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インデックス投資の歴史 その1)


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

私たち人間にとって、
いちばん新しいお金の習慣って何でしょう?

(お金を)使うこと?
貯めること?

いや、やっぱり
育てようとすること【投資】でしょうね。

『不確実な未来』に向けて
あなたのお金を託すことって、
そうそう簡単ではありません・・。

古今東西、私たちの先人は
さまざまな『投資』を行ってきましたが、

それがどのような投資対象であっても、
また、投資資金の多寡にかかわらず、
投資の歴史のほとんどは、
【何かを選ぶ行為】でした・・


あの銘柄ではなく、これを選ぶ。
あちらを選んだので、こちらは売ろうなど・・。


初期の市場では
人間の欲望が露骨に渦巻いていましたが、

目利きが効く者の中には
ダイヤの原石を見つけ、
大きな利益を手にする者も現れます。

時代が下り、
市場(マーケット)が整備され、
取り扱われる商品数が多くなると、

今度は投資家の代わりに、
「銘柄を選んで私たちが運用してあげましょう!」
という者が現れました。

そうです、
投資信託の登場ですね。

ここでも、
運用会社が(投資家の代わりに)
【何かを選ぶ】ということに変わりはありませんでした。

⇒【選ぶ投資】というものは、
  人の本能を映し出します。



私たちの祖先は
厳しい自然と向き合い、
その猛威を克服しながら、活動範囲を広げてきました。

常に何かを選び取り、
瞬時に行動に移さなければ「死」が待っていたため、
【選ぶ】ということは、
私たちの深層意識に深く沁みついているのです。

投資 = 『選ぶこと』であり、
たとえば【選ばない投資】なんて、
ちょっと考えられません・・。

★ 歴史的に見て、
4、50年前までの投資は、
すべて『アクティブ運用』だったのです。

さて、先ほど
市場(マーケット)という言葉を使いましたが、

市場と聞いて真っ先に思い浮かべるのが
「株式市場」でしょう。

売り手も買い手も、
市場の参加者は他者を出し抜き、
いかに「利益」を上げるかに血眼になっています。

あなたも彼も彼女も、
市場という舞台の上で、
自分こそが『主人公』と
思っているのです。

ところが、
市場(マーケット)がそこそこ成熟してくると、

『ここの現象って、ちょっと面白そうじゃん。』
と感じる、
ちょっと風変わりな人が現れてきます。

その人は、別に
株や債券に興味があるわけではありません。

その人は、
マーケットで繰り広げられている
【現象そのもの】に関心があるのです。

「カンさん、それって誰?」

はい、彼の名前は
ユージーン・ファーマという、
イタリア系アメリカ人です。

ファーマさん


⇒ 当事者(市場参加者)から見ると、
マーケットとは
自分が主人公になる『舞台』ですが、
ファーマさんにとっては『実験場』に過ぎません。

彼は少し離れた場所から
株式市場を冷静に眺めます。

そして、その場所を
『不特定多数の人が集うひとつの社会』
と捉えました。

1965年に発表されたファーマ氏の博士論文は、
いわゆるランダムウォーク理論のはしりであり、

将来の株価って
過去の株価とはまったく独立していて、


過去の株価の動きを見ても
未来の株価を予測することはできないよ。』

と喝破してしまったのです。

そして1970年、
シカゴ大学の教授になっていたファーマさんが
Journal of Finance 紙に、

『Efficient Capital Markets:
A Review of Theory and Empirical Work』
というタイトルの論文を発表します。

いわゆる【効率的市場仮説】
EMH(Efficient Market Hypothesis)の
原型となった論文です。


えーっと、あなたが他者を出し抜いて
株で儲けようとするのはほとんど無理な話ですよ


たとえば、A社に関するあらゆる情報
(良いものも・悪いものも)は、
市場の中で「瞬時に」かつ「あまねく」
伝わってしまうので、

それらの情報は
すぐに「株価」に反映されてしまい、

あなただけが
株価が上がるまえにこっそり買って儲けるなんて、
ほとんど無理な話なのです・・。」

なんてことを言ってしまったのです。
(なんとも夢のない話・・・)


当時、マーケットの中で
銘柄を買ったり売ったりしていた人たち、
また、株の売買の仲介に
従事していた証券会社の人、

あるいは、自分の目利き力で銘柄を選択して
投資信託を運用していた人たちにとっては、
まさに青天の霹靂でした。

この人、いったい何言ってるの・・?
(もしかして、頭がオカシイのでは・・)

★ 舞台の上で必死に動き回る人には、
舞台の全景、そして
舞台そのものの性向は
なかなか把握することができません。

200年の歳月をかけて、
少しずつ成熟してきた株式市場というところを、
【客観視】する人たちが、
ようやく登場し始めたのですね。


ファーマさんはさらに続けます。

「あなたがA社の財務諸表を読み込んだり、
他の誰かがA社のチャートを分析したりして、
必死にA社を【評価】しようとします。
そして、株の売り買いをしますね。

そのように、
何千、何万の人が必死の思いで
株式を評価し、株の売買を行えば行うほど、
株価は【適正価値】に近づいてしまうのです。

つまり、
他者を出し抜いて儲けてやろうという、
あなたのような人間が多くなればなるほど、

市場は【効率的】になっていく・・、

結果、他者を出し抜いて儲けることが
難しくなるのですよ。」

はあー、なんだか、
興ざめしてしまいますね。


もちろん、
今日の市場(マーケット)においても、
投資家の実際の行動には
『非合理的な側面』が多々あります。

瞬時に伝わらない情報もあり、
市場(マーケット)には
「効率」だけでは説明できない
大いなる変則性 =【アノマリー】も存在します。

しかし、ファーマさんは
それまで当然と思われていた
ヒトが何かを選ぶ投資
自分は他者を出し抜けるという考え】に
はじめて疑問符を投げかけたのです。

そうです、
歴史的に見て、
インデックス投資のアイデアは
アカデミックの分野からやって来たのですね・・。

似顔絵




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