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ETFが投資信託の「ネタ」になっている?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今から50年前、
投資の代名詞は「個別株」であり、
投資信託という言葉を口にする人は限られていました。

きっと当時は、投資の世界そのものが、
限られた人のために存在する、
「秘密のサロン」のようなものだったからでしょう。

「カン氏。ここだけの話だけどね、
N社は、来週くるよ・・・・。」みたいな。

投資信託という道具は、
世界各地で「投資の大衆化」を後押しします。

投資信託は最低購入単位が低く、
おまけに「銘柄分散」を機能として備えており、
多くの人が感じていた
投資に対する「垣根」を一挙に引き下げてくれたのです。

銘柄分散について言えば、
「個別株」はそれこそ、数百、数千とあり、
一介の個人にとって
「個別の会社」を正しく選ぶことはまさに至難の技です。

たとえば、ここに
「ABCヨーロッパ株式ファンド」があるとします。

このファンドが保有する、
ベルギーに存在するダイヤモンド研磨会社のことなど、
あなたの日常生活の中では「知る術」がありません。
また、実際に直接投資を行う「手段」も限られています。

言うなれば、
「ABCヨーロッパ株式ファンド」という大型船が、
大規模に移動しながら、
ヨーロッパ各地の「良さそうな会社たち」を、
効率的にピックアップしてくれているわけです。

この「ヨーロッパ株式ファンド」が
膨大な数の会社をリサーチし、
良さそうな会社を比較・検討し、ピックアップする様は、

半径1キロメートルの小回りと機動性を持って
隈なく地域を網羅するイメージですね。

ところが、最近では、
投資信託がETFという「銘柄」を
ピックアップする姿が垣間見られます..。

具体例を挙げましょう。
SBI証券で販売されている
SBIセレブライフ・ストーリー」です。

この投資信託はファドの内部に、
多数のETF、インデックスファンドを組み入れています。
いわば、【複数のETFを内包した投資信託】です。

SBIセレブライフ・ストーリーは、
ターゲット・イヤー型のファンド」であり、
ターゲットとしている年に向かって、
少しずつ「安定性資産」を増やしていくスタイルです。

5種類のファンドが用意されています。

SBIセレブライフ・ストーリー2015
株式22%
債券63%等

SBIセレブライフ・ストーリー2025
株式31%
債券52%等

SBIセレブライフ・ストーリー2035
株式40%
債券39%等

SBIセレブライフ・ストーリー2045
株式50%
債券25%等

SBIセレブライフ・ストーリー2055
株式75%
債券0%等

各々のターゲットとする年(ファンドの名称の年です)
になると、
「株式18%、債券69%等」に落ち着かせるしくみです。

この投資信託がネタとしているETFは
「多様」かつ「豪華」であります。
(以下がそのETF群。一部インデックスファンドです)

TOPIX連動型上場投資信託
iシェアーズ MSCI KOKUSAI・インデックス・ファンド
バンガード・スモールキャップETF

iシェアーズ MSCI EAFE スモールキャップ・インデックス・ファンド
バンガード・MSCI・エマージング・マーケットETF
SPDR S&P エマージング マーケッツ スモールキャップETF

MUAM 日本債券インデックスファンド(適格機関投資家限定)
MUAM 外国債券インデックスファンド(適格機関投資家限定)
iシェアーズ
JPモルガン・ドル建てエマージング・マーケット債券ファンド

IQ ヘッジ マルチストラテジートラッカーETF
iシェアーズ S&P GSCIコモディティ・インデックス・トラスト
iシェアーズ FTSE EPRA/NAREIT ディベロップド マーケッツ プロパティ イールドファンド

※ ヘッジファンドとコモディティを投資対象とするETFについては、為替ヘッジを高位に行うと記されています。

(IQ ヘッジ マルチストラテジートラッカーETFについては、
以前「こちら」の記事でも少し触れました)


business_crowdfunding.png


けいぞくコストが低いETFを「素材」として、
ファンドを構成すること自体、悪いことではありません。
それどころか、ETFの立派な活用法のひとつといえます。

(ETFそのものは金額ベースでの売買が出来ませんが、
投資信託という「衣」を被ると
つみたて投資がしやすく、かつ少額の売買が可能になります)

ただ、SBIセレブライフ・ストーリーの問題点は、
その「けいぞくコストの高さ」にあります。

◆【複数のETFを内包した投資信託】は、
「ファンド・オブ・ファンズ」であり、
個々のETFの「けいぞくコストlと、

SBIセレブライフ・ストーリーという
数多のETFを包み込んだ、
透明なフクロ」そのものの【コスト】がかかってきます。
(要は「ふたつのコスト」がかかるということ..)

SBIセレブライフ・ストーリー2055の
運用レポートを覗いてみましょう。

なんと、SBIセレブライフ・ストーリー2055という
「透明なフクロ」そのものの信託報酬が
年1.3125% もかかります。

それに対して、投資対象としている
ETF、インデックスファンドの信託報酬は
年0.40%程度 と記されています。

ふたつを合わせた1.7125%が、
実質的な負担(概算値)なのですね。
(その他、購入時手数料もかかります)

わたしは
このような高コストの投資信託はお勧めしません。

もうひとつ、このファンドで不可解なのは、
SBIセレブライフ・ストーリー2015と、
SBIセレブライフ・ストーリー2055の
トータルコストが同じ点です。

2015と2055では、株式の組入れ割合が
まったく違っています。

また、債券部分のメインを占める
MUAM 日本債券インデックスファンド、
MUAM 外国債券インデックスファンドは、

「適格機関投資家限定」と謳われており、
(推測ですが)
けいぞくコストは相当低いと考えられます..。

(なのに、どうして2015と2055が同じコストなの?
それと、ターゲットの年に近づくに従って、
信託報酬は下がっていかないの?)

ETFという素材を組み込む「投資信託」は、
たとえるならば、
大らか、かつ、世界規模に旋回を行い、

半径1万キロメートル規模の
多様な投資対象を網羅するイメージです。

それそのものは
時代の流れとして特筆すべきですが、
トータルコストを見落とすべきではありません。

(別の言い方をすれば、複数のETFを組み入れた
トータルコスト0.4~0.6%程度の
投資信託の登場が待たれる、ということです・・)




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| ETFのお勉強 | 11:36 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

Re: 納得

(サービス提供側には)もっとETFという素材を賢く生かしてほしいと思います。

| カン・チュンド | 2012/04/11 12:34 | URL |

納得

カンさんにスパッと解説して頂いて感謝です。
>「透明なフクロ」そのものの信託報酬が
年1.3125% もかかります。

>複数のETFを組み入れたトータルコスト0.4~0.6%程度の
投資信託の登場が待たれる、ということです・・)
大賛成です。若い私の娘や息子には仕事で忙しくて時間がありませんし、投資そのものの世界には不信感を持っています。

| macaroon | 2012/04/10 20:01 | URL | ≫ EDIT














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