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投資信託は誰のモノ? その2)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

終戦から67年が経ち、
戦争」を直接経験した人がどんどん少なくなっています。
また「戦争」そのものの記憶も年々薄らいでいます。

しかし「戦争」によって作られた「しくみ」は、
意外にも、私たちの生活に根深く残っているのです。

たとえば、1940年に始まった「源泉徴収制度」。
国家がお金の管理をしやすくするために、
一元的、かつ集権的な仕組みを作ったのですが、

(もちろん、それは
戦争という非常時に対応するためだった・・)

意外や意外、2012年の世の中になっても、
当然の如く続いてしまっていますね・・。

「税金は源泉徴収するから、
余計なことは考えなくていいよ」
という国家のメッセージは、

「お金は預金・貯金に預けていなさい。
余計なことは考えなくていいよ・・」
というメッセージにどこか通じます。

○ うがった見方をすれば、
国民があまり賢くならないように、
国家が必死に手綱を握っている・・

その延長上に、
金融のしくみも存在している可能性があるのです。

梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーの水瀬さんも
こちら」で記事にされていますが、

○ 角川総一さんが書かれた
日本の投資信託の多くは
 政策遂行の道具として利用されてきた

というコラムは、

投資信託の歴史を俯瞰する上で、
外せない名文だと思います。

(以下、角川総一さんのコラムを
簡単にまとめてみました・・)

戦争が終わり、GHQの指令によって、
「農地解放」が行われたことは有名ですが、

GHQが主導した、
財閥の解体命令、財産税の徴収などにより、
大量の株式がマーケットに吐き出されます。
(当然、需給の悪化で株価は下落します・・)

そのとき、国は対応に迫られ、
以下のような施策を打ち出しました。

・生命保険会社への買い出動要請
・信用取引制度の確立
・株式担保金融の実施
・株式保有組合の設立

それとともに、
大蔵省が画策したのが、
証券投資信託」の整備だったのです。

つまり、戦後も国の主導で、
投資信託という道具は利用されてきた・・、
これが実態としてあるのです。

更に、角川総一さんの筆は
鋭く切り込みます。

○ 1961年に登場した長期公社債投信

高度経済成長期に入る中、
企業が社債発行による資金調達を活発化させた。
しかし、社債の買い手を確保するのが難しい・・。

そこで長期公社債投信を作り、
個人投資家を社債の購入者に充てた。
(あらかじめ予想分配率を提示し、
購入しやすい仕組みも整えた・・)

○ 1980年に登場した中期国債ファンド

70年代後半には高度経済成長は終焉し、
税収不足を補うため
国債が大量に発行されるようになった。

国債そのものの多様化も図られたが、
償還期間2年、3年、4年という「中期利付国債」の
消化が思うようにいかなかった。

そこで、証券業界が大蔵省に
「中期国債を主体に運用する投資信託」の
開発を打診した。

○ 2001年に登場したETF

(えっ、ETFまで?)

当時、不良債権処理が最終段階を迎えていた。
また、銀行などの株式持ち合い解消も本格化する。

持ち合い株式が市場で大量に売却されると
株価は大幅に下落しかねない。

そこで株式の受け皿として、
日経225やTOPIX(東証株価指数)を構成する
銘柄の株式をまとめてバスケットで拠出させ、
それに見合うETF(有価証券)を発行した。

(最終的には流通市場で投資家が購入する仕組み・・)

実は、いちばん最後の
ETFの組成に関しては、
日本に先んじて、
国家主導で組成 ⇒ 流通させたところがあります。

「香港」です。

1997年7月に「アジア通貨危機」が発生したことは
記憶に新しいですが、
この「アジア通貨危機」を受けて、
香港市場は大きく下落します。

(投機筋による猛烈な「空売り」に遭ったのです..)

香港当局は「株式」を買い支えるため
マーケットに介入しました。
その結果、ハンセン指数全体の時価総額の
約7%もの「株式」を保有するに至ったのです。

香港当局は保有する「株式」を
売却したかったのですが、
マーケットの暴落も防ぎたいというジレンマに陥ります..。

そこに格好の【出口戦略】として
浮上したのがETFだったのです。

香港当局は 保有する「株式」を
ハンセン指数に連動させる形で
ステート・ストリートに売却します。

ステート・ストリート は
現金の換わりに「有価証券」
(= Tracker Fund of Hong KongというETF)を
香港当局に交付しました。

そして、99年の11月、
Tracker Fund of Hong Kong は香港市場に
上場を果たします。

香港当局は結果的に、
時間をかけて市場で
ETFを売却することができたのです。

(「買い手は?」
もちろん、個人、法人などの投資家でした..)

いつの時代も、どんな国・地域でも、
「国家」と「市場」は綱を引き合っています

投資信託、ETFが官製で生まれたとしても、
それを育てていくのは、
ひとりひとりの消費者の意思です。

消費者が「こちらがいい!」と意思表示し、
行動すれば、
商品供給側はそれに従うしかありません。

投資信託というマーケットの
将来を握っているのは、私たちの側なのです・・。

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