つみたて投資 VS. 一括投資
こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。
もし、投資にストック(まとまったお金)という
概念がなければ、
投資の実行作業は『単純な二等辺三角形』で
説明できるはずです。
(底辺がすーごく長い二等辺三角形!)
すなわち、左辺では
長期にわたって毎月資金を積み上げていき、
(定年退職後は)
積み上がった資産を、長期にわたって取り崩していく、
(これが右辺です)、そういう構図ですね。
まあ、山を登って、
山を下っていくとイメージすれば分かりやすいと思います。

この概念では、
山を登っていくのと山を下っていくのが、
【同じリズム】になっていますね・・。
ただ、実際の投資現場では、
多くのお客様がその投資原資として、
まとまったお金(ストック)を保有されています。
先ほどの、
底辺がすーごく長い二等辺三角形を想像していただくと、
将来的に資産を取り崩す(つまり右辺)のほうは、
『少しずつ・少しずつ』というのが実感できるはず・・。
(つまり、ゴールに近づくイメージは明確なわけです)
しかし、山の登り方(資金の積み上げ方)が
なかなか難しい・・。
まとまった資金の投資執行に、
あまり時間をかけすぎると、
投資元本に対するリターンが下がってしまいますので・・。
ちょっと【具体例】を挙げてみましょう。
佐久間良太さん(45歳)はこれから
2500万円の原資を用いて運用を行っていきます。
今から20年後、
A、B、どちらの投資執行法のほうが
収益がより大きくなっているでしょうか?
(注: 購入する金融商品とその割合はまったく同じとします)
A 一度にすべての金融商品を買う
B 毎月25万円ずつ100ヶ月かけて金融商品を買う
正解は・・ A のほうですね。
なぜなら2500万円という原資を、
もっとも長く投資しておくことが可能になるためです。
(時間の利益が働きますね。投資の収益率は
投資元本×年利回り×投資年数で求められます..)
まとまったお金がある場合、
一度に金融商品を買うことが(教科書的には)
正しいのですが、
これって本当に最善の方法なのか・・?
わたしはそうは思いません。
上記では、
投資の執行を行うご本人の
『メンタルリスク』が
なおざりにされていると思いませんか?
あのー、
わたしの2500万円ではなく、
あなたの2500万円ですよ・・。
このような大金を
一度に投資する自分が想像できますか?
万万が一、
2500万円を一括投資した1ヶ月後に、
中国で内乱が起こり、
中国の株式市場が閉鎖され、
世界の株式市場が暴落するようなことが起こったら、
あなたはそのような『事態』に耐えられますか?
(なんであと1ヶ月、
投資するのを待たなかったんだそう。
なんで一度に投資してしまったのだろうと、
【後悔の念】に苛まれたりしませんか?)
★ ストック(まとまったお金)を
何度かに分けて投資していく、
ということは、
自身の感情リスクに
『保険』をかけることに他なりません。
分けて投資の執行を行なっても、
別に期待リターンが上がるわけではないですが、
しかし、投資執行時の
『心の安定』を得ることは可能です。

「じゃあ、カンさん。
どれくらいに分けて投資実行するの?」
★ はい、(最低)
1年から2年程度に分けて、
かつ(投資の執行手段としては)
自動引き落しによる「つみたて」を
採用されるべきと考えます・・。
積み立て投資を研究した
米国の論文の中で、
「ドルコスト平均法の
メリットを享受するためには、
最低18ヶ月から20ヶ月の積立月数が必要である。」
という考え方があります。
マーケットの下落局面と上昇局面、
両方を経験するためには、
ある程度の「月数」が必要、ということ。
たしかに、
分けて投資を行うことは必要ですが、
かといって、
あまりに分け過ぎてしまうと、
2500万円というお金のポテンシャル(潜在可能性)が
損なわれてしまいます・・。
仮に、
○ 毎月5万円のつみたて投資
○ 2500万円を
毎月125万円ずつ20ヶ月かけて投資執行し、
21ヶ月目からは
元の「5万円のつみたて投資」に戻すと計画すると、
当初20ヶ月は、
130万円/月の投資執行となります・・。
(ポイントは最初に「仕組みそのもの」を
作ってしまうことです)
もちろん、この金額ベースが
あなた自身の『メンタルリスク』に抵触しないことが
条件となります・・。

| つみたて投資 | 11:41 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑
Re: タイトルなし
コメントありがとうございます。
投資って長く続けられて「なんぼ」ですからね。
| カン・チュンド | 2013/11/07 18:04 | URL |