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2015.01.30 Fri
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
昨日は、
定性、定量を併せた
投資信託の【評価・分析】から
一歩距離を置いて、
【インデックスファンド】を
選ばれてみては・・、
というお話をしました。
(ところで)
インデックスファンドって?
はい、
『市場の平均点』を獲得するという、
単純明快な投資手法のことです。
たとえば、
日本株式なら、
証券取引所に上場する『銘柄』を、
あれやこれやと難しく選ばずに、
すべて【広く・浅く】買ってしまう、
ということ・・。
(結果、平均と同程度のリターンが得られます)
ちょっと大胆、ですか?
ちなみに、
東証1部に上場する会社1800社程度を、
その会社の大きさに応じて
すべて保有すると、
TOPIX(東証株価指数)という「平均値」と
同じような値動きになります。
また、先進国の株式や
新興国の債券といった投資対象にも
もちろん、インデックスファンドは存在します。
インデックスファンドという道具の、
何が『利点』かというと、
ファンドの【評価】そのもので、
悩むことがほとんどなくなる点でしょう・・。
なぜなら、
インデックスファンドは、
【人の能力】にお金を託すのではなく、
【市場】そのものにお金を託すためです。
⇒ その投資信託が、
『人の能力』をどんなふうに用いて、
具体的に
どれくらいの運用を行ってくれるのだろう?
といったところで、
【悩む】ことがなくなるわけです・・。
※ チェックするべき項目は、
その「インデックスファンド」が
『市場平均』と
著しくかい離していないか?だけ・・。
★ そう、
『インデックス投資』は、
あなたの目の前に映る
【複雑な事象】を、
【単純化】して見せてくれます。
たとえば、
「日本株は?」
ああ、TOPIX(市場平均)との
連動を目指すインデックスファンドで。
というふうに、
35文字で済んでしまいます(笑)
【ポイント2】市場平均を買う。

あっ、でも大澤さん。
『市場の平均』を買うということは、
平均以上のリターンは諦める、ということですよ。
また、市場全体が15%下がると、
インデックスファンドも同じように
15%程度下がってしまいます・・。
(これを止めることは出来ません)
仮に、
日本株式という『投資対象』を、
ああ、TOPIX(市場平均)との
連動を目指すインデックスファンドで。
というふうに
35文字で片づけてしまうと、
日本株以外の
『複数の投資対象』に
興味が行きやすくなると思いませんか?
これって
投資対象を【単純化】することの
ひとつの効用だと思います。
『今のファンド』のほかに、
外国の株式ファンドや、
外国の債券ファンドも、
同時に好きになってみる。
そうすると、
自然に、日本株だけでなく、
外国株や、外国債券といった
違った資産も保有するようになります。
それぞれの『投資対象』についても、
【市場の平均】を買っているだけ、
と割り切るのです。

これって立派な
【世界観のチェンジ】です。
(見える景色もぜんぜん違ってきますよ・・)
大澤さん、わたしは常々、
投資という事象に対する
【付き合い方】が大切だと思っています。
別に『虫の目』で、
小さな対象を、
細かいところまで
見極めようとする必要はありません。
どちらかというと
正反対の発想で、
『鳥の目』で、
できるだけ大きな対象を、
広―く、概観で
イメージしておけばよいのです。
(細かいことは気にしない・・)
あっ、それから
『市場平均』との連動を目指す
インデックスファンドを買っておけばよい、
という割り切りは、
長期で投資を行うのに向いていますよ。
結局のところ、
『平均』を買うとは、
その市場の
「成長」を買うということですから・・。
「成長」なんて、
1週間とか1ヶ月で
目に見えて発見できるものではありませんよね。
今より少しだけ、
腰を据えて(= 長めの時間スパンで)
投資と付き合ってみてください。
インデックスファンドが5%上がった、
10%下がっちゃったよ、
でいちいち驚いたりしなくてよいのです。
マーケットというところは
「恐怖」と「欲望」の塊ですから、
『市場平均』といえども、
常に、評価されすぎたり、
(つまり高すぎたり)
あるいは、割安に放置されたり、
(つまり安すぎたり)
といった【ブレ】を、
四六時中経験していると思ってください。

