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信託報酬が安いファンドがどんどん出ていますが、新しいファンドに乗り換えたほうがよいのですか? その1


こんにちは。
インデックス投資アドバイザーの カン・チュンド です。

弊所のお客様、
兵庫県の谷中さん(30代・仮名)から
いただいたご質問です。

 

 【質問】

2013年12月末にカンさんの
コンサルティングを受けてから1年ちょっと経ちました。

おかげさまでシンプルな投資ルールを決め、
それを守り、普段はほとんど投資のことを忘れて、
という投資生活を送っております。


1つ教えていただけないでしょうか。

このところ、信託報酬が安いファンドが
どんどん出てきています。

同じ投資クラスであれば、
信託報酬が安い方が
期待リターンは高いと思うのですが、

新たに信託報酬が安いファンドが出た際には、
積み立てるファンドを
切り替えたほうが良いのでしょうか?



 【回答】

んー、谷中さん、
そんなに慌てずに・・。

安易に
乗り換えないほうがよいと思いますよ。


『新たに信託報酬が安いファンドが出た場合』
ということですが、まず、

○ 信託報酬以外のコストを合わせた
トータルコスト】がどの程度になるのか、

これをできれば、複数の決算期で
チェックする必要があると思います。

(信託報酬そのものは安くても、
トータルコストで比べたら、
(既存のファンドより)高かった、
ということもあり得ますから・・)


また、新たに出たファンドが
○ どのくらいの【純資産額】を集めるのか、
まだ未知数ですよね。

もちろん、信託報酬が安いのは
大きなメリットです。

しかし、

○ 運用会社そのものの規模、
財務基盤はどうなのか?
(これからも大丈夫そうな運用会社かどうか)
ということも重要です。

また、
その『インデックスファンド』が

○ 運用会社の中で、
どんな【位置づけ】になっているのかも
重要です。

あまりにも隅っこのほうに
追いやられているようなら、
ちょっと注意が必要でしょう・・。

(インデックスファンドも
ひとつの「商品」ですから、
ある程度力を入れて、
宣伝してもらう必要があります)

pie-chart.png


それに、
○ 【 販売会社】は多数ありますでしょうか?

(販売会社は少ないより、多い方が
いいですよね。
継続的な【資金流入】が見込みやすいですから。)


それと関連して、
どんな『販売会社』を抱えているかも重要です。

有店舗型の販社が多いのか、
それともネット系の販社が多いのか。


そして、
それぞれの販売会社が
【積み立て】に
どの程度力を入れているかも重要でしょう。

なぜなら、
そのインデックスファンドを
購入する人たちの中で、
積み立ての『比率』が高ければ、

(1回あたりの資金流入量は少なくても)
継続的な『資金流入』が期待できますから。

結果、中長期で見れば、
純資産額が逓増していく可能性が高いのです。


あるいは、
○ その『インデックスファンド』が
単体で新しく出てきたのか、

それともそれなりの本数を伴って
シリーズ」として出されているのか、
これもチェックが必要です。

(『消費者目線』で見れば、
どちらがベターか分かりますね。)


要するに、
その新しい「インデックスファンド」が、
インデックスファンドという
『マーケット』の中で、

【競争】に耐え抜き、
それなりの純資産額を築き、

10年、20年後にも
元気で存在しているのかという、
【長い目で見た目算】をつける必要があります。


極端なことを言うと、
より手数料が安いインデックスファンドが
出てきても、

5年後には『繰上げ償還』されている、
という可能性も、ゼロではないのです。




わたしがなぜこんなお話をするかと云うと、
インデックスファンドも
ひとつの【商品】だからですね。

「そう、ひとつの業界なのです。」

この【業界】を大局的に見た場合、
ふたつの『特徴』があると思います。


1.とても、とても新たしい【業界】

谷中さんは驚かれるかもしれませんが、
わたしは2005年当時、
複数のインデックスファンドを買うために、

ネット銀行、ネット証券、
あと大和証券と、
口座を4つも5つも持っていました。

「いったい何のために?」

ただ、インデックスファンドを
買うために、です。
(それほど、インデックスファンドの
供給が少なかったのです・・)


『インデックスファンド』という
商品そのものは、
もう、30年前からありますが、

『インデックスファンド』が
個人投資家の間で
ひとつのマーケットとして認知され、

そこそこ注目されるようになったのは、
(ここ、大事です)
この、4、5年のことです・・。


話は飛びますが、
今年の秋に、
アメリカの動画配信大手
「Netflix」が日本に参入するらしいですね。

いわゆるネット動画配信という【業界】も、
とても、とても『新しい』です。

わたし自身はhuluを観ていますが、

TSUTAYATVとか、
dビデオとか、U-NEXT、
それにgoogle playもありますし、

You Tubeだって、
本格的な有料サービスを
始める可能性があります。
(あっ、アマゾンも??) 


このように、
新しい【業界】においては、
マーケットそのものが流動的であり、

また、【競争】自体も
始まったばかりであり、
これからマーケットシェアが
どうなるかもまだまだ読み切れません。

CreativeDestruction4.png


意外な『合従連衡』が
起こるかもしれませんし、

「えっ、あの会社が!?」
というような
『異業種参入』があるかもしれません。

(また、その途上で、
さまざまな新サービスが登場したり?)

このように
新しい業界は(よい意味で)
【不確定要素】が大きいものです・・。


・・・そう、
『インデックスファンド』という
業界も、同じではないでしょうか。

2015年の今の時点で、

「コストがもっとも安いのが
Bインデックスファンドだから、
これがベストだ!」と決めてしまう。

これって、
フルマラソンを走る中で、 
「今、5キロ地点通過!
斎藤さんがトップです!」 

だったらゴール地点でも
やっぱり斎藤さんがトップだよね、
と思ってしまうことに似ていると思いませんか?


仮に、谷中さんが
AファンドからBファンドへ、
乗り換えを実行されたとしましょう。

さらにその2年後に、
もっと信託報酬が安いCファンドが登場し、
また乗り換えを行います。

(これまで積み上がったものについて、
Aファンド、Bファンドとも解約せずに
保有しているとすると、)

トータルで保有する『投信の数』が
ずいぶんと多くなりますね。

(他のアセットクラスも同様のことを
行ったとすると・・)


すると、
「現状資産の把握」や、
「リ・バランス」の作業が
煩雑になると思いませんか・・?


そして、
インデックスファンドという
【業界】を見た場合の、
ふたつ目の『特徴』は、

2.需要 < 供給 の状態にある。
ということなのです・・。

【続く。】

似顔絵

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