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円安が進むと、円安が加速化する?


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

最近、円安傾向が顕著です。

(人生も、投資も)
長く歩いていると必ず、

「あれ、この道、
以前にも通ったような気が・・」

と思うことがあります。

この感覚は、実際には
【2パターン】に分かれます。


1.この「道」が、
いつか来た「道」とほぼ同じである場合。

2.この「道」が
いつか来た「道」と
すごく似ているのだが、

歩み続ける中で、
実はまったく違う「道」だったと、
後から気づく場合。


わたしにはどうも今回の円安が、
『2.のパターン』のような気がしてなりません・・。


今回の『円安局面』は、
2005~2007年の
円安局面と似通っている部分があります。

しかし、
違う部分もあるわけです。

ひとつ、大きいなあと思うのは、
日本の『貿易赤字』が常態化している点です。

要するに、
モノ・サービスを売って得られた外貨よりも、
モノ・サービスを購入するために
支払う外貨のほうが多い、ということです。


また、貿易の収支に
サービスの収支や
所得の収支も合わせた
経常収支』を見てみますと、

2014年度上期(4~9月)では、
2兆円余りの「黒字」となっています。

そう、全体で見ればまだ、大丈夫・・。

でも、13年度下期の『経常収支』は
「赤字」でした・・。
(財務省の発表による)


★ 円安が定着してしまうかもしれない
ほんとうの『黄色信号』は、
経常収支の赤字が常態化することだと思います。

これってどういうことかというと、
日本国全体で見て、

得られる外貨より、
支払う外貨のほうが多くなる、ということ。

支払う外貨のほうが多いということは、
自分の国の通貨(円)を売って、
(外貨)を買う需要のほうが多くなりますね。
(すなわち、円安の要因となる・・)


もちろん、通貨の価値は
一筋縄では語れません。

そもそも通貨の価値は
たくさんの国の通貨間での『相対評価』で
決まりますから、

それぞれの国の政治状況、
経済の状況等により
複雑怪奇に入り組んで決定されるものです。
(かつ、常に変遷していく・・)


たとえば、
物価上昇率の差という指標にフォーカスして、
それによって為替レートは決まるという、
『相対的購買力平価説』というものがあります。

この場合、インフレ率の差が
為替レート決定の重要ポイントになるわけです。
(あくまで「ひとつの説」ですが・・)


わたしの持論は至極シンプルです。

そもそも、
各通貨間の価値は
『相対的に評価』されるだけで、

―つまり、どこかの通貨が売られれば、
その分、どこかの通貨が買われるだけ。―

通貨の価値には、
「これ!」というフェアバリュー
(正味価値)などありません。

しかし、長い目で見れば、
国としての発展具合と、
その国の通貨の価値の変遷には
大きな誤差は生じないと考えます。

つまり、
『発展していく国の通貨は強くなる』
(逆もしかり)、ということ・・。


そういう意味では、
日本の円の価値は緩やかに安くなっていく
とわたしは考えます。

通貨

もちろん、
中期的(5~10年)には、

円高になり、
また円安の局面になって・・、
ということがあるかもしれませんが、

★ 最終的に
日本円という通貨の価値を決める
最大の要因は、
あなた、だと思っています。

えっ?

つまり、
日本人、ひとりひとりの思惑なのです。


⇒ 今、日本人は
自身の資産のほとんどを
『日本円』というポジションで持っています。

日銀の資金循環統計
2014年第2四半期速報』(PDFファイル)を
見てみましょう。

6月末現在で、
個人の金融資産残高は1645兆円となっています。

そのうち外貨建て資産の割合は
たったの2.5%です。
(円安が進んだ2007年でも、3%程度でした・・)


ちょっと
想像していただきたいのですが、

経常収支が
たとえ20兆円の赤字になったとしても、
それは20兆円分の
円を売って外貨を買う『需要』に過ぎません。

しかし、個人金融資産のうち、
たとえば、10%分が
「外貨建て資産」の保有に動けばどうでしょう?

それはすなわち、
164兆円分の
【円売り・外貨買い需要】となります。

(大きな大きな円安要因となります・・)


「でも、カンさん。ぼくには
円安とか、外貨買いとか関係ないよ。

日本に住んで
日本の円で給料をもらって、
生活しているだけだから。」


フム。
たしかにそれはそうですね・・。


しかし、実際に円安が進んで、
あなたの生活が
目に見えて苦しくなってきたら、
どうですか?

つまり、(円安が進み)
輸入物価の上昇を通じてインフレが進み、
かつ、物価上昇率ほど
あなたの賃金は伸びず、

実際に、たとえば
去年と同じ480万円の手取り年収で
去年と同じような生活レベルを
維持するのが難しくなってきたら・・。


そのとき初めて
<あれ??>
というクエッションマークが
点滅するのかもしれません。

「円」って大丈夫なの?

yen-580x400.jpg


誤解がないように申し添えますと、
「円」を売って、外貨建ての資産を買う、
という行為が、

そう簡単に、
広範囲に広まるとは思っていません・・。


つまり、円を売って、
外貨建ての資産を買うという行為が、
まだまだ『投資的』で、
『冒険的』なことと感じる人が多いと思うためです。

しかし、もし、仮に、

1ドル180円とか、
1ユーロ200円とか、
1豪ドル170円などの「円安」が、

目に見えて近づいてきたとしたら
どうでしょう?


冒険的に
「外貨建て資産を買う」というより、

安心のために、
「円以外の資産も持っておこう」という人が
増え始める可能性があると思います。

うまく言葉に出来ないのですが、

社会の趨勢として、
「あっ、円だけで持ってるのって、危ないかも。」
と認知させられるような
瞬間】が訪れるかもしれない、ということです。


実際問題として、
「円」に対する不信感から、
外貨建ての資産を持つ人が増えれば増えるほど、

それは【円売り・外貨買い】を誘発することになり、
(結果として)円安は加速します・・。

それは最初、
巨大なダムの壁面に開いた
たった数ミリの穴が、

その穴を通って流れる水の圧力と共に、
段々大きくなっていく様とどこか似ています・・。


先ほど、
日銀の資金循環統計の
『外貨建て資産の割合』について言及しましたが、

この数字が 5% を超えてくると、
「ダムの壁面の穴が、あれ?大きくなってきぞ」という
印なのかもしれません・・。

「あれ?、おかしいなあ。」という
潜在的な不快感が
多くの人に宿るには、
それなりの時間がかかると思いますが、

それが、
顕在的な恐怖のようなものに
変わるのには、
そんなに時間はかからないのかもしれません。


そして、これは
アイロニーなのですが、

広く外貨建て資産を保有し続ける人には、
円の価値が下がることで、
(円建てベースでみた)資産価値が上昇する、
という現象が起きます。

あなたもわたしも、
所得は円建て、
(将来の)公的年金も円建て、なのですから、

資産運用においては
外貨建て資産中心のポートフォリオでも
ぜんぜんおかしくないわけですね。

似顔絵




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