投資スタイルを『シンプル化』し、
さまざまな投資対象に
分けて投資を行うわけですから、
あとはどっしり構えておく。
それだけです・・。
たまに、
オリンピックの『時間スパン』なんかを
思い出してみてください。
「あー、あれからもう4年か。」
とか思いますよね。
その『時間尺度』が、
(実は)長期投資の入り口なのです・・(^^;)
【ポイント3】長期でどっしり構える。
(ちなみに次回のオリンピックは、
来年2016年ブラジルですよ・・)
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2015.01.25 Sun
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
グローバルな見地で
ETFの運用会社を見てみると、
上位の3社が
世界のETF純資産額の
およそ8割を占めていることが分かります。
ブラックロックが発表している
「ETP Landscape」を覗いてみましょう。
全世界ベースでの
上位3社の『純資産残高シェア』は
以下のようになっています。
(2014年末現在)
1.ブラックロック 37.2%
2.ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
(SSgA) 17.3%
3.バンガード 16.0%
(ちなみに、2009年末の
純資産残高シェアは、
1.ブラックロック 47.2%
2.SSgA 15.5%
3.バンガード 8.9%
でした・・)
また、グローバルベースでの
2014年1年間の
『純資金流入額』を見ますと、
(単位10億ドル)
1.ブラックロック 102.4
2.ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
(SSgA) 41.2
3.バンガード 88.0
となっており、
3位のバンガードが
2位のSSgAをじりじりと
追い上げる格好となっています・・。
そして、これはあくまで
米国上場ETFベースですが、
今般、バンガードがSSgAを抜き、
純資産残高ベースで
第2位となった模様です。
ETF.comの以下の記事より。
『Vanguard Rises To No. 2 ETF Firm By Assets』

同記事によりますと、
米国上場ETFの『純資産総額』は
バンガードのETFが
約4326億ドル、
SSgAのETFが
4318億ドルとなっています。
ちなみに、
ブラックロックは約7564億ドルです。
(いずれも1月20日現在)
SSgAは米国初のETF
『スパイダー S&P500ETF』(SPY)を
旗艦ETFとして持ち、
同ETFは出来高、純資産額ともに
世界№1のETFとなっています。
ただし昨年は、
もうひとつの旗艦ETFである
『スパイダー ゴールドシェア』(GLD)の
資金流出が目立っていました・・。
バンガードのETF参入は
他の二社に比べると遅く、
2001年からでしたが、
コンスタントに「純資金流入額」を伸ばしてきたのです。
ご承知のように、
バンガードという会社は、
ファンド保有者が会社を保有する、
日本でいえば相互会社の形を取っており、
外部に株主が存在しません。
そのため、外部株主のために
利益を留保する必要がないため、
At Cost の経営が可能となります・・。
実際に、
バンガードのファンドでは、
資産残高が増えるに従って、
年間経費率(継続コスト)を下げていくという
仕組みが成り立っているのです。
全世界ベースで見ても早晩、
順位の入れ替えが起こるのは間違いないでしょう・・。
◆ 参照記事
【バンガードETFの隠されたメリット】
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| ETFのお勉強
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2015.01.22 Thu
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
2015年の年初は
長めのお休みを頂戴し、
妻とふたりでパリに行ってきました。
(はじめてのパリです!)
ご存じのように、
フランスは外国人観光客が年間8000万人を超える、
世界一の観光大国です。
「じゃあ、観光業っていったい何なの?」
はい、観光業ってズバリ、
『内なる輸出産業』だと思います。
??
ふつう、輸出産業と聞いて
思い浮かべるのは、
たとえば、クルマや家具やスマホなどを
輸出することですね。
すなわち、モノを輸出して
それを買ってもらって
「外貨」を獲得する、というイメージです。
じゃあ、
パリがやっていることは?
(別に、モノは
売ってないですよね?)
顧客にわざわざ自分の国に来させて、
そして、
パリという都市を回遊させ
「外貨」を獲得しているのです。
(伝わっています?)
クルマやスマホを輸出するためには、
(当たり前ですが)
モノを「生産」する必要があります。
そして、輸出そのものを続けるためには、
モノの『再生産』を続けないといけません。
(それに、モノを運ぶための
船、飛行機なども必要ですね・・)

