PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

グローバル・ソブリン・オープンの功罪とは?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

先般、投資信託の【純資産額】のランキングで、
大きな動きがありました。

約12年にわたり
純資産額トップを維持してきた
「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) 」が
その第1位の座を、

フィデリティ投信の
「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」に
譲り渡したのです。

「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」 が
運用を始めたのは1997年のことでした。
(17年も前のことです・・)

グロソブは2007年の最盛期、
純資産額が5兆円を超えていたのです。

この金融商品は、
さまざまな【功罪】をもたらしましたが、

⇒ そのもっともたるものは、
投資 = 【不確実性が存在するよ。】という事実を、
麻痺させてしまったことでしょう・・。

これって、大きな『罪』です。

ほんらい的に、投資を続ける =
【不確実性と付き合い続けること】です。

そこでは、なんと云いますか、
『こころの耐性』というものが必要になってきます。

『こころの耐性』・・?

はい、この
こころの耐性』には2段階あります。

1.不確実なことを連続して経験する。
それそのものに慣れる、ということ・・。

2.短期で変動するマーケットを抽象化し、
少しずつ「長い時間軸」を獲得していく、
ということ・・。


はっきり言いまして、
『こころの耐性』を身に付けるのは
簡単なことではありません。

(そしてまさにココが、
貯蓄と大きく異なるところなのです)

シンプルに申し上げると、
【貯蓄】とは、
○ 今、そこに落ちている木の実を拾うこと・・。

【投資】とは、
○ 山の向こうにある小さな実を、
「大きな木の実になる」と信じて託すこと・・。

「ぜんぜん違いますね!」

どちらがタフな行いかといえば、
もちろん【投資】のほうです。

たとえば、

【時間軸】で云うと、
貯蓄 ⇒ 今 であり、
投資 ⇒ 未来 ですね。

【確かさ】
貯蓄 ⇒ 確実 であり、
投資 ⇒ 不確実 です。


【リターン】
貯蓄 ⇒ 小さな実 であり、
投資 ⇒ 大きな果実 です。(← でも、約束されたものではない)


「グローバル・ソブリン・オープン」という投資信託は、

・今(現在)、
・確実に、
・この「小さな実」が手に入りますよ、という、

あなたの耳に心地よいだけの、
『誤った事実』
を伝えてしまった
先がけの金融商品と云えるでしょう・・。

その罪の重さは、
何十万人というシニア層が
このファンドを買っていることからも明らかですが、

実は知名度が上がるにつれ、
20代、30代の『若い世代』にも、
グローバル・ソブリンの人気は高まっていったのです。

今すぐもらえる
【毎月の分配金】によって、

・不確実性に慣れ、
・今ではない、将来に
大きな果実を得ようとする、

【投資の本質】が忘れ去られたことは
なんとも残念なことですね・・。


「グローバル・ソブリン・オープン」は、
1998年~2000年にかけて、
(基準価格あたり)
月60円の分配金を出していました。

2001年の1月以降、
7年半以上も 月40円の分配金を出し続けました。

そして、2009年8月から2013年12月までは
月35円の分配金でしたが、

今年(2014年)の1月17日に
「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、
第193期の決算を迎え、

当期の分配金を(基準価格あたり)、
「35円」から「20円」に変更しています。

・・なぜ分配金を
「20円」に引き下げざるを得なかったかは、
分かりますね?



現在(4月17日)の
グロソブの『基準価格』は5355円、
『純資産額』は1兆1730億円です。

(当ファンドは 基準価格10000円で
運用をスタートさせています・・)

