


大澤さん、
「あなたのことはずっと好きでいたい」
という、

あなたのことを
もう少し具体的に考えてみませんか?

この場合、
「日本株アクティブファンド」のことですね。


ファンドですから、
銘柄の分散は(もちろん)出来ています。

ただ、この投資信託は、
『アクティブ型』ですから、
人の能力にお金を託すファンドです。


仮に、
大澤さんが保有している投資信託には、
岡野さんという
ファンドマネージャーがいるとしましょう。

大澤さんは、
岡野さんはじめ、
運用チームの人たちの
『運用技術』そのものにお金を託しているわけです。

(それが【アクティブファンド】!)

6.jpg


もしかして、大澤さんが
悩んでおられるのは、

⇒ ほんとうに岡野さんでいいの?

⇒ あれ(もしかすると)
○△ファンドの山際さんもよいのでは?

ということではないでしょうか?

つまり、大澤さんは
【投資信託の評価】そのものについて
悩んでおられるわけです。


この、投資信託の【評価】って
大きく分けて2種類あります。

数字に見える評価・・、
⇒ そう、『定量評価』ですね。

もうひとつは、
数字に見えにくい評価、
⇒ これを『定性評価』と云います。

(上記は人の能力そのもの、
ファンドの一貫性、性向、
感性やアートの部分も含みますよ)


大澤さん、
定量、定性を併せて
【投資信託の評価】をすることって、
けっこうタイヘンなことなのです。

なにしろ、
日本株アクティブファンドだけで、
何十、何百人という
『運用チーム』が存在するわけですから・・。

(今のファンドのままでいいのか、
「不安」になるのも頷けます)


数字で見た評価は、
まあ、分かりやすいですが、
それとて、
「過去」から「今」までのものです。

また、
人の能力】はときに増減します。

日々の調子には
どうしてもムラがありますし、

自分の得意分野と、
マーケットの動きが
シンクロすることもあれば、
そうでないときもあります・・。

(人そのものが「移動」する、
陣容が変わってしまうというのは、
また別の【リスク】ですよ・・)


大澤さん、
実はもっとおおらかに、

ある意味、
もっといい加減に
道具である『投資信託』を評価する
道があります。

それは、
『インデックスファンド』を選ぶ、
ということなのです。

 【続く・・】

似顔絵




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| 投資信託をディープに理解する | 19:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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バンガード、米国上場ETFベースで純資産額が第2位に


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

グローバルな見地で
ETFの運用会社を見てみると、

上位の3社が
世界のETF純資産額の
およそ8割を占めていることが分かります。

ブラックロックが発表している
ETP Landscape」を覗いてみましょう。


全世界ベースでの
上位3社の『純資産残高シェア』は
以下のようになっています。
(2014年末現在)

1.ブラックロック 37.2%
2.ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
(SSgA)    17.3%
3.バンガード 16.0% 

(ちなみに、2009年末の
純資産残高シェアは、

1.ブラックロック 47.2%
2.SSgA      15.5%
3.バンガード    8.9%     
でした・・)

また、グローバルベースでの
2014年1年間の
『純資金流入額』を見ますと、
(単位10億ドル)

1.ブラックロック 102.4
2.ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
(SSgA)       41.2
3.バンガード    88.0

となっており、
3位のバンガードが
2位のSSgAをじりじりと
追い上げる格好となっています・・。


そして、これはあくまで
米国上場ETFベースですが、

今般、バンガードがSSgAを抜き、
純資産残高ベースで
第2位となった模様です。

ETF.comの以下の記事より。
Vanguard Rises To No. 2 ETF Firm By Assets

ETF イメージ


同記事によりますと、
米国上場ETFの『純資産総額』は
バンガードのETFが
約4326億ドル、

SSgAのETFが
4318億ドルとなっています。

ちなみに、
ブラックロックは約7564億ドルです。
(いずれも1月20日現在)


