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2015.06.28 Sun
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
わたしは来世を信じていない人間なので、
この世で
『生きているうちが華』だと思っています。
たとえば、
88年の人生を振り返って、
自ら舞台には上がらず、
大きなホールの後ろにある椅子に
ぽつんと座っていただけなんて、
つまらないじゃないですか。
村上春樹さんの
「ダンス・ダンス・ダンス」ではないですが、
(うまく踊れるかどうかは
分からなくても)
とにかく前に出て、
踊ってみること。
これ、重要です。
「えっ、みんな見てるし・・。」
(あのー、あなたが思っているほど、
他者はあなたのことを気にしていませんよ。)
「もし、うまく踊れなかったらどうしよう。」
(また、踊り直せばよいのです。)
何しろ、
生きているうちしか、踊れないわけですから。
そして、
あなたやわたしが
とにかく前に出て、
踊ってみることは、
【投資】そのものにも喩えられます。
投資にはふたつありますね。
『ワタシへの投資』と、
『おカネへの投資』です。
(もちろん)
どちらがより重要かというと、
『ワタシへの投資』です。
この、
【自分自身に対する投資】は、
江戸時代にも存在したと思いますが、
当時はできる範囲に限りがありました。
(そもそも身分制の世の中でしたし・・)
現代は、
とても自由に
ワタシへの投資が可能です。
(もし、あなたが望むなら!)
また、
シビアに見てみますと、
現代は、
【自分にどれだけ投資ができるかで、
人生の在り様が一変してしまう】
と言っても過言ではありません。
ちょっと俗物的にいうと、
自分自身に対する『投資』が、
直接『収入』に跳ね返ってくる時代なのです。
(※ 自分投資に比べれば、
金融商品に対する投資なんて
「付録」に過ぎません・・)
「じゃあ、カンさん、
ワタシへの投資って一体何をすればいいの?」
となるのですが、
これがなかなか難しい・・。
専門分野の知識・スキルを
磨くことは(もちろん)重要ですが、
果たして
「ご飯が食べられるのか?」
つまり、そこに
ビジネス的なニーズがあるのかを
見極める必要があります。
それも、今現在、ではなく、
これから5年、10年先に、
「ご飯が食べられるような」
ニーズがあることが肝要ですね。
【稼ぐ力】
(= ワタシへの投資)をメインとし、
それを補強するために、
【殖やす力】
(= おカネへの投資)も実践する。
その結果、
めでたく 資産形成 ができれば、
じゃあそれで万事 OK なのでしょうか?
たとえば、
金融資産1億円を達成できれば、
それであなたは「満足」ですか・・?
いいえ、
おそらくあなたは舞台に上って、
また【違うダンス】を踊る必要があります。

考えてみてください。
ヒトの歴史の99.99%は
「どうやってご飯を食べるか」
ということに終始してきました。
お金持ちの人が
ある一定のボリュームで
この世に登場してきたのは、
本当に「つい・最近のこと」です。
私たちは
日常生活の中で
「もっとお金があったほうがいいじゃん!」と、
何気なく思っていますが、
では、自分が
【たくさんのお金】を持っている状態になって、
具体的に
【何が・どう変わるかについて】は
ほとんど思いを巡らせていません・・。
(一度、考えてみませんか?)
あなたが資産形成を成し遂げ、
たとえば
1億円の【金融資産】を保有するに至ったら、
何が・どう変わると思いますか?
えっ、いきなり?
はい。
おそらく、
気持ちに【余裕】が生まれると思います。

あなたは
これまでと同じように
お仕事に励むかもしれませんが、
それは
「今日明日、ご飯を食べるための仕事!」
つまり、
ライスワークではなくなるのです。
あなたが毎日通う道々で見る木々や、
オフィスビルや、
角のスーパーマーケットや、
そこを行き交う何十、何百人の人間や、
スズメやハトや
それ以外の生き物の様も、
ある種の【余裕】をもって
眺めることができるようになるでしょう。
わたしは思うのですが、
結局のところ
資産形成するとは、
【お金に縛られない人生時間を獲得する】
ことだと思います・・。
あなたは、
自分がしたいこと
自分が関心のあること
だけでなく、
肩肘張らず、
自分の周りのことに、
また
ちょっと離れた事象に、
(自然と)気がつくようになるのではないでしょうか。
(忘れないでくださいよ、
気持ちに【余裕】があるのです!)
道に迷っている人がいたら、
「どちらに行かれるのですか?」と、
自然に声掛けができる・・、
そんなイメージです。

