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「リレー投資」ってほんとうに必須なのでしょうか?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今日は弊所メールマガジンに寄せられた
質問」からです。

◆ 質問!

ある程度インデックスファンドで
積立投資をしておき、

その後、より信託報酬率の低い
ETFへリレーする方法を
教えてください。

尾上 香 さん(仮名) 兵庫県



いわゆる、
インデックス投資家の間では、
「インデックス・ファンド」から「ETF」への
リレー投資】がよく語られます。

が、しかし、
そもそも、リレー投資の「大前提」って何でしょうか?

あなたが今後、
資産運用を行っていく10年、20年の間、

インデックス・ファンドとETFの間に、
【けいぞくコストの差】があり続ける、

ということが、
リレー投資を行う「前提」であるとわたしは思います。

んー、果たしてそうなのでしょうか・・?


米国の例を見ると、
インデックス・ファンドとETFは
よい意味で互いに【ライバル関係】にあり、

「インデックス投資」そのものが
認知度を増していく過程で、

ETFが、
(インデックス・ファンドを意識して)
その「けいぞくコスト」(= 信託報酬)を下げ、

また、インデックス・ファンドが
(ETFを意識して)
「けいぞくコスト」(= 信託報酬)を
下げてきた経緯があります・・。

日本においても、
今後長期的に見れば、
両者の【けいぞくコスト】のは、
小さくなっていく可能性が高いと考えます・・。

では、「リレー投資」を行う際のデメリットとは
何でしょうか・・。

実際、リレー投資を行うと、
どんな「現象」が現れてくるかというと・・・。


具体例)

Aさんは毎月5万円、
先進国株式インデックス・ファンドを「つみたて」ています。

2年間資産を積み上げて、
合計131万円になりました。
(つみたて元本は120万円ですから、
「儲かっている」状態ですね・・)

ここで【リレー投資】を実行!

131万円分の
先進国株式インデックス・ファンドを解約します。
4~5営業日後、【現金】が戻ってきます。
(※ ここでは信託財産留保額はない、税金もゼロと仮定)

これを、
国内ETFに投資!(先進国株式ETF)
この場合、プラス1日かかるとして、
【リレー】を完了するのに5~6営業日、かかります。

また、
海外ETFに投資する場合(米国市場)
戻ってきた現金を「USドル」に替え、

日本が夜中の時間に
開いている米国市場に合わせ、
「買い注文」を出すということを考えると、
プラス2日かかるとして、

【リレー】を完了するのに
6~7営業日、かかってしまう可能性があります。


◆ つまり、
リレー投資の問題点の【一つ目】は、
投資に【タイムラグ】が発生する、ということです。

(プラス、ETFを購入する際に、
【売買委託手数料】がかかります。
このコストは、
国内ETFに比べ、海外ETFのほうが割高になります・・)


仮に、この1週間弱の間に、
対象市場が大きく下げてくれれば、
(ETFで)先進国株式が安く買える!

ということで「得した気分」になりますが、

逆に、1週間弱の間に、
対象市場が大きく上昇してしまうと、
割高に対象資産を購入することになります・・。
(実際、あり得ることですね)

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◆ リレー投資の問題点の【二つ目】は、
税金」を支払う可能性があるということ。

これはもちろん、
インデックス・ファンドで積み立てていたときに、
「儲かっていた」場合に限りますが・・。

現在、
投資信託の利益に対しては
基本的に10%の課税(軽減税率)ですが、
本来的には20%の課税です。

(2014年からは、
ほんらいの税率20%に戻る予定です・・)

せっかく「つみたて投資」で
複利の効果を得ているのに、

積み上げた資産を、
一度、税金という形でカットされてしまうのは、
何とももったいないのではないでしょうか..。


◆ リレー投資の問題点の【三つ目】は、
リレーを行う際、「過不足」が生じるということ。

今の例で申し上げると、
131万円分、【現金】が還ってきても、
(信託財産留保額はない、税金もゼロと仮定)

ETFを131万円分
きっちり購入することはできないわけです・・。

なぜなら、
ETFは「口数単位」で購入する金融ツールであり、
「金額指定」で購入することができないため・・。

つまり、【リレー投資】そのものを、
対象金融商品の「置き換え」と考えると、
リレーする際、
資産規模に「ずれ」が生じてしまうのです・・。


◆ リレー投資の問題点の【四つ目】は、
分配金が「無料で」「自動的に」再投資出来なくなること。

これは、
ETFそのものの弱点を指しています。

積み立てているインデックス・ファンドを
そのまま持ち続ければ、

何十回と経験する「分配金」は
すべて無料で
自動的に再投資することが出来ます。

この「小さな再投資」が
積もり積もったメリットは、
決して小さくありません・・。

一方、ETFの場合、
131万円の資産規模であれば、
分配金はせいぜい1~3万円程度です。

これを、自分で手数料を払い、
自分で再投資することは、
メンテナンスという意味でいうと、
けっこう手間がかかります・・。


基本のきほんに戻ってみますと、
先進国株式インデックス・ファンドであれ、
先進国株式ETFであれ、

連動を目指しているのは、
「MSCIコクサイ指数」であり、
向かうべき場所は【まったく同じ】であるわけです・・。

たとえば、1,000万円ずつを、
先進国株式インデックス・ファンドと、
先進国株式ETFで運用したとして、

20年後、両者の間に、
200万円、300万円規模の
「リターンの差」が生じるのでしょうか?

わたしはそうは思いません・・。


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大局的に見て、
本日挙げた【デメリット】を
上回るような大きな【メリット】が
「リレー投資」にあるとは、思えないのです・・。

★ 毎月の収支の中で、
インデックス・ファンドを用いて
つみたてを行っている分は、そのまま
インデックス・ファンドで投資を続けてよいと思います。


もちろん、
最初から「まとまったお金」がある場合は、
規模の利益】を生かして
ETFという道具を当てはめてよいでしょう。


たとえば、
1000万円相当の資金でETFを購入するなら、
購入時手数料の「コスト比率」は下がりますし、

ずっとETFで持ち続ければ、
資産の入れ換えの「タイムラグ」も発生しません。
また、分配金も(規模の利益が働いて)
再投資しやすくなりますね..。

一点、誤解がないように申し上げると、
「ETF」と「インデックス・ファンド」は
どちらも優れた金融商品であり、
その効用に大差はありません・・。

今日は両者の「小さな違い」を
あえて強調してお話させていただきました・・。

似顔絵




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COMMENT

Re: 思い当たることだらけです。

ちんあおさん、要は自分で管理することに「大きなストレス」を感じるか否かだと思いますよ。

| カン・チュンド | 2012/05/10 08:52 | URL |

思い当たることだらけです。

私はリレー投資をしておりますが、インデックスファンド解約からETF約定までの間に一気に上がってしまわないかドキドキしています。それから、リバランスが結構面倒です。最近は国内のインデックスファンドも頑張ってくれていますし、リレーなしでもいいのかな、なんて思っています。ただ、バンガードのけいぞくコスト改定(下げ)のニュースを聞くたび、ETFを買っておいてよかったなあとも思ったり。悩ましいところです。

| ちんあお | 2012/05/08 23:45 | URL |

Re: タイトルなし

中島さん、こちらこそありがとうございます!

| カン・チュンド | 2012/05/07 13:10 | URL |

こんにちは、
様々の書籍でインディクスファンドをリレー投資すると良いと書かれていて
今まで悩んでいました。 今回のカンさんの記事を読んですっきりしました。 ありがとうございます。

| 中島 | 2012/05/06 23:29 | URL |














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