SSgAは米国初のETF
『スパイダー S&P500ETF』(SPY)を
旗艦ETFとして持ち、

同ETFは出来高、純資産額ともに
世界№1のETFとなっています。

ただし昨年は、
もうひとつの旗艦ETFである
『スパイダー ゴールドシェア』(GLD)の
資金流出が目立っていました・・。

バンガードのETF参入は
他の二社に比べると遅く、
2001年からでしたが、
コンスタントに「純資金流入額」を伸ばしてきたのです。


ご承知のように、
バンガードという会社は、

ファンド保有者が会社を保有する、
日本でいえば相互会社の形を取っており、
外部に株主が存在しません

そのため、外部株主のために
利益を留保する必要がないため、
At Cost の経営が可能となります・・。

実際に、
バンガードのファンドでは、
資産残高が増えるに従って、
年間経費率(継続コスト)を下げていくという

仕組みが成り立っているのです。

全世界ベースで見ても早晩、
順位の入れ替えが起こるのは間違いないでしょう・・。

◆ 参照記事
バンガードETFの隠されたメリット

似顔絵




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| ETFのお勉強 | 17:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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REIT好き、そして日本を除く珍しいタイプのバランス型ファンド


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

第1回「インデックス投資ナイト」が開催されたのは、
今から遡ること6年前、
2009年1月のことでした。

わたしは
パネルディスカッションの中で、
山崎元さんと内藤忍さんが

バランス型ファンド』をめぐって
熱いバトルを繰り広げていたのを、
昨日のことのように覚えています・・。

当時はまだ、
「セゾンバンガード・グローバルバランスファンド」や、
「SBI資産設計オープン」のような、
低コストのバランス型ファンドが出始めた頃でした。

その後、
バランス型ファンドの選択肢も増え、
ファンドが内包する
『アセットクラス』も増えてきました。

たとえば、
「世界経済インデックスファンド」は
6資産を内包します。

また「eMAXIS バランス(8資産均等型)」は
8資産に分散して投資を行っています。


しかし、いずれのバランスファンドも
日本の『円資産』を含んでいることでは
共通しています。

『バランス型ファンド』で、
ナント大胆にも、
日本の円建て資産を
除いてしまっているものがあるのです。

それが、
野村インデックスファンド・海外5資産バランス
(愛称:Funds-i 海外5資産バランス)
です。(為替ヘッジはありません)


当該ファンドは、
日本の円資産を除く『5資産』を組み入れています。
その組み入れ方がなんともユニーク・・。

◆ 株式:債券:REIT = 1/3、1/3、1/3
という基本組入れ比率です。

そう、REITの組入れが
目に見えて大きいのです。

これは
REITの「潜在成長性」に期待する、
というよりは、

異なった資産を【等分】に保有する、
という主旨によるものでしょう。

無題


株式は「先進国(1/6)」「新興国(1/6)」
債券も「先進国(1/6)」「新興国(1/6)」に
区分けされますが、

REITはなぜか
「先進国REIT(1/3)」のみです・・。

(100%外貨建て資産で持つのなら、
新興国REITも組み入れて良かったのでは?)


繰り返しになりますが、
日本の資産はまったく入っていませんので、

1.日本株については、
別途商品を保有している。

あるいは、
2.日本の成長性について懐疑的である。

3.2.と類似しますが、
円建て資産は給与、将来の年金受給で
得るので、個人の資産運用では
円建て資産は要らないと考える。

という人に、
このような『バランス型ファンド』が
フィットしてくると考えます。


reits1-269x300.jpg

併せて、
REIT(不動産投資信託)に関心が高く、
不動産という資産を
オーバーウェイトしたい人向け、

といえるでしょう・・。


当該ファンドの運用管理費用は
年0.648%、主なネット証券で
購入時手数料無料で購入できます。

純資産額は1月22日現在、
8.3億円しかありませんが、

当ファンドは実質、
5つのマザーファンドに投資を行いますので、
マザーファンドベースの純資産額を
チェックしておけばよいでしょう。


2014年9月に出された
運用報告書』には、

以下のように、
各マザーファンドベースの純資産額が
開示されています。

外国株式   約2700億円  3月31日現在
新興国株式  約95億円    5月12日現在
外国債券   約2932億円  5月12日現在
新興国債券  約21億円    2月18日現在
海外REIT 約165億円    6月10日現在


(新興国債券を除いて、
マザーファンドの純資産は潤沢ですから、
まず問題はないでしょう・・)

海外資産100%のバランス型ファンドなんて、
「なんとリスキーな・・」と
あなたは思われるかもしれませんが、

たとえば、
ノルウェー人の『ポートフォリオ』を覗いてみると、
案外100%外貨建てだったりする可能性もあります。

ちょっと変わってはいますが、
こういうファンドの選択肢があることも重要と考えます。

似顔絵




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| バランスファンド | 18:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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パリはそれ自体が、老練な資産運用会社?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

2015年の年初は
長めのお休みを頂戴し、
妻とふたりでパリに行ってきました。
(はじめてのパリです!)

