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2015年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年05月

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新しい投資信託よりも、古い投資信託を知ることが重要な理由


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

あなたは中古のマンションと
新築のマンション、
どちらにより『魅力』を感じますか・・?

「それは新築でしょ!」
まあ、それはそうでしょうね(笑)

(何しろ)新しいですし!


しかし、よく考えてみますと、
すべての新築マンションは必ず、
『中古』になります。


新築の供給戸数がどれだけ増えようと、
これは同じことです。

(時間が等しく経過して)
新しいモノは『古く』なるわけですから、

戸数で云うと圧倒的に
『中古マンション』が多くなります。


投資信託の世界も同様です。

「あの新発売のファンドが・・」
と誰かが噂にした途端、
それは【既存のファンド】となります。

すべての新発売のファンドは、
必ず『既存のファンド』になりますから、

本数で云うと、圧倒的に
『既存』のほうが多くなるわけです。


何が言いたいかというと、
投資信託を深く理解するためには、

新しい投資信託よりも、
古い投資信託を知ることが
何倍も重要だということ・・。



たとえば、世の中には、
築15年のマンションは
わんさかありますね。

15年も経つと、
マンションってあまり
注目を浴びなくなるかもしれませんが、

15年の時間の営みの中に
さまざまな『歴史』を
内包しているもの・・。

投資信託も同様です。

運用歴15年の投資信託って、
普段あなたが
その存在を意識していないだけで、
(実は)けっこうたくさん存在します。

試しにモーニングスターの
ファンド詳細検索】で、

運用年数15年以上と入力して
検索してみてください。


(人の人生と同じで)、
ファンドも
15年も運用を行っていれば、

これまで刻んできた『時間』の中で、
酸いも甘いも経験しているもの・・。

なんと云いますか、
ひとつの投資信託が持つ、

時間の重み』みたいなものを
ときには感じてみて欲しいのです。


何しろ、
長期投資を続けた結果、

あっ、ワタシは
運用歴29年のファンドと
ずっと付き合ってきたんだ・・


みたいなことも起こり得るわけですから。

THE+OLD+ONE+ENDS+IT+BECOMES+BRAND+NEW+THE+OLD+ONE+ENDS+IT+BECOMES+BR.jpg


ひとつ『具体例』を挙げてみましょう。

先週の木曜日(23日)に、
アメリカのナスダック総合指数が
5,056ポイントをつけ、
15年ぶりに高値を更新しましたね。

「15年前といえば?」

そう、2000年のこと・・。
当時世の中は
「ITバブル」の渦中にありました。


そんな中、日本では
ウォーバーグ・ピンカス日本小型株ファンド】が
運用を開始します。

このファンドの名前を聞いて
ピンときた方は、
相当長いファンド投資歴をお持ちのはず・・。

「ウォーバーグ・ピンカス日本小型株ファンド」は
2000年1月に運用をスタートさせて間もなく、
500億円を超える資金を集め、

順調な滑り出しを見せました。


順調な滑り出しを見せました・・。



順調な滑り出しを見せました・・・・・。



あれ?


滑り出しは順調だったようだけど、
その後はどうだったの?

んー、けっこう苦労したのですね、
このファンド・・。


(冷静に考えてみますと、)

ファンドの成績が
まったく存在しない
新発売の投資信託】が、

○ 大きな宣伝を打ち、
○ 人を煽って、
○ 集められるだけの資金を集める

という【姿】は、
ちょっと胡散臭いですし、
滑稽にすら見えてきます。

(決して【新発売のファンド】は
買わないでくださいね・・)


「で、カンさん。
そのウォーバーグ・ピンカス日本小型株ファンドって、
今はどうなっているの?」

あっ、ちゃんと存在しています。
(【生きて】いますよ!)


⇒ しかし、このファンドは、
諸々の事情があり、
今は【アバディーン日本小型株ファンド】という
名前になっています・・。

アバディーン・・・?

