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もしもファンドの『販売手数料』がなくなったら・・


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

♪もしもファンドの『販売手数料』がなくなったら、
いろいろなことが今よりずっとすっきりすると思います。

ネット証券のサイト上では、
投資信託の情報がたくさん載っていますが、
『販売手数料』の欄がなくなれば、
それだけスペースの節約になりますね・・。

また、私たち消費者は、
他の生活用品と同じように、
「あのー、この投資信託を1万円分ください」と言って、

お財布から出した1万円が、
まるまる投資信託という商品の購入に
充てられることになります。
(まあ、当たり前の話ですが・・)

あるいはある日、
あなたの自宅に電話が掛かってきて、

「○○銀行の鈴木と申します!
来週、当行より新しい投資信託が出ますので、
一度ご説明に上がらせていただいてもよろしいでしょうか?」
と言われても、

購入時の手数料(向こうにとっては『収益』)が
目当てではない、ということが分かります。
(わざわざ家に上げる必要はないと思いますが・・)


♪もしもファンドの『販売手数料』がなくなったら、
投資信託の販売会社(銀行や証券会社)は、

新しいファンドを次々と売っていくことに
さほど魅力を感じなくなるでしょう・・。

(そして運用会社は、
新しいファンドを次々と量産しなくてよくなるのです)

だいたい、新しい投資信託が出るたびに
新たなパンフレット、目論見書、各種資料を作って、

ファンドの名前や概要、
運用の特徴などを覚えるのに、
膨大なコストとエネルギーが掛かっているわけです。

♪もしもファンドの『販売手数料』がなくなったら、
運用会社の自由度が高まります。

販売会社のほうから
「今度はこんな新ファンドを作ってくださいよ!」
とせっつかれることがなくなりますから・・。

ファンド運用会社の人たちは心穏やかに、
既存のファンドの運用・管理に専念することが出来ます。
(これって運用会社がほんらい望んでいることですね!)


♪もしもファンドの『販売手数料』がなくなったら、
販売会社の【収益モデル】は
一変することになるでしょう・・。

販売会社が投資信託を扱って得られる収益は、
ファンドの継続コストである
『運用管理費用』(信託報酬)の一定割合のみとなります。

これは単に、
『販売手数料』⇒『運用管理費用』への
収益の転換ではありません。

ファンドを販売するときに、
1回ぽっきりでドッともらう収益から、

お客様にファンドを保有していただく間、
少しずつ、ずーっともらう収益への転換なのです。
(ここ、重要!)


先ほどの、
○○銀行の鈴木さんを例に挙げると、

たとえば資産家である西園寺さんに
まとまった金額で投資信託を買ってもらうことは
変わらないかもしれません・・。

しかし、西園寺さんが買った『ABCファンド』を、
10ヶ月で解約させようとする動機付けは
ほぼなくなるはず・・。

なぜなら、
別の『EFGファンド』を勧めても、
販売手数料が入ってくるわけではないですから・・。

(「回転売買」という言葉も
死語になる可能性が出てきます)

まあ、穿った見方をしますと、
より運用管理費用が高い投資信託に
乗り換えを勧める可能性はありますが・・。


さて、
鈴木さんと西園寺さんの『関係』に戻ってみましょう。

今、西園寺さんに保有していただいている
『ABCファンド』を万一解約されたりすると、
困るのは誰ですか?

鈴木さんと、○○銀行ですね。
(もちろん、運用会社も困ります・・)

○○銀行にとっては、西園寺さんに
1.できるだけ長く
2.『ABCファンド』を保有し続けていただくことが、
収益の継続につながるわけです。

少しずつ、ずーっともらうタイプの収益ですから・・。

そして(出来れば)、

1.『ABCファンド』の成績が順調に推移し、
2.西園寺さんが保有するファンドの価値
(純資産額)が増えてくれたほうがいいなあ、
と思うようになるのでは・・。

なぜなら、販売会社、運用会社の収益が、
『運用管理費用』の一定割合と云うとき、
それはファンドの純資産額に対して、だからです。


♪もしもファンドの『販売手数料』がなくなったら、
鈴木さんは西園寺さんに、
どんな投資信託を勧めると思いますか?

この先、
成績が順調に推移する可能性が高い、
(いわゆる)良いファンドを勧めようとしますよね?

たしかに『運用管理費用』が高くて、
販売会社の取り分も大きいファンドも魅力ですが、

なにせ、
少しずつ、ずーっともらうタイプの収益ですから、
結局のところ、
その投資信託の成績が振るわず、

西園寺さんが保有するファンドの価値(純資産額)が
減ってしまえば、
自分たちの収益も減ってしまうわけです。

(えっ、まだ気付かれませんか?)

♪もしもファンドの『販売手数料』がなくなったら、
(信じられないかもしれませんが)
販売会社が@良いファンドを勧めてくれるかも、
しれないのです。

銀行や証券会社の
【ファンドに対する評価軸】がガラッと変わり、

過去の成績がよく、
運用姿勢が一貫しているファンドを、
(競争原理のもと)真面目に探そうとするわけです。

そして、
そのようなファンドを大々的に告知し、
既存の顧客に営業をし始める・・。

これはいったいどういう状況ですか?

★ 成績がよいファンド、
運用姿勢が一貫したファンドに「資金」が集まるという、
他の業界では至極当たり前のことが
ようやく起こってくるわけです・・。


考えてみれば、西園寺さん自身が、

・長く投資信託を持ち続ける、
・自身が保有するファンドの成績が順調に推移し、
ファンドの価値(純資産額)が増えていく
ことを望んでいるわけです。

つまり、
投資家がハッピーになるベクトルと、
販売会社、運用会社がハッピーになるベクトル
似通ってくる・・ということ。

少しずつ、ずーっともらうタイプの収益だと、
金融機関側も中長期的な視野にならざるを得ないのです。

こうなれば、
○○銀行の鈴木さんや、
○○証券の佐藤さんの顔つき、人相が変わってきます。
(ホントです!)

もうストレスで
やけ酒を飲むこともなくなるでしょう。
(だって、お客様のためになることを
やっているわけですから!)


♪もしもファンドの『販売手数料』がなくなったら、
大口のお客様だけではなく、

働き盛りの若い人たちに、運用会社、販売会社が
積極的に「つみたて投資」を勧めてくるでしょう。

なぜなら、つみたて投資では、
毎月、毎月、資金の流入があり、
ファンドの価値(純資産額)が逓増していくからです。

(これは、金融機関側の収益も
逓増していくことを意味します・・)

そして販売会社、運用会社は、
より多くの人に、
より長く投資信託を持ってもらうための、
『サービス』や『仕組み』を充実させていきます。

もう、これまでの、

10人中2人しかいない
投資をすでにやっている既存顧客から、
「いかに多くの手数料を得ようか」
という発想はなくなり、

10人中8人もいる、
潜在需要層にいかにアプローチし、
信頼を得てもらうかという発想に転換していくのです。

目先の手数料率は減ったとしても、
投資家がハッピーになるベクトルと、
販売会社、運用会社が
ハッピーになるベクトルが合致してくれば、

より多くの潜在ニーズ層を取り込むことになり、
投資信託というマーケットの規模が
大きく膨らんでいくのです。
(これが『損して得取れ』!)


えっ、そんなの夢物語だよって?

いえいえ、そんなことはありませんよ。

日本の投資信託業界は、
まだ夜が明けたところなのですから・・。

似顔絵




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