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リターン、リスク、相関係数の中で、いちばん信頼できるのは「リスクの大きさ」


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今、あなたの目の前に、

〇 日本株式
〇 先進国株式
〇 先進国債券 という、

3つの置物【投資対象】が、
置いてあるとしましょう。

これらを組み合わせて、

「いっちょ、ポートフォリオでも作るか!」


ということになりました。

あなたはおそらく、
3つの置物(投資対象)のウラ側を見て、

それぞれの、

1.リターン(Return)
2.リスクの大きさ(Risk)
3.(異なる資産との)関係性(Correlation)


をチェックしたくなるはず・・。


1.リターン
過去に起きた【損益

2.リスク(標準偏差)
その【損益のブレの大きさ

3.相関係数
異なる投資対象との【関係性】は、

日本株式、先進国株式、
先進国債券とも、
きちんと「数値化」されています。


(3.の『相関係数』とは、
異なる投資対象と、
どの程度値動きが似通ってきたか、
あるいは違ってきたかを「数値化」したもの)


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1.~3.はいずれも、
過去に起きたことの「数値化」ですね。

仮に、ですよ、

リターン、リスク(標準偏差)
関係性(相関係数)のすべてにおいて、

【過去に起きたことが、
そのまま未来にも起こる】のなら、


私たちはかなり正確に、
ポートフォリオの
【リスクとリターンの最適ポイント
(最適配分)】を導けるはずです・・。


が、残念ながら、
世の中、そううまくは行きません。

今日ご紹介したいのは、
わたしがFPになって間もない頃に
買った本、

山崎元さんの
【年金運用の実際知識】です。


山崎さん

(なんと初版は1997年!)


同書の中に、
次のような文章があります。

過去のデータを用いることについては、
W.Sharpeが
うまくまとめた表現が印象に残っています。

彼は、アセットアロケーションを行う場合に
過去のデータ(histric data)は、

標準偏差に関しては
「非常に有用」(quite useful)で

相関係数に関しては「そこそこに有用」
(reasonably useful)だが、

期待リターンに関しては
「ほとんど役に立たない」
(virtually useless)と書いており、


はい、引用ここまで。

なるほど、分かりやすいですね。

(※ W.Sharpeとは、
あのウィリアム・シャープさんのこと)

上記はまさに、
ポートフォリオを構築する際、

〇 リスク(標準偏差)については
過去のものが未来にも使えるが、


〇 リターンについては、
過去と未来はまったく別物であり、
(したがって使えない・・)


また、

〇 異なる投資対象間の関係性
(相関係数)については、

まあ、ある程度、
過去の「関係性」が続くかもしれない。


と言っているのです。


無題


わたしはこの【考え方】を、
コンサルティングの現場で、
とても大切にしています。

私たちが
資産の組み合わせを行う際に、
もっとも当てになる情報は、

日本株式、先進国株式、
先進国債券などのリターンが、

この先、
どの程度ブレるのかという
ブレの大きさ(リスクの大きさ)』なのです。


ですので、
わたしがいつも強調するのは、

リスクの大きさを
「2標準偏差」程度と捉え、

最悪の1年に遭遇した場合に、
あなたのポートフォリオが
〇〇%くらい下落するおそれがありますよ・・


という点なのです。


異なる投資対象の
『相性の良さ・悪さ』(相関係数)は、

同じ関係性が
続くかもしれないし、
そうではないかもしれません・・。

(しかしながら、異なる資産を
(組み合わせないよりは、)
組み合わせておいたほうがよいのです


そして(未来に向けて)
いちばん当てにならないのが
「過去リターン」なのですから、

資産運用というのは
なかなかに厄介な作業であるわけですね。


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蛇足)

運用業界でいう『期待リターン』
という言葉は、

過去リターンを、
ポートフォリオ組成上
そのまま「使えない」ので、
無理やり生み出した概念ではないかと、
個人的に思うことがあります・・。

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1標準偏差 = リスクの大きさではありません

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