ご存じのように、
フランスは外国人観光客が年間8000万人を超える、
世界一の観光大国です。

「じゃあ、観光業っていったい何なの?」

はい、観光業ってズバリ、
内なる輸出産業』だと思います。
??

ふつう、輸出産業と聞いて
思い浮かべるのは、
たとえば、クルマや家具やスマホなどを
輸出することですね。

すなわち、モノを輸出して
それを買ってもらって
外貨」を獲得する、というイメージです。

じゃあ、
パリがやっていることは?

(別に、モノは
売ってないですよね?)

顧客にわざわざ自分の国に来させて、
そして、
パリという都市を回遊させ
外貨」を獲得しているのです。

(伝わっています?)


クルマやスマホを輸出するためには、
(当たり前ですが)
モノを「生産」する必要があります。

そして、輸出そのものを続けるためには、
モノの『再生産』を続けないといけません。

(それに、モノを運ぶための
船、飛行機なども必要ですね・・)

iStock_000019501469Small.jpg


ところが、パリは、
都市そのものをきちんと整備して、
デンと構えているだけで、


継続的にインカム(収入)を得ているわけです。
(考えてみればすごい産業・・)

パリという都市に魅力があれば、
それ自体が『資産』となります。

・パリの街並みそのもの ⇒ 『資産』
・それを管理する人 ⇒ 「パリ市」「フランス政府」


この「都市資産」は、
別に切り売りする必要もなく、

モノのように、
量的な「拡大再生産」を行う必要もありません。


保有する『資産』を維持・発展させ、
いかに永続的に
インカム(収入)を得るかという点では、

観光業って、
まさに資産運用だと思いませんか?



(フランス政府は、パリという資産を
運用管理することによって、
莫大な『外貨』を獲得しているわけです・・)

しかも、パリという都市の
【維持・管理】は、

新しいモノに替えていくという
メンテナンスではありません。

古さを際立たせるメンテナンスを行っています。
??

9e2bf9036c5882c7b6c32b0b71bf4175.jpg


たとえば、上記写真の通り、
パリの中心部は、
基本的に6~8階で
建物の高さが統一されています。

ゼロから新しい建物を建てることは
厳しく制限されているはず・・。
(『美観』を損なわないようにするためですね)

また、広場がいたるところにあり、
視界が開けていて、
街自体を見渡しやすいです。

町並みそのものが、
パリという資産の中枢であることを
フランス政府がよく理解しているわけです。


通常、モノを主体とした輸出産業では、
そのモノ自体を、
新しく、新しく』していく必要がありますが、

パリや京都の場合、
不思議なことに、

『古くなればなるほど』、
その価値が増していきます。


(決して、新しくしてはダメ、ダメ・・)


今、申し上げた、
<古くなればなるほど、その資産価値が増す>
ということは、

(超長期の投資と同じで)、
【時間】が大きく味方してくれます。


今(2015年)より、
2080年くらいになったら、
京都の資産価値が増すように、

パリも、
これから未来に向けて
インカム(収入)が逓増していく・・、
という展望が描けます。


資産運用的にいえば、

ニワトリ(資産価値)を大きくしながら、
得られるタマゴ(収入)も増やしていける
ということ・・。 ← スゴイですね。


わたしが泊まったホテルのベランダからは、
居住用のアパルトマン(アパート)が
見えたのですが、

煙突が
(ちょっと不細工に)伸びていたり、
トタン板で外壁の補強がなされていたり、

窓もすきま風が入るような
簡素なものだったり・・、

(新築が ↑ 出来ないので、
何度もリフォームを施しているはず・・)


まあ、実際、
住んでいる人にとっては、
不便さ」を感じることかもしれませんが、

⇒ パリに住む人々は、
パリという都市資産の価値を
『最大化』するために、

(=古い街並みを維持させる)

これを受け入れているのだと思います・・。

paris.jpg


作家の金子光晴は、
その著書『ねむれ巴里』の中で、

―パリは森に囲まれた都市である。―
と喝破していますが、

少なくてもパリ中心部、
すなわち、森の内側は、
観光客のための
『巨大なテーマパーク』となっているのです。

パリ中心部を
『観光エリア』として維持させるため、

日本でいえば新宿西口のような
新都心(ラ・デファンス地区)を、
わざわざ郊外に作ったりしています。


そう、
フランス人は観光業こそが、
『輸出産業』としての稼ぎ頭であることを
よーく理解しているのですね・・。

◆ パリのメトロと
東京の地下鉄の比較については、
こちらの記事をご参照ください。

(パリはメトロもバスもとても分かりやすかったです)


