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『繰上げ償還』は、投資信託最大のリスクです


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

「カンさん、繰上げ償還っていったい何なの?」

はい、
⇒【繰上げ償還】とは、
約束した期日以前に、
ファンドの【運用】が終了してしまうこと、です。

たとえるなら、
中央線で高尾まで行くつもりだったのに、

「お客さん、スミマセン、
この電車、三鷹止まりとなりました・・。」

と突然告げられ、
途中で降ろされるようなもの・・。
(伝わっていますか?)

※ 運用期間が「無期限」のファンドを選んでいたら、
約束の期日というのは勿論「無期限」ですよ。


一度、投資信託の
『お申込みメモ』を注意深く見てみましょう。

【具体例】
『ニッセイ/パトナム・世界代表株ファンド』
お申込みメモ

上記「お申込みメモ」のページには、
こんな文言が載っています。

【繰上償還】

受益権の口数が10億口を下回った場合等には、
委託会社はあらかじめ受益者に書面により

通知する等の手続きを経て、
ファンドを繰上償還させることがあります。


えーっと・・、
「もっと分かりやすく言って!!」


要するに、投資信託の【口数】、
そして【純資産額】が少なくなり、
ファンドを効率的に運用することが
ムズカシクなってしまったら、

運用会社がファンドの運用を、
中途で【終了させることもありますよ】
と言っているのです・・。

redeem-mutual-funds.jpg


★ ここでの『注意点』は、
総口数が10億口を下回ると、

必ず「繰り上げ償還」される、
というわけではないこと。

終了させること【も】ありますよ、
ですから、当然、
繰上げ償還【されない】ケースもあります。


また、もうひとつの『注意点』は、

★ 仮に、
投資信託が繰上げ償還されても、

【ファンド保有者の資産が、
ゼロになってしまうわけではない】

ということ・・。

(ここは安心してくださいね)


たとえば、
BNP パリバ インベストメント・パートナーズが
運用していた

【フォルティス日本小型株オープン】
というファンドでは、

繰り上げ償還のお知らせ(1月12日)から、
異議申立の期間を経て、
おおよそ2ヶ月で
繰り上げ償還(3月12日)に至っています。

あっ、もちろん、
このファンドの保有者は

1月12日~3月12日までの間、
このファンドを任意に、
いつでも【解約】することができたのですよ!


(ここも大事なポイント!)


仮に、
「フォルティス日本小型株オープン」を
3月12日になるまで
保有し続けていた場合は、

3月12日の『基準価格』で、
強制的に償還されることとなりました。

(つまり、強制的に現金となって
『資産』が戻ってくるわけです・・)

あなたの運用の【スケジュール】を、
一からやり直さないといけない
という点において、

『繰り上げ償還』は、
投資信託最大のリスクと云っても
過言ではないでしょう。


では、繰り上げ償還の
憂き目に遭わないためには?

カンタンです。基本、
~純資産額が小さすぎるファンドは、買わない。~
ということ・・。


冒頭ご紹介した、
『ニッセイ/パトナム・世界代表株ファンド』の
運用レポート」によると、

ファンドの純資産額は・・、
5.95億円しかありません。

当ブログでは
何度もお話ししていますが、

⇒ 純資産額は
【最低30億円程度】あることが望ましいです。



「でも、カンさん。
その投資信託が【マザーファンド方式】だったら、
どうするの?」

はい、いいご質問ですね。

その場合は、
⇒【マザーファンドベースの純資産額】を
チェックする必要があります。



調べ方はカンタンです。

『ニッセイ/パトナム・世界代表株ファンド』は、
マザーファンド方式の投資信託ですが、

当該ファンドの
★【マザーファンドベースの純資産額】を
チェックするには、

ズバリ【運用報告書】を見ること!

alternative-investments-300x249.jpg


さっそく当ファンド
最新の「運用報告書」(14年4月)を見てみましょう。

上記、運用報告書の後半、
マザーファンドベースの情報開示のところ、

具体的には17ページですが、 

◆資産、負債、元本および基準価額の状況
(2014 年4月21 日現在)
という【項目】があります・・。

● そこの、
(C) 純資産総額 (A-B) 587,788,245
を見てみましょう。

はい、これが、
【マザーファンドベースの純資産額】なのです。


このファンドの場合、
マザーファンドベースでも、
純資産額が
5.87億円程度しかありません・・。

<結論!>
⇒ このファンドは【買わない!】



換言すると、
もし、このマザーファンドベースの
純資産額が1000億円あれば、

繰上げ償還の心配は
基本的にしなくてよいわけです。
(母親の図体が大きいわけですから・・)


また、当オフィスのコンサルティングで、
『繰上げ償還』が
しばしばご相談案件に上ったのは、

2012年に起こった
ユーロ建てMMFの相次ぐ『繰上げ償還』です。


具体例を挙げてみますと、
たとえば、
日興アセットマネジメント ヨーロッパ リミテッドが
運用していた

「ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド
ユーロ・ポートフォリオ(ユーロMMF)」、

ダイワ・アセット・マネジメント(ヨーロッパ)
リミテッドが運用していた

「ダイワ外貨MMF ユーロ・ポートフォリオ」などが
相次いで繰上げ償還されました。

外貨MMFは、
その通貨建てでの「元本確保性」が
きわめて高いファンドですが、

通貨ユーロは2012年当時、
信用不安に襲われ、
金利水準がとても低くなっていました。
(金利が低いのは今も変わりませんが・・)

具体的に言いますと、

ユーロ危機によって、
一部のユーロ建て債券に
投資家の人気が集中してしまい、
金利が付かない債券すら発生してしまったのです。


たとえば、
「ダイワ外貨MMF ユーロ・ポートフォリオ」
については、
以下のリリースが発表されていました。
 

2. 償還理由

投資運用会社は、
現在の投資環境を次のようにとらえております。

・当ポートフォリオの投資対象市場である、
ユーロ建て短期金融市場の金利は低下しており、
今後もこの基調は続く見通しである。

・従って、高い流動性を保ちつつ収益を確保する、
という適正な運用サービスを提供し続けることが
難しい環境にある。


んー、これって要するに、

口数、純資産額が一定レベルを
下回ったため、
繰上げ償還をするわけではない、
ということですね。

このように、
総口数や純資産額が潤沢にあっても、

投資対象の急激な変化により、
ファンドが円滑な運用を行えない場合、
繰上げ償還されることがあるのです。



万一、あなたが保有するファンドが、
『繰上げ償還』されることになってしまったら、

「新たに買うべき投資信託」を決定した後、
速やかにそのファンドを
【解約する】ことをお勧めします。

(早ければ早い方がよいでしょう・・)

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