それのちょっとした延長上で、
たとえば、
自分が住む地域、
コミュニティーのために、
何か活動をする・・、
自分が携わってきた仕事、業界の
インフラ部分で汗を掻く、
資金を提供する・・
文章に書いてしまうと、
いささか格好良すぎる印象を
持たれるかもしれませんが、
つまり、
★ これが、
【ライスワーク】ではなく、
【ライフワークに向かう】 ということなのです。
より多くの人が、
資産形成の結果として、
「ライフワーク」に向かう
【余裕】を手に入れれば、
社会の在り様が
大きく変わっていくとわたしは思います。
あなたやわたしが
資産運用を行うのは、
そこに辿り着くための、
【手段】に過ぎないのです・・。
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| ヒトは1万年前からお金と付き合ってきた
| 17:13
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2015.06.23 Tue
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
唐突ですが・・、
あなたは『相続』と聞いて、
どんな 言葉 を連想しますか?
○ お金持ち
○ ドロドロ?
○ ラッキー!
○ 今から憂鬱だ・・
○ 棚からぼた餅?
○ 争いだ!
わたしにとって、
『相続』は日常的なモノです。
(たまたま、資産運用の相談業務を
仕事としているため・・)
あっ、でも今日お話しするのは、
○ 相続税法の改正の中身とか、
○「こんな隠れた節税法がありますよ!」とか、
そういう類のモノではありません。
もっとシンプルで、
本質的な部分のお話です。
「What is 相続?」
そもそも
相続の【本質】って、何なの?
それはズバリ、
★ ヒトから、ヒトへ、
【モノ】を引き継ぐ、という行為です。
モノには、
「権利」や「資産」や、
「無形の価値や概念」や、
「負債」や「義務」や、
ありとあらゆるものが含まれます。
つまり、
世代が変われば、
⇒ すなわち【相続】が起こる。ということ。
(シンプルですね?)
○ バトンを【渡す】人もいれば、
○ バトンを【受け取る】ほうの人もいる。
あなたも、わたしも、
遅かれ早かれ、
【受け取る】【渡す】、
両方を経験することになるのです。
(だって、ヒトですから・・)
実は、
たかだか100年くらい前までは、
ほとんどの人は、
【お金】(資産)を引き継ぐことはありませんでした。
せいぜい、
親の仕事(『技術』の部分)や、
その地域の祭事や風習、
また、人としての教え
『倫理』を引き継ぐのみ、でした・・。
なぜなら、
私たちの先人の圧倒的多数は、
【貧乏】だったためです・・。
引き継ぐものの『ひとつ』として、
いわゆる 資産 が
クローズアップされ始めたのは、
この70年、80年のことではないでしょうか。
こと日本においては現在、
実に多くの人が、
○ 引き継がせる資産があるよ。
○ 引き継ぐ資産があるよ。
という『状況』になっています。
これはいったい何を意味するの?
★ この60年、70年で
日本という国が
【いかに豊かになったか】という証左ですね。
わたしはこれから20年ほどで、
日本史上まれに見る、
大規模な資産の【引き継ぎ】が
発生すると考えています。
(具体的なイメージのひとつとして、
団塊の世代 ⇒ 団塊ジュニア世代が挙げられます)
たとえば、あなたは、
畳職人だったお父さまの
『技術』を引き継ぐのと、
お父さまの
1,000万円の『お金』を引き継ぐのと、
どちらが
よりタイヘンだと思いますか?