私見ですが、わたしは
グロソブの純資産額が1兆円割れになるのは
時間の問題だと思っています。

★ 今すぐもらえる
【果実の大きさ】をあてにしている
多くのファンド保有者にとって、
もはや魅力的な商品ではなくなったためです・・。

ファンドの『解約』→『資金の流出』が続くと、
「分配金」の確保をしながら、
効率的な運用を行うのはますます難しくなります。

17年をかけて、
グロソブが凋落に向かうのは、
わたしは【投資の本質】を学ぶうえで、
良いことだと思っています・・。

「カンさん、たしかに
グロソブの基準価格は5339円ですけど、
ずっと毎月分配金を出してきたのだから、

それを合わせると、
基準価格の価値は13000円を超えてるんですよ!」

はい、それはおっしゃる通りです。


でも、わたしが
「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」を
評価しない【第一の理由】は、

⇒ 当ファンドが単純に、
外国債券マーケットの「平均点」に
負け続けているからです。

端的に申し上げると、
「SMTグローバル債券インデックスオープン」のような
外国債券インデックス・ファンドを

ずっと持っていたほうが
より儲かっていたということ・・。

少しだけ、お手間ですが、
こちらのURLをクリックしてみてください。

上記はグロソブの「運用レポート」です。

1枚目、いちばん下、
ファンドとベンチマークの騰落率】の表を
ご覧いただくと、

その事実は一目瞭然です・・。

ファンドの騰落率(名目上のリターン)が、
ベンチマークである、
外国債券の指数(平均点)に負け続けていますね。


話を『大枠』に戻しましょう・・。

私たちが今後、
資産運用という大海を泳いでいく中で、
大きく、ほんとに大きく
投資のスタイルを【2つの種類】に分けてみると、

それは
『ニワトリ型』か『タマゴ型』になります。

ニワトリ

ニワトリ型とは?
「わたし、タマゴ(定期収入)は要らないけれど、
ニワトリ(資産)そのものの成長に期待し、
それを大きくすることに注力するわ。」

それが【運用の目的】ですね。

タマゴ型とは?
「わたし、ニワトリ(資産そのもの)を買って、
定期的にタマゴ(定期収入)をもらうことに注力するわ。
別にニワトリは少しずつ痩せていってもいい。」

それが【運用の目的】です。

あなたは、どちらのタイプですか・・?

この設問は、
「良い・悪い」ということではなく、

あなたがどちらの
『投資スタイル』を志向しているのか

という問題です。(とっても重要です!)


世の中には、
【タマゴ型】の金融商品がたくさんあります。

・満期が決まった「債券」
・毎月分配型ファンド
・不動産投資もそう・・。

また、
・「配当」を期待して
個別株を買うこともそうでしょう。
(2011年以前は、東京電力株がその代表格でした・・)

以下は蛇足になりますが、
個別株の「配当」で云いますと、
興味深いデータがあります。

2014年3月期の
東証1部に上場する企業の配当金は、
過去最高になると予想されています。

⇒ 東証1部に上場する企業の、
『平均・配当利回り』(加重平均)は
1.53%です(2014年1月現在)

⇒ 一方、長期金利の指標となる
10年物国債の利回りは0.58%です。
(2014年2月末現在)

あれ・・?
なんか、おかしいですね。

そうです・・、

⇒ 債券(10年物)の利回りより、
株式の配当利回りのほうが
高くなっているのです・・。

これはいったい、何を意味するのでしょうか?

「カンさん、すごいじゃない。
債券の利回りより、
配当利回りのほうが高いっていうことは、
株を買うのがお得ってことじゃない!」

んー、たしかに・・。

それって物事をひとつの側面から見た場合の
『事実』ですね。

しかし、180度ずらして
【別の側面】から上記の事実を眺めてみますと、

★ 多くの投資家が、
もはや日本株に投資を行って、
【ニワトリ】が大きくなることに
さほど期待していない・・、


という表れでもあります。

★ 今ではない、未来に
『大きな果実』に育つことを期待せず、
また、
その『こころの耐性』も持っておらず、

「まあ、とにかく、
半年、1年ごとに、タマゴをくれよ!」
という【投資姿勢】になっている証左ではないでしょうか。


もう一度、お聞きしますよ・・。

あなたは、
「タマゴ型」or「ニワトリ型」、
どちらの【投資スタイル】を求めているのですか?

あなた自身が、
「ほんとうはどっちなの?」を熟考してから、
投資の行動を起こされるべきだとわたしは思います。

(ところで、)
当オフィスのスタンスは・・・
『明確』です。

そもそも、
投資の本質は「ニワトリ型」であると考えます。

そして、
複数の「ニワトリ型」商品を組み合わせて、
ポートフォリオを組まれることをお勧めしています。

★ その理由は明快で、
「ニワトリ型」商品を、
ファンド(投信・ETF)のカタチで保有すれば、

仮に「タマゴ」が欲しいときには、
ファンド(投信・ETF)を一部解約することで、
「タマゴ型」の需要を満たせるからです・・。

■ 参照記事
とよぴ~さんのブログ
高配当ETFで戦略的インデックス投資日記
毎月分配や高コスト投信が不要だとわかる比較

似顔絵




関連記事

| 投資信託をディープに理解する | 09:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT














TRACKBACK URL

http://tohshi.blog61.fc2.com/tb.php/2074-d3c57bd3

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT