FC2ブログ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

ETFをめぐる苛烈な戦い パート2(コスト本格競争の時代がやってきた?)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

金融商品の手数料が下がったりすると、
なぜ、私たちは嬉しくなるのでしょうか?

「カンさん。何言ってるの!
コストが下がる = 私たちの負担が減るから
嬉しいんじゃないの・・」

はい、それはそうです・・。
でも、そのほかにも、
「へえー、金融の世界でも、
他の業界と同じようなことをしてくれるのだ」という、

(何と言うか)新鮮な驚きのような嬉しさが、
私たちの心内にじわじわと湧き上がるからではないでしょうか。

(以下、アメリカのお話ですが)
i シェアーズの一部ETFが
バンガードの低コストETFに対抗して、
信託報酬を含む【年間経費率】の引き下げに踏み切りました。

i シェアーズはこの数年、
バンガードETFの隆盛に対して、
ずっと危機感を募らせてきました。

バンガードETFの隆盛?
はい、そうです。

具体的には、ETFの【資金流入】において、
i シェアーズがバンガードのETFに
劣後するケースが目立ってきたのです。

(コストに敏感な投資家は、
【年間経費率】という継続コストの数字の違いを
察知して、バンガードETFに流れつつあります・・)


ETFの世界で注目されるのは、
純資産残高(AUM)です。
(これって、ETFの大きさ、規模のことです)

しかし、純資産残高は
言ってみれば、たくさんの人がETFを買ってくれた
(すなわち、資金流入が積み重なった後の)
結果としての数字】です。

一方、四半期ごとの資金流入は、
明日以降の、
未来の純資産残高に貢献する【数字】です。
言ってみれば、
未来を占う】バロメーターです。

i シェアーズは、
純資産残高(AUM)におけるマーケットシェアは
【結果としての数字】に過ぎず、

仮に【資金流入】において
競争力を維持できなければ、
早晩、AUMのマーケットシェアが落ち込むことに
危機感を募らせたのでしょう・・。

ただし、ここが重要なのですが、
単に【対抗的】に
「継続コストを引き下げる」だけでは、
ブランド戦略上、よろしくありません・・。

(品のない【値引き競争】になってしまいます..)

そこでi シェアーズは、
i シェアーズ コア】という、
新たなブランドを立ち上げることにしました。

(意地悪な言い方をすると、
投資家の目先をちょっとずらしたのです)


【i シェアーズ コア】と名付けられた
10本のETFのコンセプトは、
(以下、わたしのまったく個人的な想像ですが、)

○【バイ・アンド・ホールドの資産形成は
 この10本で大丈夫!】
みたいなものだと思います・・。

つまり、ポートフォリオを組んで
長期保有していく投資家を想定して作った
「ラインナップ10本」なのです。

上記のような長期投資家は、
コスト重視の姿勢が強く、

バンガードへ流れている資金を取り返すためには、
【年間経費率】という継続コストを
バンガードより低くする必要がありました。


gctv-mistakes.jpg


(※仁義なき戦いパート1でお話したことと関連しますが、
この【i シェアーズ コア】立ち上げに関連して
i シェアーズは、
指数提供会社に対して(特にMSCIに対して)
ライセンス料の改定を迫ったのではないでしょうか…)

i シェアーズの運用会社ブラックロックのリリースはこちら

以下、【i シェアーズ コア】の10本です。

アメリカ株式
iShares Core S&P Total U.S. Stock Market ETF
(ITOT)(銘柄コードISIから変更)
【年間経費率】0.07%

iShares Core S&P 500 ETF (IVV)
【年間経費率】0.07%

iShares Core S&P Mid-Cap ETF (IJH)
【年間経費率】0.15%
iShares Core S&P Small-Cap ETF (IJR)
【年間経費率】0.16%

海外株式
iShares Core MSCI Total International Stock ETF
(IXUS)(除く米国株)
新規設定】【年間経費率】0.16%

iShares Core MSCI Emerging Markets ETF (IEMG)
新規設定】【年間経費率】0.18%
iShares Core MSCI EAFE ETF (IEFA)
新規設定】【年間経費率】0.14%

アメリカ債券
iShares Core Short-Term U.S. Bond ETF (ISTB)
新規設定】【年間経費率】0.12%

iShares Core Total U.S. Bond Market ETF (AGG)
【年間経費率】0.08%
iShares Core Long-Term U.S. Bond ETF (ILTB)
(銘柄コードGLJから変更)
【年間経費率】0.12%


⇒ 個人的には、アメリカ以外の海外債券ETFも
【i シェアーズ コア】に入れるべきと思いますが、

それでも上記10本のラインナップがあれば、
ファイナンシャルアドバイザーが
顧客に多様なポートフォリオ助言を行うには十分でしょう。

それにしても、じゃあ、
今後、SPDR(スパイダー)は
どのような行動を取るのでしょう?

バンガードETFが再度
【年間経費率】を下げてくると、次はどうなるのか?

(そうなると)果てしない【価格競争】に突入する
可能性があるのではないでしょうか。

ちょっ、ちょっと待ってください・・。
今、現実に起こっていることは
果たして【価格競争】といえるのでしょうか?


わたしは将来的に、
代表的な米国市場上場のETFが
0.01%程度の【年間経費率】になると思います。

ETFの運用会社にとって
大切なことは【年間経費率】の数字ではなく、
継続的に挙げられる【利益】の数字です。

米国ではETFのマーケット規模がまだ、
投資信託のマーケットの10分の1程度なのですから、
マーケットが今後も拡大していけば、

数字としての【年間経費率】は
下げることができるはずですし、
また、自然に下がっていくはずです。

(たとえば、純資産残高に反比例するような、
コスト体系を打ち出す運用会社が現れてくる可能性もありますね・・)

20年後から見れば、
1%とか、0.8%という
【年間経費率】の時代があったよなあと、
牧歌的に振り返る時がくるのかもしれません。

ブラックロックがまとめた
i シェアーズ コア シリーズ】一覧表はコチラです。

なお、バンガードに対抗して
新規設定した
iShares Core MSCI Emerging Markets ETFの
採用指数、

MSCI Emerging Markets Investable Market指数の
解説は、吊られた男さんのこちらのブログ記事が詳しいです。

(要はEmerging Markets指数に比べて
小型株も内包しており、指数の対象範囲が広いのです..)

似顔絵



関連記事

| ETFのお勉強 | 17:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT














TRACKBACK URL

http://tohshi.blog61.fc2.com/tb.php/1742-764d2abf

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT