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ファンド資産が増える ⇒ 手数料が下がるの摩訶不思議・・(バンガード社探訪記)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

わたし自身がかつてそうでしたが、

サイレント・マジョリティー、
つまり、普段は表に出てこない大多数の人々にとって、
運用会社って、
ちょっと、胡散臭いなあという印象があるわけです・・。

今回、バンガード社視察ツアーに参加する中で、
バンガードの存在そのものが、

胡散臭い運用業界にも(なんと言いますか、)
良心の欠片が存在するのだ」
ということを感じさせてくれました。

たとえば、
〇 たくさん儲けることが第一ではない、とか、
〇 顧客第一主義なんです、と言うと、

それこそ「胡散臭い」のですが、

バンガード社は
低コストの製品を生み出し続けることで、
その胡散臭い「理念」を、
日常ベースの「実践」に昇華させています。


ではいったい、
どれくらい低コストなのか?

先日、バンガードの投資信託(含むETF)の約4割が
「アクティブ・ファンド」であるとお話しました。

米国のすべてのアクティブ・ファンドの
平均年間経費率は 1.15% なのですが、

バンガードのアクティブ・ファンドの平均は
ナント 0.28% です。

「アクティブ・ファンドって、継続コストが高いよね」
と無意識に思っている私たちにとって、

平均の年間経費率が0.28%とは
まさに驚異的です・・。

※ ちなみに年間経費率
(エクスペンス・レシオ)は、
信託報酬やその他費用を加えた
年間のコスト比率」のこと。


じゃあ、なぜこんなに
コストが安くなるのか・・。

素人考えで言いますと、
要はたくさんの人がバンガードのファンドを買って、
ファンドの純資産額が大きくなれば、

(規模の利益が働いて)コストを安くできるよね・・
ということくらいは分かります。

(現に1975年の創業当初、
バンガードのファンドの
年間経費率は0.89%だったのだそう・・)

ただ、理由はそれだけではないのです。


Trust.jpg


皆さんは、
日本の漢字生保会社で
「保険」に入っていたりしませんか?
(ニッセイとか、明治安田とか、住友生命とか・・)

たとえば、明治安田の正式名称は、
明治安田生命保険相互会社です。

相互会社って、
いったいどういう形態かというと、
保険に入ってくれている人(契約者)自身が、
相互会社の「社員」になっているのです。

それに似た形態を、
バンガード社も持っています。

バンガードでは、
バンガードのファンドを保有する人(ファンド保有者)が、
バンガードという会社そのものを「所有」しています。

この構造こそが、
バンガードの低コスト構造を解き明かす
いちばんのポイントだと思います。


換言すれば、バンガードという会社は、
ファンド保有者以外によって
「所有」されていないので、
外部の株主がいない、ということになります。

外部の株主がいなければ、
その人たちのために
「利益」を出し、「配当」を出す必要がないので、

ファンド保有者のほうだけを
向いて経営が出来る、

つまり、実質的に
「実費経営」が可能になる、というわけです。

(ここに手数料を継続的に下げることができる
秘密が隠されているのです・・)


このスキームを丁寧に解説した記事を、
日本経済新聞の田村正之さんが
書いておられるので、ご参照ください。

いつかは経済自由人!: 
 日本と大差、米巨大投信「顧客本位」の秘密


vanguard-logo-big_large.jpg

上記記事の中で、
以下のような文章があります。

―同社は資産が大きくなって
収入が増えてコストを上回ってくれば、
それぞれの投信の決算期ごとに、その分、
エクスペンス・レシオを引き下げて投資家に還元し続けている。

『かかったコスト(実費)だけしかもらわない実費経営がバンガードの基本』(バンガード・インベストメンツ・ジャパンの加藤隆代表)なんだ。―

たとえば、明治安田生命保険相互会社が、
資産が大きくなるに従って、

社員である保険契約者の保険料を
引き下げたなんて聞いたことがありませんが、


バンガード社は、
会社の所有者である「ファンド保有者」に、
利益を還元するということを
愚直に実践し続けているのです。


たとえば、これは一例ですが、
米国株式市場全体を網羅する
「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」
(VTI)の年間経費率は 0.06% です。

また、新興国株式21カ国に投資を行う
「バンガード・MSCI・エマージング・マーケッツETF」
(VWO)の年間経費率は 0.20% です。

VWOなんて、ついこの間まで
0.27%だったと思うのですが、
いつの間にか継続コストが数回引き下げられて
0.20%まで下がっています。

(これは他の新興国株式ETFと比較しても
圧倒的な低さです・・)


また、インデックス運用
そのものの概念についても、
(例の職人気質が顔を出して?)

バンガード社は頑なというか、
保守的というか、相当のこだわりを持っています。

たとえば、バンガードは
エンハンスド・インデックスファンドの
運用も行っているのですが、

これはバンガード社の規定では
「アクティブ運用」に分類されます。

それだけ↑インデックス運用を
厳格に定義しているわけです。


たとえば、
浮動株調整後の
時価総額加重平均を採用した指数こそ、
インデックスファンド(含むETF)の運用に
ふさわしい指標であると、

株式チームの
Sandipさんは力説していました。

(バンガードがダウ平均のETFを
組成することはなさそうですね・・)


その他、流動性の高さ、
広範な分散の重要性などにも言及され、

浮動株調整後の
時価総額加重平均を採用した指数でも、

低コストでプロダクトが組成できなければ、
それは商品になり得ない
という主旨のこともお話されていました。

やっぱり、職人気質です。
「こだわり」が随所に見られます・・



i シェアーズがETFの百貨店だとすると、
バンガードはやはり
セレクトショップ」のイメージです。
(商品は、厳選されるわけです・・)

大々的にCMを打つわけでもなく、
支店を持つわけでもなく、

顧客自身の
「よい商品を作っている会社だよ」という
口コミで成長してきた、
なんとも資産運用会社らしからぬ会社なのです。

ボーグル像

(創業者のジョン・C・ボーグル氏の銅像です。
あっ、今もお元気ですよ・・・)




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| 2012年 バンガード社探訪記 | 11:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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