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ヒストリー・オブ・信託報酬


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

「三井住友・日本株オープン」
(旧名称:「さくら日本株オープン」)のことを知ったのは、
たしか2000年の初めだったと思います。

三井住友・日本株オープンの
ファンドマネージャーだった大島和隆氏は、
当時、カリスママネージャーとして脚光を浴びていました。

当ファンドは1994年の9月に運用を開始、
ファンドの継続的なコスト
信託報酬(運用管理費用)は年0.84%です。

えっ、

「これって日本株式ファンド?」
そうです。

「アクティブ・ファンドですよね?」
そうです・・。

★ 実は、1990年代前半は、
アクティブ型の株式ファンドでも
信託報酬が年1%以下であることは
珍しくありませんでした。


「三井住友・日本株オープン」の
信託報酬内訳を見ると、

委託会社(運用会社)0.42%、
販売会社0.315%、
受託会社(信託銀行)0.105%となっています。

運用会社と販売会社の「比率」は4:3で、
運用会社の取り分の方が多いのです・・

「これって、あなたはどう思われますか?」

投資信託の【主役】(作り手)は
運用会社ですよね。

ファンドにかかる継続コストを、
運用を担う会社にいちばん多く支払うのは、
わたしは理に叶っていると思います。

実はこの20年ほど、
日本で設定されている投資信託の信託報酬は
基本的に右肩上がりです。

(残念・・・・・・・。)


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その理由は(実は)シンプルで、
販売会社の【取り分】を
大きく積み増してきたからです。


(結果、トータルの信託報酬率が上昇してしまった..)

ちょっと『具体例』を挙げてみましょう。

「ハイグレード・オセアニア・ボンド・オープン
(毎月分配型、愛称 杏の実)」の
投資信託説明書には、

このファンドの信託報酬(運用管理費用)
年1.3125%の内訳が載っています。

・運用会社0.5775%、
・販売会社0.735%、
・受託会社0.0525% となっています。

「あれ?販売会社の方が取り分が多い?」

おっしゃる通り・・。

どうしてこうなるのか?

それは
運用会社がファンドの販売を
販売会社に頼り切り


頑張ってファンドを売ってもらうために
販売会社の【取り分】を多くしてしまった
という
「構図」なのです。


わたしの記憶によりますと、
この【悪しき慣習】を作ったきっかけは、
フィデリティ投信です。

1990年代、フィデリティ投信は
野村證券などの「大手販売会社」と組み、

信託報酬における
【販売会社の取り分】を積み増して、
結果的に年1.5~1.7%程度の
信託報酬のファンドを量産しました。

ふつう、時代が下って、
その商品のマーケットが大きくなり、
商品提供側の競争が激しくなると、

その商品にかかるコストは
低下』するものですが、

なぜか投資信託という商品では
逆に消費者にとって
コスト増』となっているのです。


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もちろん、消費者側の『無知』も、
金融機関の横暴を許している一因だと思います。

少なくても、
銀行、証券会社などで、

「この投資信託の信託報酬は
年何%ですか?」
という質問をするのは【必須】ですよ。

なぜなら、それは
あなたが継続的に払い続けないといけない
手数料だからです



あなたの周りにいる、
銀行の担当者や証券会社の営業の人が、

どうして
「そこまで熱心に投資信託を勧めてくるのか?」
よーーく考えてみてください。

この理由はとてもシンプルで、

投資信託を【販売している会社】は、
手数料収入を「ダブル」で得ることが出来るからです。

「ダブル、ですか?」
はい、そうです。

1.購入時手数料という収益。
2.信託報酬の一部という継続的な収益
です。

<一粒で二度、おいしい。>


ちょっと運用会社の立場に立ってみましょう。
あなたは先週、
「ABCファンド」を100万円分買いました。

これって、
スズキの車「アルト」を100万円で買った、
というのとはちょっと意味合いが違います。

どこが違うかというと、

スズキの「アルト」を買うあなたは、
アルトという商品と引き換えに
100万円をスズキ株式会社に支払います。

でも、あなたは
「ABCファンド」という商品と引き換えに、
100万円を支払うわけではないのです。


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あなたは100万円のキャッシュを、
100万円分の「ABCファンド」に
置き換えただけ、
なのです。

(購入時手数料がゼロの場合・・)

そして「ABCファンド」の価値は
90万円になったり、
110万円になったり変動していきます..。

「アルト」の場合、
100万円のお金は
スズキ株式会社に行きますが、

「ABCファンド」の場合、
100万円が
運用会社や販売会社に行くわけではありません。

運用会社の立場に立ってみると、
100万円というあなたが手渡すお金は、
運用会社の『売上代金』にはならないのです・・。


★ 従って、運用会社が
受け取る信託報酬という
継続的な報酬こそが、
(ちょっと特殊ですが)商品代金なのです。

が、しかし、
販売会社が受け取る
信託報酬という継続的な報酬は、
限りなくコミッション(手数料)に近いのではないでしょうか。

たしかに、
みずほ銀行を通じて
「ABCファンド」を買えば、

運用報告書はみずほ銀行が
郵送してくれますし、
また、ファンド保有者の
記録管理もみずほ銀行が行います。


それでも、
販売会社が受け取る「信託報酬」は、

【投資信託を売ってくれたので払います】という、
コミッション(手数料)の意味合いが
強いとわたしは考えます。

(※ 購入時手数料はコミッションそのものですね)

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