ところが、パリは、
都市そのものをきちんと整備して、
デンと構えているだけで、
継続的にインカム(収入)を得ているわけです。
(考えてみればすごい産業・・)
パリという都市に魅力があれば、
それ自体が『資産』となります。
・パリの街並みそのもの ⇒ 『資産』
・それを管理する人 ⇒ 「パリ市」「フランス政府」
この「都市資産」は、
別に切り売りする必要もなく、
モノのように、
量的な「拡大再生産」を行う必要もありません。
保有する『資産』を維持・発展させ、
いかに永続的に
インカム(収入)を得るかという点では、
観光業って、
まさに資産運用だと思いませんか?
(フランス政府は、パリという資産を
運用管理することによって、
莫大な『外貨』を獲得しているわけです・・)
しかも、パリという都市の
【維持・管理】は、
新しいモノに替えていくという
メンテナンスではありません。
古さを際立たせるメンテナンスを行っています。
??

たとえば、上記写真の通り、
パリの中心部は、
基本的に6~8階で
建物の高さが統一されています。
ゼロから新しい建物を建てることは
厳しく制限されているはず・・。
(『美観』を損なわないようにするためですね)
また、広場がいたるところにあり、
視界が開けていて、
街自体を見渡しやすいです。
町並みそのものが、
パリという資産の中枢であることを、
フランス政府がよく理解しているわけです。
通常、モノを主体とした輸出産業では、
そのモノ自体を、
『新しく、新しく』していく必要がありますが、
パリや京都の場合、
不思議なことに、
『古くなればなるほど』、
その価値が増していきます。
(決して、新しくしてはダメ、ダメ・・)
今、申し上げた、
<古くなればなるほど、その資産価値が増す>
ということは、
(超長期の投資と同じで)、
【時間】が大きく味方してくれます。
今(2015年)より、
2080年くらいになったら、
京都の資産価値が増すように、
パリも、
これから未来に向けて
インカム(収入)が逓増していく・・、
という展望が描けます。
資産運用的にいえば、
ニワトリ(資産価値)を大きくしながら、
得られるタマゴ(収入)も増やしていける
ということ・・。 ← スゴイですね。
わたしが泊まったホテルのベランダからは、
居住用のアパルトマン(アパート)が
見えたのですが、
煙突が
(ちょっと不細工に)伸びていたり、
トタン板で外壁の補強がなされていたり、
窓もすきま風が入るような
簡素なものだったり・・、
(新築が ↑ 出来ないので、
何度もリフォームを施しているはず・・)
まあ、実際、
住んでいる人にとっては、
「不便さ」を感じることかもしれませんが、
⇒ パリに住む人々は、
パリという都市資産の価値を
『最大化』するために、
(=古い街並みを維持させる)
これを受け入れているのだと思います・・。

作家の金子光晴は、
その著書『ねむれ巴里』の中で、
―パリは森に囲まれた都市である。―
と喝破していますが、
少なくてもパリ中心部、
すなわち、森の内側は、
観光客のための
『巨大なテーマパーク』となっているのです。
パリ中心部を
『観光エリア』として維持させるため、
日本でいえば新宿西口のような
新都心(ラ・デファンス地区)を、
わざわざ郊外に作ったりしています。
そう、
フランス人は観光業こそが、
『輸出産業』としての稼ぎ頭であることを
よーく理解しているのですね・・。
◆ パリのメトロと
東京の地下鉄の比較については、
こちらの記事をご参照ください。
(パリはメトロもバスもとても分かりやすかったです)