はい。


とりあえず、
「アバディーン日本小型株ファンド」の3月末現在
月報」(月次レポート)を覗いてみましょう・・。

当該ファンドは
2000年1月の運用開始当初、
新発売・効果』もあり、
【純資産額】が500億円を超えたのですが、

ほどなく、
数あるたくさんの【既存のファンド】の
ひとつとなってしまいました。


(新築マンションが
『中古』になるのと同じ・・)


2000年の夏ごろには
ITバブルの崩壊が誰の目にも明らかになり、

当該ファンドの【純資産額】は、
どんどん右肩下がりになっていきます。

2015年3月31日現在、
当ファンドの【純資産額】は
たった71.4億円・・。

途中、2004年から2006年にかけて
【純資産額】が持ち直す兆しがあり、
200億円を超える時期もありましたが、
それは一時的な現象となってしまいました。


もう一度、
「アバディーン日本小型株ファンド」の
月報」です。

【騰落率の表】を見ると、

(ベンチマークではないのですが)
参照指標のJASDAQと
当該ファンドの成績が比較できます。

(※ ここではTOPIXとの比較は割愛します)


      1ヶ月 6ヶ月  1年   3年   5年   設定来

ファンド  6.9% 27.8% 51.0% 155.3% 177.2% -9.4%
JASDAQ 2.6% 5.3% 15.6% 107.3% 109.1% 15.6%



どうです?

直近5年では
当該ファンドが
JASDAQを上回る成績を残していますね。



(それも、直近1年、3年、5年と
コンスタントにです!)

しかし、設定来、
つまり、2000年来の
15年間余りの騰落率を見ると、
JASDAQを下回る成績となります・・。


「月報」内のグラフを見ると、
2002年から2008年にかけて、
ファンドの成績が(JASDAQと比べ)
芳しくなかったようです・・。

先ほど言いましたように、
15年も【運用履歴】があると、

良い時期も悪い時期も、
まあ、いろいろ経験しているもの・・。

short-term_long-term.jpg


しかし、
運用チームの方々の努力の結果、
直近5年の成績は良いわけですから、

もっと多くの人が
このファンドに注目し、

もっと多くの人が
当該ファンドを買付け、

その結果、
もっともっと【純資産額】が
積み上がっていても良さそうなもの・・。

(ちなみに、
当該ファンドは
モーニングスター Fund of the Year 2014の
『優秀賞』も受賞しています・・)

でも、
【純資産額】はやっぱり、
71.4億円・・。(3月31日現在)


これって、ちょっとおかしい?

(おかしいですよね。)

なぜ、なのでしょう?


答えはカンタンです。

ほとんどの人は、
【アバディーン・日本小型株ファンド】の
存在を知らないのです。



だいたい、名称を検索するにも、
名前自体が変わってしまっています。

(もはや)
【ウォーバーグ・ピンカス日本小型株ファンド】、
ではないわけです・・。

15年の月日の中で、
当該ファンドの場合、

運用会社である
ウォーバーグ・ピンカス・アセット・マネジメントが、
クレディ・スイス投信と合併したり、

途中、
クレディ・スイス日本小型株ファンド』に
名前が変わったりして、

現在の
アバディーン・日本小型株ファンド】という
名前になっています。



この記事の冒頭で、
すべての新発売ファンドは、
【既存のファンド】になると言いましたが、

いったん
【既存のファンド】になってしまうと、


よほどの特性や、
よほどの良い成績がない限り、

運用会社や販売会社は、
【新発売の投資信託】に忙しいため、

はっきり言うと、
忘れ去られてしまうわけです・・。


2012年に売り出した、あのファンド。
2009年に販売した、あのファンド。

2003年、
あんなに一所懸命に売っていた、あのファンド。

みんなみんな、
行員の方も、証券会社の方も、
もう、忘れ去ってしまっているのかも・・。

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あのですね、
マンションであれば、
『中古』になっても、
ちゃんと人が住んでいますね。

人の営みがあります。)

