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直販の理念 ヒストリー・オブ・信託報酬 その2)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

自分で書いた先日のブログを読みながら、

「やっぱり、投資信託という商品は、
ふつうの買い物とはぜんぜん違うんだ」
ということを再認識しました。


<先日のブログのまとめ>

○ 投資信託における継続コスト
信託報酬は、
ほんらい、ファンドの作り手
つまり、運用会社に支払う【報酬】のことです。

○ この【報酬】は、
商品・サービスの提供者に対して
直接的に支払う報酬という意味で、
『フィー』に当たります。


しかし、
販売会社に支払う信託報酬は、

(運用会社が販売会社に)
「この投資信託を売ってくれてありがとう」
という意味合いで支払われている【報酬】です。

○ これは商品・サービスの紹介、
あるいは斡旋に関わる者に
支払う報酬という意味で、
『コミッション』に当たります。


(また、投資信託を購入する際、
販売会社に支払う『購入時手数料』は、

文字通り、商品・サービスの紹介、
斡旋に関わる者に支払う報酬ですから
『コミッション』ですね・・)


ひと口に、
投資信託に係る手数料といっても、

<フィー>
・運用会社が受け取る信託報酬(運用管理費用)

<コミッション>
・販売会社が受け取る信託報酬(運用管理費用)
・購入時手数料

に分かれ、

この【ふたつ】は
消費者にとっては
まったく異質なコストなのです。


(※ ここでは受託会社が受け取る信託報酬は
除外しています・・)


もう一度、基本のところに戻りますが、
あなたが仮に
「ABCファンド」を100万円分買っても、
それは【完成された商品】ではありません。

この「ABCファンド」は
あなたの100万円が
「投資信託」という資産に変わっただけで、

どう完成するか分からない、
その効用が不確定のプロダクト
なのです・・。

これをファンドという商品の作り手、
運用会社の立場から見ると、
事態はより複雑?になります・・。


運用会社は、
どう完成するか分からない、
その効用が不確定な商品を
『作って・売る立場』です。

(※ 今、販売会社のことは除外して考えています)

あなたが「ABCファンド」を
100万円分買ったからといって、
そのお金が運用会社に『売上金』として
入ってくるわけではありません。

じゃあ、運用会社はどうやって
【商品代金】を受け取るかというと、
少しずつ、かつ、継続的に受け取るのです。

(これがフィーであるところの
『信託報酬』の意味・・)


★『売上金』の受け取り方の特異性において、
投資信託は他の生活商品とは大きく異なります。


一方、あなたのほうは?

あなたが
「投資信託」という商品に望む【効用】とは?

自分が選んだ「投資信託の価値」が上がること、
ですよね?


あなたが運用会社に支払う信託報酬
【商品代金】は、
パーセンテージこそ確定していますが、
【総額で】いくらになるかは決まっていません。

それは、
どの程度「投資信託の価値」が変化するか
分からないためですし、

また、あなたがどのくらいの期間
「その投資信託」を
保有するかも決まっていないためです。


これを運用会社の立場で
ビジネスライクに考えてみますと、
けっこうシビアなことなのです。

クルマという完成品を作っていれば、
商品の引き渡し=【代金の受領】ですから、

商品そのものに問題がなければ、
『商取引』としてはそこで完結します。

しかし、投資信託においては、
運用会社が作った「ABCファンド」を
あなたが買った時点から、
あなたと運用会社の『商取引』が始まります・・。



運用会社はほんらい的に、
不確定な【売上金】と付き合う宿命にあるのです。

そして、
運用会社が望むことは次の「ふたつ」です。

1.自分たちが頑張ってファンドの価値を上げる。
2.よりたくさんの人がファンドを買って持ち続けてくれる。

1.と2.の相互作用によって、
投資信託の『純資産額』は増えていきます。

そして、純資産額が増えることが
(運用会社にとっては)
【売上金】の増加につながるわけです。


もちろん、あなたにとっては、
1.が重要ですが、

2.も、ファンドが問題なく存続する
という意味で重要ですよね。

仮に、

○ 運用会社
「投資信託の作り手」(販売側

○ 投資家
「投資信託の保有者」(消費者側

というシンプルな
【当事者関係】になっているとすると、
(※ 今、販売会社のことは除外して考えています)