おまけ)
モンパルナスにある
「Le Select」(ル・セレクト)というカフェです。
このカフェは、
アーネスト・ヘミングウェイの小説
『日はまた昇る』の中に登場しています。
(ピカソやマティスも常連だったとか・・)
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| 抱負・個人的に思うこと
| 13:41
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2015.01.16 Fri
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
わたしは
『インデックス投資』のお話をする際に、
なにげに「市場そのもの」とか、
「市場全体」と言っていますが、
実は「市場全体」とは
概念として実にだだっ広く、
ある意味、捉えどころのない
『小宇宙』のようなものであります。
たとえば、日経平均株価や、
米国のダウ平均を見て、
「おお、マーケット
今日は上がっているな」と認識できるのは、
日経平均やダウ平均のような
【指数】(インデックス)が、
市場そのものを 最大公約数化 して、
市場全体の「物差し」の役割を
担ってくれているからなのです。
【指数】を通じて、
「市場全体」が可視化されている、
と言っても過言ではありません。
その指数を提供する
『指数提供会社』は、
インデックス投資においては、
裏方を固める、重要な役割を担います。
わたしは今、
『指数提供会社』と言いましたが、
「いいや、違うよ、
ウチは指数のエンジニアだよ!」
と主張する会社がドイツにあります。
それが、Solactive社 です。
Solactive社は2007年に設立された
比較的新しい指数提供会社です。
他の巨人たち、
たとえば、S&P ダウ・ジョーンズや、
MSCIやSTOXX社との
『棲み分け』を図るため、
Solactive社はかなり
【エッジを利かせた】指数を組成、算出しています。
たとえば、
「日本株」のカテゴリーを
見てみますと・・。
・Solactive Japan Export ex Financials Index
(Solactive 日本株 輸出関連指数(金融除く)
文字通り、金融を除く
輸出関連の企業のみで指数を構成しています。
・Solactive Japanese Buyback Index
(Solactive 自社株買い日本株式指数)
直近2ヶ月で
「自社株買い」を表明した企業のみを
組み入れます。ファクトシートはこちら。
次は、国・地域で見てみましょう。
・Solactive Central Asia & Mongolia Index
(Solactive 中央アジア&モンゴル指数)
・Solactive Myanmar-Focused Asia Index
(Solactive ミャンマー関連アジア指数)
・Solactive Turkish REITs Index
(Solactive トルコ REIT 指数)
んー、かなりマニアックです・・(笑)

わたしがもっとも注目したのはコチラ。
・Solactive Global SuperDividend™ Index
これって、
どう訳すればいいのでしょう・・。
「Solactive グローバル超高配当株 指数?」
同指数は、
世界中でもっとも配当利回りが高い
100社を組み入れた指数となります。
(各銘柄の組入れは均等に保ちます・・)
その他、
ニッチで個性的な【指数】として、
・Solactive 3D Printing Index
・Solactive Online Security Index
・Solactive Big Data Index
・Solactive LED Performance-Index
・Solactive Cloud Computing Performance Index
などがあります・・。
また、ドイツ企業のみが対象ですが、
・Solactive Brand Performance-Index
(Solactive ブランドパフォーマンス指数)
というものもあります。
文字通り、強いブランドを持った企業のみで
構成される指数ですね。
(組入れ企業が壮観です。コチラ)
現在、Solactive社の指数は
100本以上のETFに採用されており、
先日、当ブログでご紹介した
「The Global X 新興国&フロンティアETF」も
そのひとつとなっています。
Solactive社の指数開発は
「市場全体」というよりは、
「市場の中に新たなカテゴリーを創造する」
という意思で行われているようです。
そこには(もちろん)
アクティブ的な要素が多分にあり、
従って、ポートフォリオ内では、
サテライト、特殊な味付け、という
『位置づけ』でよいと思います。
◆ 参照記事
【ETFにおける指数提供会社のシェアって、かなり寡占が進んでいるのです】
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| 指数のお話
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