FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

新シリーズ「インデックス投資って、どこから生まれてきたの?」 その3)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

どんな分野でもそうだと思いますが、
新しいモノが生まれるときは、
決して「一点」で孵化が始まるわけではありません。

異なった複数の点
たとえば、A点、G点、R点が互いに関与し、
交わることで、ある種の【化学反応】が起こり、
プロダクトが誕生します。

「あのさ、別に
平均点に投資する道具があってもいいじゃない!?」
という、単純明快な好奇心から生まれた
世界初の「インデックス・ファンド」は、

言ってみれば、

ファーマさん(シカゴ大学)
マックーンさん(ウェルズ・ファーゴ銀行)
シュウェイダーさん(サムソナイト「企業年金」)
の交わりの結晶だったと言えるでしょう。

ついに、1971年7月、
ウェルズ・ファーゴ銀行は
世界初の「インデックス・ファンド」を組成するに至ります。

ウェルズ・ファーゴって?
今でもアメリカの代表的な銀行のひとつですよ・・)

この、世界初の「インデックス・ファンド」は、
個人向けではなく、
「サムソナイト」の企業年金のために作られました。

(当時の運用元本は
およそ600万USドルだったと言われています)

ウェルズ・ファーゴ銀行はどんなふうに
「インデックス・ファンド」を作ったかというと、
ニューヨーク証券取引所に上場する
株式約1,500社をすべて【同じ割合】で保有したのです。

ところが、運用の実態は・・・・、

後年、ウェルズ・ファーゴ銀行の
ウィリアム・ファウスが
「まるで悪夢のようだった・・」と述懐するように、
お粗末なものだったようです。

(・・ここは皆さん、
寛容な心を持ってあげてくださいね。
とにかく、史上初の試みなのですから。)

ウェルズ・ファーゴの運用チームは、
全銘柄の組み入れ割合を【同一】に保つために、
頻繁に「リ・バランス」を行いました。

すなわち、
株価が上がった銘柄は一部売却し、
株価が下がった銘柄は
一部買い増しする作業ですね・・。

しかし、ときは1971年です。
アメリカ市場では
株式の【売買委託手数料】はまだ自由化されておらず、
(固定制だったのです!)

リ・バランスに
想定以上のコストがかかってしまいました。

結局、ウェルズ・ファーゴの運用チームは
1973年に運用方法を変更します

(同じ割合で銘柄を保有するのをあきらめ、
時価総額によって組入れ割合に
【ウェイト】をかけることにしたのです・・)

同じ年、1973年に
アカデミックの分野」で新たな動きが起こります。

プリンストン大学のエコノミスト、バートン・マルキールが
【ウォール街のランダムウォーカー】を出版したのです。

翌年74年には、ポール・サミュエルソンが
ノーベル経済学賞を受賞しました。

サミュエルソンは投資の新たな選択肢として
インデックス・ファンドの必要性を説き、

誰かがインデックス・ファンドを立ち上げるであろう
と予測しています。


そして、1975年、チャールズ・エリスが
Financial Analysts Journal紙に
The Loser's Game」【敗者のゲーム】
と題した論文を発表します。

この中でエリスは、
─「過去10年間、85%のアクティブ・ファンドは、
S&P500指数を下回る成績しか残せていなかった。」─
と喝破します。

このような流れの中、個人投資家向けの
「インデックス・ファンド」立ち上げを決意したのが、
バンガード社の創設者、ジョン・C・ボーグルなのです。


vanguard-logo-big_large.jpg


◆ 1975年12月31日、
バンガード社は個人向けで初めてとなるインデックス・ファンド
「First Index Investment Trust」を設定します。
(S&P500との連動を目指すものでした..)

この試みは当初
“Bogle's Folly”【ボーグルの愚行】と呼ばれました。

当時、フィデリティインベストメントの
エドワード・ジョンソンは、次のようなコメントを残しています。

 【多くのアメリカ人が
  市場の平均で満足するなんて考えられない!】

また、インデックス・ファンドは
アメリカ人の「気質」に合っていないとも言われました。
なぜなら、アメリカ人は年少の頃から
【勝つ】ことを目標に行動するよう教えられているからです。

ボーグルは著書
「インデックス・ファンドの時代」の中で、

─当時はそもそも
S&P500平均のパフォーマンス自体がかんばしくなく、
私のファンドへの資金流入はなかなか進まなかった。─
と語っています。

1980年、バンガード社はファンド名を
「バンガード500インデックス・ファンド」に変更しますが、

結局1985年になるまで、
インデックス・ファンドを設定する
他の運用会社は現れなかったのです。

(んー、長い「冬の時代」ですね)
        【続く・・】




関連記事

| インデックス投資って、どこから生まれてきたの? | 12:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT














TRACKBACK URL

http://tohshi.blog61.fc2.com/tb.php/1577-bbac2425

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT