国内ETFの流動性について勘違いしている?
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
ETFに対する【不安材料】として
いつも取り上げられるのが、
「カンさん。流動性って、ちゃんとあるの?」というもの・・。
特に国内ETFにおいては、
売買高が少ないものが多く、
【買いたいときに買えて、
売りたいときにちゃんと売れる】という、
「流動性」が確保されているかどうかが心配です・・
という声をよく耳にします。
◆ しかし、皆さん、
「売買高の少なさ」と「流動性の低さ」は
必ずしもイコールではありません。
たとえば、午前中の出来高が
20口しかなかったETFがあるとしましょう。
(たった20口です!)
これって、20口の買いに対して、
20口の売りが反応して、
20口分の売買が成立。
ハイ、終わり!の世界ですね・・。
そんなETFに対して、
午後一でわたしが
「10口分、買いたいです!」と手を挙げても、
(つまり、買い注文を入れても)
果たして、
「10口分、売りますよ!」と
手を挙げてくれる人がいるのか?
と不安になってしまいます..。
しかし、実際の売買高は少なくても、
わたしが「10口分、買いたいです!」と
手を挙げたときに、
「わたしは1000口売りますよ!」
「こちらも600口売りますよ!」
と、常に手を挙げてくれている人がいるとしたら、
どうでしょうか。
◆ この人たちのことを、
【マーケットメーカー】といいます。
実際、多くのETFでは、
マーケットメーカーという、
いつでも「手を挙げてくれる人」がいて、
「いくらで売りますよ!」
「いくらで買いますよ!」
という【気配値】(価格)を、
【口数】とともに、常に提示してくれているのです。
ここでは、わたくしの売買体験を
「具体例」として挙げてみましょう。
「売買高の少なさ」と「流動性の低さ」は
必ずしもイコールではないことを証明するために、
できるだけ「売買高」が少ないETFを選んで
買ってみました。
そのETFとは?
【食品ETF】です(銘柄コード1617)
4月10日のことです。
わたしがネット証券の画面を見た時点(12時13分)では、
食品ETFの売買高は「24口」でした(少ない~。)
そこでわたしは「10口分」の買いを入れるべく、
ネット証券の画面にログインし、
【食品ETF】の
「売り気配株数」、「買い気配株数」を
(いわゆる「売り板」「買い板」と呼ばれるもの)
確認してみました。
すると、
【売り気配株数】
983 14,850円
938 14,840円
904 14,830円
1164 14,820円
【買い気配株数】
1185 14,780円
1197 14,770円
1055 14,760円
1004 14,750円
と出ているではありませんか。
(売買高は24口しかないにも関わらず..)

わたしは10口分「買いたい」ほうなので、
【売り気配値】を確認します。
上記を見ればお分かりの通り、
マーケットメーカーが
数千口にわたる【売り気配値】を提示してくれていました。
わたしは「14,820円」で指値注文し、
10口分を難なく約定することが出来ました。
(注: 食品ETFをはじめ、
NEXT FUNDS のTOPIX-17シリーズは
1口単位で売買できます・・)
そして、4月16日、
わたしは購入した食品ETFを
10口分指値で売却しました。
(このときも、数千口分の【買い気配値】を
マーケットメーカーが提示してくれていました..)
◆ つまり、
売買高の「数字」を見るだけでなく、
ネット証券に実際にログインし、
該当のETFの「売り気配株数」「買い気配株数」を
チェックすることが大切なのです。
(手を挙げて、
「多くの口数」を提示してくれる人がいる
=流動性が確保されている、ということ..)
そして、最終的に、
流動性の問題でいちばんシンプルな解決策は、
『あなたが・ETFを・買うこと・です』
(もちろん、わたしも買い増ししていきますよ)
ご注意:あのー、わたしは「実験」のために、
【食品ETF】を買っただけで、
別にお勧めしているわけではありません。
そしてまた「実験」のために、
短期売買をしただけで、
これも決してお勧めしているわけではありません。
(念のため・・・)

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