そのうえでの、
『新築』売り出しになるのでしょうが、

投資信託の世界でやっていることは
もっと「あこぎなこと」だと思います。


たとえば、
既存の中古Bマンションの
保有者の尻を叩いて、

『はい、新築が出ましたよ。どうですか?』
と乗り換えを勧める。

その新築も、
しばらくすれば中古Cとなり、

また、
『今度の新築はですね・・』
と新しいモノを勧める。


またまたその新築も
たちまち中古Dとなり、

B、C、D、Eと、
どんどんどんどん
【中古のファンド】ばかりが、
本数として増えていきます・・。


『投資信託・村』の風景を
想像してみてください。


無数の棟のように立ち並ぶ
【中古ファンド】に住む
(保有する)住民はどんどん減っていき、

そのうちの多くは、
ゴーストタウン化するわけです


つまり、
本当のマンション市場と違い、
投資信託のマーケットの醜いところは、

ファンドを【新規に】購入する、

真の意味での
新しい『参加者』が、
とても限られているということなのです。



要は、
既存のファンド保有者を、

必死に『新築マンション』に
移し替えようとしているだけ・・。


2010年に売り出した、あのファンド。
2006年に販売した、あのファンド。

2005年に売り出された、あのファンド。
2002年に売り出した、あのファンド。

2000年に売り出した、あのファンド。
1997年に売り出した、あのファンド。
1995年に売り出した、あのファンド。

1989年に売り出した、あのファンド。
1984年に売り出した、あのファンド。


実に多くの、
数え切れない投資信託が、

巨大な黒いベールで覆われ、
まるで存在しないモノのように
扱われています。


(実はあなたのすぐ近くで
今も息をしているのに・・)

なんと勿体ないことでしょう。


そして、
投資信託の世界では、

人気のあるファンドと、
成績がよいファンドが、
イコールになっていない、
という【滑稽さ】もあります・・。

このような異常な状態に、
ぜったい慣れてはいけません。


まず、
私たちが出来ることは、
1.新発売のファンドを買わないこと。

そして、
2.すべての投資信託の購入時手数料を
撤廃するよう求めること。

(そうすれば、
回転売買の【動機】がなくなりますから・・)

道のりは遠いですが、
決して辿り着けないわけではありませんよ。

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長期金利の低下が意味するもの


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

あなたは友人同士、知り合い同士で
お金の貸し借りをしたことがありますか?

(わたしは過去、一度だけあります・・)

ここでいう『貸し借り』ですが、
100円、200円を貸す、
という世界ではなく、

また、
今日借りて、明日返すという話でもありません。

たとえば、
10万円以上のお金を、
1ヶ月以上貸している状態
ってどうでしょう?


そのような場合、
あなたはお金を借りている人に
利息』を請求できますか?

んー、どうでしょう?

知り合い同士であれば、
なかなか「利息」など求められないのでは?
(元本のみを返してもらえればいい?)

では、100万円を貸していて、
それが1年に及んだらどうですか?


(もしかすると、
借りているほうも、
幾ばくかの『利息』を払わないと・・
と思われるかもしれません。)


お金もひとつの『商品』ですから、
この場合、【利息】とは、
お金を借りる際のレンタル料のようなもの。

そして【金利】とは、
そのレンタル料の料率のことです・・。


歴史を振り返ってみますと、
人も会社も、
ずいぶん昔から、

【レンタル料】を支払って、
お金を借りてきました。

また(お金を貸す側は)
【レンタル料】を
ちゃんともらえるかどうか

(あるいは、
元本をちゃんと返してもらえるか)
不安がありながら、
ずっとお金を貸してきました・・。

これは、
お金を貸す側も、借りる側も、
なんと云いますか、

明日に対して、
楽観 していたから。

出来たことだとわたしは思います。

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そう、
楽観 がないと、
お金の貸し借りなど、出来ませんよね。

(もちろん、経済活動においては、
お金の貸し借りが主役ではなく、

そこから派生する、
購買活動や投資活動が主役であるわけですが。)


また、お金を貸し借りする際には、
金利』が決められます。

私たちが『金利』と聞いて
いちばん最初に思い当たるのが、
長期金利】ではないでしょうか?

(長期金利の「指標」となるのは、
10年物の国債の利回りですね)

わたしは
【金利】とは、
明日に対する 期待値
であると思います。


たとえば、
インドの長期金利が7.8%であるのは、

インド国内で、
「これから1年後、2年後の【変化】って、
それなりに大きいよね・・」
という 期待の表れ なのでしょう。

(もちろん、その期待値は
上がったり下がったりしますが・・)


翻って、
昨今、先進国の長期金利が

歴史上、
異様とも思えるような水準まで
下落しているのは、

明日に対する 期待値 が
限りなく低くなっていることを、
物語っている
とわたしは思います。


「カンさん、何言ってるの。
先進国の長期金利が異様に低くなったのは、

リーマン・ショックのあと、
量的金融緩和を行ったせいでしょ。
これはあくまで一時的な現象よ。」

という 声 が聞こえてきそうですが・・。


わたしは、
先進国の長期金利が低いのは、
一時的な現象ではないと思っています。

先ほどの
『お金の貸し借り』に戻ってみますと、

【金利】というレンタル料の率が
限りなくゼロに近づいても、

以前ほど(人も会社も)
お金を借りたいと
思わなくなっている・・。



これって、
世の中の根本的なところが
(以前とは)違ってきている
ということにはならないでしょうか?

