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ウォーレン・ベイティのレッズと叔父の早すぎる死


こんにちは。カン・チュンドです。

ウォーレン・ベイティ監督の映画「レッズ」(1981年)を観て、
こんなことを思いました。

―人は「経済」でグローバル化する前に、
「イデオロギー」でグローバル化しかけたことがあるのだ。-

誤解がないよう申し上げると、
わたしは、「人が努力をする」=「可能性を切り開く」
という意味で、資本主義が
人類にもっとも適した経済のしくみだと思っています。

しかし、初期の頃の資本主義は今よりずっと横暴で、
貧と富が鮮やかに二極を成す社会を作っていました。

多くの人が貧しく、搾取されていたことが、
共産主義が発達した第一の原因だと思います。

共産主義は私有財産を否定し、
皆が平等で、貧富の差がない社会を謳っています。

(当時の現状から見れば、)
これはまさに【社会を変える】ムーブメントであり、
このイデオロギーは19世紀末から20世紀にかけて、
まるで「熱病」のように世界を席巻しました。

(ちょうど20世紀の初頭は、
電信技術が発達し、蒸気船が実用化され、
人もグローバルに移動し始めた時代でした・・)

抑圧された人々にとって
共産主義という理想は自分たちを変え、
世の中のルールを変え、
社会全体を変えてくれる【希望の星】となります。

カール・マルクスは
「共産主義が実現するにつれて国家権力は死滅へと向かう」
と云い、また、
「労働者は祖国を持たない」とも云っています。

初期の共産主義は(明らかに)ボーダレスな世界
「世界革命」を目指していたのです。
~世界の労働者よ。連帯せよ。~

(映画「レッズ」の中でも、
ロシアの労働者が
インターナショナルを歌っているシーンがあります・・)

しかし、
―理想とは、まるで20歳の青年のよう・・。―

1917年10月革命の翌年、
最初のソヴィエト憲法が採択され、そこには、

「ブルジョワジーを完全に抑圧し、
人間による人間の搾取をなくし、
階級への分裂も国家権力もない社会主義をもたらすために、

強力な全ロシア・ソヴィエト権力のかたちで、
都市と農村のプロレタリアート
および貧農の独裁を確立すること」と明記されています。
(ウィキペディア「ロシア革命」より)

なんと清らかで潔い宣言なのでしょう・・。

しかし一方で、
共産主義という理想が彼方で輝いていればいるほど、
今、人が立っている現実との「ギャップ」が明らかになります。

私有財産を否定し、皆が平等で、貧富の差がない社会とは、
人の本性を巧妙に隠す社会でもあります。

人は、何かを所有したい生き物ですし、
人は、あなたとは違うと確認したい生き物ですし、
人は、差が存在することで潜在能力を伸ばす生き物です。

「レッズ」という映画そのものは、人が信念を持って
世の中を変えるために行動することの大切さを教えてくれます。
(観ていて、こちらの気持ちが瑞々しくなるような、
一種の青春映画なのです・・)

しかし、映画の中でも
革命が成就する過程で凄惨な権力闘争が起き、
また、官僚主義的な思考がまん延して、
当初の「理想」が崩れていく様子が描かれています。

(モーリン・ステイプルトン演じるエマという女性は、
「革命が犠牲になっている・・」というセリフを吐きます。)

わたし自身は
共産主義が説く理念はすばらしいと思っています。

いつか、資本主義の行く末に、
人が到達を目指すべき社会の形態であると感じています。

しかし、その道のりは遠いです・・・・。
ほんとうの意味での共産主義社会は、
実はまだ誰も経験していません。

わたしが許せないのは、
人が焦がれる「理想」を利用して、
満足に食べられない、自由がほとんどない、
独裁国家を作り上げた為政者たちです。

実はわたしの叔父は昭和30年代に
「貧富の差のない理想郷の建設」を夢見て
北朝鮮に渡りました。
そして、わたしが小学校5年生のときに
42歳で亡くなっています。

彼のようにイデオロギーに翻弄され、
イデオロギーの犠牲になった人は数限りなく存在します。
20世紀を通じて行った壮大な実験の意味を、
私たちは繰り返し検証しなければなりません・・。




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COMMENT

追記

マルクス主義については、
内田樹さんの文章が分かりやすいです。
【若者よマルクスを読もう・韓国語版序文】
http://blog.tatsuru.com/2011/07/16_1115.php


| カン・チュンド | 2011/10/24 11:30 | URL |














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