IMG_0517.jpg

おまけ)

モンパルナスにある
「Le Select」(ル・セレクト)というカフェです。

このカフェは、
アーネスト・ヘミングウェイの小説
『日はまた昇る』の中に登場しています。
(ピカソやマティスも常連だったとか・・)




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| 抱負・個人的に思うこと | 13:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ドイツの指数提供会社、Solactiveが面白い・・


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

わたしは
『インデックス投資』のお話をする際に、

なにげに「市場そのもの」とか、
「市場全体」と言っていますが、

実は「市場全体」とは
概念として実にだだっ広く、
ある意味、捉えどころのない
『小宇宙』のようなものであります。


たとえば、日経平均株価や、
米国のダウ平均を見て、
「おお、マーケット
今日は上がっているな」と認識できるのは、

日経平均やダウ平均のような
【指数】(インデックス)が、

市場そのものを 最大公約数化 して、
市場全体の「物差し」の役割を
担ってくれているからなのです。

【指数】を通じて、
「市場全体」が可視化されている、
と言っても過言ではありません。


その指数を提供する
指数提供会社』は、
インデックス投資においては、
裏方を固める、重要な役割を担います。

わたしは今、
『指数提供会社』と言いましたが、

「いいや、違うよ、
ウチは指数のエンジニアだよ!」
と主張する会社がドイツにあります。

それが、Solactive社 です。

Solactive社は2007年に設立された
比較的新しい指数提供会社です。

他の巨人たち、
たとえば、S&P ダウ・ジョーンズや、
MSCIやSTOXX社との
『棲み分け』を図るため、

Solactive社はかなり
エッジを利かせた】指数を組成、算出しています。


たとえば、
「日本株」のカテゴリーを
見てみますと・・。

・Solactive Japan Export ex Financials Index
(Solactive 日本株 輸出関連指数(金融除く)

文字通り、金融を除く
輸出関連の企業のみで指数を構成しています。

・Solactive Japanese Buyback Index
(Solactive 自社株買い日本株式指数)

直近2ヶ月で
「自社株買い」を表明した企業のみを
組み入れます。ファクトシートはこちら


次は、国・地域で見てみましょう。

・Solactive Central Asia & Mongolia Index
(Solactive 中央アジア&モンゴル指数)

・Solactive Myanmar-Focused Asia Index
(Solactive ミャンマー関連アジア指数)

・Solactive Turkish REITs Index
(Solactive トルコ REIT 指数)

んー、かなりマニアックです・・(笑)

what is indices


わたしがもっとも注目したのはコチラ。
・Solactive Global SuperDividend™ Index

これって、
どう訳すればいいのでしょう・・。
「Solactive グローバル超高配当株 指数?」

同指数は、
世界中でもっとも配当利回りが高い
100社を組み入れた指数となります。
(各銘柄の組入れは均等に保ちます・・)


その他、
ニッチで個性的な【指数】として、

・Solactive 3D Printing Index
・Solactive Online Security Index
・Solactive Big Data Index

・Solactive LED Performance-Index
・Solactive Cloud Computing Performance Index

 などがあります・・。


また、ドイツ企業のみが対象ですが、
・Solactive Brand Performance-Index
(Solactive ブランドパフォーマンス指数)
というものもあります。

文字通り、強いブランドを持った企業のみで
構成される指数ですね。
(組入れ企業が壮観です。コチラ

現在、Solactive社の指数は
100本以上のETFに採用されており、

先日、当ブログでご紹介した
The Global X 新興国&フロンティアETF」も
そのひとつとなっています。


Solactive社の指数開発は
「市場全体」というよりは、
「市場の中に新たなカテゴリーを創造する」
という意思で行われているようです。


そこには(もちろん)
アクティブ的な要素が多分にあり、

従って、ポートフォリオ内では、
サテライト、特殊な味付け、という
『位置づけ』でよいと思います。


◆ 参照記事
ETFにおける指数提供会社のシェアって、かなり寡占が進んでいるのです

似顔絵




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