具体的に言えば、
ある種の『飽和』を
示唆しているのではないでしょうか・・。


水野和夫さんの
資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書)
を読みますと、

米国では1941年に
長期金利が1.85%になっていることが
分かります。

(これには第2次大戦という
特殊要因が関係しています。

戦争費用を賄うため、
多額の「アメリカ国債」が発行される中、
FRBが短期国債を買い取って、
金利を低位に保っていたのです・・)


一方、
イギリスでは1897年に
長期金利が2.21%になっています。

(イギリスは19世紀後半大不況を経験し、
デフレ経済となりました)

さらに時代を遡れば、
17世紀初頭、

イタリア・ジェノヴァの
長期金利が1%台となり、
1619年には1.125%まで下がります・・。


私たちは
歴史を頭の隅にイメージする際、

『前の時代』のあとに、
『次の時代』が来るという
ある種の分かりやすさを求めてしまいますが、

実際は、

『前の時代』の終わり部分と、
『次の時代』の始まり部分は
大いに重なっています・・。

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イタリア・ジェノヴァの金利が
1.125%にまで下がったとき、

いわゆる
『地中海経済』の終わり部分と、
『大航海時代の経済』の始まりの部分が
重なっていたわけです。


イタリア国内を見れば、
これまで積み上がった経済は
すでに成熟し、

人も企業も、
新たな『ニーズ』を感じて、
より多くを求める・・、
ということをしなくなってきました。

(ある種の『飽和』が訪れたわけです)

それ以降、
ヒトは何度も何度も
『飽和』と『不足』を経験し、

この500年で、
物質的に信じられないくらい豊かになりました。


これから先、
先進国の人々が

新たなフロンティアを求め、
新たな『ニーズ』を感じ、
より多くを求める・・、

というような状態になるためには、

たとえば、
モノ(物質)と
精神(メンタル)を比べたときに、

メンタル(精神)の部分に
より大きな経済的ニーズを感じるようになる、
というようなことが必要なのかもしれません・・。


私たちが新興国の国々で、
年々名目需要が増していくあの光景に
言いようのない『懐かしさ』を感じるのは、

私たち(先進国)が
それだけ老いた証拠である、
とわたしは思います・・。

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| 経済よもやま話 | 16:44 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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J-REITの用途別指数って?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

日本にはじめて
REIT(不動産投資信託)が登場したのは、
2001年のことでした。

今ではREITの銘柄数は
51本となっています。

また、オフィスビル型、住宅型、
商業施設型、物流倉庫型、

ヘルスケア、ホテル・旅館型など、
その形態もさまざまですね。


すごーく地味で
あまり知られていないのですが、

日本のREITには
REITの「業種別指数」と云うべき、
【東証REIT用途別指数】なるものが存在します。

(はじめて聞かれました?)

上記は東証REIT指数の
傘下の指数であり、

日本のREITを
『オフィス』、『住宅』、『商業・物流等』の
3種類に分け、

それぞれについて、

【東証REITオフィス指数
【東証REIT住宅指数
【東証REIT商業・物流等指数

という指数を構成しているのです。
(2010年2月に算出開始)

詳しくは
東証REIT指数・東証REIT用途別指数】(PDFファイル)
をご覧ください。


今年の2月末現在、
すべてのREITを
『用途別指数』で区分けすると、

オフィス系が20本
住宅系が12本
商業・物流等が18本となっています。


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もちろん、
REITとは
「上場したアクティブファンド」
ことですから、

REITというファンド内では、
不動産の入れ替えが行われます。

ということは?