「カンさん、それは
畳職人としての『技術』でしょう。」
なるほど・・。
『技術』って
目に見えないものですからね。
相続人自身が、
その質(クオリティー)の維持、発展のために
尽力する必要があるのでしょう。
それに比べて、
1,000万円のお金は・・?
まあ、
1,000万円のほうは、
相続の手続き自体が終わってしまえば、
あなたの銀行口座にスーッと入金され、
あなたの通帳内の数字が、
1,000万円分、増えるわけです・・。
あっ、でも、
それで終わり、ですか・・?
違いますね。
銀行に入金された1,000万円を
【具体的にどうするのか?】は、
すべて・あなた次第・です。
実は、
1,000万円のお金についても、
相続人自身が、
その質(クオリティー)の維持、発展のために
【努力】する必要はあるわけです。
また、
資産を引き継ぐ立場に立ってみると・・、
あなたは、
○ 200万円の資産を引き継ぐのと、
○ 2億円の資産を引き継ぐのと、
どちらのほうが「嬉しい」と思いますか?
スミマセン、へんな設問で・・。
わたしは、
200万円の資産を引き継ぐほうが、
うれしいと思うのです。
素直に、
喜べると思います・・。
率直に云いまして、
200万円なら、
日常生活の、
お金のやりくりの中で、
「ラッキー!」と、
大いなる『オマケ』のように
思えるのではないでしょうか・・。
それに比して、
2億円の資産を引き継ぐことは、
あなたやわたしの
気持ちのうえで、
『重荷』になってしまう可能性があります・・。
今は、
違いを分かりやすくするために、
(あえて)2億円 と云いましたが、
これが・・、
2,000万円なら、どうでしょう?
あなたは素直に「嬉しい」と思えますか?
YES or NO ?
(もちろん YES と思えれば、
それはそれでよいのですが、)
わたしは自分の仕事柄、
時々、
ご資産を引き継いだお客様の【お顔】に、
なにか【特別な感情】が宿るのを
発見することがあります。
??
それは、
なんと云えばいいのか・・
ちょっとした
『ストレス』のようなものです。
ストレス?
はい。
それは、
棚からぼた餅的に、
『資産』を引き継いでしまったために起こる
心のざわめき、のようなもの・・。
よくよく考えてみますと、
それは
【自分のお金ではないわけです。】
○ 現金、株、債券、
外貨預金、不動産、
資産のカタチはどうであれ、
目の前に実際ある
その『資産』に、
―もちろん嬉しいですし、
ありがたいとも思っているのですが、―
ちょっとした
「居心地の悪さ」を感じてしまう・・。
あのー、
この気持ちって
決して恥ずべきことではありません。
今、目の前にあるその『資産』は、
かつて、
お父さんや、お母さんや、
お祖父さんや、
お祖母さんが所有していた『モノ』
だったわけです。
そこには、
かつての所有者の、
「肌触り」、「意思ののようなもの」が
感じられます・・。

