カンさん、外貨建ての商品を買わないと円安対策にならないんでしょ? その2)
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
はい、その1)の続きとなります。
日本は島国であるため、
「海外で運用されている・・」とか、
「外貨で運用する・・」という、
海の向こう感が出ている金融商品に、
どうも弱いのではないでしょうか。
たとえば、
『たわらノーロード 先進国株式』と、
マン島のオフショア運用会社が運用する
『アルファ・グローバルエクイティ
ヘッジド・ダイバーシファイドEX2010』(仮名です)は、
まったく違う【投資対象】なのでしょうか?
(いや、外国株で運用する、
という意味では同じです。)
仮に今、
『たわらノーロード 先進国株式』を
1万円分購入したとしましょう。
あなたの【1万円】は、
どんな資産に変換されますか?
あなたの1万円は、
○ USドル建ての株、
○ ユーロ建ての株、
○ イギリスポンド建ての株、
○ カナダドル建ての株、
○ オーストラリアドル建ての株、
○ スイスフラン建ての株、
○ スウェーデンクローネ建ての株など、
実に細かく、
「銘柄」として、
「国・地域」として、はたまた
「通貨」として【分散】されるのです。
でも、当該ファンドの基準価格は、
『円建て』で示されますよ。
アレ?
(これってなぜ?)
上記の外貨建ての
たくさんの株式は、
毎日毎日、それぞれの『通貨建て』で、
【株価】が表示されます。
たとえば、
アップルは今日1株 110ドル!とか。
かつ、株価は毎日【変動】します。
実は、
『たわらノーロード 先進国株式』って、
1300近い、
外貨建ての株式の【株価】を、
毎日毎日、いちいち
『円建て』に直して、
そして、
当該ファンドの基準価格を
【円建て】で算出しているのです。
(その日その日の「為替レート」で!)

【ちょっと突飛な例・・】
仮に、当ファンドが内包する
さまざまな通貨建ての
1300近い【株価】が、
その日、まったく変わらなかったとしましょう。
しかし、
「円」が多くの通貨に対して安くなると、
当該ファンドの【基準価格】はどうなりますか?
「基準価格は、上がるのです。」
つまり、
『たわらノーロード 先進国株式』は
円建てで売り買いしますが、
立派に【為替リスク】を負っているということ。
次に、外貨預金です。
もし、あなたが『外貨預金』をお持ちなら、
「外国債券インデックスファンド」のほうが
道具としてベターだと思います。
○ 外貨預金は、
ポートフォリオに組み込むべき
金融商品ではありません。
外貨預金って、
「ひとつの通貨」を購入する行為ですね。
よく考えてみてください・・。
背中にわざわざ
【為替リスク】を背負うのに、
「通貨のみ」を購入するのは、
なんとももったいないとわたしは思います。
どうせ【為替リスク】を負うなら、
一歩進んで、
「外貨を買う」⇒(そこから)「債券を買う」
というプロセスまで踏んだほうが、
期待リターンは高くなります。
あるいは、
○ コンサルティングの中で、
「USドルがあるので、
海外ETFを買いたい・・」
とおっしゃるお客様がおられます。
別に
米ドルを持っているからといって、
海外ETF(ドル建て)を
買わないといけない!
ということは全然ありません。
今そこにある【通貨】は、
モノを買うための道具に過ぎず、
それは投資の本質部分ではありません。
大切なのは、
あなたが【何を】買いたいかなのです。
もう、表面的な【通貨分散】を
気にする必要はありませんよ。
グローバルに投資を行う
インデックスファンドを
いくつか組み合わせれば、
(たとえば、円建てで購入したとしても)
広範な【通貨分散】が
自然に出来てしまいますから・・。
したがって、
「円と外貨の割合をどうしよう?」とか、
今のうちにドル資産を買っておく?とか、
もう、【通貨が主人公の
資産管理のシナリオを描く】必要はないのです。
最後に、
この1週間のように
急に「円安」が進むと、
絶対的な評価基準として、
【もう円安になってしまったし。】
という言い方を目にしますが、
これも、ちょっと違いますよ・・。
(1998年のアジア通貨危機当時、
1ドル=147円台まで
円安が進んでいましたから。)

私たちの投資の計画は、
【長期つみたて】と
【長期取り崩し】のセットです。
まるで山を登って、山を下りるプロセスのよう。
仮に、ここから円安が進んでも、
気にせず、粛々とつみたて(購入作業)を
続けましょう。
(逆に、円高のときのつみたては嬉しいでしょ?)
あなたが66歳になって、
取り崩し(解約作業)を始めるとき、
円高に振れていても、
気にせず粛々と取り崩すのです。
73歳になれば、
円安局面になっているかもしれません。
(そのときの解約はまた嬉しくなるはずですから・・)
◆ 参照記事
【海外ファンドを長期で積み立てることが流行っているようですが、
ズバリどうなのですか? その1)】
【海外ファンドを長期で積み立てることが流行っているようですが、
ズバリどうなのですか? その2)】

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