ファンドの中身、
つまり、
不動産の種類が変わることもある
ということ・・。


従いまして、
【東証REIT用途別指数】では、
毎年1回(7月)、
用途区分の見直し機会を設けています。

(※ 実際、14年7月には、
「ユナイテッド・アーバン投資法人」の
用途見直しが行われ、

オフィスから商業・物流等に
用途が変更されました・・)


このブログ読者の方はよくご存じのように、
REITへの投資の仕方は3種類あります。

1.REITへ直接投資
2.REITを組み込んだ投資信託へ投資
(ア・ファンドと、イ・ファンドに分かれます)
3.REITを組み込んだETFに投資

そのうちの3.の選択肢では、
東証REIT指数との連動を目指すETFは、
すでにありますね。
(たとえば、銘柄コード1343


しかし、
【東証REIT用途別指数】、
すなわち、

オフィス指数、住宅指数、
商業・物流等指数との
連動を目指すETFはまだありません・・。

今後もREITの上場本数は増え続け、
かつ、その形態も
多様化を続けるのではあれば、

用途別指数に連動するETFのニーズは、
一定程度あるとわたしは考えます。


ちなみに上記、
東証REIT指数・東証REIT用途別指数】(PDFファイル)

には、
興味深いデータがありまして、

2014年末時点の
直近12ヶ月の
『投資収益率』を比較してみますと、

東証REIT指数自体は+29.68%でした。

それに対して、
【東証REITオフィス指数】は
+22.52%、

【東証REIT住宅指数】は
+49.63%となっているのです。

(意外にも?)住宅指数のほうが
オフィス指数より高いリターンを残しているのですね。

(ちなみに、【東証REIT商業・物流等指数】は
+32.33%でした・・)


最後に、
米国のETFを調べてみますと、
レジデンス(住宅)系のREITが存在します。
i シェアーズ Residential Real Estate Capped ETF』(REZ)

似顔絵




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| 指数のお話 | 10:50 | comments(-) | trackbacks:0 | TOP↑

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投資を続けると、イケてる自分に近づきます


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

たまには
私小説ふうに書き出してみましょう・・。

わたしは呼吸を整えて、
いつものように顧客に対して
ゆっくり話し始めた。

「遠山さん。
ここでちょっと想像してみましょう。

毎月5万円の積立て投資を30年続ければ、
投資元本はいくらになりますか?」

遠山さんは
遠くを見つめるような目で、
頭の中で計算をされる。

「1800万円、ですか?」

「その通りです・・。」


「では、遠山さん、
仮に年率5%で
30年間運用が出来たとしたら、

運用成果は
いくらぐらいになると思いますか?」


遠山さんは小首をかしげながら、

「えー、ちょっと分かりません。」
と答えられた。

「およそ4160万円になります・・。」

わたしはそう言いながら、
出来るだけリアルな折れ線グラフを描いてみる。


ひとつは投資元本のグラフ
もうひとつは運用収益のグラフ

そして、わたしは極力
ゆっくりとした口調で言う。

「もちろん、年率5%は
確約されたものではありません」と。



上記のようなお話は、
コンサルティングの中で
頻繁にさせていただきます。

もちろん、上記数字は、
今後達成される未来の
ひとつの可能性』でしかありません。


しかし、
『ひとつの可能性』でしかないにも関わらず、

上記のように
【未来の時間】のお話をすると、
お客様の表情が変わってくるのを
実感します。

そして、熟考されたのち、
(実際)多くの方が
『投資の決断』をされるわけです。

(これって結構スゴイこと・・)


なぜ、
ヒトは投資を行うのでしょうか?


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「カンさん、
何言ってるの!
お金を殖やしたいからに決まってるじゃない。」

あっ、ハイ、
それはそうなのですが・・、

そもそも、
投資という行いは、
電気掃除機を買うことや、
春物のセーターを買うことや、

ゴールデンウィークに
台湾に行くこととは
ずいぶん勝手が違っています。


どこが違うかというと、
投資はそれを実行したからといって、
すぐに効用が得られるわけではありません。

(逆に、損をしてしまうこともあり!)

そう考えると、
『投資』ってけっこう
過酷な行いではないでしょうか。
そして、シビアな行いです・・。

それでもヒトは
今日も【投資を行おう】とします。

それって一体なぜでしょう?


わたしは長年、
ファイナンシャルプランナーとして

たくさんのお客様が
【投資の意思決定をされる現場】に
立ち会ってきました。


ヒトが投資を行おうとする、
根源的な【動機】のひとつに、

ワタシは
自分のお金を
きちんとコントロールしていたい。


という『欲求』があると思います。


投資を行った結果、
自分の資産が増えたりするのは、
(誤解を恐れずに云えば)
副次的な効果に過ぎません。

毎月のお金のことを知り、
それを自分がコントロールしている。

いくら投資に回すか、
いくら貯蓄に回すか、
あなた自身がきちんと把握している。

つまり、
お金に振り回されることなく、
ワタシがお金を掌握している、という状態。

この【満足感】って、
けっこう大きいと思いませんか?