それを
自分が引き継いだからといって、
【ハイ、自分のものとして、
自分本位に扱いましょう!】
なんて(なかなか)思えません・・。
かといって、
→ 安易に、
リスクを負って投資するのか?
・・・んー、
それもちょっと憚られる?
じゃあ、
→ そのままのカタチで
置いておいていいのか?
「いや、それもちょっと違う気がするなあ・・」
と悩んでしまい、
(結局)どっちつかずの状態に
なってしまうことが多々あります。
そんな『心のざわめき』が、
相談業務の中で
垣間見えたりします・・。
今、仮に、
Aさん一家に
『相続』が発生したとしましょう・・。
Aさんは
親御さんを失ってしまい、
悲しみに暮れていますが、
それと同時に、
頭の片隅の、
ほんとうに隅のほうで、
「いやあー、
ここだけの話、正直言うと、
お金を引き継ぐのが
8年くらい前に出来ていたらなあ・・」
と思ったりもするのです。
「あのときは、
長女と長男の受験が重なって、
2人分の入学金と授業料で
ウチは火の車だったから・・。」
あっ、もちろん、
これは『心の中の声』ですよ。
たしかに、
上記は「不謹慎!」
「我がまま!」といってしまえば
それまでですが、
わたしは
Aさんのお気持ちもすごーく分かります。
⇒ 日本の社会は
急速な高齢化が進む中、
50代、60代、
なかには70代で、
資産を引き継がれる方もおられます。
ひと昔前に比べて、
なんと云いますか、
【引き継ぎ】が、
後ろのほうにズレてきているのです・・。
(本題に戻りますが、)
相続した『資産』にはどこか、
自分のモノであって、
自分のモノでない雰囲気が漂います。
なので、
自分で【それを】
積極的に【動かす】ことが、
どうしても、
ためらわれてしまうのです・・。
ひとつ、
資産運用アドバイザーの立場から
提案させてください。
仮にあなたが
いくばくかの『モノ』を引き継いだとして、
【その、引き継いだ資産を、
そのままのカタチで、
守らないと、いけない。】
とは、
決して思わないことです・・。
たとえば、
○ 日本の個別株を7銘柄、相続された。
たとえば、
○ 町田市の3LDKのマンションを、相続された。
「やっぱ、このままのカタチで
持っておいたほうがいいのでは?」
(遺してくれた人の意思を尊重して?)
いいえ、
そんなこと全然ありませんよ・・。

ちょっと 深呼吸 してみましょう。
この『資産』を遺された人、
つまり、被相続人の【お気持ち】とは、
一体どんなものであったのでしょう?
<自分は頑張って、
これだけの資産を遺すことが出来た。
あとはこれらを、
君たちの生活、
人生に生かして欲しいのだ・・。>
そういう【お気持ち】ではなかったでしょうか?
つまり、
資産のカタチ云々より、
それを実際、
生かしてもらえるか、
有効に使ってもらえるかどうかが大事、
ということ・・。
あなたやわたしにとって
重要なことは、
そのような被相続人の、
【意思】を引き継ぐことだと思います。
決して、
資産の【カタチ】を引き継ぐことではありません・・。
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| 人生をプランニングする
| 10:17
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2015.06.17 Wed
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
7月に所用で関西に参りますので、
・7月19日(日)『広島』
・7月20日(祝)『福岡』と、
【夏の★出張コンサルティング】を
実施させていただきます。
<この機会に資産運用のモヤモヤを解消させたい! >
という方は、どうぞご一報くださいませ。
すべての枠でご予約を頂戴いたしました。誠にありがとうございます。

~ あなたが求めているものは何でしょうか? ~
○ インデックス・ファンド、ETFの選び方
○ ポートフォリオの組み方を教えてほしい
○ NISA口座ってどうなの?
○ 確定拠出年金はどう利用すればいいの?
○ ダメな投資信託、金融商品の見分け方
○ どの金融機関を窓口にすればいい?
○ 今の運用のやり方を改めたい・・。
具体的には、今、保有している投資信託、
個別株、保険商品を整理して、
シンプルなポートフォリオを作りたい!
● コンサルティング【対応可能時間】
広島! 7月19日(日)
「ANAクラウンプラザ広島」
(1F オールデイダイニング フリュティエ)
A枠 10時30分 ~ 12時00分(ご予約済み)
B枠 13時00分 ~ 14時30分(ご予約済み)
C枠 15時00分 ~ 16時30分(ご予約済み)
D枠 17時00分 ~ 18時00分(ご予約済み)

