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スパイダー(SPDR)は静観の構えです(ETFをめぐる仁義なき戦い?)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

今、アメリカのETF業界では
「指数の変更」「継続コストの引き下げ」など、
大きな変化の波が起こっています。

継続コストについて言いますと、
最初に引き金を引いたのは「シュワブETF」でしょう。

その後、バンガードとiシェアーズのETFが
お互いをけん制しながら、
継続コストの引き下げを実施している状況です。

(そもそも、バンガード社の一部ETFの「指数変更」も、
指数提供会社に支払うライセンス料という、
継続コストの引き下げのために行われた側面があります)

ところで、ETF3大運用会社の一角を占める
スパイダー(SPDR)は今回の喧騒を、
どのように見ているのでしょうか?

実は、
IndexUniverse のシンシア・マーフィー記者が、
スパイダーETFを運用するSSgA
(ステートストリート・グローバルアドバイザーズ)の
Intermediary Distributionのヘッド、

ジェームス・ロスさんにインタビューしている記事が
IndexUniverse上で掲載されています。
SSgA’s Ross: ETF Cost War Misses The Point
(コストを巡る争いは重要なポイントを見逃している)

【以下、わたくしの任意の抜粋
(必要性が低いと判断した箇所は「省略」しています)、
かつ、つたない英語の
意訳でありますことをご了解くださいませ。】

(マ はマーフィー記者、ジェ はジェームス・ロス氏の意)

マ: あなたがたの業界は「競争」という意味で
最近慌しいですね・・。

最初は「シュワブETF」が、そして「バンガード」、
今現在は「i シェアーズ」というふうに、

コスト(ここでの意味は、
信託報酬等からなる継続コスト)カットの
「競争」が起きています。

しかし、このコスト競争の見出しには
SSgAの名前は出ていないようですが・・。
あなたはこの「コスト競争」に参加しなければならない、
あるいは参加する必要があると感じていますか?

ジェ:私たちは「スパイダーETF」のコストについて
継続的にウォッチしています。
あなた方が思われるのとは別の理由、かつ別の側面から、
コストを絶え間なく調整してきたのです。

今後、私たちが
(コスト競争に)追随しないということは明白です。

私たちはいつも思慮深いアプローチを心がけています。
それは「どんな価値を
クライアントに対してまず届けるべきか」という命題です。

主要なETFのコストをどうするのかということも、
もちろんそのひとつに含まれると思います。

しかし、トレード全般において、投資家に
教育的な観点から
ETFに対する理解を手助けするということ、

―もちろん、それは、取引における
アスクとビッドのスプレッドの問題、
トラッキングエラーの問題などを含めてですがー、

私たちは投資家に対して、
「包括的な青写真」を提供することこそ
重要と考えています。

(注: アスク・ビッドとは、
売り気配値、買い気配値のこと。
スプレッドとは、売値と買値の「差」のこと..)
注: トラッキングエラーとは、指数そのものの収益率と
ETFの理論価格(NAV)との「差」のこと..)

マ:あなたの考えでは、昨今の「コスト競争」は、
その「包括的な青写真」を捉え損ねていると・・?

ジェ:コスト競争の影響で、
あるいは新しいファンドのせいで、
またあるいは、

わたしが聞いたこともないようなベンチマークに
ETFのベンチマークが変更された影響で、
個人投資家が何か大切なものを見失っていると危惧します。

ETFの他のファクター部分を省みず、
ただ「コストの多少」に依拠して投資判断を行うなら、
投資家は何かを失う、
あるいは余計なものを負うリスクがあると思います。

どのようにETFと向き合うべきなのか・・、
あなたがマーケットでETFを取引する際、
ビットとアスクのスプレッドの大きさ(デメリット)が、
コストのメリットを消し去ることもあるのです。

たしかにコスト(年間の継続コスト)という、
一個の数字を見るのは分かりやすいことですが、

そこに目を奪われて、
投資という道のりで成功するための
行動原則たるものを見失ってはいけません。

コストは大切な要素ではあります。
しかし、それはひとつの要素なのです。


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ジェ:私たち(ETFプロバイダー)はみな競争しています。
しかし、投資家に対する教育という点において、
私たちはみな同じ立場で
同じように普及に邁進してきました。

なぜなら、私たちは皆それ(教育)が
大切だと知っているからです。

投資家の教育という点では、
運用業界の誰もが同意するところです。
(私たちは普段あまり「同意」しないものですが..)

