リ・バランスって冒険なの?
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
最初に用語の整理をしておきましょう。
〇 自分が当初決めた資産配分を
「これは違う!」と感じて、
新たな資産配分(ポートフォリオ)に作り直すことを
【リ・アロケーション】と言います。
〇 自分が当初決めた「資産配分」が
月日が経ってズレてきたため、
元の割合に戻してあげることを
【リ・バランス】と言います。
上記二つは(行動としては)
『まったく違っていますね。』
残念ながら、
資産配分を元に戻すだけの「リ・バランス」を、
多くの人が誤解しているところがあります。
「先進国株式を4割持とう」
「先進国債券を3割持とう」と
自身が決めた「資産配分」を、
(その割合がズレてきたため)
ふつうに元に戻すことは、
ズレたまま
ハンガーに掛かっているスーツを、
「元に戻す」のと
まったく同じではないでしょうか?

これって何もアクティブな行為ではないですし、
恣意的でもありません。
「リ・バランス」を
多くの人が誤解しているのは、
〇 いつやればいいのか?
〇 どのようにやればいいのか?
という『ルール化』のところが曖昧で、
恣意的な行いと映ってしまうからでしょう。
ひとつずつ見ていきますね。
(リ・バランスを)
〇 いつやればいいのか?
という命題に対して、
資産の状況を
あなたのほうからいちいち観に行く
(= チェックする)必要はありません!
「一定期間ごと」で、
資産の現状を(なかば義務的に)
【定点観測】するだけ・・。
たとえば、
年に1回、田舎に帰省する。
年に1回、部署内で歓送迎会をする。
年に1回、子どもの運動会に参加する。
年に1回、自動車保険の更新をする。
年に1回、ビルの屋上の「避雷針」をチェックする。
そういう「恒例行事」と同じです。
また、
〇 どのようにやればいいのか?
という点も答えはとてもシンプルです。
(割合が増えた)投資信託を売って、
そのあと、
(割合が減っていた)投資信託を買う。
すなわち「一度にする!」
ズレたまま
掛かっているスーツを「元に戻す」のに、
少しずつ『する』人はいません。
一度にしますよね?
なぜなら【元に戻すだけ】だからです。

年に1回(ないし2回)の
『リ・バランス実行日』は、
その『日にち』まで
事前に決めてしまったほうがよいでしょう。
〇 まず「月」を決める。
誕生月、年度末、12月、1月?
〇 日にちも決める。
第4週の金曜日。月の最終日。
月のはじめ。給料日。
あなた自身が覚えやすい日を・・。
もちろん、
投資信託を売って、買ってという作業をすれば、
「複数日」時間がかかってきます。
が、大事なことは、
リ・バランスの「し始め日」を
予め決めてしまうこと!
そして、
【定点観測の日】を動かさず、
繰り返し継続し、ルール化する。
(ちなみにどの「月」が
リ・バランスに有利とか、そういうものはないですよ(^^)

運用資産の群れは、
1年365日、忙しく動き回っています。
が、あなたは
その運用の『土俵』をはるか彼方に眺めながら、
365日のうち、たった数日、
ポートフォリオという観点から、
資産状況を覗き込んで、
ズレた部分を
エイッ!と
元に戻す。
「あとは?」
あとは・・
半年寝太郎、1年寝太郎でよいのです(^^)
9月にリ・バランスする大川さんが、
8月にマーケットの大きな変動を経験しても、
「ワタシのリ・バランスは9月18日だから。」と、
平然と構えてよいわけです。
リ・バランスでもっとも重要なことは
【規則性】ですから。
くれぐれも、
マーケットのアップダウンにつられて、
恣意的に、
不規則に
「リ・バランス」をしてしまわないこと。
虫とり小僧さんの
こちらの記事も参考になりますよ!
『機械的なリバランスはアクティブな投資行動なのか』

- 関連記事