福岡! 7月20日(祝)
「ハイアットリージェンシー福岡」
(1F バー&ラウンジ/ロトンダ)
A枠 10時30分 ~ 12時00分(ご予約済み)
B枠 13時00分 ~ 14時30分(ご予約済み)
C枠 15時00分 ~ 16時00分(ご予約済み)
D枠 16時30分 ~ 18時00分(ご予約済み)
コンサルティングご希望の方は、
【こちら】からお申込みくださいませ。
(お電話でもお申込みを受け付けております。
TEL 03-6435-0078)
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| コンサルティングのお知らせ
| 17:29
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2015.06.16 Tue
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| 確定拠出年金(iDeCo、企業型)
| 12:12
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2015.06.12 Fri
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
確定拠出年金に加入されている方が
500万人を超えています。
(当然、)当オフィスのコンサルティングでも、
確定拠出年金に関する『ご相談』が増えています。
より正確にいうと、
○ 自分でやっている資産運用と、
○ 確定拠出年金 を、
どう整合させればよいのか、
という『お悩み』ですね。
今日は
企業型確定拠出年金
(ここでは『会社型DC』と呼びます)
を例にお話ししますが、
会社型DCって、
いったい何かというと、
会社の都合で導入された、
『つみたて投資』なのです。
このお金(毎月の拠出額)を、
どんなふうに増やしていくかで、
セカンドライフの
あなたの生活が変わってくる・・。
そういう意味では、
<会社型DC = あなたの資産運用>
に他なりません・・。
(伝わっていますね?)
たとえば今、
毎月4万円のつみたて投資
(ここでは『通常つみたて』と呼びます)
をしている山中さんが、
会社型DCに加入したとします。
毎月4万円の『通常つみたて』は
もう20ヶ月くらい続けていて、
残高は90万円近くになっています。
ちなみに、
毎月の4万円の
投資の内訳(配分割合)は、
・円建てMMF 12,000円(30%)
・先進国債券インデックス12,000円(30%)
・日本株式インデックス 1,600円(4%)
・先進国株式インデックス 9,600円(24%)
・新興国株式インデックス 4,800円(12%)
となっています。
一方、
会社型DCの毎月の「拠出額」は
2万円です。
で、カンさん、
会社型DCという名の資産運用を、
ワタシはいったい
どう位置付ければよいの?

はい・・、どちらも
山中さんのセカンドライフを
支える資産運用なのですから、
『通常つみたて』
+『会社型DC』と捉え、
⇒ ワタシって結局、
毎月6万円分のつみたて投資を
しているんだ・・、
と自覚することが大切でしょう。
「そっか。その中で、
【ひとつのポートフォリオ】を作ればいいんだわ・・。」。
はい、その考え方は、
いっけん理には適っています。
ちょっとイメージしてみましょう。
さっそく毎月6万円のつみたてとして、
以下の『配分割合』を想像してみるのです。
・円建てMMF 18,000円 (30%)
・先進国債券インデックス18,000円 (30%)
・日本株式インデックス 2,400円 (4%)
・先進国株式インデックス14,400円 (24%)
・新興国株式インデックス 7,200円 (12%)
経済評論家の山崎元さんは、
山崎元「ホンネの投資教室」の中で
次のようにおっしゃっています。
確定拠出年金には、
運用益に対する課税を将来まで
繰り越すことが出来る税制上のメリットがある。
これを最大限に活かすためには、
自分が運用している
アセット・クラス(資産分類)の中で、
最も税制上のメリットが大きな資産クラスを
確定拠出年金に「割り当てる」ことがポイントだ。
(山崎元「ホンネの投資教室」
『第209回 確定拠出年金の最適な運用法は?』より)
なるほど・・。
たしかに合理的な考え方です。
もし、山崎説に従うのであれば、
山中さんの場合、
配分割合40%部分の株式は
すべて、
会社型DCで運用したほうがよさそう・・。
えー、6万円のうち
株式部分の40%って、
24,000円になりますね。
( 赤の部分、です)
・円建てMMF 18,000円 (30%)
・先進国債券インデックス18,000円 (30%)
・日本株式インデックス 2,400円 (4%)
・先進国株式インデックス14,400円 (24%)
・新興国株式インデックス 7,200円 (12%)
たとえば、
『会社型DC』の 2万円分 は、
・日本株式インデックス 2,400円
・先進国株式インデックス14,400円
・新興国株式インデックス 3,200円
というふうに配分するのです。
(※ ここでは
『会社型DC』の商品ラインナップに
新興国株式インデックスがあるという前提です。)
すると、
『通常つみたて』の4万円分は
以下のようになります。
・円建てMMF 18,000円
・先進国債券インデックス18,000円
・新興国株式インデックス 4,000円