結局のところ、
投資を続けることは、

今をきちんと処理し、
未来にちゃんと備えているワタシ。

を確認することに繋がります。

私たちは
『投資の実行』を通じて、
自分の自尊心を育んでいるのですね。


たとえば、
自分の部屋がきれいに整頓されていると
すごく気持ちがすっきりしたりします。

それは、
きれいに片づけられた部屋が
「あるべき自分」を
『体現』しているからでしょう。


それと同じように、
お金をコントロールし、
その潜在可能性を生かすあなたは、

(関西弁風にいうと)
イケてる自分に近づいているわけです。


★ ヒトはなぜ投資を行うのか?

それは(投資を行うことによって)
未来の自分が
いい方向に変わるかもしれない・・、

その【可能性】を
感じているからではないでしょうか。

Mutual funds


たとえば、
積立て投資が典型だと思うのですが、

投資を実行し、
投資を続けることで、

この、
未来の自分がよい方向に
変わるかもしれない。
を、
継続的に 実感 することが出来ます。

なので、
ヒトは投資をある程度続けていくと、
さらに続けようという持続力が増すのです。



それから、
冒頭、お話ししましたね。

毎月5万円の積立て投資を
30年続け、
仮に年率5%で運用が出来たとすると、

運用成果は
およそ4160万円になりますと・・。

これを今、わたしは
単に【数字】として提示しています。

でも、この【数字】は
単なる、数字ではありません。


この4160万円という『数字』は、

あなたが『なりたい自分』に至るまでの、
ひとつの、
【手がかり】となっているのです。


この【手がかり】は、
深い意味を持ってきます。

投資を
続ければ続けるほど、
運用成果の『数字』は変遷し、

その数字が触媒となり、
あなたが享受する未来の姿が、
その形を変えながら、
具体的な風景を伴って現れてくるのです・・。


(これって素敵なことだと思いませんか?)


たとえば、

最初はまったく投資には興味がなく、
(どちらかというと)
毛嫌いしていた人が、
急に投資に目覚める。

こういうことが(わたくしの経験上)
しばしば起こります。

これはなぜ起こるかというと、
意外性』が力を発揮するからです。


残念ながら、
多くの人にとって
【投資の印象】は良いものではありません。

ギャンブル、あぶく銭、汚いこと
という『固定観念』が蔓延っています。

だからこそ、
<意外にも、投資ってそういう面があるんだ。>
という『発見』があると、

ヒトは(よい意味で)
投資にのめり込んでいくのです・・。


コンサルティングの中で、
コツコツと投資を続けているお客様の顔が
自信と充実に満ちて見えるのは、


自分に合ったやり方で、
投資と出会っている 証拠 なのでしょう・・。

それはまさに、
あなたの生活の【テイスト・価値観】と、

投資の【やり方】(コツコツ投資)が
見事にシンクロしている状態なのです。

これを、人は『幸せ』と呼びます・・。

似顔絵


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ゴールデンウィーク中に、コンサルティング専科を受けてみませんか?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

多くの人にとって
【ゴールデンウィーク】は、
非日常の時間だと思います。

ある人は旅行に行き、
またある人は
近場でレジャーを楽しむ・・。

もちろん、
こんなときこそ、
ご自宅でゆっくり過ごされる人もいるでしょう。

たとえば、GW中は
配偶者が子どもを連れて
実家に帰っている・・。

「あれ・・?
よく考えてみると、

こんなときしか、
お金のカウンセリングを受けるって
出来ないかも。」

尾瀬


あるいは、
東京観光』に来られるついでに、
資産形成のコンサルティングを
受けてみるというのはいかがでしょう・・?


当オフィスは
(毎年恒例ですが)、

【ゴールデンウィーク期間中】も、
通常通り
コンサルティング専科』を実施しております。


当オフィスが重視するのは
(ずばり)『サービスの付加価値』です。

主なものを3つ挙げますと・・。

1.あなたが意識していないお悩みを、
ヒアリングによって炙り出すこと。

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ユーロ・ストックス50との連動を目指すETF


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

国内のETF市場においては、
ふたつの【空白アセット】がありました。

ひとつは、国内債券ETFであり、
もうひとつはヨーロッパ株式ETFです。

去る3月18日に、
UBSファンド・マネジメントが
10本のETFを国内市場に上場させました。

そのメインは『ヨーロッパ株式ETF』です。
(やった~)