マ:では「コスト競争」の点に戻ります。
SPDRのセクターETFは同じ投資対象の中では
いまだコストが最小となっています。

このコストが最小という点は、
(もし必要ならば)
SSgAが守っていきたいポジションなのですか?

ジェ:このSPDRセクターETF群については、
その大きさと流動性をもとに、
何度もコストダウンを図ってきました。
これらはもっとも流動性が高いセクターETFなのです。

SPDRセクターETF群は
マーケットでとても競争力がありますが、
それは単にコストの安さによるものだけではありません。

SPDRセクターETFの競争力が
コストに依拠する割合は、
他のETFに比べて著しく小さいのです。

なぜなら(SPDRセクターETFは)
圧倒的な流動性の高さを保っているためです。

マ:流動性の高さと
タイトな取引履歴(スプレッドの小ささを指す)は、
昨今のコスト競争の中にあって、
違う視点を提示してくれますね。

ジェ:私どもはETFのラインナップ内で
提供できている価値にとても満足しています。

もちろん、コストのことについては
―今までもそうでしたが―、頻繁にチェックしています。
(そしてこれからもチェックし続けます・・)

ジェ:(別の話題・・)
たとえば、アセットアロケーションによって
達成しようとしている運用の精度はとても重要です。

昨今のトピックでいうと(指数変更における)たとえば
韓国の扱いが顕著な例でしょう。

投資家は(ETFに投資を行うことで)、
どんな投資範囲を網羅するのかを理解する必要があります。

似たような指数であっても、
過去のパフォーマンスでは
数百ベーシスポイント(数パーセント)の違いが
生じ得るのです。

それは、コストが安い指数を用いることで得られる利益を
無にしてしまう恐れがあります。

マ:それは
バンガードのこと(=指数変更)を想起させますね。

あなたがたは包括的な見地から、
コストそのものよりも、
指数こそが(ETF運用において)
主要な役割を担うとお考えですか?
そして、指数のブランドが大切であると?

ジェ:投資家はもちろん、
MSCIやS&Pダウ・ジョーンズなど、
指数のブランドについて知識を持っています。

しかし、それらの指数は
マーケティングによって、というよりは、
(指数そのものが)精度高く構築されていることによって、
ブランドを獲得しているのです。

長きにわたり、
投資家がこのように運営して欲しいということを
実際、指数提供会社が実践してきた歴史があるのです。

これはただ単に
(指数という)ブランドを広告すればよい、
ということではありません。

彼らは力強いパフォーマンスを提供してきた、
その質の高さを長年続けることによってはじめて、
彼らのブランドを獲得し得たのです。

マ:結局のところ、このコスト競争のトピックは
方向性を誤って取り沙汰されていると?

ジェ:たしかにコストは重要です。
しかし、現実には
たくさんの事柄が(同時進行的に)起こっているのです・・。

【ここから、カンです】

ETFに係る直接、
間接のコストについて申しますと、
直接的なのは、
ETFの売買でかかってくる売買委託手数料、

継続的にかかる年間経費率(エクスペンスレシオ)等が
挙げられます。

間接的なコストとしては、
市場価格に対する、
売り気配値、買い気配値の開き(スプレッド)、

あるいは、指数そのものの収益率と
ETFの理論価格の「差」、

またあるいは、
ETFの理論価格と市場価格の差異、
すなわち「乖離率」も、
厳密に言えば投資家が負担するコストになります。

そういう意味では、
スパイダーのロスさんが言われることも分かりますね。

「コスト」の概念とは何ぞや?
ということも含め、
米国ETF業界ではしばらく喧騒が続きそうです..。

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