まさに、
『会社型DC』と『通常つみたて』を
合わせて、
ひとつのポートフォリオ!ですね。
さて、本題はここからです・・。
会社型DCが導入されて
3年が経ったとしましょう。
山中さんの資産残高は
『会社型DC』と『通常つみたて』を合わせて
ナント240万円になっています。
(儲かっています!)
山中さんはそれまで
『リ・バランス』という概念を
知らなかったのですが、
今回はじめて『リ・バランス』を
やってみることにしました。
毎月6万円分のつみたてのイメージですよ。
トータルの運用資産が240万円なっています。
そして、
積み上がった各資産の『割合』が、
・安全資産(円建てMMF) (20%)
・先進国債券 (20%)
・株式 (60%)
になっていたとしましょう。
あれ??
ほんらい、
山中さんがイメージしていた
ポートフォリオ(資産配分)は
・円建てMMF (30%)
・先進国債券インデックス (30%)
・日本株式インデックス (4%)
・先進国株式インデックス (24%)
・新興国株式インデックス (12%)
つまり、
・安全資産(円建てMMF) (30%)
・先進国債券 (30%)
・株式 (40%)
でしたよね。
この場合、
積み上がったご資産部分について、
株式を20%分売って、
そのうちの10%で
安全資産を買い増し、
残り10%分は
先進国債券を買い増す。
という『リ・バランス』を
する必要があります!

株式を売る際は、
『会社型DC』の中で、
・日本株式インデックス
・先進国株式インデックス
・新興国株式インデックス
を「売却」することになりますね。
もちろん、可能です。
あっ、それに
『会社型DC』では、
課税が繰り延べされますから、
利益が出ている株式ファンドを売っても、
(その時点では)課税されないのです。
<これはラッキー!>
では、
株式を20%分売って、
そのうちの10%で
安全資産を買い増し、
残り10%で、
先進国債券を買い増す。
あれ??
これって・・、あの・・・。
えー、よーく考えてみますと、
『確定拠出年金』では、
口座の外に
お金を出すことができません。
ということは?
ということは結局、
「リ・バランス」をするには、
『会社型DC内』で、
安全資産や、先進国債券を
買う必要が出てきますね。
すると、どうなりますか?
★ 結局、『会社型DC内』で
保有する商品は
株式のみではなくなるわけです・・。
次に、株式が不調だった際の
『リ・バランス』はどうでしょうか?
会社型DCが導入され
3年が経ちました。
株式市場の不調が続き、
山中さんの資産残高は
『会社型DC』と『通常つみたて』を
合わせても、
190万円にしかなっていません。
(残念ながらマイナスのリターン・・)
今、
積み上がった各資産の『割合』が、
・安全資産(円建てMMF) (40%)
・先進国債券 (40%)
・株式 (20%)
になっています。
ほんらい、
山中さんがイメージしていた
ポートフォリオ(資産割合)は
・安全資産(円建てMMF) (30%)
・先進国債券 (30%)
・株式 (40%)
ですから、
積み上がったご資産部分について、
安全資産を10%分
売って、また、先進国債券も10%分
売って、合わせて20%分で
株式を買い増す。という『
リ・バランス』を
行う必要があります。
これ、
もちろん、出来ません。『確定拠出年金』では、
口座外から、
任意にお金を入金する、
ということが出来ないためです・・。(もちろん、毎月の拠出額以外で
純粋に、ある商品を買い増しする、
ということも出来ません・・)
結局のところ、
あなたが背中に背負う
リスクの量を維持しながら、
『通常つみたて』と
『会社型DC』を合わせて
資産管理を行っていくためには、
(ココ、重要ですよ、)
『通常つみたて』と
『会社型DC』で、
それぞれ【同じポートフォリオ】を作る、という「発想転換」をしたほうが、
管理がしやすいと考えます・・。
(※ この種のご相談が、
昨年あたりから
たいへん多くなってきているのです・・)
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