良さそうなものを選ぶ? 投資信託では要注意!
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
一消費者として、
「良さそうなもの」を
選ぼうとするのは当然でしょう。
冷蔵庫や冬物のセーターを買うとき、
私たちは無意識に、
『費用対効果』を最大化させようとします。
ところが、
投資信託では・・「要注意」なのです。
投資信託の効用は
「あなたのお金が増えること」ですが、
その効用は
「いつ」「どんなふうに」
「どれくらい」生まれるのか、
あらかじめ決まっていません。
(なんだかヘンな商品・・)
たとえば、2016年、17年と、
大きなリターンを上げているのは、
まあ【良さそうなファンド】ですよね。
モーニングスターで
『5つ星』に輝いているかもしれません。
しかし、このような投資信託は、
【これまで良かったファンド】であり、
これから先【良いファンド】かどうかは、
今の時点ではまったく分かりません。
ココ、冷蔵庫とは
本質的に異なるのです。
これまで【良かった冷蔵庫】は、
来年も問題なく、
【良い冷蔵庫】なわけです。
(そうですよね?)
冷蔵庫、冬物のセーターは、
【外的環境】に関わらず、
いつでも同じ【効用】が期待できます。
でも、投資信託は
そもそも【効用】が定まっていない。
かつ、【外的環境】の影響を
もろに受けてしまいます。
つまり、冷蔵庫のような理屈で
投資信託を選んでしまうと、
大火傷をしてしまう可能性があるのです。

DiMeo Schneider & Associates という会社が、
2007年に投資信託に関する
以下のような調査を行っています。
2006年末に至る10年間で、
上位25%の成績を収めた
株式ファンドをピックアップ。
10年間を通じての上位25%ですから、
なかなか優秀なファンド達なのですが、
そのうちのなんと9割は、
10年間のうち3年も、
全株式ファンドの中で
「平均以下」の成績に埋もれていました。
そして驚くべきことに、
優秀ファンド(上位25%)の半数以上が、
10年間のうち実に5年以上、
「平均以下」の成績に放置されていました。
シンプルに尋ねますが、
あなたは
5年間も「平均以下」の成績に
埋もれているファンドを、
買いたいと思いますか?
理屈的にはイヤですよね・・。
5年間も「平均以下」の成績に
埋もれているファンドを見て、
「おぉ、これは将来儲かるかも!」
と考えるのは、
ちょっと少数派の思考かもしれません。

仮に、ですよ、
5年間も持っていて、
「平均以下」の成績しか上げていないファンドを
あなたはもうイヤになって、
売却したとしましょう。
今度は、
「平均以上」の成績を
今まさに上げているファンドを
血眼になって探し、それを購入します。
あなたの行動は、
これから伸びようとする
一見「成績の悪い」ファンドを売却し、
これから下がってしまうであろう
一見「成績のよい」ファンドを
購入することにはならないでしょうか?
(あくまで「可能性の問題」ですが)
成績がわるい【金融商品の価格が下がっている】
↓
売る。
成績がよい【金融商品の価格が上がっている】
↓
買う。
これは、金融商品を安いときに売って、
高いときに買う行為ではないでしょうか。
かつ、金融商品の成績を見て、
投資行動を取る(= 追いかける)という、
典型的な【後追い行動】です。

人は、今目の前で確認できる
『数字』を、
いちばんに評価してしまうため、
「これまで成績がいいよ!」
「あっ、良さそうなファンドだ」
と【条件反射】してしまうわけです。
言い方を換えると、
5年間も「平均以下」の成績に
埋もれているファンドを持っていて、
夜ぐっすり眠るためには、
「今」ではなく、
今からだいぶ先の
「将来のある地点」を
想像できるチカラが必要なのです。
この数年、大きくその価値が
下がっている市場を見て、
「ああ、またマイナスかよ・・」
と嘆くのではなく、
「将来のプラスのリターンを
溜め込んでいる【状態】なんだ」と、
解せるようになれば、
あなたも真の投資家ではないでしょうか・・。

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