以下、代表的な3本のETFを
ご紹介しておきましょう。
(構成国の数が少ない順に列挙します・・)

1387 : UBS ETF 欧州通貨圏株(MSCI EMU)
連動を目指すのは、
MSCI EMU指数です。
信託報酬 : 0.23%
構成国:10ヵ国


1385 : UBS ETF ユーロ圏大型株50
(ユーロ・ストックス50)
連動を目指すのは、
ユーロ・ストックス50指数です。
信託報酬 : 0.15%
構成国:12ヵ国

12ヵ国の内訳は・・、

オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、
ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、
ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、スペインです。


1386 : UBS ETF 欧州株(MSCIヨーロッパ)
連動を目指すのは、
MSCIヨーロッパ指数です。
信託報酬 : 0.20%
構成国:15ヵ国

15ヵ国の内訳は・・、

上記12ヵ国のうち、ルクセンブルクを除き、
イギリス、デンマーク、スイス、スウェーデンを
加えたものです。


(上記いずれも信託報酬は税抜です。
分配金は年2回。売買単位は1口単位。)

europe.gif


たとえばあなたが、
米国株 + 欧州株という図式で
先進国株式】というアセットを
保有されるのであれば、

イギリス、スイスを含む
15ヵ国を網羅する
『UBS ETF 欧州株』(1386)が
投資対象としてはベストでしょう・・。


しかし、
指数】というのは不思議なものです。

もっとも包括的に網羅されたもの、
もっとも合理的なものが
もっとも人気があるわけではありません。

たとえば、
米国株の指数で云えば、

ウィルシャー5000指数と
ダウ平均は
まったく『コンセプト』が違います。


市場全体の温度を示すのが
指数の役割とすれば、
ウィルシャー5000指数ほど、
それに適った道具はないと思うのですが、

実際に知名度があり、
人気が高いのは
ダウ平均のほうですね。

ダウ平均の分かりやすさは、
たった30社の会社が構成銘柄である点でしょう。


それに呼応して申し上げると、
ヨーロッパ株式の指数でもっとも知名度があり、

人気が高いのは、
ユーロ・ストックス50指数』です。

英語で書くと、
EURO STOXX 50 INDEX となります。

そう、
この、STOXXは
STOCK(株式)ではなく、

STOXX Limited という
指数提供会社の名前なのです。
(1997年設立。)

EURO STOXX(ユーロ・ストックス)50指数は
1998年に算出が始まりました。
構成銘柄はユーロ圏を代表する50社です。

skynews_img_1200_745.jpg

指数普及のカギを握るのは、
ある種の、単純明快さなのですね・・。


UBS ETF ユーロ圏大型株50(1385)は、
この『ユーロ・ストックス50指数』との
連動を目指します。

ユーロ・ストックス50指数の
ファクトシートはこちら(PDFファイル)

3月31日現在の、
当該指数の
【上位組み入れ企業10社】は、
以下のようになっています。

1位 BAYER(バイエル)ドイツ 4.92%
化学・製薬会社
2位 SANOFI(サノフィ)フランス 4.72%
製薬・バイオテクノロジー

3位 TOTAL(トタル)フランス 4.68%
石油エネルギー

4位 BCO SANTANDER Banks
(バンコ サンタンデール)スペイン 4.19%
銀行

5位 DAIMLER(ダイムラー)ドイツ 3.80%
自動車

6位 ANHEUSER-BUSCH INBEV
(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)ベルギー 3.72%
酒類・食品

7位 BASF(ビーエーエスエフ)ドイツ 3.61%
化学
8位 SIEMENS(シーメンス)ドイツ 3.37%
製造業

9位 ALLIANZ(アリアンツ)ドイツ 3.14%
保険
10位 SAP(エスエイピー)ドイツ 2.73%
ソフトウェア


いかがですか?
あなたがご存じの会社も入っているのでは?
(こうして見るとドイツ企業が多いですね)


なお、既存の投資信託でも
ユーロ・ストックス50指数との連動を目指す
インデックス・ファンドが存在します。

三井住友アセットマネジメントが運用を行う
欧州株式指数ファンド』です。

信託報酬は 0.7128%(税込)となっています。
(運用期間が2020年までなのが残念・・)

いずれにしても、
国内ETF市場において、
複数の「ヨーロッパ株式ETF」が登場するのは
喜ばしいことですね・・。

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