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相談業務に欠かせないのは、リスク許容度とライフイベントのヒアリング その2


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

以下の文章は、
Financial Adviser」(近代セールス社)2011年4月号
のインタビュー記事

「インデックス投資アドバイザー カン・チュンド氏に聞く」の
後半部分です。
(皆さんの資産運用の一助になれば幸いです・・)

カン もう一つ、重要なことがライフイベントの確認です。
お客さまの今後の人生で、どんなライフイベントが発生し、その際にどんな資金ニーズがあるのか。

この点をお聞きすることで、
投資に回してよいお金と回してはいけないお金をしっかり線引きしていただくわけです。

ライフイベントをもとにした
資金の線引きとリスク許容度は、たがいに呼応し合っているとも言えます。

具体的には、家族構成(夫婦それぞれの両親、兄弟含む)、
住宅購入の予定、子息の独立予定や結婚予定、ご両親の住まいなどをしっかりヒアリングします。

家族構成や住宅等資産状況をお聞きするのは、
相続後の資産の移動まで考慮しながら、
現在の資産運用を検討しなければならないからです。

例えば、一般的に
人生で最も大きなライフイベントはマイホームの購入ですが、お客さまは、住宅ローンを組んで不動産を購入することと、リスクをとって投資信託を購入することを全く別のイベントと考えがちです。

ところが、
ファイナンシャル・プランニングとしては、この二つのイベントは大きく関係があるわけですね。

一方で住宅ローンを組む、もう一方で
リスクのある投資信託を購入する、これはふたつのリスク資産(不動産、投資信託)を同時に保有することです。

この場合、投資信託を購入するより、
住宅ローンの繰上げ返済を行ったほうが得策ではないでしょうか。

また、こんな例もあります。
お客さまに家族構成をうかがうと、ご夫婦ともに一人っ子でそれぞれの両親が持ち家に住んでいるというケースです。それならば、お客さまは本当にいま住宅購入を行う必要があるのか? 

マイホームではなく賃貸で暮らせば、
家計収支の範囲内で賃貸費用をまかなえて、その分、リスク許容度が上がって資産運用に回せるお金が増えるかもしれませんね、といったアドバイスにつながっていくわけです。

このように、資産運用のアドバイスといっても、
コンサルティングの段階でお客さまと話し合うのは、インデックス投資そのものよりも、もっと大きな視点で見たお客さまのライフプランニングがテーマになっているということです。

ポートフォリオは安全資産も含めて考える

――資産運用アドバイスでは
リスク許容度の確認が重要とのことですが、
投資信託というと、個人投資家の中には、どうしても値下がりが恐いというように、極端にリスク回避的な人もいると思います。そのような人には、どのようなアドバイスが適切でしょうか。
 
カン 「資産運用が大切なことはわかるけれど、
できるだけ損はしたくない」と考える人は少なくありません。

そのようなお客さまには、
ポートフォリオの組み方として、余裕資金500万円のうち200万円だけを投資に回にして、300万円を安全資産に預けておきましょうといった提案を行うのも一つの考え方です。

さらに、投資する200万円についても、
すべてを株式ファンドに投資するのではなくて、他の資産に分散投資をしてできるだけリスクを抑えていきます。

このように、まず運用の対象とする資金を一体化して、
その中で、さらにリスク資産の割合を小さくしていくと、リスク資産の価格変動を無リスク資産を含めた資産全体で見ることになるため、実際の価額変動の大きさがリスク資産の中だけで見るよりも小さく見えることになります。

価額変動そのものが小さくなるわけではありませんが、
価額変動に敏感なお客さまに対しては、こうしたポートフォリオの見方の提案は効果的ではないかと思いますね。

――お客さまの中にはここ数年人気を博している
高分配型ファンドについてアドバイスを求めてくる方もいるのではないでしょうか。カンさんは、分配型についてどのようなアドバイスをされているのでしょうか。

カン 分配金の説明をするときは、
できるだけ具体例を用いてわかりやすく話すようにしています。

例えばこうです。仮に基準価額1万円で、
毎月分配金を60円出す外国債券ファンドがあるとします。毎月60円ということは年720円、つまり、このファンドは年7・2%の分配金実績です。

このファンドが将来にわたって
年7・2%の分配金を出し続けるためには、毎年7・2%以上、ファンドの価値を上げなければなりません。

これはどういうことかというと、
外国債券で7・2%の利益を出すのか、あるいは為替が円安になって為替の利益を分配金の原資とするのか。

仮に外国債券で4・0%、
円安で3・2%の利益を出すとします。ところで、円安が毎年ずっと続くなんて現実的でしょうか…。

このように説明すると、多くのお客さまが、
ファンドが高分配を長く継続していくことの難しさをよく理解してくださいます。

分配型ファンドについては、
運用会社の立場で毎月分配の手間を考えてみることも、分配型が果たして効率的なしくみなのかどうかを考えていただくためのきっかけになると思います。

販売金融機関の窓口はいま、
どんな投資信託がトクなのか?という観点で、ファンドをお客さまに紹介するだけの機関になってしまっています。

これは販売する側の行職員にとっても、
購入する側のお客さまにとっても、どちらにも残念なことではないでしょうか。

お客さまはなぜ窓口に来ているのか。
何か不安や悩みを抱えていて、それを解決したいために訪れているのではないでしょうか。

そうしたお客さまの潜在的な声に耳を傾けて、
お客さまの悩みを解決してあげる商品を提案できれば、それが顧客満足につながり、ひいては、金融機関がお勧めしたい商品の販売も、その延長線上で実現していくのではないでしょうか。

そして、販売金融機関においても、
リスク許容度やライフイベントに基づいた資産運用のアドバイスに今まで以上に取り組んで、お客さまとの長い期間にわたる信頼関係を築いていってほしいと思います。
 
FPという存在はお客さま自身を映す鏡

――超低金利が続くなか
資産運用の必要性を誰もが感じ、それが投資信託などリスク性商品を活用した資産運用につながっています。

今後、家計の収支予測が難しくなる中で、
今まで以上にライフプランに基づいた資産運用が大切になってくるのではないでしょうか。FPの役割はますます重要になってくると思いますが、いかがでしょうか。

カン FPとは「お客さま自身を映す鏡」なのではないでしょうか。
リスク許容度もライフイベントも、それらを含めて自分自身のすべてを客観視する、俯瞰することはなかなか難しいことです。

例えば、今月の給料が
先月よりどれだけ上がったかはチェックするけれど、5年後10年後のライフイベントにどれだけの資金が必要かには考えが及ばないものです。

だからこそ、お金を払ってでも
自分のマネー状況を第三者に客観視してもらう、その役割を担うのがFPではないかと思います。

そう考えると、FPはお客さまに選ばれる職業、
サービス業と言えるかもしれません。お客さまが複数のFPの中から、この人に相談しようと思えるFPを選ぶとするなら、FPはもっと個性を表に出してよいのではないでしょうか。

例えば、私の場合はインデックス投資を推奨します。
別に、アクティブファンドを勧めるFPがいてもいいのです。

マイホームについても
持ち家派のFPがいても賃貸派のFPがいてもよい。要するに、お客さまが共感できるような考え方を表に出せるようなFPが世に多く出てくること、それが多様性ということであり、結果としてお客さまに対するFP全体のサービスが向上していくことにつながるのではないでしょうか。

その中で私は、今後も
インデックス投資を中心としたアドバイスを展開しながら、お客さまの不安や悩みを解決していけるFPサービス業に取り組んでいきたいと思っています。




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