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「人情紙風船」珠玉の日本映画です・・


先日、
昭和12年に公開された「人情紙風船」を観ました。
この映画は中国戦線で昭和13年に戦死した
映画監督 山中貞雄の遺作です。

フィルムは傷んでいる箇所があるため、
多少見づらいシーンはありますが、
とても70年以上も前の作品とは思えませんでした。
(DVDで残してくれてありがとう!)

深川の長屋のセットはしっかりと時代考証がなされており、
登場人物が生き生きとしています。
(画面から江戸庶民の日常が伝わってきます)

なにより、カット割りが潔い。
物語の中で「雨」と「晴れ」の景色が効果的に使われ、
場面展開の仕方も今日の映画と変わらないほど格好いい。

主役の髪結い新三の、洒脱な江戸弁が耳に心地よく、
江戸の男の『張り』を絶妙に演じています。

それと対比させるかのような、
浪人海野の屈折した重々しい表情が印象的です。
(雨の中、海野が立ちつくすシーンは胸に迫るものがあります)

そして、短く、余韻を残したラストの数カットは、
北野映画をはじめとした、
突き放すような表現スタイルのさきがけといえるでしょう。

昭和12年にこんな映画が存在したことに驚愕するとともに、
山中貞雄の夭折が惜しまれます。
DVDはちょっと高かったのですが、これは永久保存版です。
(個人的には
 川島雄三監督の「幕末太陽傳」と並ぶ傑作だと思います..)




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