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新興国債券もポートフォリオに組み入れてよいのですか?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

人間の歴史に思いを馳せてみると分かりますが、
お金の貸し借りの歴史というのは、
株式の歴史よりもうんと長いものです。

実際、
世界中の資産を100としてイメージすると、

現金約27、株式約27、債券約46、不動産(リート)約0.3、
コモディティ(商品)約0.3というように、
債券市場のほうが、株式市場よりも【大きい】のです。

21世紀の高度資本主義社会においても、
株式を発行する、お金を出資するという
「ファイナンス」より、

お金を借りる、貸すという
古典的な「ファイナンス」のほうが
規模が大きいのですね・・。

さて、俗に【海外債券】という場合、
私たちは無意識のうちに、

「はい、(日本以外の)先進国債券ですね。」
「はい、新興国債券ですね。」
という「括り」でイメージしています。

現に、
「eMAXIS 先進国債券インデックス」という
ファンドがあるように、
「先進国債券」と謳っている投資信託が
いくつもあります。

しかし(ここ、重要なのですが)
「eMAXIS 先進国債券インデックス」をはじめ、

ほとんどの
「先進国債券インデックスファンド」が
ベンチマークとしている、

【シティグループ世界国債インデックス(除く日本)】は、
すでに「先進国」という概念から、
離れていく過程にあります...。

シティグループ世界国債インデックス(除く日本)は既に、
世界の主要国22ヶ国】と形容するのにふさわしい
「中身」に変わってきています。

では、実際の「中身」を確認していきましょう。
このPDFファイルは、

日本を含んだ場合の、
シティグループ世界国債インデックスに採用されている
【世界の主要国23ヶ国の内訳】です。

クリックしていただけましたか?
いかがでしょうか、
どう、お感じになりましたか・・。

「市場の平均値(指数)は、
 世の中の変化とともに新陳代謝する。」
の言葉どおり、

当該指数では、

2010年6月、 ギリシャが除外されました。
2010年10月、メキシコが追加されました。
2012年1月、 ポルトガルが除外されました。

そして、
2012年10月、南アフリカが追加されています。
(ポーランド、マレーシアは
上記以前にすでに組み入れられていた模様...)

まさに、新陳代謝が定期的に行われ、
【指数は生き物なんだ。】と実感させられます・・。

ところで、 
「シティグループ世界国債インデックス」を算出し、
日々管理しているのは、
シティグループなのですが、

このPDFファイルをご覧いただくと、
(シティグループ・グローバル債券インデックスのご紹介)
次のような【文言】が確認できます。

とても重要な部分なので、
以下、一部抜粋してみましょう・・。

ー世界国債インデックスに組み入れられるためには、
市場が3ヶ月連続で次の3つの採用基準を満たす必要があり、
その場合、翌四半期末から組み入れられます。

1.【市場規模基準】
市場の時価総額合計が500億米ドルを上回る

2.【信用格付基準】
組入れ時は、発行体の自国通貨建て長期債務の格付けが
S&P、あるいはムーディーズのA-/A3以上

構成国の格付けがS&Pとムーディーズ共に
BBB-/Baa3未満となった場合、翌月から除外

3.【市場参入障壁】
市場が海外投資家に対して閉鎖的な場合や、
方針に一貫性がない場合は、除外理由として考慮ー

・・要するに、
1~3の基準をすべて満たした場合にのみ、
【世界国債インデックス】に加えるよ、
と言っているのです。

※ もちろん、この場合の「市場」とは、
各国の「国債市場」という意味ですね..。

実は先日、相談業務の中で、
「シティグループ世界国債インデックス」に関して、
「カンさん。ポーランドやマレーシアが入っているのに、
どうしてインドや中国は入っていないの?」

というご質問がありました。

インド、中国の国債市場はおそらく、
3.の、市場参入障壁のところで、
シティグループの採用基準をクリアしていないと思われます。

ここから少し、
「中期的な視点」で見ていきましょう。

「シティグループ世界国債インデックス」に採用される
新興国が増えている【理由】は、
上記、3つの「採用基準」に習えば、

1.新興国の国債の市場規模が拡大し、
2.新興国の信用格付けが改善され、
3.新興国の国債市場の参入障壁が
  下がってきているため、

であります。

現状、世界の国債マーケットにおける
新興国のプレゼンス(シェア割合)は
限られていますが(10数%程度)、

今後の「債券市場」を展望しますと、
あなたは先進国、新興国、どちらのほうが、
「国債の流通量」が伸びていくと思われますか?

(新興国、ですよね・・。)

それは何を意味するかというと、
世界の「国債マーケット」の中で、
⇒ 新興国の占める割合が徐々に
  増していくということです・・。

そもそも多くの【先進国】では、
財政赤字が常態化し、
その赤字が累積しており、

国債の更なる発行によって、
借金を積み重ねていく「余裕」がなくなりつつあります。

国債の発行は(今より)抑えていくというのが、
中長期的な傾向でしょう・・。

一方、新興国はどうでしょうか?
多くの新興国では
財政状況が(先進国と比べて)健全であり、

また、インフラ整備、産業振興をはじめ、
資金需要が伸びるのは【これから】と思われます。

国家の規模が大きくなる中で、
国の歳出が毎年増えていくのは、
(ある意味)自然なことですよね...。

その結果として、
国債の「発行額」も
増加していくと考えるのが自然でしょう。

つまり、株式と同じように、
「債券」というマーケットにおいても、

新興国の【プレゼンス】(シェア)が
増していくことが明確になりつつあると考えます。

話は変わりますが、
米国市場に上場する

iシェアーズJPモルガン・
米ドル建てエマージング・マーケット債券ファンド
(EMB)という、
新興国債券ETFをご存知でしょうか?

当ETFは、楽天証券、
SBI証券などのネット証券で
購入が可能ですが、

そもそも、なぜ「米ドル建て」
エマージング・マーケット債券と
銘打たれているのでしょうか?

あなた自身が
【新興国】であると想像してみてください・・。

これまで、多くの新興国債券は、
USドル建てのものが主流でした。
それは【なぜ?】

理由はカンタンです。

新興国の国々はかつて格付けが低く、
信用力に劣っていたため、
自国通貨建てで国債を発行し、
(それを消化してもらうことが)困難だったためです。

したがって、
米ドルやユーロや(あるいは円建て)などで、
発行せざるを得なかったのです。

と・こ・ろ・が、
昨今、この状況が【逆転】しつつあります。

つまり、
新興国全体の「国債発行残高」の中で、
USドルやユーロ建てのものより、
自国通貨建てのほうが多くなってきているのです。

(これは大きな【潮の目】の変化ですね..)

また、数多の新興国において
格付け状況の改善も見られます・・。

さらに(先ほども述べました通り)、
先進国に比して
財務状況が健全である新興国が多いため、

財務的に見た国債の「発行余力」は、
実は新興国のほうが大きいのです・・。

「でも、カンさん。
カンさんは、ポートフォリオの中に
「新興国債券」は必要ないって言ってきたじゃない!」

はい、言ってきました..。
(わたくしの「言い訳」は次回に・・)

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