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お金持ちであることの苦痛(Aさんの場合)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

お金とは摩訶不思議なものです。

無いと、これほど困るものはないのですが、
たくさんあればそれでハッピーかというと、
(それが)必ずしもそうとは限りません。

現に、お金がたくさんあることで、
お金に対してネガティブな感情を抱き、
ときに痛みを伴いながら、

ワタシはこのお金を持つに値しない・・
という認識を持ってしまう場合があるのです。

わたしは投資アドバイザーという仕事柄、
一見外部からは見えにくい、
人とお金の【葛藤の姿】を垣間見ることがあります。

今からお話するのは、
Aさんという方からお伺いしたエピソードです。
(ご本人の了承を得て、お話させていただきます)

Aさんをはじめ、多くの人は
お金があることに対して、
ある種の【納得感】を求めているのではないでしょうか?

たとえば、自分がコツコツお金を稼いでいる。
(これは素晴らしいこと!)

より具体的に言いますと、

自分の仕事を通じて、
誰かに与えることができた「付加価値」と、
それによっていただいた「報酬」が

「バランスよいなあ」という実感があって、
自然に資産が積み上がっている・・・、

さらに言えば、
たとえば愛する人がいて、また、健康であり、
美味しいものが食べられて・・・
趣味も持っていて、
自分の周りの人もハッピーで・・・、

その上、それなりのお金が在る・・。

こういう【状態】になってはじめて、
人はお金との「適正な関係」を
保てるようになるのではないでしょうか。

(お金を過小評価、過大評価することなく、
お金を道具としてうまく利用できている状態、
すなわち「幸せな状態」ですね・・)

ところがAさんの場合は、

小さい頃から自分の周りにお金があり、
「自分はお金持ちの家の子なんだ」
という自覚がありました。

より正確にいうと、
自分は【他の子たちとは違う】という自覚です。

Aさんは小さい頃から
「他人の視線」を異常に気にしていたと言います。

Aさんのご両親は若い時分から苦労されて
全国チェーンの店舗を築き上げられた事業家で、

Aさんが住んでいた界隈では、
「事業家のAさんのところの息子さん」
として有名だったそうです。

・・誰もが知っているお金持ち一家。
・・誰もが知っている事業家の息子さん。

つまり、Aさんは
Aさん自身になる前に、
「事業家の息子さん」という帽子を被せられ、

そのことで、小さい頃から
有形無形の視線を浴びるようになっていたのです。

ご両親はもちろん、
Aさんによい服を与えていました。
(お稽古事もたくさんさせていました。)
また、言葉遣いにも注意するよういつも言っていました。

Aさんは
自分は他の子たちとは違う、という
特別感】を嫌悪していたと言います。

「わたしが求めていたのは、
周りの子と同じの、ごく普通の生活だったのです。」


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当時、まだ珍しかったイタリア製のクルマが
Aさんの自宅にはありました。
そのクルマを見るために、
わざわざ玄関先まで来る人もいたそうです。

また、Aさん一家は毎年夏になると、
海外旅行に出掛けていました。
(昭和40年代に家族で海外に行くというのは
たいへん珍しいこと・・)

Aさんは、
ご両親のことは尊敬していたけれども、

お金持ちにありがちな、
「過剰な華やかさ」を気にしない面においては、
ご両親に対して複雑な感情を持っていた、
と話されています。

お金があるから、
こういう居心地の悪い状況が起こるのだ。

所詮、お金と幸せは両立しない。
(どちらかを選ばなければいけないのだ・・)

お金の存在、そして、
ご両親の存在が重しになって、
Aさんは自分を過小評価していったのです。

「ぼくには○○が出来る」というような、
自尊心を育む機会も失いかけていました。

最大の問題】は、
Aさんの周りにあるお金は、
Aさん自身のモノではなく、
ご両親が稼いだモノだ、ということ。

お父様の死後、
Aさんの葛藤は激しくなっていきます。

「預金口座の数字を見るだけで
なんだか腹立たしくなりました。
これはわたしのお金ではないのです。

あたかも父親が、
お前は自分で稼ぐことができないだろうから、
わたしがこれだけ残してやったのだ。」
と言っているように見えてくるのです。

「自分はこれだけのお金に
到底価しない人間だ。」
Aさんはそう思い込むようになります..。

(お金に囲まれていることそのものに、
【罪の意識】さえ持つようになりました)

つまり、
Aさんはお金が嫌いだったのです
(それはYESです)

しかし、それと同時に、
Aさんにとって、
【お金がない生活】は考えられませんでした
(これまでのAさんの生活環境を考えてみましょう..)

この矛盾そのものに、Aさんは悩まされたのです。

Aさんは結局、
お父様が残された会社の役員であること、
また、株主であることを拒否されます。

その後、紆余曲折はありましたが、
現在では、自分自身で会社を経営されています。

今、挙げた例を見ても、
人がお金と適切な関係を築く、という意味では、
私たちはまだまだ「発展途上」にいるのだと実感します。

別の言い方をしますと、
人はまだ、お金の潜在可能性の、
ほんの一部しか理解していないのです・・。

money lesson




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