★ 投資信託という商品を作って運用するビジネスが
いかに息の長い商売かが分かりますね・・。


私たち投資家側は、
たとえ投資信託を買ったとしても、
いつでもファンドから降りることが出来ます。

運用会社にしてみれば、
「どのくらいの期間、このファンドを持ってくれるのか」
という点で、まったく予想が立ちません。

したがって、運用会社は
ファンド保有者を啓蒙する必要があるのです。


たとえば、

「一時的にマイナスになることもありますが、
投資信託という商品はほんらい、
長い目で見るべきプロダクトなのですよ」
という具合に・・。

(もちろん、運用そのものも
必死で行う必要がありますね)


一方、投資家側もどっしり腰を落ち着けて
投資信託の作り手と付き合う必要があります。

「まあ、アップダウンはあって当たり前だな。
ここはひとつ、長い目で商品が育つのを見ていこう」
という具合に・・。

つまり、

★ 投資信託というプロダクトはそもそも、
『作り手』と『ファンド保有者』のあうんの呼吸、
信頼関係で成り立つ商品なのです・・。



未完成の、不確定な『商品』を、
ある程度の時間をかけて育てていく・・。

その過程で、
少しずつ、継続的に
消費者が商品の作り手に対して【報酬】を支払う・・。

★ それが、継続的なコスト
信託報酬(運用管理費用)の本質的な意味なのです。


これって、
なかなかタフな『商取引』ですね。

⇒ 私たち投資家は、
短期的には損失を被る可能性があります。

⇒ 運用会社としては、
たとえファンドの価値が上昇しても、

一定規模の消費者に投資信託を買ってもらえないと、
ビジネスとして【赤字】になってしまう可能性が
あります。

あっ、ここの点、

まさに「この点」が
運用会社にとっては、
ボトルネックだったのです・・。


運用会社はもともと「職人さん」で、
投資信託を作って運用することにかけてはプロでも、
投資信託を売ることについては不得手でした。


投資信託の作り手が願っていること)

1.自分たちが頑張って、ファンドの価値を上げる。
2.よりたくさんの人が、ファンドを買って持ち続けてくれる。
のうち、

2.の、
「よりたくさんの人が
ファンドを買ってくれる
」ところで、

運用会社は悪戦苦闘したのです。


そして、ついつい、
販売会社という刹那な商売人に
「声を掛けてしまった」のが、

投資信託の、商品としての
迷走の始まりなのではないかと
わたしは思います。


「なに言ってるんだカンさん。
もともと日本では
投資信託という商品は
証券会社(販売会社)主導だったんだよ」

という声が、
パソコンの向こうから聞こえてきそうですが・・。

はい、
それはおっしゃる通りです。

しかし、わたしは今、
「本来的にあるべき論」のお話をしています。


ほんらい、
運用会社が商品の買い手と直接向き合い、
お客様のファンド保有記録も運用会社が直接保管し、

運用報告書も運用会社が自ら
ファンド保有者に郵送するべきだったのです・・。

これらの仕事を
販売会社に『アウトソース』してしまい、

「この人たちなら、
僕たちの投資信託をもっと売ってくれるだろう」という
安易な期待を寄せてしまったために、

投資信託の本来の姿が
崩れ落ちてしまったのではないでしょうか・・。


「この人たちに、
投資信託をもっと売ってもらうために」

支払う、以下の『コミッション』の存在が、

投資信託という「商取引」の、
ほんらいあるべき姿を、

歪めてしまったのです。

<コミッション>
・販売会社が受け取る信託報酬(運用管理費用)
・販売会社が受け取る購入時手数料

購入時手数料など、
その典型ですね。


未完成の、
その効用が不確定のプロダクトを売るのに、


その商品を売った時点で
【報酬】が確定し、
かつ、全額それを受領してしまうなんて、

なんとも『いびつ』です・・

運用会社の人たちは、
悔恨と、フラストレーションで
胸が張り裂けそうになっているのではないでしょうか。


運用会社が『投資信託の作り手』として、
その原点に戻り、

また、投資信託の
『ほんらいの姿』を取り戻すために、
正々堂々と、

商品・サービスの提供者として、
その役務に対して、消費者に直接
【報酬】をいただく・・、

★ すなわち、
『フィービジネス』に回帰していくことが

ファンドの直接販売、
【直販】の理念なのでしょう・・。

【直販】とは、
投資信託というプロダクトが
ほんらいの姿に戻ろうとする意思表示そのものなのです・・。

似顔絵




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